死の秘宝 ‘Harry Potter and the Deathly Hallows'

Last-modified: 2024-05-09 (木) 11:53:50


ハリー「むしろそれが百年目」
ロン「驚き桃の木!おったまげー」
ハーマイオニー「マーリンの猿股!」

なにこいつら

  • 少なくともイギリスのティーンエイジャーではないな。
  • 日本のティーンエイジャーでもないな…


7巻における代表的な誤訳

ゴドリックの谷

■日本語版 上巻 16章 p.455
ゴドリックの谷

■UK版 p.256
Godric's Hollow

■試訳

  1. ゴドリックス・ホロウ
  2. ゴドリック・ホロウ
  3. ゴドリックの村

■備考

  • 谷では無く、村の固有名詞である。
    "Silicon Valley"を「シリコン渓谷」、"Beverly Hills"を「ビバリー丘陵」と訳している様なもの。
  • Godric's Hollowが村である事は、ローリング氏の公式サイトのFAQで(7巻原書発行の)何年も前から説明があり
    訂正の機会はあったのに、7巻では家々や店、郵便局、パブ、教会、田園等が描かれるもそのまま強引に「谷」で通してしまった。

姉妹問題

■日本語版 下巻 33章 p.411
ブランコをどんどん高く漕いでいるほうの少女を見つめるスネイプの細長い顔に、憧れがむき出しになっていた。
「リリー、そんなことしちゃダメ!」もう一人の少女が、金切り声を上げた。

■UK版 p.532
There was undisguised greed in his thin face as he watched the younger of the two girls swinging higher and higher than her sister.
‘Lily, don't do it !’shrieked the elder of the two.

■試訳

  1. ブランコをどんどん高く漕いでいる年下の少女を見つめるスネイプの細長い顔は、憧れがむき出しになっていた。
    「リリー、そんなことしちゃダメ!」もう一人の年上の少女が叫んだ。
  2. ブランコをどんどん高く漕いでいく幼いほうの少女を見つめる彼の痩せこけた顔には隠しきれない渇望があった。
    「リリー、そんなことしちゃダメ!」もう一人の年上の少女が叫んだ。

■備考

  • リリーが妹である事を表わす記述を省くという荒技で処理。
  • thinは(of the body) with little flesh on the bones,having little fat on your body,で体に脂肪が少ない、痩せているという意味。
  • greedは7つの大罪の内の貪欲。

ちょっとした奉仕

■日本語版 下巻 33章 p.448
「あなたは、私に何もかも話すことは拒んでおきながら、そこまでのちょっとした奉仕を期待する!」

■UK版 p.550
"You refuse to tell me everything, yet you expect that small service of me!"

■試訳
「作戦のすべてを話すわけにはいかないが、私がそのようなささやかな勤めを果たすのは当然というわけですね!」

■備考

  • 日本語を習い始めたばかりの人がバイトで雇われて翻訳したとしか思えない程の酷さ。
  • このsmall serviceと言うのは反語(わざという反対の言葉)。
    「ちょっとした奉仕」所か、ダンブルドアを即死魔法で安楽死させるという危険な大仕事について話している。
    スネイプとしては、「自分を信用して何でも話してくれるわけではないくせに、大変なことをやらせようとしていますね」と嫌味を言いたかったのだろう。
  • また邦訳はserviceの訳を「奉仕」にしているが、この後にダンブルドアが「serviceといえば~」と言う事でドラコを見張るという騎士団員として教授としての普通の勤めに言及しているので、奉仕より「勤め」の方が適当だろう。

章ごとのまとめ

【上巻】

【下巻】

notes

(登場人物の死等のネタバレがありますので注意して下さい)

訳BBS

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  • notes2に"zoomがズームイン/ズームアウトの意味じゃないとようやく理解できたみたいだね。"とあって赤太字にされていますが、zoomはシリーズ中にたくさん出てくる単語で(クィディッチのシーンなどに)適切に訳されている箇所もたくさんあります。だからこれは原書をあまり読んでいない人の憎まれ口ですね。 -- まとめ人? 2014-09-27 (土) 12:05:04
  • tuberの訳について 指摘されてないので補足として。「塊茎」とはジャガイモのようなのを指します。さつまいものようなものが「塊根」。なので「塊根」の方が適切だと思います。tuberの訳として「塊根」はOKなようです。英語版のWikipediaも見て確認しました。また、「根茎」という言葉もあります(ショウガなど)。これもありかな? -- へもへも 2015-02-24 (火) 23:01:16
    • コメントありがとうございます。
      種(鞘)の中に入っているものが茎とはこれいかに、という感じですね。
      この直後 green roots という別の表現もされているので、植物学的には「根っこ」っぽくあります。
      wriggling していて slimy だし、6巻でも7巻でも worms のようだと書かれているので、ミミズのような細くて長くてナマっぽいものをイメージします。
      ただ、ここは tuber の訳語の適不適よりも pod の訳語の方が気になるところで、
      塊茎に言及するとしたら、ピーブスが「ブンブン飛び回」ったり、「太ったイモムシのような」tuberが「ごにょごにょ」と…といったひとつづきのシーンの中で「塊茎(塊根)」という表現がはたして適当なのか?ということになってくると思います。
      スナーガラフが出てくる6巻の薬草学の授業のシーンを読んでみても、いまいちこの pod の質感がわかりません…
      ハーマイオニーがスナーガラフから取り出した pod は pulsating していて、彼女は気持ち悪がっています。さらに先生はそれを squeeze しろと。
      そしてハリーが移植ごてで叩きまくっていた pod は resilientな、だと…
      -- nevi 2015-02-25 (水) 03:04:24
      • おはようございます。今まではrom専だったのですがこの話題が気になって…ついでてきてしまいました。neviさまはtuber<podとの認識のようでいらっしゃいますが、私はneviさまのtuberの説明を読んでバッタリ倒れそうになりました!(ちょっと大げさですが^^;)「イモムシのような塊茎」からはミミズがスライミーなんて図は浮かばないのですが、よかったらneviさまのこのシーンのイメージ図を教えていただけませんか!御回答によっては新しいBBSにトピックを作ってもいいレベルだと思います。 -- rose 2015-02-25 (水) 07:26:10
      • ちなみにpodは厚めのゴムのようなものでできたエンドウ豆のサヤをイメージしていました。ぶにょんぶにょんとresilientしていて割る取っ掛かりがなくハリーが乱打していたのかなと。あと授業ではスプラウト先生の後頭部にぶつかって帽子を吹っ飛ばすシーンがあったと思うのですが、硬いものだと先生は怪我をしているんじゃないかなと。それに硬い「種」が脈動・拍動するというのはちょっとイメージできません。 -- rose 2015-02-25 (水) 07:36:33
  • とっくに指摘されてそうですが一応。9章p.240 色黒の死喰い人 UK p.139 the darker Death Eater ドロホフが色黒というのに違和感あったので調べましたがHarry Potter Wikiによるとドロホフは不死鳥の騎士団でpale(蒼白い)と書かれており、ここのdarkerは髪の色とのことです。すでに肌の色の情報があった以上ここは誤訳といえると思います。仮に肌の色の情報が無かったとしてもdarkerと比較級で書かれていて比較対象がブロンドの死喰い人な時点で髪の色じゃないかって気づいてほしいですけど。17章p.500[ -- ヘキサ 2018-10-08 (月) 01:00:05
  • 途中で投稿してしまった。17章p.500 「おじさん、すごい変装だね!」 ハロウィンだから仮装って言わない?鼻の無いヴォルデモートを見てハロウィンの仮装だと思ったんでしょう? 32章p.392 吸魂鬼はいまや雲散霧消した。 UK p.522 and now the Dementors scattered in earnest, ディメンターは倒すことができないという作者発言があるらしいと聞いていたので、雲散霧消という消滅させたみたいな言葉を使うのはどうかな、と。ディメンターは散り散りに逃げ出した感じでしょ。この当時その作者発言は無かったかもしれないけどできれば正確に訳してほしい。 -- 2018-10-08 (月) 01:11:16
  • 個人ブログ見るとほかにも誤訳や訳抜けがまだまだあるみたいですね。パクリになるので具体的には書けませんが。 -- ヘキサ2018-10-08 (月) 01:14:47
  • note2の墓石についてですが、The last enemy that shall be destroyed is death.はもともと聖書の言葉です。(コリントの信徒への手紙一 15:26)しかも1611年のジェームズ王欽定訳のもの(最近のはdestroyedではなくabolishedになっているようですから)。 これを日本語に翻訳するにあたって、日本聖書協会の文語訳「最後の敵なる死もまた亡ぼされん」をそのまま用いたのだと思います。ちなみにケンドラとアリアナの墓に刻まれた「汝の財宝……」も聖書の言葉です。-- 2018-10-31 (水) 00:05:36
    • こういうのこそ注釈入れるべきよなぁ -- 2023-09-27 (水) 15:04:45
    • ジェームズとリリーの墓石は新しいから文語訳より口語訳のほうがあってそう -- 2023-12-01 (金) 02:26:08
  • 結構誤訳多いなぁ... -- 2022-05-28 (土) 20:13:37
    • それはそう -- 2023-12-01 (金) 19:19:15
  • > ブランコをどんどん高く漕いでいく幼いほうの少女を見つめる彼の痩せこけた顔には隠しきれない渇望があった。 ←素敵な訳ですねぇ。日本人にもきちんとスネイプの心やキャラクターが映像に伝わります。様々な名訳がありますが美しく想像させる日本語にしたハリーポッターを読んでみたいと思わせる。 -- 2024-05-09 (木) 11:53:50