怪文書(トンプソン)

Last-modified: 2021-01-30 (土) 01:57:22
バニートンプソン

「なぁボス…本当にやらないとダメか?」
指揮官の目の前に立ち嫌そうな顔で項垂れるトンプソン。
そんな彼女は手に持った衣装を苦い表情で見つめていた。
「なんだって私がこんな娼婦みたいな恰好を…」
その衣装とは何を隠そうバニースーツである。
指揮官の私服の一つであり、体が女性の時に着て密かに楽しんでいた一品でもあった。
「あんたがあそこまで酒に強かったとはね…こんなことならあのウィスキー残しときゃよかったな」
事の発端は昨夜にまで遡る。
無事に任務を完了したトンプソン小隊はそのままBARへ直行、明日が休日なのをいいことに周囲の人形を巻き込んで飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎへと発展していた。
そんな時に仕事も片付いたし一杯楽しもうと考えていた指揮官も合流し、なんやかんやあって飲み比べ大会が開催されてしまったのだ。
初めは参加するつもりなどなかった指揮官であったが、誰かが提案した「勝者は敗者へなんでも命令可能」という言葉を聞き目の色を変える。
見事チャンピオンのトンプソンを倒し新チャンピオンへと成り上がったのだった。
そして翌日──。
「ボスもボスだ、私にこんなのを着させるためだけにあんなに無茶するなんて…呆れるぜ」
ジト目で指揮官を見つめるトンプソン。
そんな彼女に指揮官は「トンプソンのバニーが見れるならネイト達の拷問にだって耐えられる」と豪語する。
「あんまり笑えない冗談言うなよな…ハァ…わかったよ、私も女だ!女に二言はねぇさ!」
トンプソンはそう言い放ち勢い良く服を脱ぎ始める!
突然の行動に思わずキャっと目を手で覆う指揮官!
「いやなんであんたが恥ずかしがるんだよ…お互いに裸なんて散々見せ合っただろ」
ツッコミながらもバニースーツを着始めるトンプソンであったが…
「んっ…クソ、背中のチャックが上手く閉まらないな…。ボス!手伝ってくれ!」
合点承知の助とばかりにトンプソンの背後へと回る指揮官。
視界いっぱいに広がるトンプソンの背部、美しく鍛え上げられた広背筋と戦場で刻まれた傷跡、そして場違いなサテン生地が得も言われぬ混沌のフェチシズムを醸し出す。
「ん?ボス、どうし…ってオイオイ、あんたも気が早いな」
後ろに回ったまま動かない指揮官を訝しんだトンプソンが振り返り呟く。
我に返った指揮官は自身の一部が酷く硬直していることに気づき、慌ててチャックを引き上げた。
「サンキュ、さてと…っと!」
着付けが完了し軽く動きを確認したトンプソンは間を置かず指揮官を押し倒した。
「んっ…ちゅっ、ちゅぷ、んじゅっ、じゅるるる…プハっ!」
そして激しい口づけを交わし、紅潮させた顔で指揮官を見つめる。
「どうだ?ご待望のバニーだぜ?感想の方は…って言うまでもないか」
トンプソンはさらに膨張した指揮官の股間をさすさすと撫で上げる。
「正直あたしももう我慢の限界なんだ、ベッドに行く手間すら惜しい」
淫靡な発情兎が股間のチャックへと手を伸ばし囁いた。
「夜はこれからなんだ、そう簡単に潰れてくれるなよ?」
──結局、休日中に指揮官の寝室の鍵が開くことは無かったという。