序盤に入手可能な骨系の大剣または鉱石系の片手剣…ではなく、
中国の企業「北京中娯在線網絡科技(JOYCHINA)」が開発したハンティングアクション。
中国語でのタイトル表記は「獵刀」。
なおカプコンは一切関わってない。
なぜそんなゲームの個別記事が存在するのかといえば、
度を越えたMHシリーズの盗用で話題になったからである。
- 本項では、MHシリーズからの盗用(疑惑)で話題になった他タイトルも一部、簡単に紹介する。
目次
概要
- 初報から「MHのパクリゲー」と完全に悪い意味で話題になった作品であるが、
本作の場合模倣を通り越してMHシリーズからぶっこ抜いたリソースをそのまま流用しており、
グラフィックやサウンド、モーション関連、そして各武器のシステムなど、あらゆる要素が盗用されている。
著作権を完全に無視した、(恐らく未許可の)版権キャラクターを模した装備があったり、
それも明らかに他のゲームからぶっこ抜いてきた物だったりとあまりにも酷い有様だった。- 拠点マップは完全にモガの村。
- サウンド関係に至ってはほぼそのままの為、
クエスト開始時の笛の音やアイテム使用時の音など、聞き慣れた効果音の数々が聞こえてくる。 - モーションも徹底的に流用されているが、MHから流用した為に不自然な見た目になったり
逆にMHすぎる見た目になったりしている武器がほぼ全てを占めている。
- モンスター関連に関しても模倣を通り越してそのまま流用・改造されているものが多い。
ドスガウシカを始めラギアクルスのモーションを流用したトカゲっぽい奴、
ドドブランゴに(こっちじゃない)ドスポポ、雪山にジャギィのようなモンスターもいる。
ほかにもガレオス、ドスファンゴ、ショウグンギザミ… etcと完全にアウトである。- ちなみにストーリー上ではCeadeusと呼ばれる神秘的なモンスターの存在について言及されているが、
このCeadeusというのは思いっきりナバルデウスの海外名である。
ストーリー上のラスボスをパクリ元から名前すら変えずに持ってくるという
暴挙にも程がある行為をする予定だったようだが、実際にラスボスが実装される事は無かった。
- ちなみにストーリー上ではCeadeusと呼ばれる神秘的なモンスターの存在について言及されているが、
- 一応、ゲームとしてはErlaniと呼ばれるモンスターを狩ってレベルを上げたり
素材を集めて武具を生産する→より強いモンスターと戦うという流れになっている。
ただし現在のMHシリーズと違って防具には固有のSPが付いておらず、
2部位以上身につけるとセットボーナスとして装備数に応じてスキルが発動するという初代MHのような仕様だった。- 一時期のネトゲでよく見られたシステムとしてアイテムレベルの概念があり、
NPCに強化してもらう事でアイテム名の後ろに数字がついていく。
しかし、強化に失敗するとこの補正値が下がってしまう事もある。
- 一時期のネトゲでよく見られたシステムとしてアイテムレベルの概念があり、
- 2009年に中国国内で行われたゲーム展示会「Chainajoy」でトレーラー映像が初公開。
翌年のCJ2010にて続報やデモが公開されていたが、更に流用要素が増えた事で話題になった。- 本家シリーズの発売時期で言うとCJ2009での情報公開はMHP2GとMH3の間、MH3発売の直前。
実際にサービスインしたのはMH3GとMH4の間という時期である。 - 開発元によると数百人のスタッフによって数年がかりで作り上げているとの事だが、
2009年の時点では内容のほとんどがMHP2G以前の要素からの流用に終始していた。
2010年以降のトレーラーでは最新作であるMH3からリッピングした要素も付け加えられており、
一部MH3系のモンスターやグラフィックリソースも登場しているものの、
水中戦を筆頭にMH3から加わった各種要素などは無い。
- 本家シリーズの発売時期で言うとCJ2009での情報公開はMHP2GとMH3の間、MH3発売の直前。
- 一応マップは複数あるが、何故かエリア数は6に統一されている。
エリアの構造自体はオリジナルに近く、だだっ広い平地が中心。
ここでもテクスチャやモデルなどのリソースをMHからそのまま流用している為に既視感は否めない。- 行ける場所は雪山、密林、砂漠、沼地、樹海、火山の6つ。
MHP2G(というよりMHP2)の主要マップから森丘を外して樹海を加えたような格好になっている。
- 行ける場所は雪山、密林、砂漠、沼地、樹海、火山の6つ。
- MHシリーズで言う重ね着のような要素があり、これに使うアイテムが有料となっている。
この重ね着アイテムも勿論リッピング品が溢れており、MHFの初音ミクコス、
『ゴッドオブウォー』シリーズのクレイトス、胸に7つの傷がついている体など
元ネタ・元キャラどころかどこの作品から引っ張ってきて不正に使用しているかすら丸わかりな物も多い。
- 一応クエストに人数制限はあるのだが、そのクエスト最大人数はよりによって5人まで。
- オンラインゲームとして運営されており、2012年にサービスイン後、
アップデートも行われていたが2014年10月31日にサービス終了となっている。
- 以下のような点ではオリジナリティ(?)もあった。
- ハンターとモンスターの影がパクリ元のMH3よりもリアル。
MHP3までは負荷軽減の為に影は全部丸形だったが、こちらは個別の影になっている。 - また常に炎を纏っている太刀など、
一部の武器は「これだけはかっこいい」と評価する声もあった。 - その他、上述の魔法の杖らしき武器や
剣とも銃とも形容しがたい独特な形状の武器(構え方もMHのどの武器とも異なる)も確認できる。 - クエストにつれていけるペットの要素があり、犬、猫、熊、ハチなどまだよくわかる物から
Loli、Shotaという正式名称の少女/少年型のペットという危なすぎる物まで存在していた。- 犬・猫はオトモアイルーの魔改造、ハチはランゴスタからの流用である一方、
ロリとショタについてはアニメ系のキャラデザインの別作品からそのまま持ってこられており、
子供だという事を考慮に入れても明らかにハンターと頭身が合っていない。 - オトモだけなら既にMHにもあったが、こちらではペットの交配要素があり
一定レベルに達したペットを反対の性別のペットと交配させる事で次世代が生まれ、
より高いスキルやステータスに成長するといった要素がある。
- 犬・猫はオトモアイルーの魔改造、ハチはランゴスタからの流用である一方、
- ハンターランクではなくレベル制。
- 立体視システムに対応していると大体的に発表していたものの、
実際に立体視でプレイする事ができたかどうかは不明。
展示会では立体視用の3Dメガネで映像を見ると実際に立体視が出来たとの事だが、
正式サービス後の情報には立体視周りの事が一切書かれていない。
- ハンターとモンスターの影がパクリ元のMH3よりもリアル。
- 余談だが、開発元の北京中娯在線網絡科技という社名は
日本語に訳すと「北京中オンラインネットワークテクノロジー」となる。
社名の通り、ゲーム会社ではなく北京市にあるインターネットプロバイダーとして業種登録されている。
本作以外のゲームを運営しているという情報もないため、どのような経緯で本作を開発したのかは不明。
反響・反応
- 開発元によると「MHを参考にした」との事だが、その度を越した真っ黒な内容から
世界中からツッコミを入れられたのは勿論、中国のゲーマーからもボロクソに酷評されていた。
中国において本家MHをプレイしたいという声は数多くあり、Pシリーズの人気拡大を後押ししたり、
テンセントとカプコンが正式に業務提携して製作・サービスインした
モンスターハンターオンラインが人気となるなど、皮肉な事に
本家にあやかるどころか本家の価値を逆に知らしめる結果となった。
- ゲーム自体の評判も芳しくない部分が多く、上記のモンスターハンターオンラインが始まる以前から
プレイヤー人口はそれほど多くなかったようである。ネット上に残っている痕跡も非常に少ない。- 当時のプレイヤーが書いたレビューなどでは、全体的に有料アイテムの値段が高い事や
グラインド(膨大な回数の単純作業を要求される)について書かれたものが多い。
また、採取モーションも異常に長いものが多く(何回もピッケルを振るってやっと取れる鉱石など)
時間稼ぎとしか取れない点が多かった事から、ゲーム自体の出来がよくないと評されている。 - プレイヤーがやるべきことは疲労度を消費して該当のマップに入場し、
配置されている同じモンスターをひたすら倒す…という流れになるため、
この単調感がウケなかった原因のようである。 - PVでは様々なモンスターが紹介されているが、レベル制を採用した弊害で
レベルが上がるにつれて狩るべきモンスターが絞られてしまうようである。
- 当時のプレイヤーが書いたレビューなどでは、全体的に有料アイテムの値段が高い事や
- カプコンはこの作品に対して直接的な見解は示していないが、
とあるサイトがカプコンに問い合わせてみたところ、
ライセンスを許諾している商品ではない、(モンハンとは)無関係なゲームとの回答が返ってきたという話がある。
類似例
- ハンターブレイド以外にも、モンハンのモンスターの見た目や名称、
ハンターのモーションと言ったものをあからさまに無断流用し問題視されたゲームは複数存在する。
中には、モンハンのコピーゲームと言うわけではなくシステムが全く異なるものもある。
カオスサーガ
- 2016年11月15日にサービスが開始されたブラウザゲーム。開発元は株式会社ブライブ(Lingyao)。
下記の問題点からか翌日の11月16日、つまり1日でサービス終了となっており、
その衝撃ゆえにハンターブレイドに匹敵するか、あるいはそれ以上に有名な事例となっている。- ゲーム内容は見下ろし画面のファンタジーMMORPGである。
公式曰く「神々が入り乱れるカオスなMMORPG」とのこと。
『ディアブロ』のような見下ろし視点型のRPGで、オンラインゲームで言うと
『リネージュ』シリーズや『RED STONE』などにスタミナ制を加えたようなシステムとなっていた。 - サービス開始からたった26時間で終了した*1為に、エンドコンテンツの有無等については謎に包まれている。
何しろ運良く(?)プレイできたという人でさえも、そこまでたどり着く前にゲームが終了している。
一応、公式が出している動画によると強い装備やボスなどが存在していたようだが…。
- ゲーム内容は見下ろし画面のファンタジーMMORPGである。
- サービスが開始されるや否や、モンハンシリーズやFF11を始めとし、
あらゆるところから盗用された素材が使われていることが指摘された。
モンハンからはその名もズバリ『雷狼竜』と言う名の
ジンオウガそのものな幻化(召喚獣のようなもの)が登場。
FFシリーズからは、チョコボを見た目そのままに「砂地ダチョウ」なる名前に変えて使用したほか、
FF11のNPCを見た目を一切変えずに多数登場させまくっていたことが発覚。
あんまりな無断グラフィックの流用に多数の突っ込みが入ることとなった。- なおサービス終了の翌年には、FF11の開発元であるスクウェア・エニックスに対して
24件の著作権侵害を行なっていたことを認め謝罪したが、
モンハンの開発元であるカプコンへの謝罪に関しては分かる範囲では確認ができないままである。 - ちなみにゲーム内通貨の単位も「ゼニー」である。
なにもそこまでパクらんでも
これ単体ならまだしも、MHからさんざん盗用しながらこの名称を使うというかなりのチャレンジ精神を漂わせている。
- なおサービス終了の翌年には、FF11の開発元であるスクウェア・エニックスに対して
- その後はたった26時間でサービスが終了したと言う史上最短記録や、謝罪が不完全のままである点なども含め、
展開が終わってもなお語られ続けている伝説のゲームとなっている。
文字通り「カオスなサーガ」となったわけである。- 公式Twitterについても、事前登録→サービス開始告知→緊急メンテナンス告知→サービス終了告知→返金について…と、
実質的に運営中のツイートはサ開、メンテ、サ終の3件だけという伝説がある。- サ終告知ツイート冒頭の「平素より『カオスサーガ』をご利用いただき、誠にありがとうございます。」に対しても
突っ込みが集中しまくることになったのは言うまでもない。1日でサ終なのに「平素」とは。
- サ終告知ツイート冒頭の「平素より『カオスサーガ』をご利用いただき、誠にありがとうございます。」に対しても
- 公式Twitterについても、事前登録→サービス開始告知→緊急メンテナンス告知→サービス終了告知→返金について…と、
- よりによって本作の日本でのサービス提供元が、
2016年当時にカプコンオンラインからの委託でMHFのチャネリングサービスを行なっていた、
「DMM.com」であったという点も強く問題視されている。
神獣契約
- MHRise発売から間もない2021年3月31日にサービスが開始されたスマホ向けゲーム。
その広告に明らかにどこからどう見てもマガイマガドを意識したデザインのモンスターが登場し、一部で話題となった。
見た目は落書きじみたタッチのイラストのため実際のモンハン作中のグラフィックとは大きくかけ離れているが、
全身を覆う紫の甲殻や黄色い兜角に腕刃、周囲に浮かぶ鬼火と言い、
何より横にわざわざ書かれた説明文「虎の形、鎧をつき、炎に囲まれ」といい、言い逃れは不可能だろう。
言うまでも無いが、このゲームはカプコンとは一切何の関係もない。
要するに、上記のカオスサーガのジンオウガと同じく無断使用によるものだが、
このゲーム内には広告に使われていたマガイマガドっぽいモンスターはどこにも登場しない模様。- ついでに言えばゲームシステムそのものもモンハンのメインシリーズとは全くかすりもしないものとなっている。
一応、卵から孵化させたモンスターを育成する要素があるため、MHSTシリーズに似てなくもないが、
やはり話題性に乏しく徐々にフェードアウトしていったようだ。
- ついでに言えばゲームシステムそのものもモンハンのメインシリーズとは全くかすりもしないものとなっている。
ハンターズソウル
- 2022年5月31日にリリースされたスマホゲーム。正式名称は『ハンターズソウル ~狩人の流儀~』。
開発元は「StarWing Co. Ltd.」なる韓国の会社のようだが、開発実績は本作以外に存在しない模様。
このゲームだが、サービス開始前である2022年5月頃のホームページに、
「貪食害獣 エビルデビル」というほぼ完全にフルフルそのままなデザインのモンスターが掲載されていると判明し、
SNS等で話題騒然となっていた。尻尾や翼爪の大きさなど多少の違いはあるのだが特徴的な顔や質感はフルフルそのまま。
流石に問題だったためか、現在は当該モンスターのデザインが別のものに差し替えられている。
- そもそもこのゲームはロゴや宣伝文句などにモンハンをパクっている……もとい、意識している節があり、
上記の画像の差し替え以降にもシルエットのみと化した旧エビルデビルを広告に使用したり、
初代モンハンの広告をパクるという暴挙に走り、
「大空魔龍スビール」と言うディアブロスによく似たモンスターのCGイラストがあったり、
挙句「フエゴベイ」なるリオレウスそのものな見た目の翼装備…
と言うが飛竜そのまま背負ったような見た目のものを有料アイテムとして販売したり*2など、
完全にアウトと言って差支えがないレベルの真っ黒なことをしでかしているものの、
現在のところカプコンがこれらの事象に対応しているような発表は確認されていない。
ただ、MHXXのプロデューサーを務めるなどモンハンと深く関わりのあった小嶋慎太郎氏が
Twitterでエビルデビルについて触れていることから、
この件を知っている上であえて見逃されていると言ったところだと思われる。
- 肝心の中身は、『魔剣伝説』などに近いよくある放置無双ゲー。
一部の敵キャラデザインはともかく、システム面ではモンハン要素は微塵もない。
気になるエビルデビルに関しても「エビルデビル幼生体」と言う全然違う見た目の雑魚が多数登場しているのみ。
お世辞にも面白いとは言いづらい内容である。
それでいて実際のゲーム内ではモンハンのパクリ要素が少ないために話題にもなりづらく、
同年5月末のサービス開始後は特に話題にされることも無くフェードアウトしている。
- その後も何だかんだでサービスそのものは細々と継続されていたようではあるが、
2023年2月2日を最後に公式Twitterアカウントは更新を停止し、それに伴いメンテナンスなども行われなくなった。
さらに2024年2月15日にAppStore、2月16日にGooglePlayから削除されたことが確認されている。
公式サイトはその後しばらくは現存し続け「好評配信中」の表示のままだったが、
2024年4月上旬頃に消滅してしまっていることが判明。
これらの状況から、実際はサービスそのものが終了してしまっている可能性が極めて高い。
2024年以降も遊び続けていた人が極めて少なかったようで、情報がほとんど無く、詳しい状況はよく分からないが。
関連項目
シリーズ/モンスターハンターオンライン - カプコンとテンセントが共同制作した、正規の中国向けモンハン作品。
ゲーム用語/パロディ - 盗作の解説も有り。