怪文書(ゲパード)

Last-modified: 2019-06-12 (水) 01:39:18
梅酒

「さーらりとしたーうーめーしゅー♪」
テレビから梅酒のサラサラぶりをアピールするCMが流れてきた時私は梅酒の限界に挑戦してみたくなった
あくまでお前はサラサラしてるつもりだろうが果たしてそうかな?ウチのゲパード君が貴様に地獄を見せてくれよう
さあ飲めゲパード!もっと!もっとだ!まだ30杯目ではないか!そんなんじゃ飲み会にも参加できぬぞよ
飲ませ続けること3時間ゲパード君は突然顔中の口という口から七色の吐瀉物を噴射してぶっ倒れたではないか!ははは汚いなぁ
私は一向に枯渇する気配を見せないゲパード君の源泉から梅酒成分をすくい取り存分に堪能するのであったがそれは依然としてサラサラだった
広告に偽り無しというわけだったのだ
ありがとうゲパード君君の犠牲は忘れない

マーゲパード

夕食後まったりとしてると指揮官が訪ねてきた
「ゲパードくん頼みがあるんだ」
ああ…休出すればいいんですね…わかり
「違うんだ君の顔形を取らせてくれないか?」
………は?
心底解らないという顔をしていると指揮官が嬉々として話し出す
「さっきTVでジャングル風呂の特集をしていただろ?」
はい…良いですよねああいう施設がグリフィンにもあればもう少し癒やされるんですが……
「それにライオンの顔を模した吹き出し口があったろう?あれをゲパード君の顔でやりたいんだ!」
「夜疲れ果てて風呂に入るときゲパード君の口からゲロよろしく大量のお湯が噴き出されていたら心身共に快復間違いなしだよ!」
指揮官改めバカは拳を振り上げて力説し出した…目眩がする…実力行使に出られる前に逃げなければ
すみませんカリーナさんに呼ばれているのでしつれいしま
「待ちたまえゲパード君今夜は逃がさないよ!その愛らしい顔形を私に取らせてくれ!ゲパード君!」
嫌です…勘弁してください…そんなことのためにお給料もらってウレレッレレレレレレレエ……
「おおっと早速シミュレーションか!?流石だなゲパード君!その調子だゲーパード君!」

嘔トモ

久々の休日自室でまったりとしていると指揮官がやってきて特製のステーキを振るまうと言い出した
「迷惑掛けてるゲパード君を労いたいんだ」
確かに配属以来わたしは毎日指揮官の残務処理に残業を強いられたり突然大量の梅酒を吐くまで飲まされそれを啜られると言う訳の分からない性癖に付き合わされたり散々な目に遭ってきた
「今までの事本当に反省しているんだ」
わたしは指揮官の言葉を信じ、一緒に食べた。熟成肉を使ったというステーキは普通に美味しかった。あんな変態でもこんな料理が作れ…あれ?
「あの、指揮官…わたしどうにもお腹の調子が…」
「おっ効いてきたね私も丁度来てるよ!」
え?
「実はこの肉賞味期限がとっくに切れた超熟成肉なんだ。お詫びしつつこれまでの仕打ちを自分に科して贖罪しようかとおもウッもう限界ッォロエァッ」
は?
「わかるッ!オロェッ誓約なんかよりずっと深く!ゲパード君の気持ちがッロオェ」
ああ…だめだこいつ
「オロエレッこれで私達は嘔トモだねゲパード君!オロエロッ」
そうだこの筋金入りの変態がまともな反省などするはずない。全てを察すると同時にわたしは限界に達し二人分の吐瀉音が室内に響き渡った

氾濫農耕

けたたましく鳴り響くサイレンを聞きながら季節の移ろいを実感する
2階に吊るしてある揚船を下ろし数日分の食糧と暇潰しの本を積み込むと一〇〇式がやって来た
「今年は少し早めですね籾ふりも早めましょうか」
雑談をしている間に地鳴りを伴いながら洪水が押し寄せてきた
この地方特有の現象「ゲパード波」である
川上に生息するゲパードは春先になると溜め込んだストレスをゲロと共に放出するそれが洪水として川下に伝わるのだ
ゲパード波は肥沃な堆積土をもたらし田畑を潤す
それを耕作に利用することを氾濫農耕という

「指揮官様は何色がお好きですか?私は黒です!」
私はMP5が以前そう言っていた事を思い出した
黒といえば全ての色の絵の具を混ぜる事で簡単に作成できる。即ち黒というのは全ての色も同然であろう
私は自らの理論の正しさを証明すべくMP5と一緒にゲパード君を呼び出した。なぜなら彼女の吐瀉物は七色だったからだ
ゲパード君にはこれから地面に向かって吐いてもらう
もしゲロを攪拌した時に黒くなったらMP5にプレゼントしてあげたいんだきっと喜ぶぞ!結果は失敗だった。ゲパード君を吐かせるところまでは上手くいったものの、それを見ていたMP5のもらいゲロが混入し本来の純粋なゲパード分が損なわれてしまったのだ
失望した私は異臭の立ち込める部屋からさっさと抜け出すと2人に床の拭き掃除と24時間の後方支援行きを命じた
もう彼女達の顔は見たくもない

妖精

妖精を手に入れたのでさっそくオナホに改造し部屋で1人楽しんでいたところ仕事中とみられるゲパード君がやって来た何の用だ帰れ!どこに行く戻ってきなさい!ああそしてこれが噂の妖精だよゲパードくん!空を飛べるからぷにあなより高性能なんだすごいだろう…ところで何の用だい早く言いなさい
ふむゲパード君は重要な物だとか言って何かの書類を見せてきたが正直どうでもよい。まさにこの瞬間にも金玉は脈動し精子がおちんちんを経由して飛び立とうとしているというのに他の何に拘う必要があろうか?
一通り射精しパンツを履いていると妖精から何かバチバチ音がするどうやら精液が変な所に入り込んでショートしたらしく弾け飛んだ火花が書類に引火したちまち部屋中が炎に包まれた
無事避難はできたがゲパード君は書類が焼けたストレスのせいか大量に吐いてしまっている。まあこれは君の責任だわな
私はこの様な悲劇を繰り返さないためにも今度から全ての妖精は貫通式にするべきだと実感したのであった

ビールサーバー

お目覚めかねゲパード君
それにしても随分と疲れていたようだまるで死んだように眠っていたぞ
さて誠に勝手ながら君をビールサーバーに改造させてもらった
その頭の黒いピノみたいなやつのてっぺんに付いてるコックを捻れば私はいつでもどこでもビールを飲み放題という訳だもっとも君にはそれを触ることも感知することも出来んがね
今日はその試運転ということで特別に指揮官である私が一番搾りを頂けるんだ上手くいけば君は製品化されて全世界に普及するかもなハハハハハハハ

この後ゲパード君は無礼にもジョッキにフルーティな吐瀉物をぶちまけ指揮官を大いに喜ばせた
構造上の欠陥を解決できずビールサーバー型の量産は見送られる結果となったが現在ではクルーガー氏の粋な計らいによって指揮官の私室に据え付けられている
誰でも利用可能だけど一杯飲むごとに給料からこっそり300円ずつ引かれるので注意しようね

コーヒー

一瞬前まで私がいた場所を黒い質量が貫くモノリスを思わせるそれは大型ライフルのガンケース…そんなことができる人物―否人形は1人しかいない
ーなんのつもりだ?ゲパードくん
彼女は答えとばかりに銃弾を放つ対人形用にカスタマイズされたAMRの弾を受ければひとたまりもないだが…
ー室内で長物を扱うのは関心しないな
インファイトに持ち込めばその武器も邪魔でしかない彼女の腹目掛けて虎砲を叩き込む
「エロロロロロロロロ…」
豪快に内容物を吐き出すがおかしいいつもの虹色のゲロではないこれは…WAのコーヒー?
何て事だ奴のコーヒーは人形すら狂わせるのか…我が指揮下の人形ながら恐ろしい才能である
私は報告書をまとめコーヒーの軍事転用のプレゼンに向かった

ゲパードくんとクローン指揮官

グリフィンが密かに製造している指揮官クローン
終業時間後の深夜にその個体の殺処分をすること、これがゲパードの機密任務であり同時に副業でもある
苛烈な普段の任務に加え更にクローンとはいえ作業のように人命を奪い続ける行為
初めは心が狂ってしまうかと思った
しかしどんな所業でも時間をかければ慣れていくものである
そして、それだけでは無い何かが自分の中に生まれているのを彼女は感じていた
いつも通りライフルを構えスコープを覗く
処分用の個体が並べられているのが目に入る
引き金を引けば頭が弾ける そしてまたスコープを覗く
この繰り返しが、あのクローン達の命を消費する行為が、任務と指揮官の相手で蓄積されたストレスを溶かしていることを実感していた
またもやスコープを覗くと偶然だろうか、まだ精神すら曖昧な個体はスコープに向けて微笑んでみせた
その笑みが普段自分へと絡んでくる指揮官の顔と重なり、気持ち強めに引き金を引く
弾ける個体を確認し、ゲパードは苦笑いする
また少し、胸がすっとするのを感じた

しっとりゲパード

「…あー、もう泊めて」
何度このやり取りを聞いただろうか。ゲパード用に用意した歯ブラシ、ゲパード用に用意した布団セット、ゲパード用に用意したドライヤー…私の自室にゲパードが数泊出来る道具が少しづつ増えている。いやいやおかしいだろう、ここお前の部屋じゃないぞ、いい加減ビジホ代わりに泊まるのやめてくれよ。
「えー、いーじゃんオフィスから近いんだしさー」
悪びれる様子もなく、バスタオル一枚のゲパードが呑気な声を出しながらソファーに腰掛け、コードいっぱいまで伸ばした扇風機の前でくつろいでいる。
「バカお前何で服着てないんだよ、少しは女の子らしく身なり気にしろよ」
思わず思ってた言葉が出てしまったが、すかさず「だって熱いんだもん~」と微妙に納得してしまいそうな話をしてくる。
「いや一応男女なんだからそんな格好で何考えてるんだ…」
「何…考えてると思う~?」
何をだ!と声を荒げる前に抗議の声を挙げる間もなく、ゲパードにソファーに強引にのしかかるように身体を倒してきた。
そのまま反論する隙間もなく唇を塞がれ、バスタオル腰にゲパードの身体の感触が伝わってくる。
長い長い長いキスの後、混乱しのぼせ上がった私の顔を見てゲパードは満足そうにつぶやいた。
「女の子を部屋に連れ込むって事は…こういう関係になってもいいってことだよね?」
……内心はどこか期待していた、…………あぁゲパードも女なんだな…ゲパードだから…………いいか…
そう思いいつつ再びゲパードと唇を重ねてしまった。

もうどうにでもなれ