ソ連軍ISシリーズ

Last-modified: 2022-06-23 (木) 12:32:56

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IS-2 スターリン

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IS-2はISの改良型で1943年に誕生した。
ISはKVに代わる重戦車として期待されていたのだが、搭載砲であるD-5T 85mm砲がT-34に搭載できる(T-34-85)ことが分かってしまい、さらにはクルスクの戦いにおいて85mm砲が期待していたほどの威力を発揮できなかったために重戦車としての立場を失ってしまった。
そこでさらなる大火力によってパンターやティーガーなどの重装甲の戦車を確実に葬り去るため、A-19 122mm野砲を改良して戦車砲にしたD-25TをISの砲塔に搭載したのがIS-2である。
元々A-19(というかソ連の野砲の全体的な傾向だが)は野砲としてはかなりの高初速砲であり、戦車砲への転用は比較的容易であった。(もっともそのまま使えるわけではなく、それなりの改良は必要になる・・・が、IS-122の時点ではほぼA-19そのものだったようだと昔書いちゃったけど実際は砲架や砲身の構造、砲身長など割とA-19とは別物だったようで
砲弾重量が大きいために遠距離への射撃であってもそれなりの威力を維持でき、ティーガーなら1000mから、パンターでも700m程度から車体正面装甲を貫通することができた。
仮に貫通できなくとも当時のドイツの装甲板はニッケル不足によって強度不足となっていたため文字通り「叩き割る」ことが可能であったし、榴弾を用いても爆発の衝撃によって逆側(=車内側)の装甲板表面から金属片が剥離するホプキンソン効果によって内部の乗員を殺傷することで戦闘能力を奪うことができた。
・・・が、本来85mm砲を搭載する砲塔に122mm砲を載せるということは無理を生じさせていた。
車内に搭載できる砲弾は28発と少なく、砲弾重量のために弾薬分離式(砲弾と薬嚢に分かれており、それぞれを装填する必要がある)となり、しかも砲塔内部が狭く、装填手への負担がかなり大きかった。
砲が大型化したことにより仰俯角はそれぞれ20°/-3°とかなり制限されたものとなった。仰角はもともとが高初速・長射程の野砲であったことからあまり問題にはならないが、俯角に関しては最小射程や地形対応能力にかなり悪い影響を与えた。
また、防盾が85mm砲用のままだったため幅が狭く扱いにくいものだったが、これは後により幅広のものへと変更されている(というよりこれはどうも照準器を新型に替えた際に大型化してしまい、結果的に防盾を大型化する必要にかられた、ということらしい)。
このようにさまざまな問題は抱えていたがその圧倒的火力によって対戦車戦闘および陣地突破に威力を発揮し、独ソ戦後期~末期のソ連軍の進撃を支えた車両である。
なお、KVと同様の開閉できる操縦手用バイザーは防御上の欠点となっていたため、1944年以降は車体前面の傾斜が変更されたタイプ(下記のタイプ)が生産された。
また、反動を抑えるため砲にマズルブレーキが取り付けられているが、IS-2はソ連の量産戦車としては初めてマズルブレーキ付の砲を搭載した車両である。


IS-2(新型車体) スターリン

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以前はIS-2Mとも呼ばれていたが、本当の『IS-2M』は大戦終結後に生産されている。1944年7月以降に生産された傾斜装甲を持つタイプのIS-2は単純に新車体型とか後期型とかと呼ばれている。
IS-2に関しては上記の「IS-2」の項目で全て触れているので割愛する。


IS-3 スターリン3

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IS-2の量産が軌道に乗った1944年のはじめ、コーチン技師率いるキーロフ工場第2特別設計局ではさらなる新型重戦車の研究が開始された。この計画は複数のチームによって進められ、このうちの1つによって作られた試作車が「キーロヴェッツ1」であった。
「キーロヴェッツ1」の設計にあたって重視されたのは「可能な限り重量を抑えつつ限られた装甲厚でいかに防御力を発揮させるか」ということであった。被弾率の高い砲塔は円錐に近く、キューポラも廃止されたことで高さを抑えた。車体側面は傾斜を強くし防御力を高めつつ車高を可能な限り低くした。
これらの要素から「キーロヴェッツ1」はIS-2と比べてもかなり高い防御力を得ながら重量はIS-2とほぼ変わらないものとなった。
さて、1944年の夏にソ連軍はドイツ軍の新型重戦車ティーガーⅡと遭遇する。極めて大きな脅威であるこの新型重戦車に対処すべく、ソ連指導部は可能な限り早急に新型重戦車を開発するよう要求した。そして最も早くに量産体制を整えられると判断されたのが「キーロヴェッツ1」であった。
10月31日に「キーロヴェッツ1」をもとにした試作重戦車「オブイェークト703」が完成した。「オブイェークト703」は砲塔がより扁平で背の低い形状となり、側面は空間装甲を採用することで対戦車榴弾への対策とした。
性能調査の結果良好な性能を持つと判断された「オブイェークト703」は制式採用され、「IS-3」と命名された。その後さらに試験を重ねさらなる防御力が必要とされ、1945年4月に車体正面の形状が変更され、2枚の装甲板を組み合わせた楔形となった。これにより正面を向いた状態でも最大限被弾径始を活かすことができるようになった。
ようやく量産が開始されたIS-3は5月には前線部隊への配備が開始された・・・が、ドイツは5月9日に降伏してしまう。IS-3は第二次世界大戦において実戦を経験することはかなわなかった。その後9月にベルリンで行われた戦勝パレードにおいて西側諸国の目の前にさらされ、大きなショックを与えることになった。
IS-3の初めての実戦はハンガリー動乱で、数両が撃破されている。また、第三次中東戦争にエジプト軍の戦車として数十両が参加、イスラエル軍のM48などが持つ90mm砲の弾を弾き返しその装甲の強力さを見せつけるがエジプト軍の兵士の練度の低さが目立ち、そのほとんどが撃破されるか鹵獲された。イスラエルに鹵獲された車両は最終的に砲塔が埋められてトーチカとされている。ソ連でも北方領土などでトーチカとされている。
流石に現代では戦闘に参加できる性能ではないが、1993年頃まではソ連/ロシアでも予備装備として保管されていたらしい。最近だとウクライナ動乱の際にウクライナの人々が展示されていた車両を走らせていた。

 
 
  • 12.7ミリ Dshk車載重機関銃の使い方。 まず、Ctrl + F4を押し、自分が装填手の位置に着く。F4キーのみのクイックチェンジでは不可。 次に、Hキーでハッチを開く。最後に、Ctrl + F5を押すと車外に自動で頭が出て、Dshk車載重機関銃の使用が可能となる。照準器を覗くにはDeleteキー。車内に入るには、もう一度Ctrl + F4を押せば良い。 -- 2014-12-28 (日) 20:39:44
  • 虎2でコイツを撃破する方法を教えてください -- 2015-11-01 (日) 00:18:20
  • 曲面ってバグりやすいのかIS-3自慢の砲塔でありえない場所抜けるところが多くてなんかかわいそう・・・ -- 2016-09-22 (木) 17:47:20

IS-7 スターリン7

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