BGM/中型モンスター戦闘BGM

Last-modified: 2024-03-01 (金) 00:04:14

目次

概要

  • MH3以降から使用されるようになった、ドス系を中心とした中型モンスターとの戦闘で使用されるBGM。
    フィールド汎用BGMではないが、亜種ではない複数の種族のモンスターで使用され、
    シリーズによって対応のモンスターが変わるなど、専用BGMの中でも例外的である。
  • MHWorldでは各フィールドの汎用戦闘曲のアレンジ版が、中型モンスターの戦闘BGMとして使用されている。
    その為、フィールド毎に戦闘曲が変わり、本項で語るような共通BGMは存在していない。
    それらの曲については、各フィールドの汎用戦闘曲のページに説明を譲る。
  • MHR(:S)ではこの区分のBGMが全面廃止となった。
    今作でもオサイズチやアオアシラといった中型モンスターに分類されうるモンスターは登場するが、
    今作では彼らとの戦闘でもフィールド汎用BGMが流れるという、
    MHP2G以前と同様の仕様に先祖返りした形となっている。
    本作は中型でさえ超強化されたので大型BGMが雰囲気にマッチしている

MHP2G以前

  • MH3より前の作品においては中型専用BGMは存在しない。
    そのため、例えば森丘のドスランポスなら必ずリオレウスと同じ「咆哮」が流れる。
    特にMHP以前はドス鳥竜が攻撃一発で怯むこともあり、曲によっては慣れるとミスマッチ感がある。
  • MHFにおいても中型専用BGMはないが、
    天廊遠征録天廊内においては、大型と中型で戦闘BGMが異なる。
    大型と中型両方に発覚されている場合は大型BGMが優先され、
    討伐などで未発覚に戻った瞬間から中型のBGMが流れる。

孤島の簒奪者たち/ドスジャギィ

使用作品
MH3、MHP3、MH3G、MHXR
収録
モンスターハンター3(トライ) オリジナルサウンドトラック
  • ドスジャギィのテーマにして、狗竜と呼ばれる中型鳥竜種専用BGM。
    なお孤島でなくても、また近縁種であるドスバギィ戦やドスフロギィ戦でも普通に流れる。
  • ジャギィの群れの騒々しさを表現したリズミカルな曲である。
    西洋楽器が使われていないのが特徴。
    • 作曲担当者によると、意図的に他の狩猟曲と差別化を図っているらしい。
      "強敵"というよりも"曲者"のイメージが強い彼らの特徴を強調しているのだろう。
  • 曲中にドスジャギィの仲間を呼び寄せる遠吠えを彷彿とさせるサウンドが鳴る部分がある。
  • 「簒奪(さんだつ)」という言葉はあまり聞かないが、
    広辞苑によればその意味は「帝位を奪い取る事」という大層な言葉である。
    しかし孤島は空の王者リオレウス陸の女王リオレイア海洋の支配者ラギアクルス
    そして暴君イビルジョーと、錚々たるメンバーの集う激戦区である。
    更にはMHP3で無双の狩人ジンオウガまで参戦してきた。
    そしてMH3Gで彼らの亜種(+らしきもの)達が揃い踏みした孤島=モガの森の夜は、
    大型モンスター達が日々覇権を争う、まさしくモンスターハウスと化した。
    いくら、ターボ化という能力を手に入れたからとは言っても、彼らが孤島を簒奪する日は遠そうである…
    負けるな孤島の簒奪者たち。
    • ただ単に「(格上の存在から)奪う」という意味でも使われることもあるので、
      こちらの意味でなら(飛竜の卵を)奪わんとするドスジャギィらしい曲名ではあるといえる。
    • 危険度の関係で、フィールドの汎用曲などが優先的に流れる場面も多く、
      上位以降は乱入も頻発するため、孤島で流れるBGMの中でも割と影が薄い。
      頑張れ孤島の簒奪者たち。
  • MH4でもドスジャギィは登場するが、この曲は続投せず、後述のまったく新しいBGMが用意された。
    ただし、ドスジャギィの登場ムービーで、この曲のアレンジだと思われるBGMが使用されている。
  • MHRiseではドスバギィ、ドスフロギィが復活したものの、
    今作では中型モンスターと大型モンスターで流れるBGMに差異がないのでドスジャギィともども復活はならず。
    中型牙獣種専用曲(後述)の「牙獣現わる!」も同境遇。
    • MHRiseのBGMは多くが歌モノになっている。
      もしも復活を果たしていれば、リアレンジでコーラス等が加わっていたことだろう。
      そう思うと中々口惜しい所である。

牙獣現わる!

使用作品
MHP3、MH3G、MHX、MHXX、MHXR
収録
モンスターハンター 狩猟音楽集III
  • MHP3で初登場した牙獣種3種(アオアシラ・ウルクスス・ラングロトラ)共通のテーマ曲。
  • 今までのモンハンのBGMのような力強さや恐ろしさ、美しさや神々しさは殆どなく、
    どこか間の抜けた感がある愉快で和やかな雰囲気の曲。
    彼らも過酷な大自然に生きるモンスターであることには変わりないのだが、
    それにしては愛嬌がありどうしてか憎めない感じがする。
    それを考えてみると非常によく出来た名曲であるといえよう。
  • 同じくMHP3から登場した渓流の汎用BGM「陽昇る水景」と聴き比べると
    雰囲気はまるで違うが、曲の展開がよく似ている(ただし、作曲者は異なる)。
  • 作曲者の裏谷玲央氏によると、
    この曲のコンセプトはMH3以前の作品には少ない「何処となくかわいい感じ」「明るい感じ」、
    そして「クマっぽい感じ」らしい。
  • 両作品とも、おそらく初めて聴くことになるのはアオアシラで、MHP3では村★1「恐怖の予兆」、
    MH3Gでは村★2「アオアシラを生け捕れ!」のクエストで聴くことになるだろう。
    ちなみにウルクススで初めて聴くケースもあり、
    MHP3では集会浴場★2、MH3Gでは港★1に「雪のちウルクスス」がある。
    また、MH3Gでは体験版でウルクススの討伐クエストがあったので、
    そこで初めて聴いた人もいるかもしれない。
    • MHP3では牙獣種、かつ同程度の実力を持つドスファンゴに使用されていない。
      前述の曲のイメージに沿わないから、あのトラウマクエストの前座だから、
      と様々な理由が考えられるが、真相は定かではない。
      あくまで、アオアシラの骨格のモンスターのための曲だといえる。
  • MHX(X)では、アオアシラ、ラングロトラが復活したこともあり、
    熊骨格の牙獣種専用のBGMとして復活した。
  • MHRiseでは熊骨格トリオが揃っているにもかかわらず、このBGMは使用されなかった。
  • ちなみに、MHP3版とMH3G版の曲は細部が異なる。
    3G版の方が若干音の響きがシャープになり、パーカッションも強くなっている。
    3DSのスピーカーは携帯機ながら性能が良いので、それを活かすためにBGMに手を加えたのかもしれない。
    • …が、MHX(X)では再びMHP3版に戻っている。
      本作ではMHP3の拠点であるユクモ村を訪れることができるため、
      BGMもそちらのバージョンに合わせたのかもしれない。
  • なお、MH4(G)では戦闘時には使用されないものの、
    ウルクススの登場ムービーでこの曲をアレンジしたBGMが流れる。

喧々たる来訪者

使用作品
MH4、MH4G
収録
モンスターハンター4 オリジナル・サウンドトラック
  • 孤島の簒奪者たちや牙獣現わる!に似た雰囲気を持ち、全体的に明るいながら焦燥を煽る独特の曲調が特徴となっている。
    • 中型モンスター達の俊敏な様子を表す為に、ウドゥ*1ダラブッカ*2等のパーカッションで軽快なリズムを刻み、
      イリアンパイプス*3が動きのあるメロディを奏でている。
    • 作曲者の茅根美和子氏曰く、曲後半のリゾネーターギターのフィル*4がオススメポイントなのだとか。
  • 今まで上記の2つの様な「ある種族分類のモンスターでの汎用BGM」はあったが、
    モンスターのサイズによる分類での汎用BGM」はこの曲が初である。
    発売前の実況プレイや発売直後は上記の2曲の続投を望んでいた声も多かったが、
    これらの曲のイメージをしっかり踏襲しており、ドスジャギィやウルクススとの戦闘でもさほど違和感は無い。
  • 専用BGMでありながら、この曲を聴くことのできるモンスターは非常に多い。
    ドスジャギィ、ドスランポス、ドスゲネポス、ドスイーオス、アルセルタス、ウルクススの6頭との狩猟でこの曲が流れる。
    しかし、上位終盤ではこれらのモンスターの素材を要求されることが少なくなることや、
    大型モンスターが乱入すると、そのフィールドの汎用BGMやモンスター専用BGMに打ち消されてしまうことから、
    終盤は殆ど聴く機会のない曲でもある。
  • アルセルタスの登場ムービーや、
    ゲネル・セルタスの登場ムービーにおけるアルセルタスの場面でも、この曲が流れる。
    このためテーマ曲とは明言されていないものの、アルセルタスを意識した曲である可能性は高い。
  • 「喧々(けんけん)」は、がやがやと騒がしいさまを表す。
    四字熟語の「喧々囂々(けんけんごうごう)」や「喧々諤々(けんけんがくがく)*5」で覚えている人も多いだろう。
    確かに攻撃の度に鳴き声をあげるアルセルタスや、咆哮を上げて部下を呼び寄せるドス鳥竜種たちは騒がしいことこの上ない。
  • MHXではウルクススは前述の通り「牙獣現わる!」が流れ、ドスジャギィは残念ながら出演叶わず、
    それ以外のドス鳥竜達は後述するドスマッカォのBGMになっている。
    では残るアルセルタスはというと、フィールドの汎用BGMが使用されるようになり
    よく言えば大型モンスタークラスに昇格、悪く言えば専用BGM没収という措置となった。

跳躍のアウトロー ~ ドスマッカォ

使用作品
MHX, MHXX
収録
モンスターハンタークロス オリジナル・サウンドトラック
  • MHX(X)での中型鳥竜種の専用BGM。
    ドスマッカォの名を冠してはいるが、他のドス鳥竜との戦闘でもこの曲が流れる。
    今作ではドス系モンスターは終盤まで大型モンスターのオトモとして登場してくるため(特に下位)、
    シナリオを進める際には度々クエスト中にこの曲を聴くことになる。
  • ユーモラスで騒々しくも、どこか小気味よさを感じさせる曲調となっており、
    さらには曲のところどころで「ドスマッカォの鳴き声」を表現していると思しき笛の音が挿入されるなど、
    ドスマッカォのイメージを前面に押し出した良曲に仕上がっている。
    • 実際に聴いてみると、忙しなく跳ねまわるドスマッカォのみならず
      騒がしい手下を引き連れて現れるドスランポス、ドスゲネポス、ドスイーオス、ドスギアノス等にもよく合っている。
  • 作曲者によると、「ムエタイの音楽をモンスターハンターに落とし込んだらどうなるか?」
    という発想の元生まれた楽曲らしい。

関連項目

モンハン用語/中型モンスター
モンスター/ドスジャギィ
モンスター/ドスバギィ
モンスター/ドスフロギィ
モンスター/アオアシラ
モンスター/ウルクスス
モンスター/ラングロトラ
モンスター/アルセルタス
モンスター/ドスランポス
モンスター/ドスゲネポス
モンスター/ドスイーオス
モンスター/ドスマッカォ
モンスター/ドスギアノス


*1 破裂音を発する体鳴楽器(イディオフォン)。穴の空いた水差しの形をした、アフリカ起源の民族楽器。
*2 アラブ音楽やトルコ音楽で用いられる太鼓の一種で、よく響く低音が特徴。古代メソポタミアでは紀元前1100年頃から存在したとされる。
*3 バグパイプの一種。アイルランドの民族音楽やポピュラー音楽に使われる。
*4 フィル・イン(Fill in)と呼ばれる演奏技法。同じパターン演奏を繰り返す途中で、パターンの最後の部分や楽曲の継ぎ目の数小節部分に即興演奏をブチ込んで変化を付ける、というもの。
*5 「喧々囂々」と「侃々諤々(かんかんがくがく)」が混同されて出来た言葉で、本来は誤用