固有名詞の誤訳や珍訳をまとめたページです。
人名
リータ・スキーター
■日本語版 4巻上 10章 p.228
リータ・スキーター
■UK版 p.131
Rita Skeeter
■試訳
リタ・スキーター
■備考
- 日本語版だとRita Skeeterがリータ・スキーターになっているが、Ritaは通常リタと表記する。
実際する人物や他の作品でリータという表記を見た事がない。 - すでに一般に定着しているカタカナ表記がある場合は、そのカタカナ表記を使用してほしい。
セオドール・ノット
■日本語版 5巻下 26章 p.257
セオドール・ノット
■UK版 p.514
Theodore Nott
■試訳
セオドア・ノット
■備考
- Theodoreはセオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)の「セオドア」では?
フラー・デラクール
■日本語版 4巻上 16章 p.416
フラー・デラクール
■UK版 p.237
Fleur Delacour
■試訳
フルール・ドラクール(フランス語発音)
■備考
- フランス人なのになぜか英語風発音になっている。
レギュラス・ブラック
■日本語版 5巻上 6章 p.183
レギュラス・ブラック
■UK版 p.104
Regulus Black
■試訳
レグルス・ブラック
■備考
- 仮名表記は他のブラック家の人物(シリウスなど)と同様に天体名のレグルスとするのが適切と思われる。
ルーファス・スクリムジョール
■日本語版 5巻上 7章 p.199(※原文はスクリムジョールのみの表記)
ルーファス・スクリムジョール
■UK版 p.113(※原文はScrimgeourのみの表記)
Rufus Scrimgeour
■試訳
ルーファス・スクリムジャー
■備考
- イギリス人なのになぜかフランス語風発音。
- フライCDでの発音はスクリムジャー(これが正しい?)
- また「クイディッチ今昔」で推薦の言葉を書いてる「ビーターのバイブル」の著者Brutus Scrimgeourはブルータス・スクリムガー。
せめて同じ綴りの発音位に表記を統一してほしい。
ラディスロフ・ザモフスキー
■日本語版 5巻上 19章 p.631
ラディスロフ・ザモフスキー
■UK版 p.355
Ladislaw Zamojski
■試訳
ワディスワフ・サモイスキ(ポーランド語発音)
■備考
- ポーランドの選手なので、ポーランド語発音にすべき。
ほとんど首無しニック
■日本語版 1巻 7章 p.184
ほとんど首無しニック
■UK版 p.92
Nearly Headless Nick
■試訳
- ほとんど首切れニック
- 首無しすれすれニック
- 惜しくも首付きニック
- 首落ち寸前ニック
■備考
- ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿の通称。
- 先に映画で首の皮一枚で首が取れそうになるインパクトのある絵面を見ていると「ほとんど首無し」でも違和感を覚えないだろうが、何の予備知識もない状態で「ほとんど首無し」と言われたら縦方向に首がない図を想像するのではないか。
腐ったハーポ
■日本語版 幻の動物 p.36
「腐ったハーポ」
■US版 p.3
Herpo the foul
■試訳
- 卑劣なハーポ
- 不快なハーポ
■備考
- 最初にホークラックス(分霊箱)を作成した闇の魔法使い。
- くさったしたいを連想してゾンビみたい…
地名・店舗・施設
ゴドリックの谷
■日本語版 1巻 1章 p.21
ゴドリックの谷
■UK版 p.14
Godric's Hollow
■試訳
- ゴドリックス・ホロウ
- ゴドリック・ホロウ
- ゴドリックの村
■備考
- 谷ではなく、村の固有名詞である。
"Silicon Valley"を「シリコン渓谷」、"Beverly Hills"を「ビバリー丘陵」と訳しているようなもの。 - Godric's Hollowが村であることはローリング氏の公式サイトのFAQで(7巻原書発行の)何年も前から説明があり、訂正の機会はあった上に、
7巻では家々や店、郵便局、パブ、教会、田園などが描かれるもそのまま強引に「谷」で通してしまった。
イーロップのふくろう百貨店
■日本語版 1巻 5章 p.109
イーロップのふくろう百貨店
■UK版 p.56
Eeylops Owl Emporium
■試訳
イーロップふくろう専門店
■備考
- Emporiumを英和辞典で引くと「大規模小売店、市場」と出るが、
英英辞典にはparticular type of goods(特殊な品物)を売ってる店という説明もある。
イーロップの店もフクロウのみを扱っているため、「百貨店」より「専門店」の方が適切。
薬問屋
■日本語版 1巻 5章 p.109
薬問屋
■UK版 p.56
apothecary
■試訳
- 薬種店
- 薬材店
■備考
- ダイアゴン横丁にある魔法薬の材料を扱う店。
- 問屋はご存知の通り、小売店に卸売りをする店の事で
個人客に何か(この場合は薬)の材料を売る店の事ではない。
だからこれは誤訳であると同時に誤日本語。 - 江戸時代なら「薬問屋」も個人相手だった。
しかし、現代のイギリスが舞台の小説にそういう言葉を使う意味がない。
- 薬の材料をいう時は薬種という言葉がある。
薬種を広辞苑で引くと薬材という言葉で説明してあるのでこれもあり。
「薬種店」「薬材店」でいいだろう。
隠れ穴
■日本語版 2巻 3章 p.37
隠れ穴
■UK版 p.24
the Burrow
■試訳
- 隠れ穴荘
- 隠れ穴屋敷
- バーロウ荘
■備考
- ウィーズリー家が住む家で、雑然としているが温かみもある。(魔法ワールド特集より引用)
- 翻訳小説をよく読んでいる人にはお馴染みだけど、欧米では一軒家に屋号(家の名)を付ける。
The Burrowなら「バーロウ荘」「隠れ穴屋敷」等、一応人間の家だと分かるような訳にするのが常識。 - 巣穴であり避難場所であり、普通の魔法使いの家であるというBurrowの意味、
イメージを訳しきるのは難しいけど「隠れ穴荘」とかならよかったのかな。
魔法・呪文・薬
姿現わし、姿くらまし
■日本語版 3巻 9章 p.213
『姿現わし術』
■日本語版 3巻 22章 p.547
『姿くらまし』
■UK版 p.123
Apparate
■UK版 p.306
Disapparate
■備考
- 両方「瞬間移動」じゃSFみたいで駄目なのか。
「顕現魔法」「消身魔法」じゃおかしいかな。 - 特に「姿くらまし」は日本語としておかしい。
「くらます」は通常、人の目を欺いて逃れる時に使う言葉だ。
単に空間移動術で姿を消す事に使うのは間違い。
錯乱の呪文
■日本語版 3巻 21章 p.
『錯乱の呪文』
■UK版 p.123
A Confundus Charm
■試訳
幻惑の呪文
■備考
- 【錯乱】《名・ス自》(気持や考えが)いろいろと入り乱れて混乱すること。
- 錯乱じゃなくて「幻惑の呪文」とかした方がいいと思う。
コウモリ鼻くそ呪い
■日本語版 5巻上 6章 p.
コウモリ鼻くそ呪い
■UK版 p.94
Bat-Bogey Hexes
■試訳
コウモリお化け呪い
■備考
- Bat Bogy Hexのbogyが「鼻くそ」と訳されているが、bogyにはそのほかに、
付き纏うもの、怖いもの、お化け悪霊、といった意味がある。 - 5巻33章の記述からするとBat Bogy Hexはむしろ「コウモリお化け呪い」とでもすべきものだろう。
元気が出る呪文
■日本語版 3巻 15章 p.
元気が出る呪文
■UK版 p.217
Cheering Charm
■試訳
高揚呪文
■備考
- 絵本の言葉みたいね。
「高揚呪文」くらいにしてもらわないと。
2年生くらいで習ったときはまだよかったが
OWLで出てきたときは幼稚な呼び名がすごく浮いてた。
動物もどき
■日本語版 3巻 6章 p.143
動物もどき(自由に動物に変身できる魔法使い)
■UK版 6章 p.83-84
Animagi (wizards who could transform at will into animals)
■UK版 17章 p.248
Animagus
■試訳
- アニメーガス
- 動物変化
■備考
- 「もどき」はネガティブや滑稽なイメージがある。
- 造語だしそのままアニメーガスでよかった。
- 「動物もどき」って訳も変。動物そのものに変身するなら「もどき」じゃない。
普通に「動物変化」とかでよかったのでは?
守護霊
■日本語版 3巻 12章 p.303
守護霊
■UK版 p.174
The Patronus
■試訳
- パトローナス
- 守護獣
■備考
- 日本語版では守護霊になってるけど、守護霊と言えばご先祖の霊とか連想するんだが…
みんな動物だし、守護獣とかそんな感じ? - 歴史魂によると、Patronusはラテン語で「守護聖人」の意味らしい。
「術者を守護する聖なる存在」と言う意味を込めているのだろう。
造語まで行かないが特別な名詞なので忠実な訳も何もない。
ホークラックスと同じで、どの様なものかは本を読めば分かる。
カタカナで「パトローナス」にするのが一番だろう。 - 守護霊は日本ではご先祖様の霊とかのイメージ。
スピリチュアル界隈で使われている既存の専門用語な訳だ。
それを何だか分からないファンタジーの魔法で呼ばれるモノの訳語に当てるとはとんでもない話。
本来の意味で使うなら問題ないが、本来の用途とは違う意味で使ってるのが問題。
脱狼薬
■日本語版 3巻 18章 p.457
脱狼薬
■UK版 p.258
Wolfsbane Potion
■試訳
殺狼薬
■備考
- せっかく原語に「狼殺し(ウルフスベーン)」という強い言葉が入ってて、危険を伴う薬だと分かる様になっているのだから「殺狼薬」にして貰いたい。
- 1巻では「とりかぶと=ウルフスベーン」と言う伏線が張られていた。
「下手するとルーピンを殺せそうな危険な薬を宿敵スネイプが作ってくる」と言うのが面白いのに、脱狼薬ではただの薬みたい。
書物・新聞・法律
幻の動物とその生息地
■日本語版 1巻 5章 p.102
幻の動物とその生息地
■UK版 p.53
Fantastic Beasts and Where to Find Them
■試訳
- 神秘的な動物図鑑
- 幻想的な動物とその生息地
- 珍しい動物とその生息地
■備考
- 邦訳タイトルが妙に引っかかる感じがします。
クィディッチ今昔
■日本語版 1巻 9章 p.213
クィディッチ今昔
■UK版 p.108
Quidditch Through the Ages
■試訳
クィディッチの歴史とルール
■備考
- 今昔と言えば日本古典の『今昔物語集』を連想します…
- クィディッチ今昔の「今昔」の読みは「こんじゃく」じゃなくて「いまむかし」。
まあ読みが「いまむかし」でも戦前の雰囲気がするが。
近代魔法史
■日本語版 1巻 6章 p.159
『近代魔法史』
■UK版 p.79
Modern Magical History
■試訳
『現代魔法史』
■備考
- ヴォルデモートの攻撃から生き残ったハリーの事は現代の出来事なので、『近代魔法史』ではなく『現代魔法史』とするのが適切。
私はマジックだ
■日本語版 2巻 4章 p.89
私はマジックだ
■UK版 p.48
MAGICAL ME
■試訳
マジカルな私
■備考
- MAGICAL MEは「マジカルな私」にすべき。それならロックハートらしい。
「私はマジックだ」だと意味不明。
近代魔法界の主要な発見
■日本語版 1巻 12章 p.289
近代魔法界の主要な発見
■UK版 p.145
Important Modern Magical Discoveries
■試訳
近代魔法界における重要な発見
■備考
- Importantって重要の意味では?
数秘学と文法学
■日本語版 3巻 16章 p.409
『数秘学と文法学』
■UK版 p.232
Numerology and Grammatica
■試訳
数秘学と文献学
■備考
- Grammatica-(古代)文献学(文法研究を含む)の間違い。
古い文献を解読しながら数秘学を学ぶ為の本なのだろう。
小さなミスではあるけれど、こんな大層な本を持ち歩いてる所に
ハーマイオニーらしさが出てると思うので、文法学如きに変えないで欲しい。
魔法象形文字と記号文字
■日本語版 5巻下 26章 p.243
魔法象形文字と記号文字
■UK版 p.506
Magical Hieroglyphs and Logograms
■試訳
魔法象形文字と表語文字
■備考
- logogram=表語文字
- プログレッシブ英和中辞典だとlogogramの訳が「語標,記号,略字」しか載ってないので、
英和辞典だけ引いて無理矢理「記号文字」にした可能性が高い。
顔のない顔に対面する
■日本語版 6巻 9章 p.268
顔のない顔に対面する
■UK版 p.168
Confronting the Faceless
■試訳
- 「正体不明のものに対峙する」
- 「正体不明の敵への対峙」
■備考
- 「顔のない顔」の部分が意味不明。
- 「Faceless」は「顔のない」から「正体不明の」「匿名の」を意味する。防衛術の教科書なら「正体不明の」と訳すのが素直では。
スペルマンのすっきり音節
■日本語版 5巻下 26章 p.244
『スペルマン音節文字表』
■日本語版 6巻下 24章 p.302
「スペルマンのすっきり音節」
■UK版 5巻 p.507
Spellman’s Syllabary
■UK版 6巻 p.484
Spellman’s Syllabary
■試訳
「スペルマン音節文字表」で統一
■備考
- 5巻は「スペルマン音節文字表」で、6巻以降は「スペルマンのすっきり音節」。
- 押韻は英語だと優雅だけど、日本語だとダジャレみたいになるから
スペルマン音節文字表のままで良いのに、何で押韻を無理やり再現しようとするのか…
忙しいビジネス魔ンのための簡単な呪文
■日本語版 4巻上 20章 p.522
『忙しいビジネス魔ンのための簡単な呪文――即席頭の皮はぎ』
■UK版 p.296
Basic Hexes for the Busy and Vexed: instant scalping
■試訳
『忙しくて困っている魔法使いのための簡単な呪文集』の『即無毛』
■備考
- 原文にはBusiness要素も~wizardもないのに、何故ビジネス魔ンを入れたのか。
- 次いでにVexedの訳も抜けている。
- 更にinstant scalpingの部分が直訳になっている上に、何故か本の題名の一部になっている。
日刊予言者新聞
■日本語版 1巻 5章 p.99
日刊予言者新聞
■UK版 p.51
Daily Prophet
■試訳
- デイリー・プロフェット
- 日刊預言者新聞
- デイリー・預言者
■備考
- 「デイリー・プロフェット」で良いと思う。
- なお、マグル界の新聞である"Daily Mail"は普通に「デイリー・メール」となっている。
- プロフェットそのままでは意味が通じにくいので何らかの処理をすべき。
元の日本語訳を尊重するなら「日刊預言者新聞」、"Daily Mail"の訳と揃えるなら「デイリー・預言者」ぐらい。
魔法法律
■日本語版 4巻上 14章 p.330
魔法法律
■UK版 p.187
wizarding laws
■試訳
魔法律
■備考
- 語呂が悪い。魔法の法と法律の法を合わせて「魔法律」とでもしたらどうか?
- 魔法法律→魔法律
魔法法律評議会→魔法律評議会
魔法法律執行部→魔法律執行部
未成年魔法使いに対する妥当な制限に関する1875年法
■日本語版 2巻 2章 p.33
未成年魔法使いに対する妥当な制限に関する一八七五年法■日本語版 5巻上 2章 p.46
未成年魔法使いに対する妥当な制限に関する法令
■UK版 2巻 2章 p.21
Decree for the Reasonable Restriction of Underage sorcery, 1875
■UK版 5巻 2章 p.29
the Decree for the Reasonable Restriction of Underage Sorcery
■試訳
- 未成年者の魔法の合理的な制限に関する法律
- 未成年者の魔法の使用に対する~
- 未成年者による魔法の~
■備考
- 「妥当」より「合理的」の方が良いと思う。
- 1875年は何処から?
魔法生物
小鬼
■日本語版
小鬼
■UK版
Goblins
■試訳
ゴブリン
■備考
- 文中は「小鬼」と「ゴブリン」混在。
- ゴブリンで統一して欲しい。
屋敷しもべ妖精
■日本語版
屋敷しもべ妖精
しもべ妖精
屋敷しもべ
屋敷妖精
■UK版
House-elf
■試訳
- 屋敷妖精
- 館妖精
- ハウスエルフ
■備考
- 原語に「しもべ」要素は無い。
- House-elfは「頭が大きく、長い鼻と指を持ち、短身で、コウモリのような耳とテニスポールほどのぎょろっとした大きい目」が特徴。
でも日本だとエルフのイメージが「耳が長く尖っていて、美形である点以外は人間とほぼ同じ外見」になってるから、
House-elfをそのままカタカナにして「ハウスエルフ」とするよりも「屋敷妖精」「館妖精」の方が相応しいと思う。
- 後に、このせいで「自由なしもべ妖精 ドビー」と言う何処か引っ掛かる言い回しが生まれた。
まね妖怪のボガート
■日本語版 3巻 7章 p.175
「(略)まね妖怪のボガートとはなんでしょう?」
■UK版 3巻 7章 p.133
“(略) what is a boggart?”
■試訳
「(略)ボガートとはなんでしょう?」
■備考
- 授業中にクイズ形式で問うている場面なのに自分で答えを言ってしまっている…
- 詳しくはアズカバンの囚人/7章を参照。
魔法アイテム
ゲーゲー・トローチ
■日本語版
ゲーゲー・トローチ
ゲロゲロトローチ
■UK版
Puking Pastille
■試訳
- 嘔吐キャンディー
- 嘔吐ドロップス
■備考
- 幼稚な印象がする訳。
- Pukingは吐く事だけど、せめて「嘔吐キャンディー」位でお願いしたかった。
- 英和辞典だとPastilleはトローチしか出てこないが、飴の事も指す。(参考)
日本語の「トローチ」は医薬品のイメージが強い為、Pastilleと全く違う意味になる。
鼻血ヌルヌル・ヌガー
■日本語版
鼻血ヌルヌル・ヌガー
■UK版
Nosebleed Nougat
■試訳
鼻血が出るヌガー
■備考
- これも同じく幼稚な印象がする訳。
忍びの地図
■日本語版
忍びの地図
■UK版
Marauder's Map
■試訳
徘徊者の地図
■備考
- 学生時代ジェームズ達は自分達の事を「Marauder(マローダー)」と呼んでいたらしい(作者公式サイトより)
- ジェームズ達が自分の事を「しのび(きっと語尾はござる)」とか呼ぶのはあんまりなので
「徘徊者の地図」とかのが良かった。
姿をくらますキャビネット棚
■日本語版
姿をくらますキャビネット棚
姿をくらます飾り棚
■UK版
vanishing cabinet
■試訳
消失キャビネット
■備考
- 小学生でもキャビネットは知っているのに、何で「棚」を付けるんだろ。
しかも「姿をくらます」もリズムが悪い。
「消失キャビネット」とかで良いんじゃね? - 確か2巻で登場した時は「姿をくらます飾り棚」だった。(※キャビネットは飾り棚じゃない)
でも6巻でああ言う使われ方をしたので訳語を変えないといけなくなった。
でも「飾り棚」を「キャビネット」にすると落差が大きく、突っ込まれやすい。
それで「キャビネット棚」になったのでは無いかと推測してる。
鰓昆布
■日本語版 4巻下 26章 p.206
鰓昆布
■UK版 p.426
Gillyweed
■試訳
鰓水草
■備考
- 昆布はちょっと江戸チック過ぎて嫌です。
- ドビーが持ってきたGillyweedはびしょびしょ濡れてたから、普通の雑草というよりは「水草」系?
分霊箱
■日本語版 6巻下 23章 p.271
分霊箱
■UK版 p.464
Horcrux
■試訳
- ホークラックス
- 裂魂器
- 魂の器
- 分魂箱
■備考
- 「分霊」は本来神道・道教の用語であるため、黒魔術の道具に使うべきではない。
- また、そもそも「魂」を分割して保管するものを指す言葉に「霊」という漢字を使う事自体が変。
- 詳細は謎のプリンス/21~25章を参照。
サラザール・スリザリンのロケット
■日本語版
サラザール・スリザリンのロケット
■UK版
Salazar Slytherin's Locket
■備考
- ヴォルデモートのホークラックス(分霊箱)の一つ。
- ロケットと言えばペンダントより宇宙に打ち上げる物を連想するから、ペンダントの方が良かった。
とは言えロケットには中に写真とか入ってたりする開閉式の物という意もあるから、勝手にペンダントにするとそれはそれで問題がある。 - こう言うのは注釈で説明するのが一番。
スモモ飛行船
死の秘宝/20~22章を参照。
炎の雷
アズカバンの囚人/4章を参照。
クソ爆弾
■日本語版
クソ爆弾
■UK版
Dungbomb
■試訳
- 肥やし玉
- 悪臭爆弾
■備考
- ジニーもハーマイオニーも普通に口にしてるけど、普通のティーンの女の子は「クソ」何て言わないと思う。
- Dungbombだから意味はあってるけど「肥やし玉」とか「悪臭爆弾」とか女の子でも抵抗の無い言葉にして欲しかった。
輝きの手
■日本語版 2巻 4章 p.78
輝きの手
■UK版 p.43
the Hand of Glory
■試訳
栄光の手
■備考
- Hand of Gloryは栄光の手という意味。(参考)
仮に栄光の手の事を知らなくても、Gloryは普通なら栄光と訳するので
変に意訳せず普通に訳していれば問題なかった訳。
殴り続けのブーメラン
■日本語版 4巻上 12章 p.285-286
殴り続けのブーメラン
■UK版 p.162
Ever-Bashing Boomerang
■試訳
回り続けるブーメラン
■備考
- ブーメランといえば「回る」だよね?
自動速記羽根ペンQQQ
■日本語版 4巻上 18章 p.470
自動速記羽根ペンQQQ
■UK版 p.266
Quick-Quotes Quill
■試訳
自動速記羽根ペン
■備考
- 「QQQ」はさりげない補足のつもりで付け加えたと思われるが
注釈は当然ないため、原書を読まないとなぜ「QQQ」が付いているのか分からない。
- なお、似たような固有名詞としてAuto-Answer Quillがあるが、
そちらは「自動解答羽根ペン」と普通に訳されている。
その他の用語
妖精の魔法、妖精の呪文
■日本語版
「妖精の魔法」(1・2巻 ハードカバー)
「妖精の呪文」(1・2巻 携帯版)
「呪文学」(3巻以降)
■UK版
Charms
■試訳
「呪文学」で統一
■備考
- チャームは単なる「呪文」で、教科名としては「呪文学」が相応。
- 小さな先生を訳者が妖精だと決め付けたのか、あるいはチャーム=魅力=妖精という連想なのか、何れにしても全く意味不明の教科名になってしまった。
- ふくろう通信では(二年生までは「妖精の呪文」でしたが、三年生から日本語の授業の名前が変わりました)と言い訳している。
煙突飛行
■日本語版
煙突飛行
■UK版
Floo Network
■試訳
- フルー空間移動ネットワーク
- 暖炉移動網
■備考
- 暖炉は利用するが、煙突は関係ないし空を飛ぶ訳でも無い。
また暖炉なら何処でも移動出来る訳でも無くネットワークにつながれている暖炉から暖炉にしか移動できない。
それなら飛行ではなく「フルー空間移動ネットワーク」や「暖炉移動網」とでもした方が理解し易いのでは無いか? - 何故か魔法省の管轄は煙突ネットワーク庁(Floo Network Authority)
夜の騎士バス
■日本語版
夜の騎士バス
■UK版
Knight Bus
■試訳
「ナイト・バス」で統一
■備考
- 原語はKnight Busで、夜要素はない。5巻では昼間も運行。
- 文中は「夜の騎士バス」と「ナイト・バス」混在。ナイト・バスで統一して欲しい。
半純血
■日本語版
半純血
■UK版
Half-blood
■試訳
(断り書きを入れた上で)混血
■備考
- 5巻までは「混血」、6巻からは「半純血」になっている。
- 「混血」や「ハーフ」は差別語で使えない(参考)から仕方ないとは言え、
もう少しマシな言葉が無かったのか? - 訳者が差別用語を避けようとした結果、妙な表現になってるのはちらほら見る気がする。
- 「本文中に一部、差別的な表現が含まれる箇所がありますが、作品成立上不可欠との観点から、原書に忠実に訳出いたしました。」
と言う断り書きを入れた上で「混血」で良い気がする。 - 作品を通して魔法界にも純血主義のような思想による差別的風潮が蔓延しているので、それに対しても敢えてここはそのまま表現するべきであると思う。
魔法警察部隊、魔法警察パトロール
■日本語版
魔法警察部隊
魔法警察パトロール
■UK版
Magical Law Enforcement Squad
Magical Law Enforcement Patrol
■試訳
- 魔法治安部隊
魔法治安パトロール - 魔法法執行部隊
魔法法執行パトロール - 魔法警備部隊
魔法警備パトロール
■備考
- マグル界における「警察」に相当。
- マグルの警察の名称が魔法族には通じてなかった筈なので、直訳の「魔法法執行(警備)部隊」の方がまだ適切。
- 代案は難しいが「魔法治安~」とでもしたら良かったのでは無かろうか。
ガード魔ン、スポークス魔ン、チェア魔ン、セールス魔ン
■日本語版
ガード魔ン
スポークス魔ン
チェア魔ン
セールス魔ン
■UK版
watchwizard
spokeswizard
chairwizard
saleswizard
■試訳
- 魔法省守衛
魔法省の報道官(魔法省代弁者)
魔法省議長
魔法省販売員
■備考
- 変なアソビはいらない。
- セールス魔ンださすぎ。
- 「魔法省守衛」「魔法省代弁者」「魔法省議長」「魔法省販売員」で良いのでは?
- 原書には"spokesgoblin"も出てくるが、そちらは「小鬼の報道官」と訳されている。
それなら"spokeswizard"も「魔法省の報道官」で良いだろう。
ゴブリディグック語、パーセルタング語、マーミッシュ語
■日本語版
ゴブリディグック語
パーセルタング語
マーミッシュ語
■UK版
Gobbledegook
Parseltongue
Mermish
■試訳
- ゴブリン語
蛇語もしくはパーセル語
マーピープル語もしくは水中人語
■備考
- 原語はそれぞれGobbledegook、Parseltongue、Mermish。
- Englishをイングリッシュ語、Danishをデニッシュ語と訳す様な違和感。
- それぞれゴブリン語、蛇語もしくはパーセル語、マーピープル語もしくは水中人語で良いね。
めちゃくちゃ疲れる魔法テスト
■日本語版 3巻 16章 p.408
N・E・W・T(めちゃくちゃ疲れる魔法テスト)
■UK版 p.231
N.E.W.T.s (Nastily Exhausting Wizarding Tests)
■試訳
N・E・W・T(疲労必至魔法試験)
■備考
- N・E・W・Tの正式名称。
- 「めちゃくちゃ疲れる」の表現は口語的で試験名にそぐわない。
- 試訳は少し意訳気味だが「Nastily Exhausting(ひどく疲れる)」を「疲労必至」と訳した。