概要
試製対空戦車 タセは、1941年(昭和16年)3月に日本陸軍が開発した対空戦車である。制式化はされなかった。
BR・Tier
項目 | 数値 |
---|---|
Tier | 1 |
BR | I |
車両性能
項目 | 数値 |
---|---|
乗員(人) | 3 |
最高速度(km/h) | 49.69 |
砲塔旋回速度(°/C) | 40 |
俯角/仰角(°) | -10 / +85 |
リロード速度(秒) | 3.0 |
車体装甲厚 (前/側/後/底)(mm) | 16/12/10/10 |
砲塔装甲厚 (前/側/後/上)(mm) | 12/12/10/9 |
エンジン出力(rpm/hp) | 2100/111⇒△△ |
重量(t) | 7.2 |
武装
名称 | 搭載数 | 弾薬数 | 貫徹力 (前/側/後)(mm) | |
---|---|---|---|---|
主砲 | 九八式二十粍高射機関砲 | 1 | 400(API-T:200,HEFI-T:200) | △△ / △△ / △△ |
解説
特徴
九八式軽戦車の車台に、単装の九八式二十粍高射機関砲を砲塔形式で搭載した対空戦車であり、砲塔はオープントップで歩兵の肉薄や航空機の機銃掃射、砲撃の至近弾等の脅威に常にされされる為、慎重な運用が求められる。
1枚目が指揮官がハッチから身を乗り出した時の視界、2枚目が指揮官席の視界、3枚目が照準時の見え方、4枚目が運転手席の視界となっている。
【火力】
武装は主砲の20mm対空機関砲のみ
対空機関砲なので直進性や弾速については申し分ない。変な角度がついていなければ、かつある程度の近距離ならM2戦車やM13自走対空砲をハチの巣にできるだけの火力と貫通力はある。当然歩兵相手なら(当たれば)細切れにできる。
しかしあまりにも少ない装弾数と長いリロード時間のせいで弾幕を張り続けるのは不可能、対空戦車ではあるが対空戦闘には不向きであるし対地もやることがない時間が多い。
さらに後述のように防御に難があるため、悠長に狙っていられない。
【装甲】
砲塔は天井がなく2人は頭が見えているため、普通に歩兵銃で撃ち抜かれる。歩兵が砲塔によじ登った日には、砲塔の二人は銃剣で八つ裂きにされ火炎瓶や白リンで地獄と化す。
車体正面は戦車の装甲なので小銃ぐらいははじき返すが、対戦車ライフルには余裕で抜かれ、敵の75mm砲の普通榴弾にも蹴散らされ、さらには機関銃分隊の工兵が設置する重機関銃にも抜かれる危険性がある。
幸い砲塔の二人はそこまでむき出しではないので正面装甲を信じて常に動きながら射撃し狙撃する隙を極力減らす努力が必要である。
【機動性】
軽戦車の車体なだけあってそこそこ軽快に動ける。陣地転換にはほとんど困らないだろう。
【総論】
対空射撃もできる20mm機関砲の威力と機動力はそこそこあるが、装甲が無いに等しいため、頻繁に陣地転換し、火力を投射する運用が必要となる。
その為、そこまでしても弾持ちの悪さで活躍するのは絶望を極め、正直な所、貴重な車両枠を取る割に弱く、活躍させることが困難な為、乗らないのも一つの選択肢だろう。
史実
試製対空戦車 タセは、1941年(昭和16年)3月に日本陸軍が開発した対空戦車である。制式化はされなかった。
概要
試製対空戦車 タセ:九八式軽戦車の車台に、単装の九八式二十粍高射機関砲を砲塔形式で搭載した対空戦車。
射撃試験の結果、地上に据砲して射撃する場合と比べ、公算誤差が2倍となっていることが判明した。また俯仰のしやすさをより容易にすること、射角と砲手の姿勢を対応させる必要などが明らかになった。ほか、機能的に問題はなかった。
その後
1943年(昭和18年)3月の試験結果で不採用が決定された。照準の簡略化と命中精度の低下、発射速度の増大ができないことが上げられた。総合的に、装軌車上に牽引式の機関砲を搭載する方に実利があるとするものであった。
小ネタ
豆知識
「タセ」という略符号は「対空戦車」の意味ではなく、
「単装機関砲搭載戦車」の意味である。
出典/参考文献
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