サルベージ2

Last-modified: 2020-04-06 (月) 17:45:02

geocities
ハリポタ邦訳改善運動
sankou.htm

1巻・賢者の石

s-1-1
原文:"SILENCE!"(UK版P32)
邦訳:「だまらっしゃい」(P58)
試訳:

   ダーズリー氏のセリフ。緊張感がない。

s-1-2
原文:"Scuse me,"(UK版P36)
邦訳:「ごめんなさいまっし」(P65)
試訳:

   ホテルの女主人のセリフ。

s-1-3
原文:"Er - OK,"said Harry.(UK版P70)
邦訳:「うーん……オーケー」(P141)
試訳:「はい……ありがとうございます」

   プラットフォームの行き方をモリーに教えてもらったハリーの返事。
   イギリスでは「OK」でもいいのかもしれないが、日本で「OK」は目上のモリーに対して失礼では?
   (その言動に対して「本当にお行儀がよかった」とモリーは評した)

s-1-4
原文:"Is he always that nervous?"
邦訳:「あの人、いつもあんなに神経質なの?」(5章P108)
試訳:「びくびくしてるの?」「おどおどしているの?」

   「神経質」というとピリピリしていて潔癖症な感じで使われるイメージがある。
   もっとも、前後の文章でクィレル先生のドモリっぷりや態度でビビリなんだということがわかるからいいんだが。

s-1-5
原文:Professor Quirrell,in his absurd turban,
邦訳:バカバカしいターバンを巻いたクィレル先生(7章P187)
試訳:おかしなターバン~

   11才の男の子が抱く感想としては『おかしなターバン』『へんてこなターバン』のほうが自然だと思われる。

s-1-6
原文:stopped by an excellent move by Gryffindor Keeper Wood(UK版P137)
邦訳:ウッドが素晴らしい動きで、ストップしました。(P271)
試訳:

   クディッチでのリーの中継。
   普通に「とめる」でいい。ストップってウッドの動きが止まったみたい。

s-1-7
原文:(UK版P137)
邦訳:「ジョンソン選手、突っ走っております。~(略)~マーカス・フリントが取って走る
    ~(略)~エイドリアン・ピュシーがゴールに向かってダッシュしています。」(P272)
試訳:

   飛んでるのに、「走る」とか「ダッシュ」とか地上をイメージさせる表現はおかしいと思う。

s-1-8
原文:"I'm not trying to be brave or anything,saying the name,"(UK版6章P75)
邦訳:「名前を口にすることで、勇敢なとこをみせようっていうつもりじゃない…」
試訳:「勇気があるって自慢してるわけじゃない」

   11才の男の子は勇敢とはあまり言わない。勇気があるとかカッコよくみせるとかのが合ってると思われる。

s-1-9
原文:Hermione stood up, her crossed fingers in her mouth, as Harry....(UK版P164)
邦訳:「ハーマイオニーは立ち上がり、指を十字に組んだまま口に食わえていた。
    (13章P326、クィテッチの試合中)
試訳:

   イギリスでcross fingersっていうのは、人差し指の上に中指(同じほうの手)をちょうど足のひざを組むような感じに組み合わせて十字を作る・・・・
   つまり、そこにミニ十字架を作ることで「神様に願い事」のおまじないみたいなやつなんだけど、多分ハーマイオニーはすごく必死になってたから、そうやった指をそのまま口にくわえちゃってたんだと思う。ほら、すごく緊張して何かを必死に見てるときって指を口にくわえたり爪かんだりしない?十字に酌んだ指をそのまま口にいれちゃうぐらい、ハーは
   必死だったと・・・・。
   それにしても指を十字に組むっていうと、右手の指と左手の指で十字架を作ってるみたいな印象にもなるね。むずかしい訳ではあるが。
   「食わえた」ではなく「咥えた」のほうがよかったんでは?

s-1-10
原文:"I think I know who that one's from," said Ron,
    going a bit pink and pointing to a very lumpy parcel.(UK版P147)
邦訳:「ロンが少し顔を赤らめて、大きなモッコリした包みを指さした」(12章P293)
試訳:

   クリスマスの朝。
   a very lumpy parcelはウィーズリー夫人が送ってくれたクリスマスプレゼントのセーター。
   「ひどくかさばった包み」や「でこぼこした包み」が適切だと思われる。
   「ロンが少し顔を赤らめて、大きなモッコリした」←ここだけ読むとなんかエロ

s-1-11
原文:Hermione had stopped drawing attention to herself in class,(UK版P179)
邦訳:ハーマイオニーはみんなの注目を引くのをやめ、~(15章)
試訳:

   『注目』だったら『集める』。引くなら『注意』。

s-1-12
原文:Harry pulled a wizard cracker with Fred and it didn't just bang,
    it went off with a blast like a cannon and engulfed them all in
    a cloud of blue smoke, while from the inside exploded a rear-admiral's
    hat and several live, white mice.
邦訳:「大砲のような音をたてて爆発し、青い煙がモクモクと周り中に立ち込め、
    中から海軍少将の帽子と生きた二十日ねずみが数匹飛び出した。」(12章P297)
試訳:

   クリスマスパーティ。
   原文は青い煙と白いねずみの対比が鮮やかで目の前に浮かぶようだね。
   海軍少将の帽子は何色か知らないけどやっぱり青かな。
   邦訳ではなぜかねずみの色が書いてないのでこのシーンの鮮やかさが伝わってこない。
   ハツカネズミって白に限らないと思うし、白ってちゃんと書けばよかったのに。
   クリスマス・クラッカーの中には、ジョークや簡単な謎々が書かれた紙と、ペラペラの紙で作った帽子(これはクラッカー開けた人がクリスマスディナーの間中、かぶるのがお約束)、それになにかもうひとつガラクタみたいなおもちゃがはいってるのがイギリスではお決まり。
   それが魔法界ではおもちゃじゃなくって、ホンモノの帽子と生きたネズミたちが飛び出してきた、ってことだと思う。
   だから訳し方は間違っていないが注釈などがないため、イギリスの習慣を知らない日本人には情景が浮かんでこない。

s-1-13
原文:At last, a great crunching noise announced Hagrid's return.(UK版P186)
邦訳:やっとバリバリというものすごい音が聞こえ、ハグリッドが戻ってきた。(P374)
試訳:

   禁じられた森のシーン。
   ハグリットが踏んだ枝を折れたのか、枝をかき分けて来る音だと思われるが、それならバキバキのほうが適切だと思われる。

s-1-14
原文:"If my father knew I was doing this, he'd -"(UK版P182)
邦訳:「もし僕がこんなことをするってパパが知ったら、きっと……」(15章P366)
試訳:

   ドラコの台詞 。父上では?fatherなら父かな?

s-1-15
原文:"Oh, sorry,"(UK版P60)
邦訳:「おや、ごめんなさい」(5章P119)
試訳:「ああ、悪かったね」

   ドラコ初登場シーンのドラコの台詞。子供っぽくない。
   坊ちゃんはやんごとない高貴なお生まれで我々下賎の者とは感覚が違うので、おばさんくさいわけではないと思います。多分…。

s-1-16
原文:"What?" Harry turend around - and saw, quite clearly, what.(UK版119)
邦訳:「え?なに?」ハリーは振り返った、そしてはっきりと見た。「なに」を。(9章P236)
試訳:「何?」ハリーは振り返った-そしてしっかり、はっきりと『それ』を見た。

   三頭犬のフラッフィーを初めて見たシーン
   2箇所のwhatを「なに」と訳したんだろうけど、「なに」を見たって不自然では?
   「なにか」「それ」などのほうが自然だと思うのですが。

s-1-17
原文:"Which way did they go, Peeves?""Quick, tell me."
    "Say “please”."
    "Don't mess me about, Peeves, now where did they go?"
    "Shan't say nothing if you don't say please,"
    "All right - please,"
    "NOTHING! Ha haaa! Told you I wouldn't say nothing if you didn't say please!
    Ha ha! Haaaaaa!"(UK版P119)
邦訳:「どっちに行った?早く言え、ピーブス」
    「『どうぞ』と言いな」
    「ゴチャゴチャ言うな。さあ、連中はどこに行った?」
    「どうぞと言わないなーら、なーんにも言わないよ」
    ピーブスはいつもの変な抑揚のあるカンにさわる声で言った。
    「仕方がない-----どうぞ」
    「なーんにも!ははは。言っただろう。『どうぞ』と言わなけりゃ
    『なーんにも』言わないって。はっはのはーだ!」(9章P235)

   直訳すぎ。「『お願いします』と言いな」くらいにして欲しい。

s-1-19
原文:"No," said Harry flatly, "we've done enough poking aroud."
    He pulled a map of Jupiter towards him and started to learn the names of its moons.
    (UK版15章P181)
邦訳:「だめだ。僕たち、もう十分に探りを入れ過ぎてる」
    ハリーはきっぱりとそう言い切ると、木星の星図を引き寄せ、
    木星の月の名前を覚えはじめた。(15章P363)
試訳:

   moonは、ここでは月じゃなくて衛星のことでしょう。
   日本語の「月」にも衛星の意味はあることにはありますが、一般的ではないですよね。
   「星図」も 「「天球を一つの平面状に投影して、天体の位置や明るさを現わした図。恒星図。」(広辞苑より)」ですから、map of Jupiterも「木星の星図」なんて無理矢理訳さずに、普通に「木星の図」ぐらいでいいのに。

s-1-20
原文:"Light-speedy -"(UK版113)
邦訳:「身軽だし…すばしこいし…」(9章P224)
試訳:「軽いヤツは…速いし…」

   マクゴナガル先生が連れてきたハリーを見たウッドのセリフ。
   どうして見ただけで身軽とかすばしこいとかわかるのか?
   この前にハリーが思い出し玉をキャッチした様子をマクゴナガルが伝えているのでウッドに身軽ですばしこいと思われてもおかしくはないのだが、それにしてもハリーの体型に言及しながら動きを決めつけるのはやや不自然。
   想像するにウッドはハリーの痩せた軽そうな身体を見てたしかにスピードがありそうだと予想しているだけではないか?

s-1-21
原文:...the Basilisk flees only from the crowing of the rooster,
    whitch is fatal to it.(UK版P215)
邦訳:バジリスクにとって致命的なものは雄鶏が時をつくる声で、
    唯一それからは逃げ出す(P427)(携帯版訂正後)
試訳:

   致命的=1.命にかかわるさま、命を失いかねないさま「―な傷を負う」
     2.損害や失敗などが、取りかえしがつかないほど大きいさま「―な痛手を受ける」「―欠陥」
   つまり「命にかかわるような傷や打撃」のことを致命的と形容するのはいいが「傷や打撃を与えるもの」を致命的とはいわない。
   この場合は「バジリスクに致命的なダメージを与えるのは~」などとすべきで日本語としておかしい。
   「バジリスクにとって致命的なのは(ハードカバー)」からわざわざ携帯版で変更したのに変更後も文法が間違っていては意味がない。

s-1-22
原文:Order of Merlin, First Class(UK版p42など)
邦訳:マーリン勲章、勲一等(4章P80)
試訳:マーリン勲章の勲一等

2巻・秘密の部屋

s-2-1
原文:a heavy blow
邦訳:(フライパンが)ヘビーブローをかけてきた(P17)
試訳:強烈な一撃

   投げやりなカタカナ表現。

s-2-2
原文:"Shouldn't we try and help-"(UK版P106)
邦訳:「助けてあげるべきじゃないかな…」(P207)
試訳:「助けてやるべきじゃないかな…」

   石にされたミセスノリス。「助けてやる」が正しい日本語。この誤用は最近けっこう問題になってるんだが。

s-2-3
原文:"It's very boring, having to listen to the silly little troubles
    of an eleven-year-old girl,"
    "I was sympathetic, I was kind."(UK版P228)
邦訳:「十一歳の小娘のたわいない悩み事を聞いてあげるのは、まったくうんざりだったよ」
    「同情してあげたし、親切にもしてあげた。」(P454~455)
試訳:「小娘の悩み事を聞いてやるのは…」「同情してやったし、親切にもしてやった」

   リドルの台詞に多発する「してあげる」。
   ジニーを「小娘」と馬鹿にしているなら「してやった」などのほうが適切。

s-2-4
原文:"Ginny! Don't be dead. Please don't be dead!"
邦訳:「ジニー!死んでいちゃだめだ!お願いだから生きていて!」
試訳:ジニー!死んじゃだめだ!頼むから死なないでくれ!」

   「死んでいちゃだめだ」というのは日本語としてひどく不自然に感じる。
   携帯版では「ジニー!死んじゃだめだ!お願いだから生きていて!」に訂正されてる。

s-2-6
原文:"and then Dad came home and said you'd got an official warning
    for using magic in front of Muggles..."(UK版P24)
邦訳:「そしたらパパが家に帰ってきて、君がマグルの前で魔法を使ったから、
    公式警告状を受けたって言うんだ……」(3章P38)
試訳:

   「受ける」のは警告で、警告状は「送られ」たり「もらっ」たりするものでは?

s-2-7
原文:"What's the good of that if I'm not in the house team ?"(UK版P42)
邦訳:「寮の選手に選ばれなきゃ、そんなの意味ないだろ?」(4章P76)
試訳:

   ボージン&バークスで。ドラコは親に向かって「~だろ」みたいな口きくのか?
   ハリーやクラ&ゴイと話してる時には「父上がおっしゃるには~」みたいに敬語になってるのに。

s-2-8
原文:We would also ask you to remember that any magical activity
    which risks notice by members of the non-magical community
    (Muggles) is a serious offence, under section 13 of the International
    Confederation of Warlocks' Statute of Secrecy. (UKペーパー版P21)
邦訳:『念のため、非魔法社会の者(マグル)に気づかれる危険性がある魔法行為は、
    国際魔法戦士連盟機密保持法第十三条の重大な違反となります。』 (2章P33)
試訳:

   ハリーに届いた警告状の最後の一文
   念のため につながる言葉がないので、読んでいて落ち着かない。
   そもそも公式文書に『念のため』という言葉が出てくるの時点で不自然に思えるのですが、
   あえてつなげるなら、 『念のため申し上げますが、非魔法社会の者...(以下同文)』

s-2-9
原文:“Dizzy and bruised,covered in soot,he got gingerly to his feet"(US版P49)
邦訳:「クラクラ、ズキズキしながら、煤だらけでハリーはそろそろと立ち上がり」(4章P74)
試訳:

   たまに指摘がある、『一文の中に擬態語を使いすぎてる』の例。

s-2-10
原文:All he could tell was that he was standing in the stone fireplace of
    what looked like a large,dimly lit wizard's shop―(US版P49)
邦訳:わかったことといえば、ハリーは石の暖炉の中に突っ立っていたし、
    その暖炉は、大きな魔法使いの店の薄明かりの中にあった―(4章P74)
試訳:唯一わかったのは、自分は石の暖炉の中に突っ立っており、
     その暖炉は大きな魔法使いの店の薄明かりの中にあるということだった―

   「わかったことといえば」に対し、文末が対応していません。

s-2-11
原文:"In that case, perhaps we can return to my list,"said Mr.Malfoy shortly.(US・P52)
邦訳:「それならば、私のリストに話を戻そう」マルフォイ氏はびしっと言った。(4章P79)
試訳:

   “びしっと"に違和感。何か軽い。
   「びしりと言った」「ぴしゃりと言った」の方が良いのでは。

s-2-12
原文:...his golden hair shining unde...(US版P89)
邦訳:金色に輝くブロンドの髪に、(6章P132)
試訳:

   そりゃあもちろん、ブロンドの髪は金色に輝くでしょうよ…

s-2-13
原文:"That Lockhart's something, isn't he?"(US版P94)
邦訳:「ロックハートって、たいした人ですよね?」(6章P138)
試訳:

   なぜジャスティンは、同じ年のハリーに丁寧語で話す?

s-2-14
原文:...said Wood, positively spitting with rage.(US版P110)
邦訳:怒りで唾を飛び散らしながらウッドが叫んだ。(7章P163)
試訳:

   「唾を飛び散らせながら」が自然な日本語では?

s-2-15
原文:"Slytherin, according to the legend, sealed the Chamber of Secrets so that…"(US版P151)
邦訳:「その伝説によれば、スリザリンは『秘密の部屋』を密封し、(略)」(9章P225)
試訳:「『秘密の部屋』を封印し、(略)」

   『秘密の部屋』が真空パックされてる…。

s-2-16
原文:A haze of greenish smoke was hovering over the scene.(US版P192)
邦訳:緑がかった煙が、あたり中に霧のように漂っていた。(11章P286)
試訳:

   「あたり中」に違和感があります。普通に使う表現ですか?

s-2-17
原文:And everyone who read Sonnets of a Sorcerer... (US版P230)
    それとか、『魔法使いのソネット(十四行詩)』を読んだ人はみんな、(略)(13章P343)
試訳:

   会話文の中に突然出現する(十四行詩)。注釈付けないのが自慢じゃなかったっけ?

s-2-18
原文:...he kept close to Harry, who could feel him quivering.(US版P274)
邦訳:すねっ子のようにハリーにぴったりくっついている。(15章P406)
試訳:

   野生化した車におびえるファングですが、それにしても「すねっ子」って初めて聞きました。
   すねっ子が「拗ねっ子」ならむしろ近づいてこない気が…。

s-2-19
原文:“Remember," Harry said quietly as they walked cautiously forward, …(US版P302
邦訳:「みんな、いいかい」そろそろと前進しながら、ハリーが低い声で言った。(16章P444)
試訳:

   相手はロンとロックハートの二人だけなのに、「みんな」と呼びかけるのは変。

s-2-20
原文:said Ron, who was carefully looking anywhere but at the window,(UK版P117)
邦訳:窓だけに目を向けないように→窓だけには目を向けないように(9章P231)
試訳:

   携帯版にて訂正。

s-2-21
原文:Quidditch pitch(UK 83p他)
邦訳:ピッチ(2巻他)
試訳:

   クィディッチの「競技場」や「グラウンド」をなるべく「ピッチ」にしようとしているらしい。
   原文のとおりだけどクィディッチ・ピッチというのはさすがにカタカナ語として苦しいような。
   ピッチと競技場について、原文と比較してみたところ、携帯版では、pitch→ピッチ、stadium→競技場、と訳語の統一がなされている。(P158だけは、「クィディッチ競技場」のまま(原文はQuidditch pitch)(訂正し忘れ?))
   ちなみにハードカバーでは、かなりめちゃくちゃ。
       pitch(UK版p83,85,86)→競技場(p158,159,162,163,164)
       pitch(UK版p84,87)→グラウンド(p161,167)
       stadium(UK版p84,85,87)→競技場(p161,166)
       stadium(UK版p87)→グラウンド(p167)

s-2-22
原文:"I'm not running around after him trying to make him grow up!"(UK版)
邦訳: 「僕、ロンのあとを追いかけ回して、あいつが大人になるのを手助けするなんて真っ平だ!」
     (上18章P448)

試訳:

   友人にむかって「大人になるのを手助けする」というのは、かなり唐突に感じる。

s-2-23
原文:"He tells me he knows a tiny little bit about duelling himself and... "(UK版P142)
邦訳:「スネイプ先生がおっしゃるには、決闘についてごくわずかご存知らしい。」(P282)
試訳:「先生ご自身も決闘についてはほんのちょっとばかりご存知ということで」

   「ごくわずかご存知らしい」なんて日本語聞いたことがない。

s-2-25
原文:"jumped-up Granger Mudblood"(UK版P166)
邦訳:「身のほど知らずのグレンジャー・ハーマイオニー」(12章P331~332)
試訳:

   jumped-up=思い上がる。
   携帯版では「穢れグレンジャー」(P331)に変更。どうしてどちらかが欠けるのか…。

s-2-26
原文:said Riddle pleasantly.(UK版P228)
邦訳:リドルが愛想よく言った。(17章P454)
試訳:

   pleasantly=愉快に, 楽しく;愛想よく;気に入って。
   1巻のときと違って秘密の部屋でのリドルってハリーに愛想よくする必要ないと思う。

3巻・アズカバンの囚人

s-3-1
原文:"Love from Hermione"
邦訳:『友情をこめて』
試訳:『元気でね』

   ダーズリー家にいるハリーのところに届けられたハーマイオニーからの手紙の結び。
   意味的には間違いないが10代の女の子の書く手紙としてはあまりに不自然。
   もうすこしカジュアルでいいのでは?

s-3-2
原文:"Your dad doesn't know why Fudge let me off, does he?"(UK版P47)
邦訳:「ファッジがどうして僕のことを見逃したのか、君のパパ、ご存じないかな?」(P74)
試訳:

   間違いじゃないけど、子供同士の会話で相手の親のことを敬語で言うのは自然じゃない気がする。

s-3-3
原文:"Still looks like ill, doesn't he?"(UK版P175)
邦訳:「ルーピンはまだ病気みたい。そう思わないか?」(P307)
試訳:「また具合が悪いみたい」「また調子悪いらしい」

   満月前後のルーピン。

s-3-4
原文:"She deserved it,""She deserved what she got."(UK版P28)
邦訳:「当然の報いだ」「身から出た錆だ。」(P42)
試訳:「自業自得」

   ハリーが膨らましちゃったマージおばさんの表現

s-3-5
原文:saucer
邦訳:お茶受け皿
試訳:「(犬は)私の皿から飲むよ」

   マージとお茶を飲むシーン

s-3-6
原文:unbreakable braking charm
邦訳:「ブレーキ力が大ブレークします」(4章)
試訳:

   ファイアボルトの商品説明の最後。…うーん。

s-3-7
原文:"There's a Boggart in there."
"So, the first question we must ask ourselves is, what is a Boggart?"
    "It's a shape-shifter,"
    "Couldn't have put it better myself,"(UK版P101)
邦訳:「中にまね妖怪――ボガートが入ってるんだ」
    「それでは、最初の問題ですが、まね妖怪のボガートとは何でしょう?」ルーピン
    「形態模写妖怪です。」ハーマイオニー
    「わたしでもそんなにうまくは説明できなかったろう」ルーピン(7章P175)
試訳:ルーピン「この中にはボガートが入っているんだ。
    では問題です、ボガートとは何でしょう?」
    ハーマイオニー「はいっ形態模写妖怪 です」
    ルーピン「すばらしい 私でもそんなにうまく説明できなかっただろう」

   まね妖怪とはなんでしょうと聞いたら誰でも答えられると思う。

s-3-8
原文:"Shocking business...Shocking...miracle none of them died...
    never heard the like...by thunder, it was lucky you were there,Snape..."
    "Thank you, Minister."
    "Order of Merlin,Second Class, I'd say. First Class,if I can wangle it!"
    "Thank you very much indeed,Minister."
邦訳「言語道断……あろうことか……誰も死ななかったのは奇跡だ……
    こんなことは前代未聞……いや、まったく、スネイプ、君が居合わせたのは幸運だった」
    「恐れ入ります、大臣閣下」
    「マーリン勲章、勲二等、いや、もしわたしが口やかましく言えば、勲一等ものだ」
    「まことにありがたいことです、閣下」 (21章)
試訳:

   スネイプとファッジの会話。
   原書だとThank youだけなのが、邦訳だとスネイプがファッジにやたらと謙っている感じがするような。

s-3-9
原文:then words began to blossom across the top, great, curly green words,
    that proclaimed: (UKペーパーバック版P143)
邦訳:そして、一番てっぺんに、花が開くように、渦巻型の大きな緑色の文字が、
    ポッ、ポッと現れた。(携帯版P274)
試訳:

   4人組の名前と忍びの地図を宣言する言葉が現われる場面。
   このgreat, curly green words は「いくつかの大きなねじれた緑色の単語」って意味だと思う。
   引用部分の直後の文は挿絵モドキになっていて、なるとみたいな渦巻模様を背景に「ムーニー、ワームテール……」となってるけどイメージちがうんじゃないかな。
   渦巻き型じゃ単語が読めないのでちょっとカールさせすぎ。句点多すぎ。

s-3-10
原文:That was the final straw for Severus.
邦訳:「セブルスはそれでプッツンとキレた」(22章P553 )
試訳:

   原語はロバの背にいくらでも荷物を載せていってたら、最後は藁の1本を載せても潰れるという例え。
   「我慢の限界を超えたんだ」あるいはちょっと古臭いが「堪忍袋の緒が切れた」くらいでよいのでは?
   ルーピンの落ち着いたキャラクターが台無し。

s-3-11
原文:…they were too busy heaving all their trunks down the Leaky Cauldron's
    narrow staircase and piling them up near the door, with Hedwig and Hermes,
    Percy's screech owl, perched on top in their cages.(UK版P57)
邦訳:「漏れ鍋」の狭い階段を、全員のトランクを汗だくで運び出して出口近くに積み上げたり、
    ヘドウィグやら、パーシーのコノハズクのヘルメスが入った籠をそのまた上に載せたりと、
    何やかやでそれどころではなかったのだ。(3巻5章P93)
試訳:「漏れ鍋」の狭い階段からやっとの思いで全員のトランクを下ろし、
    ヘドウィグやエルメス ―パーシーのコノハズク― が入った鳥かごと一緒に
    ドアの近くに積み上げたりするのでとても忙しかったのだ。

   文頭と文末がうまくつながってない。「狭い階段を~(略)~何度も往復した」 「狭い階段を~(略)~降りた」など、階段をどうしたかの説明がないため、まるで階段を運び出したように取れる。
   原文には「何やかや」にあたる言葉はない。邦訳はなんだか余計な言葉をはさんで文を長くしているような感じがする。

s-3-12
原文:…and by the time they hit the ground again, Wood didn't make a single criticism to make,
    which, as George Weasley pointed out, was a first.
    "I can't see what's going to stop us tomorrow!"(UK版P189)
邦訳:みんなが地上に降り立つと、ウッドは一言も文句のつけようがなかった。
    ジョージ・ウィーズリーが、そんなことは前代未聞だと言った。
    「明日は、当たるところ敵なしだ!」(13章P331)
試訳:皆が再び地上に降りたったとき、ウッドは一言も文句を言わなかった。
    こんなことは初めてだとジョージ・ウィーズリーが言った。
    「明日は向かうところ敵なしだぞ!」

   文頭と文末がうまくつながってない感じ。こそあどの使い方もなんか妙。
   何故「当たるところ敵なし」?
   「一言も文句のつけようがなかった」という表現ももたついている。
   「前代未聞」というのも不祥事のときとかに良く使われる言葉でここにはふさわしくないように思う。

s-3-13
原文:You couldn't help trusting Albus Dumbledore,(UK版P71)
邦訳:アルバス・ダンブルドアは誰もが自然に信用したくなる気持にさせる。(5章P121)
試訳:アルバス・ダンブルドアは信頼せずにはいられない人だ。

   「誰もが自然に信頼したくなる人だ」でもいいけれど。
   「信用したくなる気持ちにさせる」というのは日本語としてありえない。

s-3-14
原文:"Yeah," said Malfoy, putting on a brave sort of grimace. (UK版P95)
邦訳:「ああ」マルフォイは勇敢に耐えているようなしかめっ面をした。(7章P162)
試訳:マルフォイはいかにもけなげに耐えているという様子で渋面をつくってみせた。

   バックビークにやられた傷をおおげさに痛がってるシーン。
   痛みに勇敢に耐える、という意味が分からない。

s-3-15
原文:said Malfoy, in a tone of mock sorrow. (UK版P95)
邦訳:マルフォイは悲しむふりが見え見えの口調だ。(7章P164)
試訳:芝居がかった調子で言った。 (マルフォイのセリフが「気の毒に~」で
    始まるから「悲しそう」などを使わなくても意味は伝わるはず)

   マルフォイがハグリッドに同情するようなセリフをいったシーン。
   もちろん本気じゃないし本気を装うつもりもない。ハリーたちをからかうのが目的でばかげた言い方をしているはず。
   「悲しむふりが見え見え」ではわざとばれる芝居をしているのがわかりにくい。

s-3-16
原文:Messers Moony, Wormtail, Padfoot and Prongs
    Purveyors of Aids to Magical Mischief-Makers are proud to present(UK版P144)
邦訳:われら「魔法いたずら仕掛人」のご用達商人がお届けする自慢の品
試約:我らはムーニー、ワームテイル、パッドフット、プロングズ
    魔法のトラブルメーカーのためのお助け道具の調達人
    ここに自信をもって提供する~ (10章P249)

   Purveyors=調達人、御用商人 / Aids=お助け道具
   Magical Mischief-Makers=魔法のトラブルメーカー
   are proud to present=自信を持って提供する
   一番最初のMessersはMrの複数形の書き言葉で社名の前に用いることも多い。
   4人組はいたずらグッズの会社を気取り「魔法のいたずら小僧たちの御用商人(調達人)」といっておどけているのだろう。
   でも日本語で「ご用達商人」と言ってしまってはわかりにくい。

s-3-17
原文:"Where is everyone?" said Harry.
    "Gone! It's the first day of the holidays, remember?" said Ron, (UK版P158)
邦訳:「みんなはどうしたの?」
    「いなくなっちゃった!今日は休暇一日目だよ。覚えてるかい?」(11章P276)
試訳:「帰ったよ!今日から休みだもの、知ってるだろ?」

   「いなくなった」だなんてなにその怪事件?
   Goneの次には本当ならhomeが続くと思われる(普通の会話でそれを簡単に「Gone」というのはよくある言い方)。
   ロンが心配半分、からかい半分で言ってる感じもするので後半は「忘れたのかい?」とかでもいいかもしれない。

s-3-18
原文:and now, because of her interference, he didn't know whether
    he would ever see it again. (UK版P173)
邦訳:いまはハーマイオニーのお節介のおかげで、もう二度とあの箒に
    会えるかどうかさえわからない。(12章P304)
試訳:もう二度とあの箒を見ることはないかもしれない。

   「もう二度と」と「会えるかどうか」がつながるのは変だと思う。
   直訳して変な日本語ができたんだろうな、と原文を見て納得。

s-3-19
原文:Anti-Dementor lessons(UK版P174)
邦訳:吸魂鬼防衛術の練習―(携帯版P350)
    *1
試訳:吸魂鬼から身を守る練習

   「~を防衛する」「~に対して防衛する」とするのが普通。
   これでは吸魂鬼を防衛する術の練習って意味になっちゃわないか?

s-3-20
原文:"Detention, Weasley,"(UK 129)
邦訳:「罰則だ。ウィーズリー」(携帯版P246)
    (「処罰だ。ウィーズリー」(P224から変更))
原文:"...we need to arrange your detention"(同上)
邦訳:「処罰の仕方を決めねばならん」(携帯版P225)
    (「罰則の仕方を決めねばならん」(携帯版P247) )

   ハーマイオニーをかばってスネイプに口答えをしたロンが「罰を与える」と言い渡される場面。
   罰則ってのは「法規に対する違背行為の処罰を定めた規定」(広辞苑)であって、「仕方を決め」たりするものではない。
   Detentoinっていうのは学校で使われる場合、普通は放課後の居残りみたいな意味らしいが、ロンはこの後、病棟のおまるを掃除するという罰を与えられるので「居残りだ」としたらおかしくなる。
   「ウィーズリー、罰を与えてやる」「どんな罰にするか決めねばならん」でもいいし、訂正前の訳のままでもよかった。
   どうしてわざわざ携帯版で間違った日本語に変えてしまったのか。不思議なことをするものだ。

s-3-21
原文:scrubbed table
邦訳:洗い込まれた白木のテーブル(P158)
試訳:丁寧に使い込まれたテーブル

   ハグリッドの小屋。ほかにもロンの家の台所(3章P51)ハグリッドの小屋の中(7章P169)で登場。
   scrub=たわしやブラシみたいなものを使ってゴシゴシこすりながらきれいにすること。
   本当に水をかけて洗う人もいるらしいので誤訳では無いが、日本語として考えると違和感がある。
   作者は清潔に使っている感じを強調させたかったのではないかと思われる。

4巻・炎のゴブレッド

s-4-1
原文:"I heard -that awful boy -telling her about them-years ago,"
邦訳:「あのとんでもない若造(ジェームズ)が--あの姉(リリー)に~」
試訳:

   原文を読んだ限り「あの恐ろしい男の子が…姉さんに~」って感じで
   むしろペチュニアも少女の頃の自分に戻って言ってるような印象があるが、邦訳だと「亡くなって若いころの印象で止まってるとはいえ年上の男性に若造?」とおかしな感じがする。

s-4-2
原文:"It is too 'eavy, all these 'Ogwarts food"
邦訳:「オグワーツの食事重すぎまーす」
試訳:「ボリュームありすぎマス」

   「heavy=重い」は直訳しすぎという意見と、調理法含めての脂っこくてカロリーが高そうな感じが出ていていいという二つの意見に割れている。

s-4-4
原文:"They don't make them like that at Hogwarts!"(UK版P223)
    "They make them OK at Hogwarts,"
邦訳:「ホグワーツじゃ、ああいう女の子は作れない!」
    「ホグワーツだって、女の子はちゃんと作れるよ」
試訳:「ホグワーツじゃ女の子はああ(魅力的に)はならないよ!」
    「ホグワーツの女の子だってそう悪くはないさ」

   この場合のmakeっていうのは英語によくあるただの言い回しで
   本当に「作る」という意味で使われてるわけじゃないけど。
   (もちろんロンはジョークで女の子をモノ扱いした言い方をしてるけどね)
   こういうのは直訳だと変だからもっと意訳でもいいと思う。
   それからここでのハリーのThey make them OK のOKっていうのは
   「いい」よりは「まあまあ」っていう意味合いが強い。

s-4-5
原文:she seized Fred and George and pulled them both into
    such a tight hug that their heads banged together
邦訳:「おばさんはフレッドとジョージをつかんで、思いっきりきつく抱き締めた。
    あまりの勢いに、二人は鉢合わせをした。」(上P227)
試訳:「あまりの勢いに、二人は頭をぶつけた」

   モリーにギュッと抱きしめられて頭がゴッツンコしたのを鉢合わせと表現するのはおかしい。
   鉢合わせ=頭をぶつけるの意味もあるがひねらずに普通に「頭をぶつけた」でいいんじゃないかと思う。

s-4-6
原文:"well...bye then,"
邦訳:「それじゃ…さよなら」(上4章P73)
試訳:「ええと…それじゃ」

   ワールドカップに行く前、ダーズリー一家に対してのハリーの台詞。
   イギリスには「行ってきます」に相当する言葉がなく出かけるときに「Bye」と言うのは普通のこと。
   これを「さよなら」と訳すのは直訳すぎではないだろうか?

s-4-7
原文:"He wants to see you"
邦訳:「お父さんのためにもがんばるのよ」(34章)
試訳:「お父さんもあなたに会いたがっているわ」

   無意味な意訳。

s-4-8
原文:"We're friends. She's not my girlfriend and she never has been."(UK版P480)
邦訳:「ハーマイオニーはいま僕のガールフレンドじゃないし、
    これまで一度もそうだった事はない」 (28章)
試訳:「僕らは友達だよ。ハーマイオニーはとはつき合ってるわけじゃないし
    以前つき合っていたこともないんだ」

   英語のガールフレンドはステディな彼女のことだというのも日本では浸透しきってないと思うし、わかりにくい訳だと思う。

s-4-9
原文:it caused him another pang to imagine Ron's expression
if he could have heard Hermione talking about Wonky Faints.(UK版P278)
邦訳:ハーマイオニーがウォンキー・フェイントと言うのを聞いたら、
    ロンがどんな顔をするかと思うと、胸がキュンと痛んだのだ。(上19章P489)
試訳:

   ハリー→ロンの感情の表現。色んな意味でラブコメ禁止。

s-4-10
原文:reading the look on Harry's face
邦訳:ハリーの顔を読んで、シリウスがつけ加えた。(27章)
試訳:

   顔を読むという日本語は不自然。

s-4-11
原文:"I might remind you that your pincushion, Thomas, still curls up
    in fright if anyone approaches it with a pin!"(UK版P205)
邦訳:「お忘れではないでしょうね、トーマス、あなたの針山は、何度やっても、
    だれかが針を持って近づくと、怖がって、丸まってばかりいたでしょう!」(上15章P363)
試訳:

   マクゴナガル先生がディーン・トーマスに言う台詞。
   still curls upと現在形でマクゴナガル先生は喋ってるから「あなたの針山と来たら、未だに恐怖に怯えて丸まるのよね!」という意味では?

s-4-12
原文:announced(UK版8)
邦訳:逮捕されたと言い放った(P7)
試訳:

   リドル家の料理人がフランクが逮捕されたことを知らせに来たシーン。
   「言い放った」っていうとなんかニュアンスが違うというか、まるで吐き捨てたような感じがします。
   料理人がそういう言い方をしたことをにおわすような記述はどこにもないんだから普通に「知らせた」「伝えた」のほうが原書のイメージに近いのでは?

s-4-13
原文:"I have NOT got tears in my eyes!"(UK版269)
邦訳:「僕、目に涙なんかない!」(P474)
試訳:

   あまりにも直訳。
   前の文でQQQが、「~涙が溢れた。」と勝手に書いているので「涙なんかあふれてません!」とか「僕は泣いてません!」とかもっと自然なしっかりした口調で否定させたらいいのにと思いました。

s-4-14
原文:leaving their firesides。(UK版8)
邦訳:家の炉端を離れ(P7)
試訳:

   イギリス人にとってfiresidesといったら暖炉。
   いくら田舎の村人だって、家に炉端はないっす。中世じゃないんだから…。
   まるで日本の田舎の古い農家みたいな…。

s-4-15
原文:Frank had come back from the war with a very stiff leg(UK版8)
邦訳:「戦争から引き揚げてきたとき、片足が強ばり…・」(P7)
試訳:

   これじゃあ、まるで戦争から引き揚げてきた後で片足が強ばったみたいに聞こえませんか?
   「片足が不自由になって戦争から引き揚げてきた」、あるいは、「戦争から引き揚げて来た時、フランクの片足は不自由になっていた」でしょう。
   「片足が強ばり」ってのも直訳過ぎますよね。

s-4-16
原文:"at this very moment"(UK版P13)
邦訳:「いまこのときこそ」(上1章P14)
試訳:

   なんかおかしい。クイディッチ・ワールドカップ開催に向けて、魔法省の役人たちが警戒態勢を強化しているってことを言ってるだけなんですが。
   もしかして、at thisって言い方が強調を表してると勘違いして、訳の方も「こそ」なんて強調したの?
   とにかくこの文章、最初から最後まで続けて読むと、日本語としてへんですね。

s-4-17
原文:and found himself pralysed with fright.(UK版17)
邦訳:「フランクは恐怖で金縛りになった」(P22)(
試訳:

   paralysedを「金縛り」と訳してしまうのが適当かどうか、ってのはとりあえずおいとくとして。
   金縛りって「なる」ものじゃなくって、「あう」ものですよねぇ?
   普通、「金縛りにあう」って言うと思うんですが…。広辞苑さんもそう言ってます。

s-4-18
原文:threashold
邦訳:「敷居をまたいだ」(P23)
試訳:

   敷居ってすごくニッポンチックな気が…。
   っていうか、「敷居をまたぐ」って動作が…・。
   原文のthreaholdを「敷居」と訳してしまったので、日本的まなーとしては「またいで」しまったんでしょうが、threasholdって部屋と部屋の境目だけど、またぐほどの高さはないんですが…・。普通、まわりのフロアと同じレベルです。

s-4-19
原文:"you"(UK版P18)
邦訳:「おまえ様」(上1章P24)
試訳:

   フランクが「俺様」と話してるシーン。フランク→俺様の呼びかけ方。
   自分を「俺」と呼ぶ人(=フランク)が相手を「おまえさま」と呼ぶ、というのがなんともちぐはぐな気がしませんか?
   おまえというのはもともと「御前」という丁寧な呼びかけ語なので、それにさらに様をつけた「おまえさま」は、アリだとは思う。が、ハリーポッターの世界観とは合わない気がする(時代劇になってしまう)。
   フランクには「わし」という人称を使って欲しかった。
   ダンブルの「わし」をフランクに!(あ、ダンブルは「俺」じゃなくて、「私」でお願いします)

s-4-20
原文:and the whole of Little Hangleton had seethed with
    shocked curiosity and ill-disguised excitement.(UK版P7)
邦訳:リトル・ハングルトンの村中が、
    ショックに好奇心が絡み合い、隠し切れない興奮で湧き返った。(上1章P6)
試訳:

   「興奮を隠し切れないかのように騒ぎたてた。」

s-4-21
原文:Nobody wasted their breath pretending to feel very sad about the Riddles, (UK版P6~7)
邦訳:だれ一人としてリドル一家のために悲しみにくれるような無駄はしなかった。(上1章P6)
試訳:

   ふつうに「悲しみにくれるようなことはしなかった」じゃダメなんでしょうか?
   日本語としてとってもヘン。

s-4-22
原文:three apparently healthy people did not all drop dead
    of natural causes on the same night.(UK版P8)
邦訳:当たり前に健康な三人が、揃いもそろって一晩にコロリと逝くはずがない。(上1章P7)
試訳:

   前後の文体と、状況のダークさの中で、突然と「コロリと逝く」って表現、浮いてます。

s-4-23
原文:gardener
邦訳:庭番(P7)
試訳:

   これって普通、「庭師」って訳しませんか? 「庭番」なんて江戸時代の忍者みたい…。

s-4-24
原文:"when he was a kid..."(UK版P9)
邦訳:「あいつがガキのころ」(上1章P9)
試訳:

   ドットって女の人なのに、粗野すぎ。

s-4-25
原文:A team of doctors
邦訳:医師団(P9)
試訳:

   間違いじゃないけど、こういう場合、ただの「医師たち」でいいんじゃ?「医師団」って大げさ。

s-4-26
原文:as though determind to…(UK版P9)
邦訳:死体に…と決意したかのように(上1章P9)
試訳:

   直訳すぎ。日本語版カッコ内まとめて「(なんとかして遺体の異常さを 指摘するかのように」では?

s-4-27
原文:amidst a cloud of suspicion
邦訳:疑いがモヤモヤする中(P10)
試訳:みんなの疑いが晴れないまま

   cloudをモヤモヤと訳したのですね。直訳すぎ。

s-4-28
原文:
邦訳:「リドルの館に次に住んだ家族の…(から続く4行)」(P10)
試訳:

   文章の途切れ方、順番が原文そのまま。
   翻訳者としてのなんの工夫もじられず、読みにくいです。
   もちろん原文に忠実じゃないといけないけど、日本語として不自然なら(意味が変わらない限り)多少はアレンジしても許されるんですよ…。

s-4-29
原文:run-down cottage in the Riddle
邦訳:屋敷内のボロ小屋
試訳:

   「屋敷」って言葉は敷地も含む広義での使われ方もするけど、こういう場合はふつう「敷地内」って言いませんか?
   まるでお屋敷の建物の中にボロ小屋が建ってるみたいです。
   「in the ground of the Riddle House」はちゃんと「敷地内にある(P10)」になってる。

s-4-31
原文:Salesmen were Apparating every few feet,(UK版P85)
邦訳:行商人がそこいら中にニョキニョキと「姿現し」した。(上7章P144)
試訳:

   ニョキニョキっておかしくありませんか?
   ニョキニョキ現れるのは普通植物系ですよねw

s-4-32
原文:They could hear the sounds of thousands of people(UK版P87)
邦訳:何千人もの魔法使いたちのさんざめきが聞こえた。(上8章P148)
試訳:

   「さんざめく」なら使うと思うが、「さんざめき」のように名詞形で使うだろうか?

s-4-33
原文:"When you've both put your eyes back in," said Hermione briskly,
    "you'll be able to see who's just arrived."(UK版16章P223)
邦訳:「お二人さん、お目々がお戻りになりましたら」ハーマイオニーはキビキビといった。
    「たったいまだれが到着したか、見えますわよ」(上P392)
試訳:「ふたりとも、そろそろ視線をもどしてみたら」ハーマイオニーはキビキビといった。
    「たった今、誰が到着したかわかるわよ」

   皮肉をこめて嫌味っぽく言ってるのはわかるが14歳の女の子にしては年寄りくさいし、日本語としてもなんとなく落ち着かない。

s-4-34
原文: Next, tell me what's always the last thing to mend
    The middle of middle and the end of end?
邦訳: 二つ目のヒント。だれでもはじめに持っていて、
途中にまだまだ持っていて、なんだのさいごはなんだ?
試訳:

   スフィンクスのなぞなぞ2問目。正解「だ」。
   「途中にまだまだもっていて」ではクイズとしてきちんと成り立ってない気が…。

s-4-36
原文:Once a fine-looking manor, and easily the largest and grandest building for miles around,
    the Riddle House was now damp, derelict and unoccupied.(UK版P7)
邦訳:その近辺何キロにもわたってこれほど大きく豪華な屋敷はなかったものを、
    いまやぼうぼうと荒れ果て、住む人もない。(ハードカバー初版五刷上1章P6)
試訳:~屋敷はなかったが、いまでは見る影もなく荒れ果てて、住む人もいない。

   原文ではOnceとnowが使われているんだから、「かつては~だったが、今では~である。」とでもすればよかったのでは。
   「ものを」は後に「ものの」に変更。

s-4-37
原文:He lowered his good, shook out a long mane of grizzled, dark grey hair, (UK版163 )
    The stranger sat down, shook his mane of dark grey hair out of his face, (UK版164 )
邦訳:男はフードを脱ぎ、馬の鬣(たてがみ)のような、長い暗灰色まだらの髪を~(12章P287)
    男は席に着くと暗灰色の鬣をバサッと顔から払い除け、(12章P288)
試訳:

   ムーディー登場シーン。
   mane=ライオン、馬のたてがみ。
   馬のたてがみの意味もあるから誤訳とは言い切れないが、映画のムーディーを見るとライオンのほうをイメージして書かれたと思われる。
   またP288に「たてがみをバサッと顔から払いのけ」とあるが、あくまでムーディーの髪は「たてがみのような髪」であって「たてがみ」ではない。流れを理解していれば分かることだろうが、読者に不親切と言える。

s-4-38
原文:"...almost at Harry's eye level, was a gigantic blackboard...(略)....
    it was flashing advertisements across the pitch."(UK版P88)
邦訳:ちょうどハリーの目の一煮(?)、巨大な黒板があった。…(略)
    それがピッチの右端から左端までの幅で点滅する広告塔だとわかった。(8章P149)
試訳:

   【黒板】
   原文も確かにblackboardだけど、日本語で黒板って書くと学校にある黒板を連想する。「巨大な黒い掲示板」では?
   【広告塔】
   原文の感じだと、横長の電光掲示板みたいなもの。そこに透明な巨人の手で書かれてるように光った字が現れては消える。
   「広告塔」というと縦長の「塔」みたいな建造物を思い浮かべる。
   引用されたふたつの文の間に
   Gold writing kept dashing across it as though an invisible
   giant's hand was scrawling upon it and then wiping it off again;
   waiching it, Harry saw that......ってありますよね。
   それで...it was flashing advertisements across the pitch のitは
   厳密に言えば掲示板でも塔(?)でもなく、金色の文字(Gold writing)では
   ないかと思い「それは競技場を横切る光の広告文だとわかった」とか
   訳してもいいかもしれないと思ったのですがどうでしょう?
   邦訳ではその広告文がページの下部の変な囲みの中に入っているので
   とてもイメージしにくいですが、原書ではイタリック体で普通に書かれて
   いるので夜空を横切る光の文字列がすっと浮かんできて楽しいですよね。

s-4-39
原文:"I will not pretend to you that I didn't then fear that I might
    never regain my powers."(UK版P568 )
邦訳:「二度と力を取り戻せないのではないかと恐れたことを隠しはすまい」(下33章P455)
試訳:「我が力は二度と戻らぬかもしれぬ、そう恐れたことを隠しはすまい」

   直訳しすぎ。

s-4-40
原文:decided to return to his master.
邦訳:「(この男は)ご主人様の下に帰ろうと決心したのだ」
試訳:「自分の主人の下に戻ることを決意したのだ」

   ヴォルデモートがデスイーターたちにワームテールの行動を説明してる台詞。
   原文のhisを削ってしまったために、ヴォルが自分で自分のことを「ご主人様」と呼ぶハメになってしまった。
   意訳するなら「我が配下(僕)に戻る決意を固めたのだ」かな。

s-4-41
原文:impostor
邦訳:ペテン師(下巻35章P494-495)
試訳:

   ダンブルドアが偽ムーディ(クラウチjr.)をダンブルドアがそう呼んでいた。
   ダンブルドアに安っぽい言葉を使わせないでほしい。
   意訳するなら「まがい物」。人間扱いもされないクラウチ息子。

s-4-42
原文:"The Yule Ball is of course a chance for us all to - er - let our hair down,"
    "But that does NOT mean,"
    "that we will be relaxing the standards of behaviour we expect from Hogwarts students."(UK版P337)
邦訳:「クリスマス・ダンスパーティーは私たち全員にとって、もちろん――コホン――
    髪を解き放ち、羽目を外すチャンスです」
    「しかし、だからと言って」
    「決してホグワーツの生徒に期待される行動基準を緩めるわけではありません。」(4巻下22章P41)

試訳:

   ダンパ前のシーンで、マクゴナガルの発言。
   let one's hair downで、打ち解ける・くつろぐという意味になるらしい。
   映画では「羽目を外すチャンスです」みたいに、逆の事を言っていた。

s-4-43
原文: "you did not conquer him----and now----I conquer you!"(UK版P589)
邦訳: 「ハリー・ポッター、おまえはあのお方を征服してはいないーーー
    そしていまーーー俺がおまえを征服する!」 (35章P491)
試訳:

   原文のconquerをそのまま「征服」と訳してるけど、別にハリーはヴォルデモートを征服したなんて思ってないし、「打ち負かす」のほうがよかったのではないか? 
   この時、クラウチJrがハリーをどうしようとしてたのかは不明だけど、もし殺さずにヴォルの元に連れて行こうとしてたのなら後者は「服従させてやる」でもいいかもしれない。
   とにかくこの状況で「征服」という言葉を使うのはへん。
   深い意味を考えずに辞書に載ってた単語を当てはめないでほしい。こういうエロゲありそう

s-4-44
原文:The class backed away. They all looked unnerved.(UK版P501)
邦訳:クラス中が、気を挫かれたように後退りした。(下29章P344)
試訳:教室の皆はぎょっとした様子で後ずさった

   トレロー二ーの授業中、ハリーが悪夢を見て倒れた後のシーン。
   unnerved=「怖気づいた」「狼狽した」
   「気を挫かれる」はガッカリさせられた、「何かをしろうとやる気になっているのに、その気をそがれる」みたいな意味でニュアンスが違うのでは?

s-4-45
原文:a dozen of chicken legs(UK版P451)
邦訳:「鳥の足十二本(下P246 )
試訳:

   シリウスに持ってく差し入れ用の食べ物をハリーが用意してるところ。
   いくら犬の餌(違う)だからって…せめて「鶏の足」とか「鶏の骨付きモモ肉十二本」とか「チキン」とか…。

5巻・不死鳥の騎士団

s-5-1
原文:"REMEMBER MY LAST, PETUNIA"
邦訳:『私の最後のあれを思い出せ、ペチュニア』
試訳:

   原作の厳格なイメージぶち壊し。
   ダンブルドアからの手紙なのに「私」    

s-5-2
原文:"lucky, ha!"
邦訳:「ラッキー?ヘ!フ!ハッ!」(3章)
試訳:

   迎えにきた騎士団メンバーに「ダーズリー達が出かけててラッキーだった」と言ったハリーにトンクスが返した台詞。
   日本の子供達のあいだではきっと明るくておもろいネーチャンと認定されたことだろう。
   「ha!」はバカにしたような「ケッ!」というか「フン!」。
   谷川俊太郎訳の「ピーナッツ(スヌーピーの原作)」ではそのまま「ハ!」

s-5-3
原文:"Um..."said Cho.(UK版P170)
邦訳:「あン…」チョウが口ごもった。(上10章P300)
試訳:

   エロす。

s-5-4
原文:"Look after yourself, Harry"
邦訳:「元気でな、ハリー」
試訳:「身体に気をつけるんだぞ」

   クリスマス休暇が終わってGP12番地から学校に帰るときシリウスがハリーにかけた言葉。
   友達ではないんだから保護者らしいセリフにしてほしかった。

s-5-5
原文:"You're going to pay,"(UK版P750)
邦訳:「つけを払うことになるぞ」(下P668)
試訳:「覚えとけよ」

   5巻最後近くのドラコの台詞(?)
   (5巻P522にもケンタウルスの台詞「つけを払わなければならない」とあるのでどうやら翻訳者クオリティの模様。罪を償うのが合ってる。)

s-5-6
原文:"Harry, I'm begging you, please!"said Hermione desperately.(UK版P648)
邦訳:「ハリー、後生だから!」ハーマイオニーが必死で言った。(下32章P490)
試訳:

   詰まるのはその一昔の表現方法だ。現代の女の子がそんなこといわねーって思っただけで物語から締め出される。

s-5-7
原文:"could you come down to the kitchen?"(UK版P457)
邦訳:「厨(くりや)に下りてきてくれる?」(下24章P157)
試訳:

   モリー→ハリー。「台所」か「キッチン」では駄目なのだろうか?

s-5-8
原文:moneybag
邦訳:巾着(上9章250P)
試訳:財布

   無罪になったハリーが泉にお金を投げ入れるシーン。
   15歳の男の子が巾着を持ってるのって変な気がするんだけど、moneybagって財布じゃいけないもの?
   確かに形状は袋なんだろうけど。

s-5-9
原文:"It's the Potter boy's head in the fire,"(UK版P652)
邦訳:「ポッター坊主の頭が暖炉にあります」(下32章P497)
試訳:

   そんなに無理やり訳さないでもいいと思う。

s-5-10
原文:"Fought'em off, did you, son?"(UK版P36)
邦訳:「追っ払ったんだな?え、坊主?」(上2章P59)
試訳:

   ダドリーがディメンターに襲われた所。
   全部バーノンからダドリーへの台詞なんだけど、
   親バカの親が自分の息子のことを「坊主」と呼ぶものだろうか?
   「腕白小僧」とか「悪戯小僧」とかいう言い方はするけど…。
   ちなみにハリーのことは「小僧」(原書ではboy)。
   途中でどっちを指しているのか分からなくなって、邦訳は読んでいて少し混乱した。
       「坊主、どうした?」(上2章P44) "What is it, son?"(UK版P28)
       「坊主、だれにやられた?」(上2章P44) "Who did it, son?"(UK版P28)
       「坊主、続けるんだ」(上2章P52) "Go on, son,"(UK版P32)
       「坊主、どうして転んだりした?」(上2章P53) "How come you fell over, son?"(UK版P33)

s-5-11
原文:Atrium
邦訳:「アトリウム」「アトリウム階」
試訳:

   魔法省のシーンで何度も出るくる単語。
   アトリウム、すぐわかる人は少なそう。
   天井に穴が開けてあって日光が入る作りの部屋のことだったかな。

s-5-12
原文:"But I am quite used to students poking fun at my death, I assure you!"(UK版189)
邦訳:「しかし、私の死を愚弄する生徒がいることには、この僕(やつがれ)、慣れております!」(上11章P334)
試訳:

   ニックの台詞。古い。
   やつがれ 0 【▽僕】 (代)
   〔「奴吾(やつこあれ)」の転。古くは「やつかれ」〕一人称。
   自分自身をへりくだっていう。上代では男女ともに用いた。
   「亦―憂へまうす所なり/日本書紀(安閑訓)」
   〔近世には、男性がやや改まった場で用い、明治以降は書生言葉などで用いられた〕

s-5-13
原文:"In your admirable haste to ensure that the law is upheld,"(UK版137)
邦訳:「大臣は、法律を擁護せんとの情熱黙(もだ)しがたく」(上8章P240)
試訳:

   ダンブルドアの台詞。
   ニックは大昔の人だから言葉が大仰で古臭くてもいいけど
   ダンブルドアはいきなりどうしたんだろうって感じ。
   なんでそんなに古文調にしたがるんだろう。
   特に「黙しがたく」なんて日常聞かないと思う。
   (参考)
   もだ・す 2 【▽黙す】 (動サ五[四]) 〔「黙(もだ)」の動詞化〕
   (1)ものを言わない。だまっている。黙(もく)する。 「姫の思ひ給はん程のおぼつかなくて―・しつ/即興詩人(鴎外)」
   (2)何もせずにそのままにしておく。黙過する。 「げにも山門の訴訟は―・しがたし/平家 1」 もだしがた・い 【▽黙し難い】
   (連語)
   だまって見ていられない。黙過できない。そのままにしておけない。 「懇請―・い」

s-5-14
原文:"Forget it,"said Harry dismally.(UK版P466)
邦訳:「ほっとけよ」ハリーは悄気(しょげ)きって言った。(下24章P173)
試訳:

   普通にひらがなで“しょげきって"でいいじゃない……
   わざわざ見慣れない漢字での表現をしたがる意図がわからない。

s-5-15
原文:Herry's heart leapt.(US版P47)
邦訳:ハリーは心が躍った。(上3章P78)
試訳:

   ルーピンの声を聞いたハリー。
   「ハリーの心は躍った」でもいいけど単に喜んでるんじゃなくて聞き覚えのある声にドキンとしてうれしかったのであるから「ハリーの胸が高鳴った」なんてどうかなあ。

s-5-16
原文:Mrs Figg,wringing her hands.
邦訳:フィッグばあさんは手を揉みしだいた。(2章)
試訳:怒って両手に拳を握りしめた。

s-5-17
原文:"I don't believe it," said Phineas brusquely.(UK版728P)
邦訳:「信じられん」フィニアスがぶっきらぼうに言った。(下巻P628)
試訳:「私は信じんぞ」

   シリウスが死んだことを聞かされて、フェニアスが去り際に残した一言。

s-5-18
原文:Harry Potter's appearance did not endear him to the neighbours,(UK版P7)
邦訳:こんな格好のハリー・ポッターが、ご近所のお気に召すわけはない。(上1章P6)
試訳:

   なんかおかしい。

s-5-19
原文:the low grumble of traffic on the road(UK版P15)
邦訳:低くゴロゴロと聞こえる車の音(上1章P20)
試訳:

   車の音はゴロゴロではないと思う。

s-5-20
原文:said Lupin, as though he had read Harry's mind; the corners of his mouth
    twitched slightly.(UK版P50)
邦訳:ルーピンが、ハリーの心を読んだかのように、口の両端をひくひくさせながら言った。(上3章P84)

試訳:

   変な日本語

s-5-21
原文:in a house that looked as though it belonged to the Darkest of wizards(UK版P60)
邦訳:闇も闇、大闇の魔法使いの家のようなところで(上4章P103)
試訳:

   ハリーが初めてブラック家に訪れたときの感想。
   闇に大きい小さいは無いんだから「闇も闇、極めつけの闇の魔法使いの家みたいだ」「闇も闇、闇の大魔法使いの家みたいだ」とかにしてほしい。

s-5-22
原文:Perhaps he was an Animagus...
    Perhaps Voldemort was an Animagus...(UK版436)
邦訳:もしかしたら、僕は「動物もどき」だったんだ…
    もしかしたら、ヴォルデモートが動物もどきだったんだ…。(下23章P120)
試訳:

   「もしかしたら」の語尾が「だったんだ」になる事に違和感がある。
   「もしかしたら~だったのかもしれない」、もしくは「もしかしたら、~だったんだろうか」と疑問形にすべき。
   Perhapsはおそらくとか多分とかにしたほうがよかったんじゃ…「もしかしたら」より強く、というか確信を持って、ハリーは自分かヴォルが動物もどきにちがいないと思い込んでるでは?「おそらく僕は動物もどきなんだ」みたいな。

s-5-23
原文:
邦訳: 「赤ん坊(ぼ)頭の死喰い人が戸口に現れた。赤ん坊(ぼ)頭が泣き喚き、(略)」 (下35章P577)
試訳:

   赤ん坊頭ってなに?

s-5-24
原文:"It's no good crying over spilt potion, I suppose..."(UK版P27)
邦訳:「こぼれた魔法薬、盆に帰らずってとこか」(上2章P42)
試訳:「こぼれた魔法薬を嘆いても仕方がない…か」

   フィッグばあさんの台詞。覆水、盆に返らず。
   中途半端に日英諺コラボなんてしないで英語版でも十分通じるのでは?
   「こぼれたミルク~」に相当する諺はたしかに「覆水~」だが実際に比較してみると「嘆いてもしょうがない(前向き)」と「元には戻らない(未練たらたら)」とニュアンスに違いを感じる。
   その後、アンブリッジの罰則で傷ついた手を癒すために、ハーマイオニーがマートラップ液を作ってくれたが、ハリーが癇癪をおこしてそれを割ってしまって後悔する↓というシーンがあるので一種の伏線か?
       原文:He wished he had not smashed the bowl of Murtlap essence.(UK版P294)
           but there was no returning the Murtlap essence to the bowl.(UK版P294)
       邦訳:マートラップ液のボウルを割らなければよかったと後悔した。(5巻上15章P517)
           マートラップ液は覆水盆に返らずだった。(5巻上15章P518)
       直訳:彼はマートラップ液のボウルが壊れないように願った。
           しかしマートラップ液がボウルに戻ることはなかった。
       普通でいいんだけど、というのは置いておいて。
       「覆水盆に返らず」は「やってしまったことは取り返しがつかない」「壊れた物は直せない」のような例えで本気で液体の状態を表現しているわけではない。原文では「マートラップ液は戻せなかった」と状況を説明してるだけなのだからここを諺で表現するのは不適切に感じる。というかコーヒーが覆水盆に返らずとかいう説明を今まで読んだことがない。斬新。
       ほかにも「It's no good crying over spilt potion.→覆水盆に帰らず」と訳しているところがあるらしいがここは出典未確認。もし本当ならせっかくMilkをPotionに置き換えてるのだかそれえを生かしてほしい。

s-5-25
原文:And it seemed that Hermione was quite right.(US版582P)
邦訳:どうやらハーマイオニーが図星だった。(下26章255P)
試訳:ハーマイオニーが正しかったみたいだ。

   自分の思っていることをぴたりと当てられた時などに「図星をさされた」というんだよね。
   ハーがぴたりと言い当てたのは誰かの考えてることじゃなくて未来予測だから「図星」という言葉を使うのは間違ってる。
   「ハーマイオニー『が』図星だった」の「が」に違和感がある。
   実際はハーマイオニーしか予測をしてないが、これだと「2人以上が予想をしていてハーマイオニーの方が当たった」という風に読める。
   「ハーマイオニーが図星だった」は地の文。ハリーの台詞じゃない。(?)

6巻・謎のプリンス

s-
原文:
邦訳:
試訳:

7巻・

s-
原文:
邦訳:
試訳:

不明・その他

s-f-5
原文:"Molly, dear-"(UK版2巻P54)
邦訳「モリー母さんや-」(2巻P100)

原文:"It's late, Molly, we'd better go up..."(UK版P54)
邦訳:「母さん、もう遅い。そろそろ休もうか…」(3巻4章P88)

   原作とはずいぶんウィーズリー夫婦の距離感が違う。

s-f-6
原文:
邦訳:
試訳:

   同じ人物が1つのセリフの中で「俺」と「僕」を両方使ってたりした箇所があるらしい。(メモ)

s-f-7
・Stoat Sandwich→イタチサンドイッチ(Stoat=オコジョ)
・ferret(UK版P180)→ケナガイタチ(4巻上13章P317)(ドラコが偽ムーディに変えられたとき)
・ferret→スカンク(3巻P131)→ケナガイタチ(携帯版P141)
・fellets(UK版P201)→スカンク(3巻P354)→イタチ(携帯版P392)
・fellet(p203) →毛長イタチ・スカンク(3巻P356(版によって違う))→イタチ(携帯版P395)

   イタチは英語で「weasel」。謎のイタチ科動物たち。

*1 ハードカバーP316(吸魂鬼祓いの練習)から変更