目次
基本情報
Dovetail Gamesが開発したドイツの路線アドオン。2013年7月25日発売。
2013年9月に提供を開始したTrain Simulator 2014の標準収録路線ともなった。
アドオン名 | Hamburg-Hanover Route Add-On |
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国 | ドイツ |
開発元 | Dovetail Games |
軌間 | 1,435mm |
最高速度 | 200km/h |
電化方式 | 架空電車線方式 |
保安装置 | PZB、LZB |
時代設定 | 現代 |
価格 | 3,980円 |
発売日 | 2013年7月25日 |
販売先 | Steam |
路線解説
実物紹介
ドイツ第二の都市でドイツ最大の港湾を持つハンブルクと、ニーダーザクセン州の州都で見本市で知られるハノーファーの間を結ぶ、ドイツの北と南を繋ぐ大動脈中の大動脈。旅客列車はICEからインターシティ、地域列車に私鉄メトロノーム社の列車が、そして多数の貨物列車が行き交う。多くの駅に通過待避線や貨物側線がある。
ハンブルクの南にあるマッチェン操車場は、総面積280haを誇る欧州最大、世界で2番目に大きい貨車操車場である。その全長は7kmにも及ぶ。
最高速度は1970年代の線路改良で高速化され、200km/hでの運転が可能。1981年には120形電気機関車が時速231km/hの当時世界記録を樹立している。
ハンブルクでは古くよりSバーンが運行されており、第三軌条方式の電車が使用されている。ハノーファーでは2000年の万博を機にSバーンの運行が開始された。こちらは一般鉄道と同じ架線集電となる。
アドオン概要
ハンブルクからハールブルク、リューネブルク、ユルツェン、ツェレ、ランゲンハーゲンを経由し、ハノーファーまでを結ぶ153kmの区間を再現している。
最高速度200km/hの運転区間では、保安装置にLZBを使用できる。貨物列車は最高で130km/hの運転となる。
車両は高速列車のICE2、機関車はお馴染みの高速機101形、そして入換機の294形が標準で付属する。
紹介映像
沿線概況
路線の起点はハンブルク中央駅。西のアルトナ駅からを始発とする長距離列車、南のハノーファー方面、北東のリューベック方面、そして近郊鉄道ハンブルクSバーンの発着する要衝駅である。壮大なドームで覆われ、その端には電気製品メーカー「PHILIPS」のロゴが目立つ。
ハンブルク中央駅を出発すると、エルベ川の中に大規模な埠頭が広がる。多数の専用線が入り組み、エルベ川を渡ってしばらくはSバーン、貨物線と並走しつつ港湾地帯の近くを走る。南エルベ川を渡りSバーンが分かれると、ハンブルク・ハールブルク駅に着く。
ハールブルクを出ると、その先には欧州最大規模の操車場、マッチェン操車場が広がる。マッチェンを過ぎると複線になり、時速200km/hでの運転が可能な区間に入る。この先はリューネブルク、ユルツェンと中規模都市が続く。ユルツェンには私鉄会社「メトロノーム」社の車両基地も置かれている。
ユルツェンから先に進むと、小さな町エシェデを通る。エシェデは1998年にICEが脱線、橋に激突し転覆して101人が死亡する痛ましい事故が発生した地で、沿線にある慰霊碑は本アドオンでも再現されている。
次の都市はツェレ。更に進むとランゲンハーゲン。ここでSバーンが合流し複々線になる。Sバーンの路線の1つはハノーファー空港へ向かっており、単線の短い支線で地下のハノーファー空港駅へ乗り入れている。
複々線区間に入ると建物の数が増えはじめ、市街地に近づく。工業地帯の倉庫街への専用線、そしてフォルクスワーゲンの自動車工場への専用線を横目に、終着のハノーファーへと進んでいく。
車両
ICE 2
1996年に登場したICEの第二世代車両。輸送量の少ない線区にICE網を広げるべく登場した。ICE1の14両編成に対して半分の7両編成となり、編成の動力車も1両だけのプッシュプル編成となった。分割併合にも対応し、ICE1では輸送力過剰になるような路線でも効率の良い運用が可能になった。
最高速度は250km/hだが、制御客車側が先頭に立つ時は200km/hに制限される(制御車の自重が軽く、脱線の危険があるため)。2編成併結時は極力、動力車が先頭を向くよう考慮がなされている。
シーメンス製のVVVFインバーターを搭載し、発車停車時には「ドレミファインバーター」の音階が出る。
TSでのICE2は、単品アドオン「DB ICE 2」(Munich-Augsburg向けシナリオ収録)に次いで2番目の登場となった。実際には本路線にこのICE 2の車両単品アドオンが付属するので、Munich-Augsburg路線のICE 2向けシナリオも追加されることになる。
101形
1996年に登場したインターシティー用高速電気機関車。西ドイツ国鉄時代から活躍する従来の高速機103形の置き換えを目的に、1999年までに145両が製造された。最高速度200km/hでドイツ国内各地の高速旅客列車に使用される旗艦機である。
Munich-Augsburg路線版と同じく、保安装置もSifa、AFB、PZB、LZBの各種に対応する。Rail Simulator時代のアドオンから更新しつつも長きに渡って収録が続く。
本アドオンでは唯一の電気機関車なので、貨物列車の牽引にも頻繁に登場する。塗装も赤だけでなく黒、灰色なども入っている。
294形
1963年にV90形として生産を開始した凸型の入換用液体式ディーゼル機関車。後の形式称号改訂で290形に改番された。1996年に無線操縦装置を設置し、294形に再改番されている。
本アドオンではドイツ鉄道塗装と貨物部門Railionの塗装を収録。101形とともにRail Simulator時代から改良を経て収録が続く。
客車
インターシティー客車を収録。
貨車
40フィートコンテナ2個搭載対応の連接コンテナ車SGGrss型、ほか有蓋車など多数の貨車を収録。
運転操作
シナリオ
8件収録。
- An ICE Cool Morning
- Lower Saxony Regional Stopper
- Southbound InterCity Express
- Northbound Celle Intermodal
- Veddel Southbound Freight
- Diesel Dock Duties
- Night Freight Challenge
- Vans from Vinnhorst
An ICE Cool Morning
冬の寒い朝、ICE 2でハノーファー北方にあるノルトシュタットの車庫より出庫し、ハノーファー中央駅からツェレまでの短距離を運転。
ハノーファー中央駅に入線後、ツェレ方面へは列車の進行方向が変わるので、「Ctrl」+「+」「-」での運転台移動を行う。
Lower Saxony Regional Stopper
101形の牽引する地域輸送旅客列車で、ハンブルク中央駅からユルツェンまで運転。
Southbound InterCity Express
ICE 2の都市間高速列車で、ハンブルク中央駅からハノーファー中央駅まで運転。
Northbound Celle Intermodal
101形重連が牽引するコンテナ貨物列車で、夜間のツェレ駅から北上しマッチェン操車場まで運転。
Veddel Southbound Freight
101形が牽引するコンテナ貨物列車で、ハンブルク近郊フェッデルの貨物側線からウンタールース駅まで運転。
Diesel Dock Duties
294形で、ハンブルク・フェッデルの埠頭周辺の臨港線で貨車の入換を行う。
Night Freight Challenge
101形が牽引するコンテナ貨物列車で、マッチェン操車場からユルツェンまで夜間の運転を行う。
Vans from Vinnhorst
294形でヴィンホルスト駅より有蓋車を連結し、ハノーファー北方のノルトファーフェンへ輸送する。
シナリオはイーザーンハーゲン駅から開始。101形牽引のコンテナ列車の退避線入線と、ICEの通過を待って機関車のみで出発する。
別売アドオン
対応シナリオを含むアドオンは非常に多い。
- Metronom ME 146
- ハンブルクを拠点に運行する民間旅客鉄道会社「メトロノーム」の146形機関車と2階建て客車。制御客車からのプッシュプル運転が可能。
- DB BR424
- 2000年に開業したハノーファーSバーン用の電車。423系をベースに低床ホーム対応で床面高さが低くなり、扉数も2扉になった。空港駅へも乗り入れ。
- MRCE ER20 Eurorunner
- 旧式車両の置き換え用に登場したシーメンス製の電気式ディーゼル機関車、ユーロランナー。出力2000馬力、愛称は「ヘラクレス」。三井グループの車両リース会社「MRCE」の塗装。貨車はZagsタンク車が付属。
- DB BR 411 'ICE-T'
- ドイツ鉄道初の車体傾斜式電車。ICE3と並行して開発された。最高速度230km/h。411系は7両編成。
- MRCE ES 64 U2 'Taurus'
- シーメンスの客貨両用電気機関車、愛称はタウルス。車両リース会社「MRCE」の塗装。
- DB BR111
- 1970年代登場の電気機関車。最高速度160km/h。当初はインターシティー、高速化後は近郊列車に転用された。第三世代の2階建て客車と制御客車が付属。
- DB BR 145
- ドイツで広く見られる中速機関車。ボンバルディア製TRAXX、最高速度140km/h。重量貨物列車向けだが旅客列車も牽引する。姉妹機に旅客用の146形がいる。
- Dispolok BR 189
- シーメンス製の4電源対応重量貨物機関車、ES64F4。形式は189形。スイス乗り入れ対応でパンタグラフを4基備える。
- 車両リース会社Dispolok(シーメンス傘下、後に買収されMRCEに)に売却後の塗装。貨車はコンテナ車で、コンテナは新しい架空ロゴになった。
- DB BR 103 TEE
- 旧西ドイツを代表する高速電気機関車。最高速度200km/hでTEE(Trans Europ Express)の看板機としても活躍した。
- DB BR 605 ICE TD
- ICE-Tのディーゼル版。形式は605系。当初は非電化区間の高速化を目的にドレスデンを拠点に運用されるが、車体傾斜装置の故障で長期間運用を離脱していた。
- 現在はデンマーク国鉄と共同でハンブルクからデンマークへ向かう「渡り鳥コース」の列車として使用される。ベルリン発の列車はユルツェンからハンブルクを経由する。
- DB BR 24?
- 1928年にドイツ国営鉄道が投入した旅客用蒸気機関車。「Steppenpferd」(草原の馬)の愛称で呼ばれる。1970年代まで活躍し引退。
- DB BR 10?
- 蒸気機関車末期の1957年に2両が登場した流線型機関車。本線急行旅客列車として登場したが、ディーゼル・電気機関車に置き換わり10年ほどで引退した。