狩友とG級へ!
「MHP2」のG級追加アップデート作品。
PSP用ソフトとして2008年3月27日発売。
パッケージにはナルガクルガと、アッパーブレイズを持ったハンターが描かれている。
目次
概要
- 「G」の名を冠する通り、P2では上位までしかなかったが、
今作でG級クエストが解禁された。
MH2にはG級追加作品がなかったため、MHG以来約3年振りとなるG級追加作品である。
ちなみに海外では"MONSTER HUNTER FREEDOM UNITE"というタイトルになっている。
- 舞台は前作同様ポッケ村であり、基本的なストーリーに変化は無い。
ただ、G級が追加されたことによって若干ストーリーが追加されており、
最終的にはポッケ村(正確にはポッケ村の周辺地域)と強く関わりのあるモンスターも登場する。
- MHP2の大ヒットでモンハンの知名度が大きく上昇し、次作に対する期待が大きく高まっていた中、
東京ゲームショウ2007の場で発表されたのが本作である。
後述するが、本作によって現在に繋がるモンハン人気が完全に確立し、
シリーズでも類を見ないほどの大普及を遂げることになった。
- 2014年5月8日には、本作をiOSソフトとして移植したモンスターハンターポータブル 2nd G for iOSが配信された。
基本的には同作の移植版であるが、PSP版よりも高解像度になっており、
更にターゲットカメラなど最新のシステムも一部搭載されている。
操作性には相当気を使ったらしく、タッチパネルでも快適に遊ぶ事が出来るが、
MFiゲームコントローラーを利用すれば、よりゲーム機に近い感覚で遊ぶ事もできる。
- 略称は「MHP2G」「P2G」「2ndG」など。
新要素、変更点
- モンスター関連では新モンスターとして「クイーンランゴスタ」「ナルガクルガ」「ウカムルバス」が登場。
ウカムルバスは本作の集会所ラスボスである。
更にG級専用モンスターとして、当時同時期に本格的にサービスが稼動していたMHFから、
「ヒプノック」と「ヴォルガノス」が導入された。- なお両者はいわゆるメインシリーズにおいては本作が初登場であり、
ヴォルガノスについてはMHX、MHWorldでも登場している。
モンスター自体にも調整が行われており、MHFのものとは行動がかなり異なる。
更にG級クエストではドドブランゴ、ババコンガ、ダイミョウザザミ、ショウグンギザミに亜種が登場。
これらのG級モンスターは、従来作のG級モンスターとは異なり、
専用のモーションや技が組み込まれており、多くのハンターを驚嘆させた。
亜種も従来作では「怒りやすい」とか「怒るとより怖い」のようなマイナーチェンジ感が否めなかったが、
「亜種」も本作の売りなのでこれまでのものと異なり、現在ほどではないにせよ、
外見や行動パターンに明確な違いが見られるようになった。- 特にドドブランゴ亜種は当時では初となる、通常種と生息地、属性が全く異なる亜種であった。
現在の亜種はそのように差別化されることが多いが、その先駆け的存在と言える。
当のドドブランゴ亜種は今作以降は一度も再登場できていないが - 更に、ラージャンは一部のクエストでは「激昂」するようになった。
その圧倒的な戦闘力から多くのハンターに恐れられることに。
- なお両者はいわゆるメインシリーズにおいては本作が初登場であり、
- G級クエストの素材が従来作品とは異なり完全に一新されたのも特徴。
GやPのGクラスとは違い、素材のランク自体が完全に上がる
(上鱗⇒厚鱗、堅殻⇒重殻、上皮⇒特上皮、尖爪⇒剛爪etc)ようになっている。
それらの素材から作られる武器の性能はまさに超逸品。
作った時の達成感も使い心地も、上位までとは一味違う。
- 新たな種別のクエストとして大連続狩猟クエストが登場。
2~5種類の中型、大型モンスターとの連戦を行う。
モンスターによって弱点属性が正反対…という事も珍しくなく、使用する武器の選定は勿論
罠や閃光玉を投入するタイミング、捕獲で素早く片付けるか否か…等
よりマクロな視点での戦略構築が重要になる。
- そして、従来の概念を覆す要素として「オトモアイルー」が追加された。
オトモアイルーは狩りにアイルーを連れて行けるという要素であり、
当作では戦力面で万全とは言えないものであったが、以後の作品やMHFに多大な影響を与えている。
- また、農場システムやアイルーキッチンも継承されており(農場はG級にも対応している)、
更にMHP2の初期装備と全武器が最初から用意されており、より遊びやすくなっている。
細かい部分では、アイテムボックスに直接送れるようになったのも本作からである。
なお、一部汎用戦闘BGMがMH2の曲からMHFの曲に変更されている。
- バランス部分に関しては、これまであまりに強力だと言われていたモンスターには補正がかかり、
倒しやすくなっている
(尻尾の肉質の柔らかい部分が大幅に増えた角竜種、転倒時に姿が見えるようになったオオナズチ等)。
その分、前作より厳しくなった部分や強化されたモンスターもかなり多い
(火竜の威嚇尻尾、テスカトの怒り中ブレスの射程等)。
特に、高台については、モンスターのブレスや尻尾が当たる、ハンターが圧倒的に有利な高台の排除と、
大幅に改正されている。MH2やMHP2を経験しているハンターは若干戸惑うことも。
クエストについては基本的にはMHP2と同様のコンセプトを有しているが、
やり込みを求めるプレイヤー向けに難易度の高いクエストが(特にG級以降)多数追加されており、
村クエストも、上位相当ながらG級のモンスターが登場する、通称「村最終」と呼ばれる要素が登場した。
- 武器種間バランスはMHP2から微調整が行われ、
前作で猛威を振るったガンランスのガード突き、狩猟笛の物理威力の下方修正が行われている。
一方、ガンランスは砲撃能力が強化されているなど下方修正のみではなく、
集中、抜刀術と言った現在の大剣の素になるスキルが追加されたり、
ライトボウガンの速射、ボウガンの属性弾の強化が行われ、
概ね現在に至るまでの各武器種の特性が本作で定着したと言える。
一部の例外はあるものの武器のバランスも良く、それぞれの武器の使い手を十分に満足させている。
なお、武器の武器倍率はシリーズで3番目である(MHFを除く)。- 余談だがアカムトルムの弓は本作で大幅に弱体化しているが、厳密に言えば超ピーキーな設計になり、
お手軽ではないが使い方次第では強力、という位置付けに落ち着いている。
また弓関係で言えば、「連射」スキルが削除され、同効果が「集中」スキルになった。
- 余談だがアカムトルムの弓は本作で大幅に弱体化しているが、厳密に言えば超ピーキーな設計になり、
- 前作同様BGロード機能を持つ上に、
メディアインストール機能(正式には「データインストール機能」)が導入された。
これによってロード時間の大幅な短縮に成功し、バッテリー駆動でBGロードを使えない場合でも、
さほどストレス無くプレイすることが可能となっている。
MHP2からの引き継ぎ
- こちらを参照。
なお、同記事にもあるが、本作の称号「パーフェクト」は発売から長い間、
引き継ぎをしないと入手できない称号であると思われていた。
MHP2Gから始める場合、あまりに難しい条件が立ちふさがるためである。
詳しくはモンハン用語/パーフェクトを参照のこと。
評価、人気
- 本作はMHP2の大ヒットを受けて発売された作品であるが、
結果的に言えば前作以上のセールスを記録することになった。
前作は発売から13日間という驚異的な速さでミリオンセールス(販売数100万本)を達成することになったのだが、
本作はそれすらも上回る、僅か6日間でミリオンを達成している。
その後ベスト版(廉価版)が発売されたのだが、
なんとこのベスト版でも11ヶ月で売上100万本を達成してしまった。
PSPのセールス記録上、ベスト版が100万本を超えたのは本作が最初である。
カプコン調べによると2017年時点の売上本数は380万本、
エンターブレイン調べでは2011年の時点で415.8万本と、旧作を遥かに上回る売上げとなった。
ちなみに2012年7月には何と再々ベスト版が発売されている。PSPのベスト版では史上初の事態であった。- カプコンも発売直後よりロングランセールスが予感されることをプレスリリースで発表しており、
発売日から一年経った2009年7月下旬頃に、PSP-3000と本作をセットにした
「新米ハンターズパック」なるものを発売した。
また、PSPgoでもプレイできるダウンロード版(1,524円+税)が登場したが、
2010年3月18日からPSPgoの新規購入者に限り、無料でダウンロードできるプロダクトコードが
印刷されたスペシャルチケットを配布するという太っ腹なキャンペーンを展開していた。
- カプコンも発売直後よりロングランセールスが予感されることをプレスリリースで発表しており、
- 売上本数からも分かる通り、シリーズ全体で見ても非常に高い人気を誇る作品であり、
本作の大ヒットによって、「モンハン」人気が完全に定着する事になったと言える。
MHP2の記事にもあるが、PSPのゲームはセールス面で苦戦しており、
そんな中でも大々的に売れたのがMHP、MHP2と本作(とMHP3)であったことから、
「PSPといえばモンハン」と言われたり、元々モンハン以外でも使用できるXlink kaiが、
モンハンで協力プレイをするためのソフトと言われかねない状況になったのも本作の普及が故であろう*2。- また、褒め言葉として「(やりこみすぎて)視力が悪くなった」と言う主張する人が居たり、
ボタンが効かなくなった、アナログパッドが効かなくなったというプレイヤーも居たほど。
当作を指して「アナログパッドブレイカー」等と呼ぶ者も登場。
由来はやり過ぎてアナログパッドが壊れるとのことらしい。
なお、PSPはアナログスティックではないので注意。
- また、褒め言葉として「(やりこみすぎて)視力が悪くなった」と言う主張する人が居たり、
- 内容に目を向けると、MHP2で完全に行き届いていなかった調整が本作で実施されており、
「手軽さ」を更に追究するため、オトモアイルーの追加を初めとした様々な方策が行われている。
一方、MHP2をやり込んだプレイヤーや同作が手ぬるいと感じたプレイヤーに対しても、
非常に難易度の高いDLクエストを提供することで概ねそれに応えることができたといえる。
総じて、ゲームバランスは良好とされている。
- また、コラボレーションも過去作以上に精力的に実施されるようになった。
モンハン人気が前作で一気に高まったが故のことではあるが、
本作の人気によって以後の作品では更に様々なコラボレーションが行われていくようになる。
- 一方、プレイヤー人口が本作で爆発的に増えたことが要因の問題点もいくつか指摘されている。
- まず根本的な「モンハン」の土台(ゲームデザイン)について指摘する
(単調、作業性が強い、など)声が本作より多く見られるようになった。
そもそもモンハン自体が人を選びがちなゲームデザインゆえ、致し方ないことではあるが、
万人向けの調整が本作で一つの完成形となった事と、プレイ人口の激増が招いた指摘と言える。
ただ、以後の作品もバランスはともかくこの土台は一切揺るがなかったため、
現在では概ね本シリーズの個性として見られるようにはなっている。- ただし、海外への展開が本格化したMHWorld以降はこの土台も時短化が進んでいる。
これも時代の流れ故かもしれない。
- ただし、海外への展開が本格化したMHWorld以降はこの土台も時短化が進んでいる。
- また、本作ではマルチプレイ向け高難度クエストが存在するのは間違いないのだが、
それでも「PTで挑むと楽すぎる」という声が少なからず挙がるようになった。
後年の開発者インタビューにて、(当作を含む)メインシリーズのコンセプトとして、
「一人で挑むと厳しいかもしれないが、仲間と協力して挑むことで楽になることを実感できる」
事を挙げており、本作においては概ね意図した設計と思われる。
ただ、「PTで挑むと楽すぎる」事は以後のメインシリーズでの共通課題となっており、
その一方で「1人だと難しすぎる(または面倒すぎる)」という声も少なからず挙がっていた。
(本作においてはG級訓練でこの指摘が多く聞かれた)事から、開発側も調整に苦慮していることが窺える。 - そしてこれはユーザーのモラルに関わる部分だが、
改造オトモアイルー、通称悪魔アイルーの配布が大きな問題になった。
本作のオトモアイルーのステータスは装備ではなくアイルー依存であり、
しなも不正なステータスを持つオトモアイルーのコピーを防ぐシステムが搭載されていなかった。
幸い、本作はオンライン対応は基本機能として存在せず、
オンラインプレイにはXlink kai及びアドホック・パーティが必須であったが、
特にXlink kaiは当時ではまだまだハードルの高い「PCの所持」「アカウント登録」が絶対条件であり、
更に改造者や悪辣なユーザーに対する対策も迅速かつ綿密に行われていた。
その為、改造者やマナーの悪いユーザーがオンラインで問題になることは少なかった。
問題が表面に出ていたのは当作からの流入者も多かったとされるMHFや、次回作のMH3以降である。
- まず根本的な「モンハン」の土台(ゲームデザイン)について指摘する
- 戦術レベルのゲームバランスで言えば、大剣+抜刀術、通称抜刀アーティや
ヘビィボウガン+自動装填、通称ラオートの高性能っぷりが槍玉に挙がることがある。
ただしこれらを前提としたバランスにはなっておらず、またこれらをフル活用しても
尚ソロでは厳しいクエストも多く、致命的な問題となっているわけではない。
初登場のオトモアイルーについては(悪魔アイルーを除き)本作ではまだまだ力量不足が目立つが、
居たら居たでそれなりに便利なこともあり、バランス上の問題とまでは言われていない。
- 初代MHの狩猟環境、MHPから始まる「手軽さ」の追究を際立たせた本作は、
多くの新規参入者を獲得し、「どこでもモンハン」という現在のベースを確立することに成功したといえる。
また、次作のMH3ではモンスターやフィールドのテクスチャを初めとした狩猟環境の一新が図られ、
唯一本作以前の作風を引き継いでいたMHFがサービス終了したことも考えると、
現在でもオンラインラスボス討伐までプレイ可能な作品の中で初代からの作風を引き継ぐ最後の作品である。
いずれにせよ、不朽の人気を持つ傑作であることは間違いないだろう。
登場モンスター
- MHP2で登場したモンスターはこちらを参照。
- 甲虫種
- 女王虫クイーンランゴスタ*3
- 鳥竜種
- 傷ついたイャンガルルガ*4
眠鳥ヒプノック
- 魚竜種
- 溶岩竜ヴォルガノス
- 古龍種
- 浮岳龍ヤマツカミ
- モンスター数は、MHP2の71匹に新規・復活12種を加え大型60種、小型23種の83種。
言うまでもなく、(MHFを除いた)ドスベースではトップクラスの数であり、
それどころかMH4Gまではシリーズトップであった。
- MHFより「ヒプノック」と「ヴォルガノス」が参戦……であったのだが、
現在ではこの2体はMHF開発との共同開発だったという裏事情が明かされており、
メインシリーズ開発とも言える特殊な立ち位置である。
ただ、当時はそんな事は知られていなかったのでMHFからの輸入であると見られていた。
- MH2から登場していたキングチャチャブーが
今作で中型ボスモンスターに分類され、能力が大きく強化されている。
- MHP2ではリストラされていたヤマツカミが大きく仕様を変更されて復活。
これによりヤマツカミは初のリストラモンスターであり、初の復活モンスターでもある。
2024年現在再雇用の機会はまだ訪れないようだが
余談
関連項目
シリーズ/モンスターハンターポータブル 2nd - ベースとなった作品
シリーズ/モンスターハンター3 - 次回作。原点回帰のコンセプトのもとに舞台と仕様が一新されており、直接的な繋がりはない
シリーズ/モンスターハンターポータブル 3rd - PSPにおける次回作であり、ポータブルシリーズ最終作
シリーズ/モンスターハンターフロンティアオンライン - ヒプノックやヴォルガノス、BGMなど関わりが強い
MHP2Gの新要素・ネタ
アイテム/天鱗
アイテム/天殻
防具/三眼シリーズ
システム/大連続狩猟クエスト
システム/アイテムボックスへ送る
システム/買って送る
システム/双属性
オトモ/オトモアイルー
クエスト/双獅激天
クエスト/武神闘宴
アクション/ビターン
フィールド/雪山深奥
モンハン用語/村最終
モンハン用語/ラオート
モンハン用語/抜刀アーティ
モンハン用語/悪魔アイルー
モンハン用語/ひと狩りいこうぜ