RTW3 艦隊の管理

Last-modified: 2023-05-29 (月) 13:25:12

マニュアルP45~59の翻訳

船舶の戦略的配備

船舶は、本国地域または外国の基地に配置されます。
エリアに配置できる船の数は、そのエリアの港の容量に依存します。
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港の容量はMapタブ、Base overviewタブにて確認できる。
この数を超えることもできますが、それにより船舶が十分にメンテナンス出来ず、乗組員の質が低下する可能性があります。
ある国がエリアに基地を持っていない場合、非常に限られた数の船しか配備できません。
例えば、友好国または中立国の基地で石炭を補給できる一隻の巡洋艦などです。
港の容量よる影響はターンの終わりに処理されます。
つまり、港の容量が不足しているエリアに艦隊を移動して、船が港不足に苦しむ前に戦闘を行うことができます。


各国は、領地を持つ地域には一定の量の艦船を配備しなければなりません。
必要量はトン数で表され、その国が所有する領土の数と価値に依存します。
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Area overviewタブで要求FSトン数を確認できます。
活動中の艦船(AF)または外国駐在状態(FS)の艦船のみがカウントされます。
必要な数が満たされない場合、プレイヤーの威信に影響を与え、影響を受ける地域での反乱につながる可能性があります。
植民地用装備(colonial service)を搭載した艦船は、FSにそのトン数を1.5倍としてカウントします。
宿泊設備が狭い艦船(cramped)や航続距離の短い艦船(short)は、外国駐在にはあまり役立たちません。
これらの艦船は実際の排水量よりも少なくカウントされます。
FSの要件を満たす方法は、該当する地域に手動で艦船を移動するか、FSに割り当てます。
FSの役割に割り当てられた艦船は、AIが適切な地域に移動させます。
後者の方法は、戦争で領土を獲得した後など、急に外国勤務の要件を満たす必要がある場合にはより迅速に対応できます。

  • 注意:戦時中に封鎖下にある場合、FSに配属された艦船の配置要件は適用されません。
    戦争になったときに十分な戦力を確保するために、外国に必要より多めの船を駐留させておくのもよいでしょう。

艦船リスト

メイン画面の左から2番目のタブ(Ship in service)には、現在活動可能な艦船のリストが表示されます。
艦船に関するほとんどのコマンドは、艦船リストで艦船を右クリックすることで実行できます。
ここでは、艦船を予備艦隊(RF)に配置したり、予備役(MB)させたりすることができます。
また、艦船の設計を開いたり、通商破壊艦(R)としての任務を割り当てたり、他のエリアへの移動命令を出すことができます。
多くのコマンドは、艦船リストで複数の艦船を選択して一括で実行できます。
たとえば、複数の艦船を予備艦隊に配置したり、複数の艦船に同時に移動命令を出したりできます。
複数選択する場合は、リストでShiftキーまたはCtrlキーを押しながら矢印キーや左クリックで選択します。
建設タブ(Ships under construction)では建設中の艦船が表示されます。
ここで艦船を右クリックすると、建造を停止または加速するための選択肢が表示されます。
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艦船リストの略語の説明


  • 速度:ノットでの速度の後に、以下のような文字が示されることがあります。
    L=長距離
    S=短距離
    c=植民地サービス用に装備されている
    a=狭い宿泊施設
  • ステータス:略語の意味は以下の通りです。
    AF=アクティブ艦隊
    RF=予備艦隊
    MB=モスボール
    R=通商破壊任務
    FS=外国駐在
    TP=貿易保護
    WU=訓練中
    数値は、その数の月間修理中であることを示します
     ステータスの後に*がある場合、艦船がメンテナンスを必要としており、十分な基地容量のあるエリアに戻る必要があることを示します。

移動

艦船は、戦略ターン(1か月)で隣接する地域に移動できます。
艦船に遠くの地域へ移動する命令を与えることもでき、艦船は最終目的地域まで自ら航路を計画します。
戦闘に参加できるのは、その地域に存在する艦船のみです。
移動中の艦船は、移動先での戦力として計算され戦闘に参加できます。
航続距離が短距離の艦船が戦時中に移動できるのは、隣接する本拠地地域間に限られます。
たとえば、アメリカ合衆国の北米東海岸とカリブ海です。

移動命令を与えるいくつかの方法

  • 地域詳細ダイアログから「Move ships in area」ボタンをクリックして、Move Ships画面に移動します。
    Move Ships画面では移動先を選択し、移動させたい艦を画面の右側に移動させてOKを押して移動指示を出します。
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  • Mapタブの艦船リスト内の艦船を右クリックし、Move Shipsを選択すると、その艦船を選択した状態でMove Ships移動画面に移動します。
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  • Ship in serviceタブのリストで一度に複数の艦船を選択し、「m」キーを押します。
    これで移動先のリストが表示されます。
    移動させたい地域をクリックすると、その地域に移動するように指示します。
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  • mapタブの艦船リストから艦船を左クリックしたまま別のエリアにドラッグし、ドロップします。
    これでMove Ships画面が開くので移動指示を設定します。
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    注意点として、実際に移動が実行されるのは「ターン」を押した時点です。
    また、2つ以上の先の地域へ移動するように命令を与える場合、艦船は自らのルートを選択し、目的地はそのルートの次の地域が表示されます。

整備と戦闘準備

就役中の艦船は、様々な戦闘準備状態に置くことができます。
これによって、艦船の整備費用に影響が出ますが、戦争に対する準備度にも影響します。

  • 現役艦隊(Active Fleet)
    AFに所属する艦船は、最高に訓練されたクルーが所属し、すぐに戦争に投入できます。
  • 予備艦隊(Reserve Fleet)
    RFに所属する艦船は、予備員によって稼働され、フル稼働まで時間がかかります。
  • モスボール(Bothballed)
    MBされた艦船は、訓練の十分でないクルーが管理し、フル稼働まで時間がかかります。
  • 訓練中(Working up)
    新しい艦船や動員されたばかりの艦船は、「WU」の状態に置かれ、まともなクルーが揃うまで少し時間がかかります。
    プレイヤーは他の状態に変更できます。WUの艦船は、戦闘に参加しません。
    MBからの動員時以外でプレイヤーはWUを指示することはできません。
    修理中の艦船は、通常の維持費の約2倍の費用がかかります。
    これは、修理費用を表しています。
    MB状態の艦船は修理作業が停止され、修理費用が発生しません。
    修理中の艦船がモスボール状態に置かれた場合、艦船リストには通知として「H」と表示されます。
    古い艦船に修理費用がかかりすぎる場合、解体することが得策である場合もあります。
    損傷した艦船の改装することを検討することは良いアイデアです。
    これによって、一部の節約が可能になり、修理時間にかかる時間を艦船の改良に使うことができます。
  • 設計者の注意事項: 戦時中、メンテナンス費用は急激に上昇します。
    メイン画面には、すべての艦船をAFにした際の維持費予測値が表示されています
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    これに加えて、戦時中は損傷などにより追加のメンテナンス費用が発生します。
    歴史的にも行われたように、建造中の艦船の進行を制限または停止することがよくあります。
    急に戦争が勃発すると、最新艦が建造中で、今持っている艦隊で戦わなければならない場合がしばしばあります。

特別訓練

クルーに特別な訓練を指示することができます。
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これにより、海戦において特に重要と考える戦術や海軍戦術の側面に焦点を当てることができます。
特別訓練の選択は、あなたが建造する船の種類や、戦術を考慮する必要があります。
選択した各特別訓練は、あなたの艦船のメンテナンスコストを増加させます。
訓練を開始すると、そのテーマの熟練度を獲得するまでに12ヶ月かかります。
訓練の効果を維持するためには継続的に費用を負担する必要があります。
訓練に対する支出を停止すると、効果はすぐに消えます。
訓練の種類は以下の通りです。


  • 砲術
    砲術の訓練は、艦船の砲撃の精度を10%向上させます。
    コスト増加は30%です。
  • 夜戦
    夜間の敵艦の発見にボーナスを与え、夜間に開火する前にためらう可能性が減少することも含まれます。
    夜間の正確度ボーナスも10%あります。
    コスト増加は20%です
  • 魚雷戦術
    軽艦隊が魚雷攻撃を実行するときにより敏感になり、艦隊攻撃指示に対してより速く反応し、魚雷を発射するときの命中率が向上します。
    コスト増加は20%です
  • ダメージコントロール
    これにより、船員のダメージコントロールの熟練度が向上します。
    彼らはより速く浸水を防ぎ、より効果的に火災を消化します。
    コスト増加は20%です
    特別訓練の同時に2つまで行えます。
    日本の特別訓練のコストは軽減されています。
  • デザイナーの注釈:これは、ゲーム期間内の日本の乗組員が厳しい訓練スケジュールに耐え、海軍訓練が安全性に関する懸念よりも現実主義に重点を置いていたことをシミュレートしています。

艦隊演習

自分の艦隊から選んだ船で年に一度、艦隊演習を行うことができます。
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演習に参加する船は、通常の運用維持費の2倍の費用がかかります。
演習は経験を得ることができ、大規模な艦隊演習は緊張を高めることがあります。
演習は通常の戦闘と同じように、自分自身の艦隊の一部と戦闘を行います。
もちろん永久的なダメージはありません。
艦隊演習は、初めてプレイするプレイヤーにとって戦闘システムを学ぶ良い方法であり、戦術や設計をテストする方法でもあります。
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divisionを右ダブルクリックでroleやleadの変更ができます。

Division(常設師団)

RTW3では、同じタイプの艦船からなる常設師団を編成することができます。
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師団に所属する艦船は、戦術的な戦闘でしばしば同じ師団で戦います。
必ず艦船を師団に配属させなければならないわけではありません。
師団がない場合、バトルジェネレーターによって自動的にグループ化されます。
師団を組織する場合は、艦船の大多数を師団に組織することをお勧めします。
これは、計画した組織が正常に機能するようにするためです。


師団内の一隻以上の艦船が、何らかの理由で切り離されるか、戦闘に参加できない場合があります。
同じ師団にいる艦船が異なる地域に送られた場合も、その艦は戦闘に参加できません。
DD師団は最大6隻まで配属でき、他の艦船師団は最大5隻まで含めることができます。
所属するのは同じタイプの艦船でなければなりません。
しかし、BX師団においてはBBとBを混ぜることができ、BC師団にCAを含めることができます。


師団を少なくとも3隻以上にすることをお勧めします。
そうしない場合、シナリオの目的に合わせてランダムに選択された艦船で師団が埋められる可能性があります。
1隻の師団はほとんど意味がありません。


師団エディターでは、戦闘と同様に各師団に役割を割り当てることができます。
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したがって、CVやBBに専属の偵察師団や警戒師団を割り当てることができます。


師団には経験値があります。
師団の経験値は、戦闘中の信号伝達、艦船の連絡喪失のリスク、火力分配、偵察に影響します。
艦船の乗員練度にもわずかな影響を与えます。
師団の経験値は、一般的に時間の経過とともに上がります。
師団の艦船が変更された場合や、師団の指揮官が変更された場合に経験値が下がります。
師団内の最初の艦船は旗艦です。旗艦を変更すると、師団の経験値がわずかに減少します。
戦時中、師団は師団訓練を予定することができます。
師団訓練は師団の経験値をより速く上げますが、そのターンに行われる戦闘には参加できません。
艦隊演習とは異なり、師団訓練はプレイヤーが操作することはありません。

  • デザイナーの注釈:なぜ平時には分艦隊訓練がないのか?
    平時には、実際の任務から艦隊を引き離して演習する必要はないため、定期的な演習は平時の日課の一部と考えられています。

師団長の能力(下記のOfficers参照)は、師団の経験値の獲得速度に影響を与え、師団内の艦船の乗組員の品質に僅かな影響があります。
師団長の特別な能力により、特定の場面で影響を与えます。(詳細は付録6を参照)

Offcer(将校)

あなたの艦船と部隊は、能力や強み、弱みの異なる将校によって指揮されます。
ゲーム内のOffcerの階級は、Commander(中佐)、Captain(大佐)、Rear Admiral(少将)、Admiral(大将)の4つです。
(オフィサーの画像)

  • 設計者の注意:米英海軍では、「Commander」は正確には「Captain Junior Grade」に相当します。
    国家の将校階級オプションを使用している場合はゲーム内でそのように呼ばれます。
    ここでは明確さのために便宜上、「Commander」を使用しています。
    ほとんどの非英語圏の海軍は、その階級のために「フリゲート艦長」を直訳した用語を使用しており、「Fregattenkapitän」や「Capitaine de fregate」などです。

指揮可能範囲

CommanderはCLまたはDDの師団を指揮することができます。
CaptainはCA、B、BB、BC、CV、CVL、DDの師団を指揮することができます。
Rear Admiralは、CLと、より大型艦船の師団を指揮することができます。

  • 設計者の注意:駆逐艦の艦長は存在しません。
    プレイヤーは数十隻の駆逐艦の将校を管理するとなると煩雑になると想定さる為です。

将校の能力

将校は能力で評価されます。
能力値はbrilliant(素晴らしい), above average(平均以上), average,(平均的) below average(平均以下) , incompetent(無能).に分けられます。
将校の能力は最初は不明です。
数年間勤務していく中で明らかになります。
(画像)
戦闘に参加すると、能力が判明する可能性が高くなります。
素晴らしいまたは平均以上で艦長に就いた将校は、乗組員の質をわずかに向上させます。
これにより、乗組員の質が一段階上の評価になることもあります。
無能または平均以下の将校は、乗組員の質をわずかに低下させます。
これにより、乗組員の質が一段階下の評価になることもあります。
師団司令官の質は、彼らの指揮下にあるすべての艦船の乗組員の質、および命令誤認の可能性に影響を与える場合があります。
一部の将校には、戦闘中にパフォーマンスに影響を与える「特性」がある場合があります。
これらの特性のリストと説明については、付録6を参照してください。

将校の昇進

通常はその階級で約5年ほどの勤務後に昇進する可能性があります。
昇進した将校は、新しい階級の将校プールに入ります。
昇進した将校は、ポジティブな特性を失う、または得る可能性がわずかにあります。
将校が昇進すると、現在の役職(艦長、師団指揮官など)は空きます。
昇進するCaptain(大佐)は、行政職に昇進して内地勤務となりプールから消えるか、Rear Admiral(少将)プールに移ることになります。
新しい士官は自動的に最低ランク Commander(中佐)で現れます。
プレイヤーは、空きの指揮スロットに将校を任命することができます。
将校を現在の職務から解任することもできますが、その場合一定の名声を失うことになります。
将校は、プレイヤーが手動で昇進させることができます。
それには名声が必要で、彼が自身の能力以上の階級に昇進すると、ポジティブな特徴を失う可能性が高くなります。
各ターンで、プレイヤーはプールから将校を空きスロットに任命する機会があります。
プレイヤーがターンを進めた際に空きスロットがある場合、AIはそれらを埋めるために将校を昇進させたり、新しいランダム将校を作成したりします。
これは、プレイヤーが細部まで将校の任命に対処することができるが、必須ではないということを意味しています。
将校の任命を自然に進め、時々バカな人物を除いていけば、十分実現可能です。


特性に起因する場合が多い士官のイベントがいくつかあります。
これらのイベントはトラブルを引き起こす可能性がありますが、問題のある将校を取り除くチャンスでもあります。
海軍士官学校を研究した後、ドクトリン画面で海軍士官学校を設立するオプションがあります。
それにより、少しのコストがかかりますが、より多く、やや優れた士官を選ぶことができます。