概要
【戦闘】を行った回数のこと。
本シリーズでは【フリーシナリオシステム】を謳い、プレイヤーが各エリアに立ち寄る順番などの攻略ルートを自由に構築できる作品が多いが、それらにおいて重要な概念となる。
一般のRPG(やサガでもそこまで自由度に特化していない作品)では、開発者が想定した攻略ルートに沿えば徐々に敵が強くなるよう、エリア毎に出現する敵を設定するのが普通である。
一方、フリーシナリオ重視のサガ作品の場合は、原則プレイヤーがどの順番でエリアを攻略しても徐々に敵が強くなっていくよう配慮されており、戦闘回数に応じて敵の種類が入れ替わる・同じ敵でも強化されていく仕様となっている。
また、一部のシリーズでは戦闘回数で時間の経過を表しており、キーアイテム入手やボス撃破といった一般的なフラグの他に戦闘回数がイベント進行のフラグとして絡んでくることもある。
やりこみのテーマとしては【最少戦闘回数クリア】といったものがある。
RS1
戦闘回数を重ねることで敵の【編成レベル】が1段階上がり、それに連れて強い敵が出現する傾向にある*1。
そして同じ敵でも防御する確率が下がることから積極的に攻めてくるようになり、特に術を使いやすくなる傾向がSFC版では強い。
移植版では最初から術を使用する確率がかなり高くなっているという違いはあるが、防御する確率が戦闘回数につれて減っていく傾向は概ね一緒。
さらに、一定以上の戦闘回数の条件を満たした上で【時間経過ポイント】を通過すると、シナリオの段階的進行が発生する。SFC版ではローディングにやや時間がかかるのでわかりやすい。
これによりイベントが新たに発生したり、勝手に解決してしまう(プレイヤーが関わることができなくなってしまう)ケースが存在する。
WSC版以降は、敵ランクに直結する戦闘回数とシナリオ進行に直結する戦闘回数が別々にカウントされている。
主人公ごとに初期状態の戦闘回数が異なっていたり、イベントによっては戦闘回数のカウントがリセットされる場合もあるが、WSC版以降は下記の法則となっている。
- 敵ランクに直結する戦闘回数は「どの主人公でも初期状態では0、リセットされることはない」
- シナリオ進行に直結する戦闘回数は「SFC版に準拠しており、主人公ごとに初期値が異なり、一部イベントでのリセットの対象になる」「最終段階に到達すると、以降は100回ごとに一巡し、そのたびに主人公キャラがクリスタルシティのパブに再集結する*2」
戦闘回数だけでラストダンジョンが解禁する仕組みは、フリーシナリオを理解していない人のための救済措置だと思われる。
しかし、やはりSFC版同様全てのイベントをクリアするには戦闘回数を抑える必要がある。
RS2
戦闘回数については次の3つの要素がある。
- 総戦闘回数
- ゲーム開始からの戦闘回数の総計。ただし実際の戦闘回数とは一致しない(後述)。
- 現世代戦闘回数
- 最後に【年代ジャンプ】(1年又は2年の年数経過を除く)してからの戦闘回数の総計。
- 施設戦闘回数
- 【開発】などの施設利用に関連した戦闘回数。
戦闘回数が影響を及ぼす要素は以下の通り。
- 総戦闘回数に応じて【モンスターランク】、仲間の【初期HP】が上昇する。
- 字幕イベントが発生した際に年代ジャンプが起こるかは現世代戦闘回数により決定される。
- また年代ジャンプが起きる場合の年数についても現世代戦闘回数によって決まる。
- 敵の行動パターンの抽選されるバリエーションの増加。
- 最終ボスの行動回数は総戦闘回数によって決まる。
- 最大で7回となる。
- 武器・防具の開発や施設の開発は発注した際を基準とした施設戦闘回数によって完成する。
- 武器・防具は5回、施設は15回で完成する。
- リマスター版の【アバロンの園】の生育状況は武器・防具の開発や施設の開発と同様に施設戦闘回数によって生育していく。
戦闘回数の特殊な処理として、
- 総戦闘回数は年代ジャンプの際に現世代戦闘回数の1/4(最大64)が加算される
- 現世代戦闘回数は非字幕イベントポイントを通過した際に10未満であれば10に補正される
- リマスター版の【追憶の迷宮】における戦闘時は現在出現しうる敵より弱い敵と戦闘した場合に限り、現世代戦闘回数が増えるが、総戦闘回数は増えない
ちなみにリマスター版における参謀の付近に居るNPCが教えてくれる戦闘回数は総戦闘回数だが、上述の通り、年代ジャンプすると総戦闘回数は現世代戦闘回数に応じて加算されるため、年代ジャンプ直前の総戦闘回数を基準にカウントすると、現世代戦闘回数を勘違いする可能性があるため注意。
施設戦闘回数は特にアバロンの園が分かりやすいが、アバロンの園が生育する条件は単純に戦闘を行った回数である。年代ジャンプして総戦闘回数に補正が加わっても現世代戦闘回数に補正が入ったり初期化されたりしても一切影響がない。そういう意味で言うと、施設戦闘回数は実際に戦った回数を如実に反映している。
総戦闘回数が65535になるとモンスターランクが最高になり、敵が最強になり、味方パーティー全員のHPが999、装備・技・術が万全でも苦戦してしまう。
RS2R
本作では戦闘回数の他に、戦闘勝利回数、戦闘敗北回数、戦闘退却回数が記録されている。
また、原作版同様マスクデータとして現世代戦闘回数も存在し、年代ジャンプの年数に影響する。
本作では、年代ジャンプの年数以外については、戦闘回数ではなく、戦闘勝利回数が基準となっているため、武器や施設の開発などは全て戦闘回数ではなく戦闘勝利回数を参照することになる。
リマスター版では戦闘回数として表示される回数は、年代ジャンプの年数によって補正されるため、実際の戦闘回数と一致しなかったが、本作では年代ジャンプで補正されないので実際の戦闘回数と一致する。
一方で、原作版における年代ジャンプ時の補正は、イベントポイントの取得で【敵勢力レベル】に補正が掛かるという形で代替されている(詳細は敵勢力レベルのページを参照のこと)。
ライブラリでは、戦闘回数、戦闘勝利回数、戦闘敗北回数、戦闘退却回数が記録されるが、この数値そのものがそれほど重要になる場面はあまりない。
敢えて言うならば、本作でも現世代戦闘回数はマスクデータなので、年代ジャンプ直後の戦闘回数を覚えて確認するため―のセーブデータを残しておけば、年代ジャンプの可否や、ジャンプ年数を想定する用途では利用可能である。
数値を気にするプレイヤーであれば、戦闘回数と戦闘勝利回数+戦闘敗北回数+戦闘退却回数の合計が一致しないことに気付くだろうが、これは戦闘回数はカウントされるが、戦闘勝利回数、戦闘敗北回数、戦闘退却回数のいずれにもカウントされない特殊な戦闘があるため。
ストーリー進行上不可避のものとして、【ソーモン進攻】でクジンシーと戦う場面が挙げられる。
この戦闘ではクジンシーのHPを0にした直後にイベントが発生し、レオンがソウルスティールで殺害される展開となるためか、勝利扱いとはならないが、敗北、退却のどちらともカウントされない。
その他、【東のダンジョン】で【ダンターグ】に敗北した場合や、【エイルネップの塔】の【ロックブーケ】に敗北した場合は敗北とカウントされないため、最大で戦闘回数と3の誤差が生じる可能性がある。
なお、同様に敗北してもイベントが進行する【セキシュウサイ】に関しては、きっちり敗北数にカウントされる。
ダンターグやロックブーケは勝てば勝利回数とカウントされるものの、クジンシーのイベントはどうしようもないため、合計値が1ずれることは避けようがない。
もし、クジンシー撃破後のはずなのに合計値が一致しているとしたら何かしらの不正をしていることが明白となる。
回数そのものは周回で引き継がれず、上記の通り数値そのものはそれほど重要ではないが、目に見えて表示されるとなるとなるべくいい記録を目指したいというのは人のサガである。
戦闘退却回数0はやや面倒だが比較的達成しやすい部類。
戦闘敗北回数0は皇帝謀殺が利用できなくなるので、陣形を集めたり、アビリティの極意化を目指す1周目はあまりオススメしない。2周目以降に挑戦してみよう。
逆になるべく大きな値を目指すなら注意すべきは戦闘敗北回数だろうか。
本作では戦闘敗北すると基本的に皇帝継承となってしまい、同じキャラクターは決して皇帝になれない都合上普通にやると戦闘敗北回数は一定数で頭打ちになる。
もっとも、最終皇帝の代であれば皇帝死すれば2番目の仲間が犠牲になって復活させてくれるのでいくらでも回数を稼げるし、ヴィクトールとの一騎討ちで勝利していないのであれば毎晩負けまくることで回数はいくらでも稼げるため、やり込み要素としての価値はほとんど無い。
RS3
引き続き、戦闘回数を重ねると【バトルランク】が上昇するが、【逃走】では上昇しなくなった。
バトルランクは戦闘したモンスターの系統と勝利した場合のみ上昇し、戦闘を行っていない系統は終盤でも弱い敵ばかり出てくる。
さらに、【おとも】は系統関係無く「おとも枠」としてバトルランクが別個設定されており、そちらは固定戦闘でも低確率ながら上がるので、場合によってはおともだけが強くなってしまう。
おとものバトルランクが高い場合、メインモンスターのバトルランクも急速に上がりやすくなる。
本作では戦闘回数により発生する・発生しなくなるイベントはほとんどないが、【野盗の巣窟】は一定の戦闘回数で魔物に乗っ取られてしまい、【ポール】が仲間にできなくなる。
【開発】で製品が出来上がるにあたり戦闘回数を要するのは前作同様。
SF1
戦闘に勝利するごとに戦闘経験値が1ポイント加算されることがあり
16ポイント加算されるごとに【バトルランク】が上がる。
敵ランクに比例して、多くのボスが【HP◯倍】の倍率補正で増加していく。
【グレートモンド】や【ヒューズ編】の強化ラスボス、強化版【パープルシャドウ】を除いて、最終的には多くの場合、初期設定の5倍*3ものHPを誇るようになる。
【エミリア】編・【アセルス】編・【T260G】編はメインシナリオの進行に戦闘勝利回数が絡む場面がある。
ただし、PS版では戦闘回数のカウントが【65535】で頭打ちになってしまい、上限に達してしまうとシナリオが進まなくなってしまう【ハマリポイント】が存在する。
とはいえ、【タンザー】放置での【オートレベルアップ】などよっぽどのことをしていない限り、上限カンストは狙わないと困難。
カウントされるのは勝利した場合のみであり、敗北しても【ゲームオーバー】にならない戦闘の場合、敗北時は回数が加算されない。
リマスター版では【退却】が追加されたが、こちらも同様に退却時は加算されない。
US
倒した敵の系統に応じて、敵の系統同士の【勢力分布】に変化が生じる。
これによって、「倒した敵がエサにしていた相手の系統」のランクが上がる。
【外交】で追い払っただけなら、「殺していない」ために勢力分布に変化が起こらず、ランクも上がらない。
MS
【ランクポイント】の上昇により【イベントランク】と【バトルランク】が上昇していく形になる。
【モンスターレベル】に応じて上昇幅が異なる。
RSU
通常の【クエスト】では敵の強さがクエスト毎に固定されているが、
一部のクエストで【プレイヤーの強さに合った敵】?が出現し、
戦闘回数による敵の強さの上昇を疑似的に再現している。
しかし、問題なのは本家とは比較にならないほど強くなるという部分であり、本家での強さを当てにし過ぎると思わぬ一撃を受ける。
このような敵がレベル依存で強くなる傾向は以降のシリーズでも採用されている。