第2章「それなりに全速力で~」
カテゴリ | 1巻PS(賢者の石) |
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投稿者 | |
優先順位 | 普通 |
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投稿日 | 2021-03-23 (火) 15:37:50 |
第1巻2章終盤の一文、気になるのは「それなりに全速力」の部分です。
和訳版
「ダドリーがドタドタと、それなりに全速力でやってきた。」
上製版/P45/L14
UK版
「Dadley came waddling towards them as fast as he could.」
20th記念版/P30/L1
「それなりに……」がそもそも曖昧な表現であるため断言はできないのですが、基本的に「平均~平均以上」のニュアンスを持つと考えられる表現に、「全速力」を組み合わせている点に日本語的な違和を感じました。
「それ」=「ダドリー」であるとすれば「彼なりに全速力で」となりますが、いくら彼のことを嫌っていても、この場面に限って「それ」呼ばわりするのも違和感がありますし。
これよりも前の時点でダドリーの運動嫌いが明言されているので、「(語り手視点ではそうでもないが、)彼としては全速力」という解釈も不可能ではないと思います。
しかし、「彼なりにできるだけ速く来た」ことが伝わりやすい訳し方があったのではないか、又は、無理に「できるだけ速く」ということを加えず、「素早く」や「足早に」といった表現で十分伝わったのではないか、と個人的には思うのですが、如何でしょうか…?
コメント
- 自分も「素早く」や「足早に」の方が自然だと思う。 -- op2chスレ主 2021-03-24 (水) 14:57:02
- やはり微妙に不自然ですよね。「全速力」と「それなりの速さ」とでは受ける印象が異なりますし、なんとなくすっきりしない感じがします(個人的には「それなりの速さ」の場合、「ある程度の速さはあるけれど、全力ではない」という印象を受けます) 。投稿後に改めて考えましたが、原文のニュアンス的には、単に「ドタドタと、全速力でやってきた」とするか、「素早く~」「足早に~」とするのが自然かなと思いました。 -- 投稿者です? 2021-03-31 (水) 21:08:49
- 既に書かれている解釈に同意です。「可能な限りの全速力で」「彼なりの全速力で」「彼にとっては全速力で」という意味で「それなりに(皮肉)」と書いているのだと思います。彼なりの方が伝わるかな。as he could なのでダドリーが出来る限りの全速力なのですね。「全速力」なのにダドリーだからちょっぴり遅いという滑稽な様子でしょうか。「それなりに全速力」だと、「客観的にも速い」という印象を受けました。 -- こめんと? 2022-05-21 (土) 01:59:39