外向的感情(Fe)と内向的思考(Ti)の葛藤、折衷、そして統合
ISFJの青年期における課題は、 第二の心理機能である 外向的感情(Fe) と第三の心理機能である 内向的思考(Ti) のバランスを取ることにあります。
他者との結び付きや協力関係を大切にするか、 それとも、雰囲気に流されることなく物事を客観的に見つめ、 効率性や理論的一貫性を追求するか。 その間で葛藤が生じます。
これら二つの心理機能のどちらが優位に働くのか、 それは時と場合によって違ってきます。 はじめから、両方共、うまく統合させて働かすことはできません。 その場その場で、うまく使い分けることになります。
概ね外向的感情の方がよく働きますが、 一人でいるときや内省的なときは、 内向的思考の方がよく働くことになるでしょう。
どちらか一方の働きが強くなりすぎて、その良くない面が影響してしまうことがあります。 実際は、この二つの心理機能はバランスを保って共同して働かせることで、統一した認識に至ります。
外向的感情の働きによって、人間どうしの結び付きを強く感じ、絆を大切にしようとします。 人にまつわる記憶を手繰り寄せ、細やかな気遣いを行い、その場に相応しい振る舞いをし、ときに 熱心に面倒を見ることで周囲の人たちに調和と安寧をもたらします。
人々が困窮した状態にあったり、 抑圧された状況にあったりしたら、 なんとかしなければならないと思うでしょう。
ISFJは人間関係における責任感と思い遣りが強く、 周囲の人間に対しては奉仕の精神を持って行動します。 大きなことをしようとするよりも、小さなことからコツコツと丁寧な仕事を重ね 人々との信頼関係を深めてゆこうとします。 皆がそうすれば、世の中はもっとよくなると思うかもしれません。
絆や協力関係を大切にする思いが強すぎると、 悪い人間関係を断ち切ることができなかったり、 過度に責任を負うことになって損をしてしまうこともあるようです。 さらには、自分を守ることを忘れ自己犠牲的になってしまうことがあります。
ISFJ自身はある程度はそれでも良いと思うかもしれません。 しかし、自分自身が困窮した状態に陥ることがあれば、 誰でもそこから抜け出すために自分を第一に考えなけれなならなくなることでしょう。
平常時における人間関係では、ただ受け取るだけであったり、 ただ与えるだけであるような一方的な関係は 好ましくないことに気がつくでしょう。
なので、進んでボランティアをしようとする人たちに対しても、 過度な自己犠牲は求めるべきではないと考えます。 人間の性質上、それは長続きしないことを経験から学ぶからです。 一人一人の経済的、物質的援助が必要であり、休息が与えられるべきであると考えるでしょう。
このように、ISFJの関心は人間や人間関係に向けられますが、 どのようにして不和や対立を解消し平和を保つべきか、 どのようにして困っている人を助ければ良いのか ということに対しては冷静で理論的に考えます。
小さな気づきを重ねるごとに、全体像が少しづつ明らかになってゆくように、 ひとりひとりが身近な人間との関係を健全に保つことで、 その良い影響が少しずつ広がり、世の中が改善されてゆくことを期待することができるでしょう。