怪文書(HK416)

Last-modified: 2019-07-24 (水) 12:24:47
416

「えいちけぇえむふぉお~?」
416が重傷姿の半裸で迫ってくる。ご立腹だ。というか普通に416と呼んだつもりだったのだが重傷に加え疲労がかさんでいた416のうっぷんが爆発し、襲い掛かってくる。
「指揮官…ワタシは416…M4なんかじゃ…ん?……へぇ…私が異議申し立ててるのに指揮官はここ立てちゃうんだ…」
うひひと笑って口端をゆがめながら416が膝でぐいぐいと生意気にも立て返してしまったそこを刺激する。硝煙を冷却水…汗の匂いに混ざる416のかすかに甘い香りが脳をクラクラさせる。
目の前には暴力的なボリュームの胸が目に肌色を焼き付ける。
そういえばなぜ俺は416にこんなに押されているんだ?階級の差があるじゃないか…。焦りと416と同じく疲労からか正常な思考能力を失った自分は416の胸をわしづかみにし、その柔らかさにはっと我に返る。
「あっ…え…?」
戸惑っているのは416も同じようで、その間に身体を引き、反撃に備えるが、何も起きない。
恐る恐る416を見ると、彼女は茫然と自分の胸を揉み、首をかしげていた。
「……」
416は自分の感情を制御できずにいた。指揮官をからかっていたら反撃されて、胸部を掴まれた。そこまではいいとして、どうにも指揮官に触れられた部分の火照りが取れない。
「UMP45…心当たりない?」
「何の話?説明がないとわからないわ」
かくかくしかじか

 

「ふぅん…へぇ…指揮官が胸を…ね…揉んだんだぁふーん」
「それからというもののなんだか違和感があって、自分で同じことをしてみても状況に変化がない…そうだ。他人にもまれるというのを再現してみればいい!UMP45、試しに
「立ったまま死ね!!!!!」
宿舎の隙間という隙間から煙が立ち上り、外にいた他の人形がぎょっとした。
おしり

 
完璧な芸術

げおおおおおおお!!!
酔いまくった416の吐瀉物は地面という神が与え給うたキャンバスに美しい模様を描いていく!色鮮やかな胃の内容物は大小さまざまな残骸となって単調な絵に変化を与え、その出来栄えたるやまさに完璧!現代のジャクソン・ポロック!ある者は恐れおののいて逃げ出しまたある者は忿懣に身を焼き付くしかねんばかりに416を痛罵する!だが最早彼女のコントロール下を離れたそれは思いもよらぬ動きを示す!ゲロの一部は優雅なヘアピンカーブを描きつつ入り口のドアを粉砕!ちょうどその場を通りかかった指揮官の上半身を吹き飛ばすと血液と胃液の夢のCOLLABORATIONを果たした!
世に名だたる芸術家達のなんと哀れなことか!今この世界の見捨てられた一角において、誰にも顧みられることのない最高傑作が誕生した事に気付かないのだから!