Somers

サマーズ級嚮導駆逐艦　サマーズ

性能諸元

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

・兵装

・艦艇スキル

ゲーム内説明

8門の砲を備えた駆逐艦の嚮導艦であり、斉射1回あたりの魚雷発射発射数がアメリカ海軍のすべての艦艇の中で最大だった。

解説

本艦は米国海軍最後の嚮導駆逐艦としての設計艦であり、ゲーム内説明にある通り島風が就航するまで当時最大の片舷12射線を誇った。しかし戦後艦が多いTier10帯において戦中ではなく戦前艦、ゆえに軒並みの性能が比較的劣っている。また折角の魚雷攻撃力も島風を始め、岳陽などの雷撃艦にインパクトで劣るため、なかなか目立たない評価が妥当か。

・主砲
米駆おなじみの5in連装両用砲を4基8門搭載。砲配置は艦首部に2基4門、艦尾部にも同様の2基4門と無難な配置をしている。同格のギアリングに対してダメージが同等で門数も1基分多いが、本砲は本来Tier6ファラガット級と似ており、連装砲からか装填時間がギアリングの2倍の6秒とかなり遅い。砲塔旋回速度もファラガットと同じでそこそこ遅く、体感で微妙に扱いづらい。一応、射程はフレッチャー級より少し長いが、同格比較では射程ワースト3位。総じて砲名こそ史実準拠だが、中身はWG調整で威力と射程だけ同格帯に合わせつつ、他はそのままなので結構ちぐはぐな性能である。

・魚雷
本艦の目玉、何故か戦後運用の533mmMk.17魚雷を4連装3基12門と同格2位の射線がある。魚雷の単発ダメージこそ3993と控えめながら、門数で補われて瞬間火力49368はギアリング(45880)を上回っている。そして装填時間が52.50秒と同格では比較的短めなのでDPM56421と島風(53154)を上回る同格1位と、カタログスペック上は非常に優秀である。後述の隠蔽性を活かせば侮りがたい攻撃能力を発揮できるだろう。

但し、航空機にマークされていると雷速の遅さや、射程が9.9kmと微妙に10kmない所が邪魔をして思うような展開に持っていけないのが悩ましい。そういった意味では中速/長射程を手に入れたギアリングの魚雷に対して本艦の魚雷は今まで扱ってきた低速/中射程魚雷に近く、同格米駆で微妙に差別化が行われていた…のであるが「どこかのタイミングで魚雷射程が大幅に向上し、現在では主砲射程を上回る長大な射程」を手に入れた。しかし雷速はそのままなので予測線の通りに魚雷を放っても遠距離の敵には到達までに時間が掛かり過ぎて命中はほぼ見込めない。今まで通り中・近距離での火力を活かす使用方法を続けるか、遠距離に投げる際には「そもそも当たらない」前提で牽制・嫌がらせとして使う事になるだろう。

・対空
本艦の最たる弱点となる大口径対空値0、小口径対空値も僅か『41』しかない。そもそも本砲の最大仰角はファラガット級のMk21 mod1が+85°に対して、たったの+35°と平射砲である。そのため、本艦はTier10では論外な大口径対空砲を持っていない。そして、素の小口径対空値41はTier5ニコラスと同じであり、なんなら向こうは対空仕様の主砲塔のため、本艦の対空能力はニコラス以下と悲惨である。一度でも敵空母に狙われると自衛することは不可能であり、味方戦闘機や味方対空艦に守ってもらう他無い。

ちなみに本艦は1943年の戦中改装前、就航当時の艤装をしており、仮に改装後の姿であれば40mmボフォースが載っているのでマシになったはず。ただし砲塔と魚雷管が1基ずつ減って更に凡庸な姿に...

・装甲
嚮導駆逐艦らしく装甲が強化されている...が、そもそも本艦の前級は未実装のグリッドレイ級とバッグレイ級で、blitz準拠だと前々々級のTier7マハンまで遡る必要があり、たしかにマハンよりかは甲板装甲が+2mm厚くなったが、実質的には史実次級のTier9ベンハムと同じ。ただしギアリングとは異なり舷側装甲が16mmであり、巡洋艦のAPは過貫通しやすいが逆にSAP弾に対しては貫通しやすいのがネック。またデアリングの113mmやハッランドの120mmの砲弾も防げずにダメージを受けやすく、総じて敵駆逐との砲戦は避けたほうが無難だろう。

・機動性
最高速36.95ktはギアリングよりも速く、転舵速度も10.10度/秒とこちらの方が優秀で、ギアリングよりも操艦性能が高くまとまっている。転舵所要時間こそギアリング(3.3秒)の方が短いが、3.53秒と0.2秒差というのは実用上問題はない。意外だろうがTier10最優秀の操舵性をもつデアリングに最も近い機動性を持っており、上述の対空能力の代わりとして、まさしくギリギリで艦攻の魚雷をかわそう。

ちなみに史実ではギアリング級とは異なり高出力機関のため39kt程度の高速性を持っており、実際に本家でも38.6ktの速度に曲がる転舵性があるのでBlitz工廠のガバ調整かな

・隠蔽性
最優秀の隠蔽距離6.24kmは堂々の同格1位である。6.18kmのVampire Ⅱに抜かれてしまい、同格2位ではあるがそれでも優秀である。雷撃運用が主務となる本艦にとって、この隠蔽性は非常に強力な武器となる。さらに迷彩や軍需物資、後述の隠蔽強化を図ると最大5.23kmまで縮めることが可能で、かなり活動範囲が広くなって楽になる。ただ天敵なのが敵艦載機の存在であり、最近では蘭巡の空襲艦載機も飛んでくるため、せっかく隠れていたのに見つかって警戒されては遅い雷速の本艦では戦術がパーとなってしまう。また格下相手に先手を取られる艦がいくつかいるため、マッチ時の敵駆逐艦は確認しておこう。

・生存性
HP18755はハッランドと並び同格駆逐最低の数値である。*1ただ上述の最高クラスの隠蔽と優秀な機動性があるため、雷撃艦運用を考慮した場合の生存性は十分だろう...条件として空母の存在さえなければ、が付く。何度も書いたが、本艦の対空性能は機銃が10門という毛の生えた程度でしかなく、空母マッチでは極端に生存性が低くなる。また艦艇スキルの煙幕装置Ⅱを持っているので、雲隠れを活用して逃げ切りたいが、このマッチ帯ではレーダー艦が少ならからず存在し、未だbot艦混じりの煙幕内発見バグが残っていることもあり、状況次第では全く頼れないことも。くれぐれくも本艦の抗堪性が低いことは頭に入れつつ立ち回ろう。

・消耗品
雷撃艦の運用をすべく「高品質石炭」「高級船員食糧」「改良型ディーゼルエンジン」を推奨。

・艦艇スキル/艦長スキル
日駆と似た雷撃艦のスキルを持っており、特にエンジンブーストⅠがあるので咄嗟の離脱や急行時に42.5ktもの高速性を発揮することが可能である。スキル回数も4回あるので、使い勝手が良いのも非常に嬉しい。これに加えて米駆十八番の発煙装置Ⅱ、また雷撃艦らしく魚雷装填Ⅰによる最大16本の魚雷攻撃が可能と、艦長の運用次第で輝けるバランスとなっている。

艦長スキルとしては米駆ツリーの艦長をそのまま載せるだけで問題ない。対空警戒を持たない本艦にとってレベルⅣ対空防御専門家が無用になってしまうが、代用スキルが軒並み微妙なこともあって特に気にならないだろう。

・装備

• 兵装　主砲改良Ⅰ or 無し
  • どうしても砲塔旋回性が微妙なため主砲改良Ⅰを搭載すれば、ほんの少しマシ(18°/s)になる...が、本艦は雷撃艦の運用がベストであり、そう考えるとあまり他の装備の選択肢が浮かばないのが筆者の考えである。たとえば魚雷発射管改良Ⅰをせずとも本艦はそこまで遅くないため、あまり必要性を感じない。ただでさえTier10艦の装備が高額のため、あえて何も載せないという選択肢もアリ。

• 防御　推力改良Ⅰ or 操舵装置改良Ⅰ
  • 本艦の機動性は悪くないため、どちらを上げても長所を伸ばすことにつながる。個人的には加速度を上げるとエンジンブーストのある本艦と相性が良くおすすめ。一方で転舵性を上げると同格最優秀のデアリングの素性能に並ぶほど更に良くなるため、敵艦攻の進路を乱しつつ避けやすくなり、後述の適正で隠蔽システム改良Ⅰを選択するならば選んでも良い。

• 適正　隠蔽システム改良Ⅰ or 操舵装置改良Ⅱ
  • 雷撃艦運用をするなら隠蔽性を上げたほうが更に行動範囲が増えて戦術の幅を広げることができる。特に魚雷射程が平凡ということもあり、できれば隠蔽性を強化したい。ただ、空母マッチしたときに狙われる可能性を考えると隠蔽特化するより転舵性を上げてバランス型雷撃艦にするのも選択肢として入る。その場合、上述の防御は推力改良Ⅰを選んだほうが扱いやすくなる。

・エリート特性
　・新型砲撃照準器　主砲射程+4%
　・新型魚雷　魚雷ダメージ+3%、魚雷浸水発生率+7%
　・功績　EXPアップ+10%
　→難しいが新型魚雷の方が門数ある分だけ恩恵がある。主砲射程はそもそも性能が微妙なこともあり、強化すれば射程平均ほどには伸びるが、それでも装填時間が足を引っ張るので何とも言えない。

・総論
本艦は、そもそも設計思想がマハン級(片舷8門)、グリッドレイ級・バッグレイ級(片舷8門門)、史実は次級だがblitzは前級のベンハム(片舷8門)と重雷装駆逐艦の系譜があったことで、日本の雷駆に近しい存在である。そのうえで、米駆の良好な機動性を有しつつギアリングよりも速い足回りがあり、ギアリングの操作性に耐えられない艦長にも扱えるレベル。また主砲こそ島風クラスだが、カタログスペック上は優秀な魚雷を搭載しつつ、雷速と射程に米国らしいところが垣間見れる。加えて最高クラスの隠蔽性能をもつが、一方で米駆にしては悲惨通り越して笑えない対空性能も無視できない。このように単発魚雷性能はアメリカ仕様のため爆発力はそこそこだが、最後までうまく継戦すれば無視できない戦績を叩き出すことができる。

とはいえ、航空母艦の種類が増えた現状に対駆最強戦艦に加えて、従来通り敵巡や砲駆に対して弱いことは明らかである。総じてバランス雷駆だが、時代遅れということもあって尖りきらずの調整を受けて、微妙な評価が妥当である。当然だが初心者にはオススメできず、またTier10プレミアム艦は高額なこともあるので尚更乗り手を選ぶだろう。

戦闘名誉章

史実

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