秘密の部屋 ‘Harry Potter and the Chamber of Secrets’

Last-modified: 2021-06-08 (火) 15:48:22


2巻における代表的な誤訳

ズームアウト

■日本語版 11章 p.303
ピーブズはハリーに向かってベーッと舌を出し、スーッと後ろに引っ込むように、ズームアウトして消えてしまった。

■UK版 p.152
(前略)and Peeves zoomed away backwards, with his tongue out at Harry.

■試訳
ピーブズはハリーに向かって舌をつき出し、後ろ向きにひゅーっと飛んでいってしまった。

■備考

  • キャラクターの特殊な動きをまったく理解せずに適当に処理した例。日本語としても滅茶苦茶。
  • マクゴナガル教授に一喝されたポルターガイストのピーブズがおどけながら逃げていくところ。
  • 原文の"zoom away" は「音を立てて飛んでいく」「猛スピードで去っていく」ことなのだが、邦訳は不思議な表現になっている。
  • 邦訳の中で使われている「ズームアウト」とは、カメラのズームレンズで縮小撮影すること。車窓の景色などフレームの中にあるもの、もしくは視界全体が遠ざかるなどして次第に小さくなるとき「ズームアウトしていく」と表現することがある。しかし通常、人やものが去っていくときは使わない。
  • 邦訳の「スーッと後ろに引っ込むように~」というのは、その場で小さくなって消えたというつもりだろうか?
  • backward は「後ろに」「後ろ向きに」という意味だが、引っ込むに相当する英語はここにはない。
  • なお、ピーブズが "zoom away" するシーンは3巻以降も何度かでてくるが、どれも「ズームアウトして消えた」「ズームして消えた」のような訳になっている。
  • 最後まで間違いを認めず変な訳を貫いたため、最終巻の感動場面まで悪い影響を及ぼした。

            


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