RTW3 政治と他国との関係

マニュアルP60～67の翻訳

政治と他国との関係

国家の特性

プレイ可能な国々には、いくつかの国家的特性があります。以下はそれらの特性とその効果のリストです。

• Efficient shipbuilding industry:効率的な造船業
  艦船の完成時間が10％短くなります。
• Undeveloped shipbuilding industry:未発達な造船業
  艦船の完成時間が10％長くなり、設計速度に達しないなど、予期しない欠陥がより多く生じます。
• Global naval power:グローバルな海洋強国
  国は外国の拠点に少なくとも10％の総トン数を維持する必要があり、設計に窮屈な乗員室を使用することはできません。
  他の国が同等の海軍予算を持っている場合、自動的に予算が増額される可能性があります。
• Cautious:慎重派
  AI制御された部隊は戦闘時に慎重になります。
  プレイヤーは、戦闘に敗北した場合や主力艦を失った場合により多くの名声損失の可能性があります。
• Poor education level:低い教育水準
  船員やパイロットの質に影響を与え、研究の進捗にわずかな負の影響を与えます。
• Surprise attack:奇襲攻撃
  この特性を持つ国家は、敵艦隊に対して奇襲で戦争を開始する傾向があります。
  戦争開始時に敵艦隊を奇襲する確率は80％です。
• Inconsistent naval policy:不一致な海軍政策
  政治家が造船設計や優先順位に干渉する可能性が高くなります。
• Attention to detail:細部への注意
  艦船に隠れた欠陥や脆弱性が少なくなります。
• Technology Leader:テクノロジーリーダー
  この特性を持つ国家は研究分野でトップクラスに位置し、AIが制御している場合は技術開発のトップを維持するために研究に費用を投じます。
• Hidden faults: 隠れた欠陥
  艦船には予期せぬ欠陥が存在する場合があります。
  例えば、砲塔への被弾時に爆発する、などがあります。
• Kamikaze:神風特攻
  ファシスト国家で神風特攻特性を持つ場合、戦況が絶望的になると自殺的な航空作戦を実施します（航空セクションを参照）。
  神風特攻特性を持つ国家は攻撃技術の研究において優れる傾向がありますが、防御技術の研究においては劣る傾向があります。

政府形態

国家はまた、内政と外交政策のいくつかの側面に影響を与える政府形態を持っています。
政府形態には以下のようなものがあります

自由民主主義
限定民主主義
独裁主義
ファシズム
共産主義
東方主義

国家の政府形態は、主に革命（不安定度レベルを参照）によって変化することがあります。

緊張度

プレイヤーの国は、他のすべての国と緊張度を持っています。

緊張度が高まると、いずれ戦争の危険性が生じます。
緊張度は時間の経過とともにゆっくりと上昇し、戦争が勃発するまでに数年の時間があることが多いです。
しかし、戦争が突然かつ予期せず勃発することがあるため、警戒を怠ってはいけません。
いつでも戦争が起きても戦えるように、海軍を常に整備しておく必要があります。
旧式の艦船を多数廃棄し、1年ほどで新しい艦船が準備できることを期待しすぎると、国際情勢が悪化した場合に戦闘出来る艦が無く不利な状況に陥る可能性があります。
また、海軍が弱すぎると思われる場合、報道や海軍連盟からの非難を浴びる可能性もあります。

イベント

ランダムなイベントや危機が時々発生し、それらに対処する必要があります。
主に政府に助言を与えることで対処します。
「タカ派」の回答は予算と名声を上げる傾向がありますが、緊張状態を高める傾向があります。
「ハト派」の回答は緊張状態を下げる傾向がありますが、名声や海軍予算を下げるリスクがあります。
イベントダイアログでマウスオーバーすると、回答による効果のヒントが表示されます。

• デザイナーのメモ：ほとんどのイベントは20世紀のヨーロッパの政治に合わせています。
  政府のタイプによって発生するイベントとその発生率は異なりますが、ヨーロッパに適したイベントがいくつかあります。
  政治的なイベントは海軍に関する背景を提供するためのものであり、関係するすべての国々の政治を完全にシミュレーションすることを目的としていません

威信

「威信」とは、王族・大統領や政治家、将校や他の権力者との関係に基づく、あなたの一般的な評判を表します。
イベントに対しての「タフ」な反応、戦闘での成功によって威信が高まります。
一方、「ソフト」な反応や敗北、不手際によって威信が下がります。
威信は、あなたの計画や海軍全体に影響を及ぼす可能性のあるさまざまなイベントに影響を与えるために使える通貨のようなものと考えることができます。
ほとんどの場合、威信の喪失は比例的であり、威信が高い場合は威信喪失のイベントでより多くの威信を失います。
威信があまりにも低い場合（16以下）、解任の危険性があり、ゲームに負けてしまいます。
威信は、ゲーム終了時に、海軍司令官としてのキャリアを評価する「勝利ポイント」システムとしても使用されます。

不安度

不安度レベルは、労働者や下層階級の感情を表します。

高い不安度レベルはストライキや軍事予算の削減要求を引き起こし、戦時中には革命と敗北につながる可能性があります。
自由主義民主国家では革命の発生率が低くなります。
不安度レベルは以下の要因で上昇します。

• 高い軍事支出
• 長期戦争
• 海上封鎖されている
• 艦船内の窮屈な居住環境
• 敗北
• イベント

不安度レベルは以下の要因で低下します。

• 戦争が勃発すること（最初だけは）
• 社会プログラム（イベントの回答）
• 勝利
• 軍事支出の削減

国内で軍事・海軍関連の予算がどの程度使われているかは、不安度レベルを大きく左右する最も重要な要因です。
不安度が高い状態で軍事予算を増やし続けると、不安度レベルが上昇することになります。
高い不安度レベルで戦争を始めた場合、戦争による封鎖や貿易の混乱が不安度を増幅させることになりますので、注意が必要です。

敵艦船

他国の艦船に関する情報には制限があります。
建造中の艦船については、艦船の種類と排水量しか見ることができません。
完成した艦船については、艦船の種類、排水量、砲またはミサイル発射装置の数と口径、速度を見ることができます。
しかし、他国に向けた性能発表なので情報は正確ではないかもしれません。
情報収集を行うことで、武装、装甲厚、魚雷防御などの詳細な情報を得ることができる場合があります。

軍縮条約

条約は軍縮会議イベントによって発生します。
回答によって条約の可能性を左右することができます。
「強い」回答は条約を軽蔑する傾向があり、緊張を高める可能性があります。
条約では、新しく建造される艦船の排水量と主砲の口径に上限が設定されます。
また、全ての国の戦艦総トン数にも上限が設けられます。
条約交渉中に、条約の条件について意見を述べることができ、場合によっては条約に反対することもできます。

条約締結時に建造中で条約の条件を満たさない艦船は解体されます。
既存の艦船は保有でき、条約の上限を超えていても改装・近代化が可能です。
自由民主主義国家は条約に厳格に従わなければなりません。
他の国は排水量について最大10％の「不正」を行うことができますが、主砲については不正はできません。

同盟国

他の国と同盟関係を結ぶことができます。
他国と同盟を結ぶことにはいくつかの利点があります。
同盟はその国との緊張を抑え、戦争であなたを支援します。
同盟国はほかの国より技術を売ってくれる可能性が高く、低価格で売ってくれることもあります。
同盟国から航空機のライセンスを購入することもできます。
同盟国の艦船は、戦闘であなたの側に現れることがあります。
同様に、あなたが二つ以上の国と戦争をしている場合、敵の同盟国が現れることがあります。
同盟国の拠点や沿岸砲台も戦闘に参加します。

同盟は戦争中に解消されることはありません。
代わりに、同盟国はあなたとの緊張が高まると別々に和平を求めることがあります。
また、一方の国がファシスト/共産主義である場合とリベラル民主主義である場合には、同盟が解消される可能性が高くなります。

平和

戦争中には、和平交渉に関連するイベントが発生します。
これらに対するあなたの回答は、和平の可能性やその性質に影響を与えます。
勝利の場合、勝利の規模に応じて、敵艦隊から資源、領土、さらには艦船まで獲得することができます。
逆に、戦争に負けると、上記の何れかを失うことになります。
領土を獲得する際には、選択できる敵の領土のリストと、選択できる価値ポイント数が提示されます。
未使用のポイントは、基本リソースをわずかに増やすことになります。また、領土を受け取らず、基本リソースの増加に満足することもできます。

• ヒント：戦争を始めるのは簡単ですが、終わらせたいと思った時に終わるわけではありません。- マキャヴェリ