大量リードしているにもかかわらず盗塁を行ったチームに対する苦言。転じて、(明文化の如何に関わらず)ルール・慣習に反する言動を取った者を諫める言葉。
岡田彰布 (当時オリックス監督)のコメントが発祥。
概要
2010年6月4日の阪神対オリックス戦における出来事。5-0と阪神リードの7回裏、一死1, 3塁の場面で一塁走者の藤川俊介が盗塁を行った*1。試合はそのまま阪神が勝利。岡田は試合後の会見で、5点差での盗塁は「野球の不文律」に反するとして阪神首脳陣を口撃した。
- 岡田監督“報復予告”因縁対決に火種
「(阪神は)やってしまいましたなあ」
「しかし…きょうは5点差で、ファーストから(走者が)走ってしもたなあ。これは大変なことやと思うよ」
「これは教育やろなあ」
「こっちは負け認めたってんのになあ。なんで走るんやろなあ。あしたも試合あんのになあ。これは大変よ」
岡田の発言は「報復をほのめかしている」「不文律なんて馬鹿らしい」と批判を浴び、以降、大量リードでの盗塁が行われるたびに(ネタとして)蒸し返されるようになった。特に「やってしまいましたなあ」「これは大変なことやと思うよ」「これは教育やろなあ」は汎用性が高く、定型句として浸透した。詳細はどんコメ参照。
教育例
2017年7月26日 中日対ヤクルト(神宮)
中日が10点リードで迎えた6回表に大島洋平が二盗を仕掛けるが、直後に火ヤク庫が着火し7, 8回で同点に追い付かれる。最後は10回裏に大松尚逸のサヨナラHRが飛び出し決着。NPB最多点差タイの10点差逆転負けを喫し、「大島は火ヤク庫の爆発を予知していた説」や「盗塁が起爆スイッチになって教育された説」などが飛び交った。
2019年3月10日 侍ジャパン対メキシコ 親善試合第2試合(京セラD)
4-0で日本リードの1回裏に大山悠輔が、5点差に広げたのち2回裏には中村奨吾が盗塁を決める。大山、中村いずれも後の打席で死球を受け*2、「報復ではないか?」と指摘された(単にメキシコの投手のコントロールが悪かっただけ、との意見も存在する)。
本盗塁に関して野村克也は「国際試合におけるマナー違反」と否定する旨の発言を残す。当発言に対し時代錯誤と批判する声が挙がる等、肯定派・否定派それぞれの見解が分かれている。
2019年4月12日 巨人対ヤクルト(東京D)
巨人5点リードの8回裏、吉川大幾が二盗に成功。直後にマウンドの風張蓮はアレックス・ゲレーロに死球を与える。風張に非難が向けられるが、「風張はコントロールが優れているわけではないので意図的でないのでは」「ヤクルトは直前に延長で12点取った実績があるため、5点差はセーフティリードではない」等の意見も見られた。
2020年11月5日 阪神対ヤクルト(甲子園)
ヤクルト5点リードの2回裏、 村上宗隆が二盗に成功。村上はこの回に宮本丈とともに連続で重盗に成功し、NPB41年ぶりのサイクルスチールを達成。直後にマウンドの西勇輝は西浦直亨に死球を与え、故意死球ではとの声が上がった。試合は2回裏終了時点で7-1とヤクルト優勢だったものの、先発・後続ともに打ち込まれ最終的に7-8で逆転負けを喫する。「6点差はセーフティリードではなかった」「(YQSを達成すれば試合に勝てることを)チームごと教育された」と言われた。