「見ちまったんですか…アタイの昔の写真を」
いつの間にかしゃがみこんであぁーん？と目を細めてこちらを睨み付ける春田さんがいた。しかしなんというか似合わない。猛烈に似合わない。スカートの裾汚れちゃいますよというとあら大変と立ち上がりスカートをほろう春田さんが昔不良だったなんて何かの間違いだろう。とにかく面白いからこの写真は部屋に飾って……何で手首つかんでるのかな離してよ春田さん。
「それ、返していただけますよね？」
やだやだ部屋に飾って眺めてにやにやするんだ……痛い痛い痛い
「か・え・し・て・いただけますよねー？」
春田さんがどす黒いオーラを背負って恫喝してくる。もしかしてこの写真は事実だったのでは……今更ながら自身の窮地に気づくがもう遅い。
「指揮官も恥ずかしい写真を撮られれば言いふらそうなんて思いませんよね」
春田さんにめっちゃハメ撮りされた
「ねーちゃんねーちゃん！！これ見てよ！！セーラー服と機関銃だってさ！！」
「くぉーら指揮官！！姉貴だっていってんだろ！！ったく……何々？これがどうしたって？」
「ねーちゃんみたいだよね！でもねーちゃんのほうが美人だよ！！ほら同じポーズしてみて！！てっぽーかまえてさ！！」
鉄砲？とにわかにざわつく店内。春田は指揮官を抱えて店から走って出た。
「いだだだだだ！？ごめんごめんって！！わるかったよねーちゃん！！ゆるして！！」
「はァ……もうあの店行けねえ……で？どんなポーズだっけ？」
空薬莢をクリップでリロードし、コッキングレバーを戻すとクリップが弾け飛びカラカラと音をたてて春田は銃を構える。
「カッコいいんだろ？やってやるから教えろよ……あっばか！ちょっとどこさわってるのよ！？もう！！」
素が戻った春田にそうしてた方がかわいいのにという指揮官を捕まえて春田はグリグリをした。
「またキッチンを壊しましたね？今度は食堂じゃなくてカフェの方。」
「…鍋が悪いのよ…鍋が」
「WA2000、暫くの間自由はないですよ。
私の私物として設備の修復に副官業務と各部隊との連絡に、とにかくいろいろと走り回ってもらいます。」
「鍋一つでそこまでさせるの！？」
「壊れたのは鍋だけじゃないんですよ。それとも、貴女の鍋はヤードで図るくらい大きくて中でコーヒー片手に人や人形が寛いでるのかしら？」
「ぅぅ…わかったわよ」
「反省してない気がしますね…？それじゃあ…、例のラジオも手伝ってもらいましょう♥」
「えっ…アレのことよね…？」
「機材を扱うだけですよ。ガーランドもM14も任務で明日の夜までいないんです。」
「でも……「わかってますね？貴方はただのグリフィンの人形。そして私は指揮官の人形。」
「……はい」
「分かればいいんです。こんなことで命令したくないですし。それでは頑張って下さいね？わーさん♥」
「私をその呼び方で呼ばないで！！」
はるはる春田さんのお悩みカームショット！うふふ♥
皆さんこんばんわ。スプリングフィールドです。
救援作戦が行われていて基地内は助けだした人形で溢れています。どこにあれだけの敗残兵が隠れていたんでしょうね？
お心当たりの方は是非ともお便りで私に教えてください。お礼に私的に決めた素敵なプレゼント❤をお送りします。
さて、早速今回のお便りを読ませていただきますね。
お名前「心的外傷後ストレス障害と間違えないでほしい」さん、ありがとうございます。
『私は人形なのですが、職場では倉庫の片隅で待機と休眠を繰り返すだけで一度も使われたことがありません。面倒くさいと言って平気なふりをしてますが内心とても悲しいです。
どうすれば仕事をもらえるのでしょうか。置物同然の私を上司に気に入ってもらえる方法はあるのでしょうか。ぜひ教えて欲しいです。ちなみに、上司は男性で私は女性型人形です。』
なるほどなるほど。そういうことでしたらこの私にお任せください。
そのお悩みを必ず解決できる素敵な方法を伝授してさし上げます！
春:このお悩みにぴったりのゲストをお呼びしています！WA2000です！
わ:(えっ？き、聞いてな)
春:(カフェと食堂を貴方の給料だけで直しますか？)
わ:ふん、気軽に呼ばないでほしいわね！
春:じゃあ早速、このお悩みなんですけど…
わ:正直に言うと普段待機してるだけってのは羨ましいわね。
春:一度も使われず、というのは寂しいですけれど…
わ:…私も最初は強く当たったせいで使われなかったわね
春:初対面が強烈でしたからね。触るな名前を呼ぶなで傷ついた指揮官は貴方の解体を検討してましたよ？
わ:…そんなに酷かったの…？
春:そんな貴方でも今ではトップクラスのマークスマン。関係改善のためにしたことがあるでしょう？
わ:…何もしなかったといえば嘘になるけど
春:最初にどんなことからはじめました？
わ:そうね…あいつのことが好きか嫌いかと私に何ができるかはちゃんと伝えたわ。
春:見てるこっちが恥ずかしくなるツンデレ芸で、ですか？
わ:別に芸としてやってるんじゃないわよ！あと見てるほうが恥ずかしいって何よ！
春:言葉の通りです。それでその後は？
わ:はぁ…クリスマス会あったじゃない？いい機会だしと思ってプレゼント渡して……素直に話をしたの。…それだけよ。
春:…なるほど(あの時の泥棒猫は…)……話し合うことを大切にしたら良くなった、というわけね？
わ:…そうね。あのまま話せずにいたら今の私はないと思うわ。
春:私の基地の改善例としては彼女が最初で最後のサンプルです。お悩みの解決に役立てて下さいね！
わ:解決するって言い切った割には蛋白ね？それで終わっていいの？
春:…ここまではどうすれば仕事が貰えるかへの答えです。
わ:…？
春:私からはどうすれば気に入られるのかを教えましょう。WA2000は“指一本動かさず”に“黙って”そこで見てなさい。命令ですよ？
prrrr
指揮官？今から放送室で♥…待ってますね♥
結論を言うと、好意なんてものは作れるんです♥その一つを分かりやすく聞かせてあげます♥
ｶﾞﾁｬ…ﾊﾞﾀﾝ…
あ、指揮官♥こっちです♥
んむっ…ぅっ…っ❤溜まってます？いいですよ…そのままいれても❤…準備は出来てますから…あっ❤んぅ…❤
はぁ…❤私の見立てでは…貴方はかなり…っ…豊満なタイプの、女性型人形だと…思います…ぅん❤
ｳｯ…ﾃﾞﾙ…
はぁ…はぁ…取り敢えず一晩寝なさい！粘膜でコミュニケーションすれば男はだいたい落ちます。
そこから関係を決めてもらえば悪い扱いにはなりませんよ♥
ﾊｧ…ﾈｹﾞｳﾞ……ﾈｹﾞｳﾞ…ｸｿｯ！…ﾅﾝﾃﾞ…ｸｿｯｸｿｯ!
あｯ♥指揮官♥
夜はまだ長いですよ♥それじゃあすぐ終わっちゃいます♥ッ…♥
ちゅ…❤…ぷはぁ…❤
…
よく見てください？WA2000♥指揮官が誰を選んだのか♥うふふ
うふふ……私ったら…今日は酒に負けるだなんて珍しいわね…
それとも今日は指揮官がバーテンダーだからでしょうか
……いえ、痛みは引きましたよ？ ただ……心残りが…
あ、ジル…さん……さっきはその……ごめんなさい… 貴女の頬をぶってしまうだなんて…いや、私も貴女にぶたれましたけど… いや何で私ったらあんな事を……ただ貴女が指揮官から指輪を貰った姿を見て心乱れるなんて……
あの、指揮官、私モスコミュールは頼んだ覚えありませんが……あっ、ジルさんも同じ飲み物ですね…
……というか指揮官が悪いんですよっ！！ジルさんに指輪を渡す事は怒ってません！！何で黙ってたの！？お互いに無駄な勘繰りをしてしまったじゃないですか！そうですよ！ジルさんも言っていいわ！……そうよ！無駄に気を使いすぎて相手を勘違いさせるの悪い所です！！もっとジルも言っていいわ！！
あっ……うふっ、うふふっ……何だ…貴女も同じ事思ってたのねっ……あはっ……あははっ…
って何笑ってるのよ指揮官っ！！あーだめ！！これはお説教しなきゃ駄目ね！！！ジルも思う所あるならガンガン言っていいわ！！カフェ店長が許します！！……だからっ笑わないの！！