YQS

Last-modified: 2024-11-10 (日) 17:59:49

ヤクルトにおける先発投手の指標のこと。「Yakult Quality Start」の略。
通常のQSは「先発投手が6回3自責点以下」だが、YQSは「靭帯を切らない」「先発7失点以内」となる。
元は暗黒横浜ネタの一つBQSの派生だが、現在はこちらの方がメジャーである。


概要

2014年のヤクルトは投打で大爆発を繰り返しており、7月1日の対阪神戦(倉敷)では野手陣が計6得点を挙げるも、先発・石川雅規が初回に7失点という大誤算。
この試合後、小川淳司監督が石川について発したコメントが由来。


試合結果

 
123456789RHE
ヤクルト2101020006111
阪神70050000X12130
 
バッテリー●石川(5勝4敗)、松岡、赤川、秋吉、岩橋-相川
○藤浪(5勝4敗)、加藤、榎田、渡辺-梅野
本塁打梅野3号(2)4号(1)、ゴメス13号(2)


コメント

■小川監督

「石川はどうしたものかと思う。
(4回にも失点したが)追いつくためには最低限、1回の7失点で止めておかないと。調子のよし悪しもあるだろうけど、ストライクをそろえすぎた。あのくらいの投手なら何とか交わしながら投球してほしい」

■初回7失点など4回途中10失点(自責9)だった石川投手

「タイガース打線の対策はしているが、やられ方が一緒。ビッグイニングを作られてしまう。僕の持ち味はいろいろな球種を投げて、ボール球で誘う投球。それなのに、どんどん打ってくる打者にストライクを投げてしまった。情けないし、申し訳ない」


反応

通常のファン目線であれば試合が初回から壊れたと言えるにも関わらず、「7失点で止める」「(1回7失点を)最低限」と表現した監督の基準に驚愕。
当時、靭帯断裂による投手陣の故障が目立っていたことも相まって、ファンからも「1回7失点でも靭帯が切れなければセーフ」などとネタにされたことで、独自の指標が誕生した。
事実この試合は初回の7失点以降追加点を与えなければ試合の行方は分からなくなっており、この年のヤクルトの状態を端的に表す言葉となった。

付け加えると小川監督のコメントは「石川ほどのベテラン投手になると初回の7失点で立ち直らなければいけない」と言う意味での発言ではあるが、事実よりも面白さが優先された結果「7点まではセーフ」という意味に変えられて浸透してしまった。


その後

2014年8月5日 対阪神戦(神宮)

11-20が発生した。詳細はリンク先参照。
ヤクルト先発の八木亮祐は初回二死で負傷降板したため、靭帯ではなく肉離れ(筋肉断裂)ではあるが、ネタにされた方の意味でもYQSは達成できなかったことになる。


2018年4月7日 対巨人戦(神宮)

試合結果
2018年4月7日(土) 神宮 2回戦(ヤクルト2勝0敗0分)
試合時間3:36(開始14:00 終了17:36) 入場者29,556
 
123456789RHE
巨人0160000018160
ヤクルト40222401X15160
 
バッテリー田口、●谷岡(0勝1敗)、高木、篠原-小林
石川、○風張(1勝0敗)、H秋吉、石山、カラシティー-中村、井野
本塁打小林1号(4)
荒木1号(2)、西浦1号(1)

先発した石川が2・3回に失点を許し、結果は3回7失点の大炎上。それでも野手陣の猛攻によって最終的に15-8で勝利し、「7失点で止めればなんとかなる」ことを証明した


2018年6月30日 対阪神戦(神宮)

試合結果
2018年6月30日(土) 神宮 8回戦(ヤクルト3勝5敗0分)
試合時間3:36(開始17:00 終了20:36) 入場者31,128
 
123456789RHE
阪神63004000215151
ヤクルト100000204783
 
バッテリー岩貞、○才木(2勝2敗)、マテオ、高橋聡、伊藤和-梅野
●ハフ(1勝6敗)、山中、中澤、風張-中村、井野
本塁打山田哲17号(2)、畠山4号(4)

先発したデーブ・ハフが4回9失点と炎上し7-15で敗戦。
小川監督は「(ハフは)ストライクを投げれば打たれるという状態になってしまった。歯止めがきかなくなった。1回の6失点だけならまだゲームはなんとかチャンスがあったかもしれないが、2回の3失点が大きかった。」とコメントを残した。


2020年11月5日 対阪神戦(甲子園)

試合結果
2020年11月5日(木) 甲子園 24回戦(阪神13勝10敗1分)
試合時間3:51(開始18:01 終了21:52) 入場者18,585
 
123456789RHE
ヤクルト430000000780
阪神10151000X8132
 
バッテリー金久保、大下、●星(0勝1敗)、大西、寺島-嶋、西田
西勇、馬場、谷川、○ガンケル(2勝4敗)、H岩貞、Hエドワーズ、S岩崎(2S)-梅野
本塁打梅野7号(1)

2回終了時で7-1と大量リードしておきながら3~5回に投げた金久保優斗・大下佑馬・星知弥が踏ん張りきれず7-8で敗戦。「やはり7失点で抑えておけば負けなかった」と称された*1


当時のスレッド

石川版
http://orpheus.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1404220621/

ハフ版
http://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1530369924/


関連項目



Tag: ヤクルト なんJ


*1 阪神は先発の西勇輝が7失点と炎上し1回2/3で降板したが、馬場皐輔以下後続の投手が無失点リレーに成功しており見事にYQSを証明したと言える。なおこの日は村上宗隆が1イニングで二塁、三塁、本塁への盗塁を決めるパーフェクトスチールを達成している。