メインストーリー

稀星学園高尾校教師、神崎は"謡舞踊部"と呼ばれるアイドル活動を行う部活を受け持っていた。
だが謡舞踊部に所属するKiRaReという名のアイドルグループは、今現在アイドル活動へのモチベーションを失っている。
このままではいけないと、今までの活動をおさらいし、再び活動を始めるKiRaReだが……。

打倒ステラマリス、プリズムステージ優勝を目的に再びKiRaReはゆるりと始動。
手始めに行われた会議では、ステラマリスリーダー式宮碧音の弱点を突く等の案が出るが、妙案とは言い難く、ホームページを作る程度の結論に収まった。
しかし、後日改めて集まった一年生が固めた意見により、原点に立ち返ってライブを行うことに決まった。
予想以上に集まった客に、否が応でもやる気が出てくるメンバー。結果は……。

前回のライブの反省会とともに、今後の方針を決める打ち合わせが始まる。
紆余曲折を経て、瑞葉の顔の聞くメイド喫茶、通称"第二部室"でのライブを行うことが決定した。
初見のメンバーへの紹介も兼ねて下見をし、過去の活動を思い出す面々。
とは言え、まだ先のことである。休日を挟んだメンバーは思い思いの時間を過ごし、英気を養う。
秋葉原を巡り歩いた舞菜と紗由が、ステラマリスメンバー岬珊瑚と遭遇するなどのアクシデントはあったが、
むしろ彼女の宣戦布告により燃え上がった紗由、及びそれを見たメンバーはやる気を出し、イベント等への積極的な参加を方針付けた。

早速、KiRaReは大規模のアイドルステージイベントに参加することになった。しかし本イベントには本校のアイドルユニットが出場するという噂があった。
戦々恐々としながら向かったステージに立っていたのは、ステラマリスではなく、トロワアンジュと呼ばれるユニットだった。
彼女らの実力はステラマリスに劣らないものがあり、KiRaReはトロワアンジュに敗北することとなった。
しかしKiRaReはこの敗北を糧に、一層励むことを誓う。

今日は高尾校の文化祭。KiRaReはピーターパンのミュージカルを行うことになっていた。
しかし、練習中に足を挫いてしまったフック船長役の瑞葉は、来校していた式宮碧音に代役を依頼する。
結果、舞菜扮するピータパンと碧音扮するフック船長の戦いとなり、観客の心を一気に引き込むことになった。
そして、その中には全員がリーダーを名乗る謎のアイドルユニット、テトラルキアもいた。
メンバーで勝手に喧嘩をしたかと思えば、慌ただしく帰っていき……。結局、彼女らの目的は分からなかった。

文化祭の思い出を反芻するKiRaRe及びステラマリス。
各々はテトラルキアの来訪を思い起こし、実は瑞葉の負傷に苦言を呈し、舞菜は碧音との再会で決意を新たにし……。
そして、碧音は舞菜と共にステージに立つことの喜びを思い出した。
再び高尾に訪れ舞菜と対面する碧音は、ステラマリスを超えるという強い決意を胸にした舞菜の姿を確認する。
碧音は、役とは言え本気で自分と対峙した舞菜に対して、プリズムステージで再び相見えることを誓った。

ピクニックに行こう、という瑞葉の突然の発言により、KiRaReはオルタンシアと共に高尾山を登山することになった。
秋葉原で登山グッズを買い揃えた後、早速登っていくが、道のりは少々過酷。
ようやく頂上に到着した所で、瑞葉からこれはトレーニングの一環であったと明かされる。
衝撃ではあったが、それはそれとしてプリズムステージ出場のお祝い会が行われる。

KiRaReそっくりのバーチャルアイドルがインターネット上に存在することが発覚した。
彼女らは比較的人気のバーチャルアイドルであり、以前のライブで客が多かった原因はこれだと判明。
敵か味方か分からず調べているうちに出てきたのは、かえの作ったホログラム「ヒトエ」。件のバーチャルアイドルは、ヒトエがKiRaReのために作ったものだという。
一安心するメンバーだが、そんな中テトラルキアからの果たし状が届く。彼女らが気になったグループをプリフェスというフェスに集め、前哨戦をするとのこと。
KiRaReはこれに参加することを決めた。

果たし状はオルタンシア、トロワアンジュ、ステラマリスにも届いていた。
プリフェスは一校一ユニットの縛りはないため、オルタンシアはもとより、トロワアンジュとステラマリスは共に参加表明を出すことができる。
そうして、KiRaRe、オルタンシア、ステラマリス、トロワアンジュの4組は、プリフェス会場にて邂逅することになる。
加えて……。

加えて、テトラルキアも現れる。各々が自己紹介も済ませ、いよいよプリフェスは開催された。
オルタンシア、トロワアンジュ、テトラルキア、ステラマリス。どれもレベルが高いパフォーマンスを行った後、
KiRaReの出番がやってくる。熱気に包まれたステージ。笑顔で歌い踊るKiRaRe。そして、舞菜に存在する違和感。
瑠夏、碧音、玄刃。ステージを見ていた何人かが気付いていた違和感の正体は、舞菜の激しい動きに紗由や香澄を除いたメンバーが付いていけていないというものだった。
そして来る結果発表。優勝を果たしたのは……ステラマリス。

実が生徒会長である一ノ瀬凛に言い渡されたのは、KiRaReを学校の広告塔にしたいという提案だった。
ファンや自分たちのためにアイドルをしたい、人気になり始めた途端に都合がいいなどの意見から、実、かえ、香澄はこれに断固反対。
生徒会室に立てこもるまで発展してしまう。加えて、舞菜、紗由、瑞葉までも同調する。
事が大きくなってきた最中、香澄の罠を掻い潜りKiRaReの前に登場したのは、なんとステラマリスの一条瑠夏。
広告塔の話は白紙になったため、連れ戻しに来たとのこと。これは碧音が学校に示談を行ったためだった。
瑞葉に舞菜が立てこもったと連絡を受けた彼女は高尾に来校し、事態を鎮圧したのだ。
瑞葉は碧音に貸しを作ることになったが、KiRaReの実力ですぐに返すと豪語。碧音は不適に笑うのだった。

瑞葉から連絡を受けた碧音はひどく狼狽したが、瑠夏に宥められ、立てこもり事件は迅速に解決された。
そんな彼女らの明日は、久しぶりのオフである。珊瑚は碧音や瑠夏らを遊びに誘うが、予定があると断られてしまう。
仕方なく一人で秋葉原を闊歩する珊瑚だが、一人でうろついているうちに発見したのは、なんと二人で楽しそうに買い物をする碧音と瑠夏。
珊瑚が落ち込んでいると、トロワアンジュの白鳥天葉と帆風奏と遭遇する。二人は珊瑚の話を聞くや否や尾行を提案。
……が、何も起こらない様子に痺れを切らした天葉は、財力を行使し二人を捕縛。
その後ちょっとしたいざこざを経て判明した事実は、二人は珊瑚のサプライズ誕生日プレゼントを用意するつもりだったということ。
誤解の解けた三人は笑い合ったのだった。

自衛隊の体験レッスンの話がやってきたKiRaRe。溌剌とする香澄と、辟易とする紗由、舞菜、かえ。
だが、いつになく熱くなる香澄に3人も納得する他なかった。デートを控えるような顔で当日のレッスンに思いを馳せる香澄。
だが肝心の当日。彼女が謡舞踊部室にくることはなかった。一番楽しみにしていた彼女がなぜ。事故にでもあったのだろうか。
その理由は……風邪。
体験レッスンは、香澄抜きで行う事になったのだった。

広告塔の件における学校側からの詫びとして、プロモーション費として部費が支給された。
プロモーションを撮る場所として実が海を提案するが、今は秋。断固反対された。
それでも海に固執する実に、瑞葉がプレゼン対決を提案する。それぞれが場所を持ち出し、良い点を紹介するというものだった。
夕日に向かって100m走。PCゲーム。本の紹介。日本舞踊の解説。度重なる脱線。
会議が行き詰りだした頃。瑞葉が不適に笑いだす。続けて妙案とばかりに彼女が提案した場所は、彼女の実家のあるという奈良だった。

奈良でのプロモーション撮影のため、準備を進めるKiRaRe。
買い出しの途中にオルタンシアの二人に遭遇するなどのイベントを経て、当日がやってくる。
奈良公園の鹿。紅葉。鹿に追われる実……。奈良を満喫するメンバーたちだった。

KiRaReに感謝祭イベントの招待状が届く。感謝祭は人気アイドルグループの集まる大手の大会。
今回の感謝祭はペア参加が条件だった。KiRaReは舞菜と紗由、かえと香澄、瑞葉と実に別れ特訓を始める。
一方で感謝祭の招待状はステラマリス、オルタンシア、トロワアンジュ、テトラルキアにも届いていた。
オルタンシアは変わらず。碧音は珊瑚と、瑠夏はトロワアンジュの緋村那岐咲と、天葉は奏とペアを作ることに決めた。
テトラルキアは当日まで組み合わせが決まらず。しかしやがて、ペアは参加アイドルの中から抽選で決定するらしいという事実が判明した。

抽選の結果、紫と珊瑚、陽花と実、香澄と美久龍、かえとハク、紗由と奏、碧音と天葉、瑠夏と玄刃、
瑞葉と朱莉、舞菜と那岐咲。以上が組み合わせとなった。
各々ペアは、それぞれの場所で特訓を始める。

やがて感謝祭イベント当日に至る。
元気に、可愛らしく、ロックに、和風に、スタイリッシュに、圧倒的に。
シャッフルペアだからこそ出せる各々の個性が光るパフォーマンスが連続する。
優勝は……。

感謝祭イベントの打ち上げが始まる。
それぞれが食材を持ち寄り、5ユニット18人が一堂に会したパーティ。
騒がしく、楽しく、賑やかな打ち上げはやがて終了し、明日からいつもの日常が始まるのだった。

KiRaReは今日まで大きな問題を後回しにしている。
瑞葉が切り出した言葉は、その場にいない舞菜をの除き、全てのメンバーにプリフェスの際の舞菜の激しい動きを思い出させた。
各々が舞菜に付いていくため、より熱心に特訓に取り組み始める。そんな折、テトラルキアから1対1の挑戦状が送られてきた。
やがて2ユニットは、当日のために合同練習を始める。舞菜と紗由は美久龍と、香澄と実は玄刃と、かえはハクと、瑞葉は朱莉と。
その甲斐あってか、当日ではまたもや舞菜の動きに異変が見られたが、今度は辛うじて付いていくことができた。結果はKiRaReの勝利。
達成感を噛み締めるメンバーだったが、紗由はそうとは言い切れないようで、舞菜に何かを言いかける……。

矢継ぎ早に、今度はトロワアンジュからの挑戦状、もとい招待状がやってきた。本校のしっかりとしたステージで行うとのこと。
意気込むメンバーだが、香澄は、プリフェスの際に皆を支えるという役割を全うできなかった自分を責めてしまう。
意気消沈してしまうが、KiRaReの偵察として立ち会わせた那岐咲と、かえにより立ち直ることができた。
一方、街を歩いていた実は天葉と偶然立ち会う。迷う後輩がいた時の先輩としての在り方を問う天葉に、実は何を思うか……。
やがて、当日。やはり起こってしまった舞菜の異変はいつもより激しいものだったが、香澄と実のカバーにより何とか形になり、
これならば勝てると意気込んだKiRaReに対するトロワアンジュは、いつもと全く違う、黒い衣装を着ていた。
完璧な演出と圧倒的な実力に完敗するKiRaRe。口惜しさを胸に本校を去ろうとするメンバーだったが、そこへやってきたのは碧音。
彼女は舞菜に囁いた言葉は、「次は……」

ステラマリスとのライブが決まったKiRaReは、臨時コーチとしてオルタンシアを呼び寄せた。
紗由はそんなオルタンシアに個別に相談を持ち掛ける。舞菜の異変は舞菜に問題があると思うが、それは言い出せないという旨だった。
それに対して紫が出した答えは、舞菜と紗由とオルタンシアで合同ライブを行い、舞菜に自分の状況を自覚させてはどうかというもの。
結果は成功。舞菜は自らの暴走に気が付き、メンバーへ謝罪する。
KiRaReはそんな舞菜に対し、ステラマリスとのライブまでに何らかの解決策を模索することを決める。

合同ライブ当日。結局、舞菜の暴走が治ることはなかった。
今回は対戦ではないが動員数はプリズムステージ決勝並み。熱くなるメンバーだったが、肝心の舞菜は元気のないままだった。
そんな舞菜は、広い会場に慣れずに迷ってしまう。一人で彷徨っていると、やがて珊瑚に遭遇した。
昔、舞菜が持っていた良さが消えている。そんな珊瑚の言葉が引っ掛かる舞菜だったが、本番の時はやってくる。
異常な実力を見せつけるステラマリスに対し、KiRaReは全身全霊を出し切る。会場も盛り上がっている。舞菜の異変も出ていない。
だが、彼女らがそれを楽しいと感じることはなかった。ステージを降りた後、碧音の静かな反応を見た舞菜は、思わず逃げ出してしまう。
後を追った紗由は意気消沈した舞菜に、昔の舞菜も今の舞菜も見せればいいと激励する。紗由の言葉に、舞菜は再びステージに上がった。
KiRaReは本当に良いユニットだ。そう笑う碧音らは、最強のステラマリスを見せることによって彼女らに応えた。

本校アイドル部は特別練習として、3人と1ユニットを組んでトリオライブ大会に出ることとなった。組み合わせは自由。
早速瑠夏と珊瑚を誘う碧音だったが、瑠夏は式宮碧音と戦ってみたい、と断った。珊瑚も影響を受けてか誘いを断ることにする。
そんな二人に碧音は落ち込むことはなく、誘ってみたい人がいた、と発言した。
その頃、KiRaReとオルタンシアもトリオライブ大会に出ることを決めていた。
組み合わせはユニット内……ではなく、各々が各々の相方と戦ってみたいという理由から他のメンバーをあたっていた。
舞菜も例外ではなかったが、メンバーが中々見つからず困り果てている。思わず溜息を付くと、近くにいた誰かと重なった。

偶然遭遇した舞菜と珊瑚は、近くにあった人だかりに興味を持つ。
どうやらマジックショーをしていたようだったが、マジシャンが足を挫いて倒れてしまった。
代わりにステージに出ることを依頼された珊瑚は酷く渋るが、舞菜の説得が碧音の言葉と重なり、ジュース一本を対価に引き受けた。
ステージを終えた珊瑚は、長い沈黙の末にトリオライブのメンバー探しをしていることを明かし、舞菜を誘う。
晴れてユニットを組んだ2人だったが、あと1人の選択に迷う。悩みながら喫茶店で休憩していると、
先ほどのステージを見ていたらしい天葉がやってきた。素晴らしいステージだったと称賛する天葉は同時に
自分を二人のユニットに入れてくれないかと提案する。断る理由のない二人は恐れ多いながらも歓迎し、こうしてユニットが完成した。

舞菜、珊瑚、天葉の三人で結成されたユニットは、早速特訓を始める。
天葉は、舞菜と踊っていると自分の力が強制的に引き上げられているように感じると言う。珊瑚も同調し、少し怖く感じるとも発言。
そのようにして日々を過ごし、いよいよトリオライブ当日、予選における、各ユニットのパフォーマンスが始まった。
かえ、那岐咲、玄刃のユニット。香澄、瑠夏、朱莉のユニット。瑞葉、陽花、美久龍のユニット。実、紫、ハクのユニット。
舞菜たちも含め、それぞれがコンセプトを立てたようなパフォーマンスを行う。
そして最後に、碧音、紗由、奏のユニット。
紗由は感じていた。碧音と踊っていると自分の実力が強制的に引き上げられる感覚。舞菜よりも遥かに大きいなにか。
彼女は、碧音に、奏に、追い付けるように奮闘し、この大会を迎えた。
そして、予選は以上の8ユニットが勝ち残ることになったのだった。

舞菜らが碧音らと戦うときは、トーナメントの組み合わせ上、決勝をおいて他になかった。大会は進んでいく。
勝ち進んだ香澄はかえを思う。勝ち進んだ陽花は紫を思う。それぞれはそれぞれの気持ち汲み、更に優勝のために励む。
そして対峙する、瑠夏と碧音。碧音を超えるために用意した曲、碧音に勝つために費やした時間、集めた仲間。
準決勝を制した舞菜らが決勝で戦う相手は、しかしやはり。

まず決勝のステージに立った舞菜たちが作り上げた会場は、直後の碧音らのパフォーマンスによって塗り替えられた。
再び舞菜たちの順番が回ってきても、碧音を呼ぶ声は止まらない。しかし、それを再び塗り替えたのは珊瑚と天葉だった。
しかし碧音がステージに戻れば、再び空気を乗っ取る。
紗由が足を挫いたのは、そんな、会場の熱気もアイドルたちの熱意も最高潮に達したときだった。
自らの実力不足を痛感し嘆く紗由に、言葉を掛けるのは舞菜。

チームメイトの負傷という事実を背負った碧音の選択は、大会の棄権……ということを予測した天葉は、自分らも棄権すると言い出した。
不戦勝では納得いくものにはならないためだ。客に申し訳ないのではと言われれば、では4人でライブを行えばよいと言う。
天葉と共に踊った思い出……1年生の頃を思い出しながら碧音はそれを承諾し、ステージに立つ。
大会が終わって暫く。
KiRaRe、オルタンシア、ステラマリス、トロワアンジュ。それぞれはそれぞれのユニットのメンバーと合流し、
トリオライブの出来事を反芻していた。そして、トロワアンジュはステラマリスの元へと向かう……。

今年度を以て稀星学園本校生徒1年生となった白鳥天葉は、トロワアンジュとして活動できるようにアイドル部へ入部した。
直後に行われた実力テストでは、1位が2人という異例の出来事が起こる。1人は天葉。そしてもう一人は式宮碧音という少女だった。
テストが1位のものはライブを行うという決まりがある。碧音はこれを1人ずつではなく2人で同時に踊ることを半ば強引に決めた。
そうして始まったライブは、白鳥天葉の心を強く乱した。碧音と踊ると今まで感じたことのない感情が湧くと言う。
天葉は自身の気持ちが分からないまま、今度は1年生のみのユニットライブが行うことになる。
ユニットは、碧音と奏、加えて一条瑠夏。彼女らとライブをしていくうちに、天葉は強く思った。碧音に勝ちたい、と。
それが、2年前。天葉はトリオライブを経てこの当時の気持ちを強く思い起こされ、ステラマリスにライブを申し込んだ。
が、碧音は断る。碧音はプリズムステージでステラマリスが最強であることを証明してから、トロワアンジュと戦いたいと言う。
そんな碧音に、天葉は必ずプリズムステージで優勝するよう言った。今度は碧音の方からトロワアンジュのもとへ行くために。

トリオライブを経たKiRaReは格段にレベルアップしていた。実が新生KiRaReだとはしゃぐ一方で、紗由だけは暗い表情をしていた。
歌も踊りも間違えていないはずだが、違和感を感じるという。
そんな日々を過ごす内、KiRaReは部費の向上の代わりに校内ライブを行う。そこでも紗由は違和感を感じ、
ついには踊り方が分からなくなってしまった。後日、香澄はそれをスランプと称した。
メンバーはその解消方法を模索するが、やがて紗由は歌声すら出なくなってしまう。

メンバー全員の謎の用事により、謡舞踊部の活動は1週間休みとなった。
瑞葉の用事は、紗由と映画鑑賞をすること。かえの用事は、新作ガジェット「スランプ克服くん1号」を作ること。
実の用事は、紗由とライブに行くこと。香澄の用事は、紗由に昔話をすること。
舞菜の用事は、第二部室でライブを行う事。共演者は紗由。直前になって足が竦む紗由だったが、舞菜に励まされステージに立つ。
ゆっくりでいい。笑顔でいると自分も楽しくなる。アイドルは誰かを楽しませられる。KiRaReは紗由を放っておくことはない。
メンバーの言葉を胸に、紗由は舞菜と共にライブを完遂したのだった。

トリオライブを終え、久しぶりのライブを行うオルタンシアの2人。ただ、紫は考え事をしていた。
トリオライブの際に陽花が発した"楽しいを伝える"ライブができれば、それがオルタンシアの最大の武器になると考えたのだ。
あの時と今で何が違うのか悩んだ末、あの時一緒に踊った瑞葉と、紫も加えてもう一度踊ることにした。
しかし、結局は分からず仕舞い。
途方に暮れていると、美久龍から自分たちとライブをしようという旨のメールが……。

紗由のスランプを解消し、再始動したKiRaRe。
実力面でもそれ以外でも、以前と比べて大きく成長しているメンバーの姿に瑞葉は焦っていた。
自分だけ何も変わっていない。もっと練習しなければ。それはオルタンシアの相談を境に更に激しくなっていく。
しかし、何故か練習する度に下手になっていく。更に根を詰める瑞葉に待ったを掛けたのは実だった。
実が案内した先にあったのは、いつもの瑞葉に戻ってもらうためにサプライズパーティの準備をするメンバーの姿。
瑞葉は部屋に入る前に、涙が止まるのを待った。

2年前。
天葉、奏、瑠夏。3人をユニットに誘って3人ともにフラれた碧音は、それでも3人と一緒に練習をしていた。
しかし瑠夏はそれをよく思っていない。超えるべき相手とともに練習をしていては、意味がないからだ。
そんな折、2人で同じ曲を歌い踊り勝ち負けを決めるというデュエットライブが、アイドル部によって企画された。
これ幸いと早々に碧音を誘う瑠夏。共に踊っているうちに彼女との実力差を痛感してしまうが、同時に彼女の本質も理解する。
楽しいから踊る。それだけ。そうした最強への道をまざまざと見せつけられた瑠夏は、以前の誘いへの答えを取り消すことにする。
即ち、碧音と正式なユニットを組むことに決めたのだった。

合同ライブを控えたオルタンシアとテトラルキアは、トリオライブ以来に東京で再会した。
テトラルキアのライブを眺める陽花。しかし紫は、そんな陽花の様子が少しおかしいことに気付いていた。
その予感はあたり、陽花はライブ後に倒れてしまう。自身を強く責める紫だったが、偶然通りがかった珊瑚に諭され思い直す。
オルタンシアは2人で1人であり、どちらかが悪いのではなく、きっとどちらも悪い。
でもそのままではダメだから、なら片方が、今は自分がプラスになる。そう表明した紫は、後日自分1人でライブを決行するのだった。

陽花、玄刃、ハクの3人は謡舞踊部第二部室にてライブの反省会……もとい雑談……もとい女子会をしていた。
そこに偶然出会った舞菜と紗由、遅れてきた紫に連れ去られた珊瑚も加わった。更に香澄とかえ、那岐咲までもが加わり、
折角の大所帯ということで、ゲームが提案された。題は「ドキドキ！？いろいろしようよすごろく！！」。2人1組のすごろくだ。
玄刃のみが把握していたが、これは悪魔のゲーム。イベントのあるマスに止まる度、プレイヤーは羞恥心に苛まれるのだ。
陽花の精神は不安定になり、紗由は壊れ……。
様々な被害をもたらしたこのゲームは、借金塗れの香澄と那岐咲によって終止符が打たれたのだった。

舞菜や珊瑚などは解散し、美久龍と朱莉が合流。第二部室にはオルタンシアとテトラルキアのみが集まっていた。
テトラルキアが集合したこの場で、疑問に思った玄刃が質問をしたことにより、初期テトラルキア結成の経緯が語られる。
2年生、南風野朱莉は、進級早々に新入生レクリエーションでの1日アイドルの役目を押し付けられていた。
友人を誘うも相手にされず困り果てていると、ふとクラスメイトの坂東美久龍が路上でライブを行っていることに気付く。
美久龍がロックと呼ぶそれに感銘を受けた朱莉は、毎日ライブに通い始めた。そんなある日、美久龍は朱莉がそれに費やした時間、
つまり貸しを返すために、アイドルのレクリエーションに協力してくれるという。
練習の末にやってきた本番では、朱莉に異変が起こる。美久龍は、練習のときの、いつもの朱莉らしくない踊りだと言う。
彼女らが納得するまでやり直したライブは、観客もアイドルは最高に楽しんだ最低なライブだった。
美久龍は朱莉との関わりやライブを通し、アイドルはロックだと称する。
そんな彼女らは、共に本格的にアイドルを目指すことを決めたのだった。