低HP

Last-modified: 2025-11-30 (日) 18:07:13

低HP【ていえいちぴー】

  • キャラクターの育成方針および形態、または戦術のひとつ。
    低Life、低ライフとも。現在では事実上不可能な廃れた戦術。

概要

  • マビノギの特徴である「ライフが0以下になった場合、ある一定の確率でDEADLY状態になり、戦闘不能を回避する」「現在のライフが最大値の半分以上ある状態で一度にライフが0以下になった場合は確実にDEADLYが発動する」という仕様を利用した戦術。
    最大HPを一桁にし、どんな攻撃を受けても即座にデッドリーとなることで即死を確実に防ぐ。
    デッドリー状態になると一旦吹き飛ばされてノックダウン状態を経由するため、仕切り直しの時間を稼ぐことができ、デッドリーによる転倒後はライフポーション1個で即座に全快可能なので、殴られたときの復帰コストもかなり安い。
    一方、負傷による最大ライフが低下していると条件を満たさなくなりやすいため、負傷を防ぐ・回復する手段が重要でもある。
  • リカバーの隙が得られないほどの連続攻撃を受けると戦闘不能になってしまうので、多タゲやサンダーが天敵。
    また、最大ライフを1にしているとディフェンスしてもデッドリーになってしまうため、基本的に追い込まれやすく、切り返しに慣れた上級者向けの難しいテクニックだった。
  • ライフが低い(上がりにくい)エルフが特に好んだ戦術。
    得意とするレンジアタックは敵に密着されると非常に立ち回りが苦しくなる傾向にあったが、意図的に吹き飛ばされることで立て直しの時間を取れることと、強力な切り返しスキルであるウィンドミルとの相性が良かったこと、そして「ウィンドミルのコスト問題」のメリットがすべて噛み合っていたことで、一世を風靡した。
    • 切り返しスキルではなく純粋なダメージソースとしてウィンドミルを鍛え上げた一部のエルフもいたらしい。

リカバーの容易さ

  • 最大ライフ100のミレシアンが100のダメージを受けた場合、ライフが0になってDEADLY状態でダウンする。その状態からDEADLYが確実に発動する安全圏までリカバーする場合、ミレシアンはライフポーション30を2つ飲まなければならない。
    一方、上述のとおり最大ライフが1のミレシアンであれば受けるダメージが100でも1000でも使うライフポーション30は1つ。
    • これはコスト面だけでなく、ポーション中毒へのリスク低減という側面から見ても有利であった。当時は敵の攻撃力が非常に高く、また防御値が事実上機能していなかったため最大HPが上がるほどリカバーのコストが単に重くなるだけになっていた。結果、ライフを上げれば上げるほどポーションが多く必要になり、使えば使うほどポーション中毒になりやすくなるという逆転現象を引き起こし、ライフが低い=上手い人、ライフが高い=格下のダンジョンしか行かない人という変な評価をされることが少なくなかった。
  • のちにポーション中毒のしきい値が引き下げられ、また強いライフポーションほど中毒になりやすいアップデートがかけられたが、その頃にはすでにウィンドミルの仕様変更が入っており、こちらは「高HPを盾にポーションがぶ飲みごり押し」対策であったと思われる*1

ウィンドミルとの併用

  • 当初、ウィンドミルは最大ライフの数値を問わず現ライフの1割を消費して発動する仕様であったため、最大ライフを1にしておけばHPを0.1しか消費せずにウィンドミルを使う(自然回復するので実質的に消費HP0)ことができた。
    苦手な多タゲもミル連打で簡単にしのげ、多タゲ自体にもなりにくい環境であったため、一時期はかなりの流行を見た。ダンジョンの部屋中央でウィンドミル連打は当時の最強戦術だった。
  • この状態を是正するため、2008年1月中ごろにHPが一桁のときのウィンドミルの使用はHPを固定で2消費するようになった。
    そのため、最大HPが2以下の状態でウィンドミルを行うと一発でデッドリーになってしまうことになり、「確実にデッドリー状態になって戦闘不能を回避する」「低コストでミル連打し放題」という大きな利点を失うこととなり、人気に陰りが見られるようになる。
    しかしながら、どちらかというとこの変更は「ウィンドミルの弱体」であったため、タイミングを間違えなければ確定デッドリーや、「デッドリー状態からライフポーション30ひとつで復帰」「現ライフを削りながらウィンドミルを発動するデメリットを無視する*2」というメリットは依然としてあった。
  • その後、G15S4のアップデートによりウィンドミルのHP減少がなくなったため低ライフのメリットが失われ、また複数タゲが多い影ミッションが経験値稼ぎの主流となってからは環境に合わなくなり、どんどん廃れていった。

低ライフの終焉

  • 才能アップデートによってスキルカテゴリごとにボーナスが加えられるようになり、低ライフ戦術完全に終焉を迎えることになる。
  • 特にスキルを問わず恩恵の大きいクリティカルカウンターウィンドミルのランクを上げてしまうと「戦術」の才能ボーナスで最大ライフが強制的に上がってしまう点で、低ライフを維持するためにこれらの有用なスキルのランクを上げられないデメリットが大きくなりすぎてしまった。
    その結果、低ライフ戦術は現在の多くのコンテンツが多タゲ前提、才能システムといった仕様と完全に乖離してしまい、その役目を終えた。
    • 仮に最大ライフを1に維持し続けて育てることが出来たとしても、行動不能になりうる持続ダメージや連続ダメージが発生しうる戦闘は徐々に増えていったので
      才能アップデート時がそうだった訳ではないが、もう潮時は近かっただろう。
      • 具体的には
        唐突に行動不能が発生し得る持続ダメージを発生させる使徒ギルガシ
        床にダメージ源を置いてくるサラマンダーがいたり連続ダメージの多いテフドゥイン
        ポーション飲むのにもCTつき(または完全に不可能)で自力で起き上がれなくなるクロムバス、
        行動不能可能回数に制限つき、ポーションCTも持続ダメージも存在するグレンベルナ、などなど…。
  • 現在では防御・保護のパラメータとダメージ計算式が適切に適用されるようになり、また様々なスキルを育てることでもライフが勝手に上がっていくようになったためどう頑張ってもライフを下げることはできず、おおむねライフはあればあるだけよい、というのが主流。
  • とどめにNewRiseアップデートで「最大HPの割合以下のダメージののけぞりを無効化する」および「特定の装備に新たなプロパティとして装備等級によってパラメータにボーナスが得られる*3」仕様の追加により、被弾時のリスクが減るのでHPは盛れるだけ盛ったほうが良い。またいい装備を揃えると勝手にライフが上がるようにもなっている。
    かつてはライフは低ければ低いほど良い、とされた時代が流れてライフは多ければ多いほど良い、と正反対になるのは歴史の面白さだろうか。

余談

  • 低いHP、しぶとい耐性ということでどことなくベーコン魔人を髣髴させるが、
    あちらはいくらダメージを食らおうとデッドリーにさえならないので全く別次元の存在である。

*1 また、マナの仕様で一部の魔法はマナが足りなくても詠唱できるという仕様上の穴があったため、低HP同様にマナポーション10を1個で強力な魔法を連発することができた。この対策という側面もあったといわれている。事実、この中毒のしきい値引き下げではマナポーションでの中毒値が大きくされている。
*2 通常の育成をしたキャラクターなら現ライフがどんどん減っていき、自動的にデッドリーの要件を満たさなくなることや、ライフを回復するコストがより多くなるため。
*3 武器・補助武器はダメージボーナス、盾・防具はライフにボーナスが割合で得られるようになった。