コトダマ(あ行〜な行)

Last-modified: 2022-05-17 (火) 15:20:59

コトダマ(あ行~か行) (さ行~な行) (は行~わ行・英数記号)


あ行

アイサツ

挨拶。
詳細はアイサツ・コトワザ・ヤクザスラング・感嘆詞・掛声の項目を参照な。

アウト・オブ・アモー

"Out of ammo"。
"Ammo" とは英語で「弾薬」(ammunition)、out of~は「…が払底した」の意。つまりは弾切れの事。

アカチャン

赤ちゃん(原作テキストではakachanと表記)。
原作者が作品に日本的アトモスフィアを出すために「ベイビー」にあたる日本語をどこかから引っ張ってきたものと思われる。
パープルタコ=サンが相手を子ども扱いしてよく使うほか、マッポーの街に流れる宣伝にも頻出するワードである。アカチャン…イェー…。何の宣伝なのだろうか。シュールである。
「アカチャン、オッキクネ」という言い回しは、若干いかがわしいコマーシャルに使われたかと思うと、感動的映画のクライマックスでのセリフとしても使われた。謎めいている。

アセンション

リアルニンジャからニンジャソウルが取り出されること。詳しくはニンジャについてを参照な。
本編中ではめったに用いられないが、ヘッズによる考察・議論には頻繁に登場する。

アドバンスド・ショーギ

18×18マスの盤を使う将棋に似たゲーム。
詳細はリンク先参照な。

アトモスフィア

"atmosphere"。雰囲気。「○○的アトモスフィア」との用法が多い。
なお「○○めいたアトモスフィア」の使用例は実は多くない。
「存在アトモスフィア」など、オーラ的な意味合いで使われる事もある。

アナキスト

"anarchist"、無政府主義者。現実の用法は、wikipediaに丸投げ
作中においては、もっぱら登場するなり「敵」に無謀な単独攻撃を仕掛けて殺害される役どころである。

アビ・インフェルノ・ジゴク

阿鼻叫喚の地獄絵図な状況を指した言葉*1。「阿鼻地獄」は「無間地獄」とも言い、仏教における八大地獄の最下層に位置づけられる最悪の地獄である。「アビ・インフェルノ」とも(インフェルノ Inferno はイタリア語から英語に入った表現で、「地獄」を意味する)。

twitter版でこの言葉が登場する回数は意外と少ないが、物理書籍版では比較的多く見られる。

編笠

「編み笠」表記も。
現実世界の現代日本で見かけることはほとんどないが、忍殺世界ではたまにかぶっているニンジャがいる。
一口に編笠と言っても、虚無僧編笠平たい編み笠など多様な形状が描かれている。暗殺者との組み合わせがいいのは意図されたものであろうか。

編笠のニンジャで一番有名なのはフォレスト・サワタリであろう。
彼の編笠は「三角編笠」「異様な円錐形の編笠」などと表現される。ソウルとか妄想とかの関係からして、おそらくベトナムの「ノンラー」であろう。

アルマーニ

ラオモトが着ているスーツのブランド。マッポーの世においてもアルマーニは健在である。

暗黒

無慈悲で冷酷なアトモスフィアを醸しだすマッポー的枕詞。
下記の暗黒メガコーポが代表的な例だが、この言葉を冠する事象は実際多く、マッポーの世のただならなさが伺える。
 
用例:暗黒コッポ道場、暗黒ショーユ工場、暗黒官僚、暗黒非合法探偵

暗黒メガコーポ

サイバーパンク作品、もしくはディストピア作品におけるお約束の一つ。
マッポーの世を裏から支配し、政府や警察も手が出せないほどの権力を有する巨大企業。
非人道的な搾取と無法行為を繰り返し、ソウカイヤなどのニンジャ組織とも密接なつながりを持つ。
ヨロシサン製薬オムラ・インダストリが代表格。
 
関連:カロウシケジメ研修マケグミ

アンタイ

「反」「対」などと訳される英語"anti"。
日本語転写では「アンチ」と表記するのが一般的だが、本作の翻訳ではもっぱら「アンタイ」。
アンタイ・ブディズム(反仏教主義?)」「アンタイニンジャライフル(対ニンジャ銃)」のように用いられる。
変わった用例としては「アンタイ・ウェポン(反物質的武器)」など。

アンタイセイ

「アンチ(アンタイ)」と「反体制」をかけ合わせた造語。
元はパンク・バンド「アベ一休」の造語であるが、後に一般にも広まった。
特にパンクスの間ではソウルワードとして広く共有され、カジバ・フォースを出す際のキアイ・シャウトとして用いられるほど深く浸透している。
 
作者の質疑応答によると、アクセントは「タイ」に付くそうだ。あんタイせい!

アンブッシュ

「待ち伏せ」「不意打ち」などの意味を持つコトダマ。実際英語 "ambush" そのままである。
ニンジャ同士の戦闘ではまずオジギによるアイサツが本能レベルで行われるが、アイサツ前の奇襲攻撃もアンブッシュという形で一度のみ認められており、これ一撃で死亡する者は「アイサツする実力すらなかった」という事になる。
 
伝承によると、オジギ前のアンブッシュが認められるようになったのは、コブラ・ニンジャが「自分はアンブッシュ・ジツを鍛えたが、アイサツをしてからイクサを始めたのではアンブッシュの意味がない。この掟を改めてほしい」とカツ・ワンソーに訴えたためとされる。

円(イェン)

通貨単位。

キョート・リパブリックの通貨は「オールド・イェン」とされるが、一般に「円」と呼ばれている。

ネオサイタマの通貨も「円」であるが、発音およびキョートと共通の通貨なのかどうかは不明。

円のやり取りにはクレジット素子、万札、100円や500円のトークンが使われている。
キョートのオールド・イェンの札にはセイント・ニチレンが描かれたものがある。

物価について

物価は、自動販売機のドリンクが一本100円(ネオサイタマとキョートで同じ)、無人スシ・スタンドのマグロやタマゴが一皿100円、そしてネオサイタマにおける(おそらく大卒者の)平均的な企業初任給が約20万円などの例から、現実の現代日本にかなり近い。
ただ、1個10円で激安トーフ四個パックが購入できるなど、安く済ませようと思えば数千円でしばらく生活する事もできるようだ。ただしこの激安トーフは書籍版では1個100円になっている。さすがハードモード。

イサオシ

日本語の「いさおし(勲)」。イクサにおける功績、勲功を意味する。

イクサ

「戦」。
大規模な戦争や争いを指すが実際使われる範囲が奥ゆかしく、一対一の殺し合いもイクサと呼ばれる。
「喧嘩」と比べると、より命がけの戦いは人数に限らず「イクサ」が使われるか。

イディオット

"idiot"。馬鹿者、愚か者。作中描写を見る限り「バカ」よりはソフトな表現のようだ。
上位概念(?)としてスーパーイディオットキング・オブ・イディオットといった呼び方もあるようだ。あるいはむしろバトウ・ジツの範疇かもしれない。

違法行為

マッポーの世にもあるらしい、法的規制に反した過激な性的行為。
セックス・ビズにおける「ほとんど違法行為」の宣伝文句はネコネコカワイイの曲タイトルにも引用されるほど。
そこまで過激ではない合法行為もあるらしく、ユリコが値段を聞かれている。

囲炉裏

忍殺世界では、室内にわりと見受けられる設備。
火を熾し、調理具をかけたり、秘密を要する紙を燃やしたりといった使われ方をする。
「囲炉裏カウンター」を設けた「囲炉裏バー」もある。炉端焼きな?
箱火鉢・長火鉢といった火鉢類も含む概念のような気がしなくもない。

インストラクション

ニンジャの世界において、師が弟子に教えを授ける事。
口頭の端的な教訓である事が多い。シルバーカラスによれば、これはニンジャのイクサ学習が「生身の人間の学習セオリーとはだいぶ違う」ため。
ニンジャスレイヤーも下記の~ワンに加え、チャドーやフーリンカザンなどについて、ウイルスのせいでほとんど動けぬドラゴン・ゲンドーソーからほぼ口頭のみで教わった。
 
恐らく「口伝」のイメージかと思われる。史実の忍者も口伝によって技術や術を受け継いだと言われている。

インストラクション・ワン

ニンジャスレイヤーがその師、ドラゴン・ゲンドーソーから授けられた教えであり、ジュー・ジツの真理。

「よいか! これぞ、インストラクション・ワンの極意。百発のスリケンで倒せぬ相手だからといって、一発の力に頼ってはならぬ。一千発のスリケンを投げるのだ!」

インストラクション・ツーも存在するが、とりわけこちらがよく用いられる。
その言葉のインパクトからレッドゴリラ思想たる何暴メソッドのように勘違いされる場合もあるが、この台詞の前部分こそが肝であり、「力に力で対抗してはならん。速さでもって戦うと決めたならば、速さを貫き通すべし」とある。
つまりは何事も無理に押し通せということではなく、基本的な戦闘方針に沿った行動が破られたとしても、安易な見切りをつけてより不利な土俵に上がってはならぬ……というような意味であろう。

チャドー!フーリンカザン!そしてチャドー!である。

インターネット

我々の世界でもおなじみのコンピュータネットワーク。
我々の世界ではケーブルや衛星などを用いて築いたものだが、作中世界においては、近代に「発見」されたものである。
発見されたインターネットは、地球中を毛細血管のごとく巡る超自然的な経路であり、人々はこれを利用してネットワーク通信を可能にした。
マンモンキーがインターネットで知識を収集していたり、偽装ハイパーリンクなどが存在するオイラン・ポルノ詐欺サイトが存在していることから、我々の知るwebのようなシステムは存在している模様。(ただし作中ではwebの名称は存在しない)
科学的に解明不可能な点も多く、さらにY2Kで多くのネットワーク技術者を失ったため、インターネット及びその技術は現在ではブラックボックスとなっている。
作中では、「龍脈」との関連が示唆されている。

第3部中盤以後

というのが第3部中盤までの理解であったが……
「スルー・ザ・ゴールデン・レーン」#4において語られたことによると、もともと一部の人間にのみ知られていた「オヒガン」の存在を模して作られた人工的ネットワークが「インターネット」であるらしい。(詳細はオヒガンのページを参照)
そのため、上記の「発見された」というのはインターネットの前身であるオヒガンそのもののことを指していると思われる。
しかしなお謎は多い。備えよう。

インターラプト

アンブッシュと同様によく用いられるが、これも単なる英単語で「割り込み」「妨害」を意味する。インタラプトとも。
主にニンジャの攻撃に別のニンジャが割り込んで阻止する事を指す。
カラテによる直接介入以外にも、スリケン投擲をスリケンで撃ち落とす、カイシャク寸前の味方を助け出すなど、敵ニンジャの攻撃意図を挫く行為は広くインターラプトと言われている。

インタハイ

おそらくインターハイ(全国高等学校総合体育大会)に相当するであろうスポーツ大会。

ナカジマはインタハイにクレー射撃の選手として出場した経験がある。

インタビュー

我々の世界同様、普通の質疑応答の意味で使われる。
……が、ニンジャが使う場合は「勝者が敗者に行う暴力的尋問」を指す。というより、忍殺ではその場合が多い。
インタビューされている人物は、たとえ正直に答えていようがいまいが、数ツイート内に爆発四散する事が大半。
「話したら助けてやる」のではなく、「話したら『楽に殺して』やる」という事である。サツバツ!

ウカツ

その名の通り「迂闊」「失策」の意。「~にも」は付かない場合も多い。
「ウカツ!」と、感嘆符付きで使われる事もしばしば。
一瞬のウカツが命取りとなり、実力を発揮できず死ぬニンジャは実際多い。

ウキヨエ

浮世絵。日本を代表する絵画美術の一つである。
忍殺世界ではサイバネが普遍化した現代でも馴染み深い存在であるらしく、ピンナップめいて部屋に貼られていたり、トレーラーにペイントされていたり、ウキヨエ・コミックなるものが出版されていたりする。
 
ヘッズ間では忍殺のファンアートの意としても使用される。当然本編中ではこの意味では用いられないが、翻訳チームのアナウンスや書籍版公式サイトの紹介文にも用いられ、事実上の公式コトダマになっている。
DIYしたイラストは#ウキヨエのハッシュタグを付けて投稿すると奥ゆかしく、良い。

ウサギとカエル

作中のUNIXコンピューターのユーザーインターフェイス(UI)に登場する、擬人化された動物のキャラクター。鳥獣人物戯画(そのうち最も著名な甲巻)を思わせる。
たとえば処理の進捗状況はウサギとカエルによる「モチの箱詰め」や「荷物の受け渡し」のアニメーションとともに表示される。ウサギ単体、カエル単体での登場もある。
作中世界でのコンピュータとの取り合わせは古いらしく、電子戦争前の「宇宙時代」に製造されたUNIXにもその姿が見られる。

ウシミツ・アワー

丑三つ時(うしみつどき)。基本的には深夜2時頃を指す。
不吉なウシミツ・アワーは、フジキド・ケンジの魂に同居する邪悪なニンジャソウルの意思力が実際強まる時刻である。

時刻はまさにウシミツ・アワー。妖魔が跋扈する闇の時刻であった。(「サプライズド・ドージョー」#6より)

ウシミツ残業

サラリマンがウシミツ・アワー前後の時刻まで残業する行為。ネオサイタマでは法律上規制があるとされているが、事実上常態化しており、フジキドも経験があるらしい。

当然、社内にはウシミツ残業サラリマンは沢山いるはずだ。しかし通常、規定を超す残業は違法とされる為、形式上はこのビルに労働者が残っていないタテマエにせねばならない。ゆえに深夜の残業サラリマンは社屋からやや離れた場所の下水道に通じる洞窟めいた専用通路を通り、マンホールをしめやかに出入りするのが常なのだ。

なお現実世界において、社員を過労自殺に追い込んだことで某大手広告代理店の長時間労働が問題になった際、同社ではネオサイタマさながらの規制逃れ行為が横行していることが発覚(日経ビジネスの記事な)。ヘッズをして震撼せしめた。

関連:カロウシ

ウルシ

漆器のことを英語で "japan" と言う。漆は実際日本イメージと密接に結びついている。

忍殺世界では、銃、UNIXコンピューターなどさまざまなものが「漆塗り」と表現されている。
実際の漆が塗られているのか、われわれの世界にもあるように漆塗り風の塗料で仕上げたフェイクかは不明。

エイトヘッズドラゴン

古事記に記されし、かつて日本を支配していたという太古の邪龍。切り落としても瞬時に再生する八つの首を持つ巨大なヒドラである。
要するに我々の知るところの「ヤマタノオロチ」であり、現実の古事記にもその存在が記されている。
 
本作ではアマクダリの「12人」をそれになぞらえ、市民には十二の頭を持つ不可視の怪物として表現されている。

エジャナイザ踊り

年明けなど、特にめでたい時にネオサイタマ市民がこぞって街頭に繰り出し「エジャナイザ!エジャナイザ!」と浮かれ騒ぎ踊る現象。おそらく元ネタは「ええじゃないか」。

現実の19世紀日本で発生した「ええじゃないか」は、幕末の社会不安を背景に民衆の世直し願望が表出したものと考えられている。ネオサイタマのエジャナイザ踊りがいつどのように生まれたかは描かれていない。なお、忍殺世界では1830年に「エジャナイザ革命」なる事件があったとされるが、これとの関係もはっきりわからない。

「えなじゃいず」との混同に注意されたし。

エスイー

SE。つまりシステムエンジニアの略称。
システムエンジニアという言葉は和製英語であるため、本作では初出時にサラリマンの一種でタイピング肉体労働を担当するという原註が付けられている。
そのあまりにも的確すぎる原註に社畜ヘッズクラン、とりわけIT関連の職に就くヘッズは軒並みアバったという。

エテル

エーテルとも。
本作では、「世界を満たす力」であるとされ、世界中を風のように常に留まることなく移ろいゆく存在とされている。コトダマ空間(オヒガン)内はエテルで満たされており、そこから現実世界へ流れ込んでいる。
エテルの波は繊細であり、自然現象や極められたカラテによっても影響を受けうる。
なお、コトダマ空間内のエテルは色がついていたり霧を構成していたりとその存在感が増している。
 
エテルは創造性や霊的な閃きの源であり、ニンジャは己の精神とエテルを繋いで操作することでコトダマ空間を介してジツなどの超自然の力を引き出している。エテルの流れは時代によって異なるため、物理世界層に流れ込むエテルが枯渇しかけた場合、ジツに依存していたニンジャたちは立ち枯れの時代を迎える。
 
また、己を形作るコトダマとチャドーでのみ、流れゆくエーテルを暫時の力としてより合わせてカラテを編み上げることができる模様。

江戸時代

①忍殺世界における歴史上の時代区分。かつて日本をショーグン・オーヴァーロードが治めた時代……なのだが、我々の知る江戸時代とは多くの点で大きく異なる。
まず、江戸時代とは平安時代の次の時代である。エド・トクガワ(初代ショーグン・オーヴァーロード)が代表する非ニンジャ(モータル)が、「江戸戦争」(その決戦がバトル・フォー・セキバハラ)を通してニンジャによる支配を打ち破ったことで江戸時代が始まる。セキバハラ(関ヶ原?)で戦闘があったり、モンゴルとの戦争があったり、と、鎌倉時代から戦国時代までも含めてかき混ぜたような時代である。

また、年号(元号?)として「江戸」が存在している。たとえばヨロシサン製薬の創業は「江戸37年」。いくつかの老舗企業は江戸時代創業で数百年の歴史を誇っている。

 

アブサーディティが作成した爆弾にこの名前が付けられている。「江戸時代」と書かれた黒光りの球体は、誰がどう見ても爆弾らしい。

エネルギ

エネルギー。サイバネ体の動力残量を示す指標として「エネルギバー」というコトダマも用いられた。
日本の工学分野では外来語の末尾の長音を省略する慣習があり、こう表記する事でどことなくSFめいたアトモスフィアを生み出す。
省略についての細かいルールは実際複雑なのでJIS規格参照な。

エピローグ

ストーリーの結末部分のこと。主にエピソードの結末についていろいろな視点から語られる。
だが無慈悲なるほんやくチームはエピローグ中にストーリーを急展開させるアンブッシュを仕掛けてきたり、エピローグ終了後に急展開させるアンブッシュを仕掛けてきたり、一件落着とニューロンを弛緩させているヘッズをアバらせることには定評がある。
終末点といえどエピソードの一部なのは間違いないのだ。備えておくに如くはないであろう。

エメツ

第3部の終盤以降、世界各地で産出するようになった鉱石。
詳細は個別ページを参照のこと。

エントリー

「加入」「参加」「入場」などの意味を持つ英語"entry"。
忍殺ではもっぱら「参戦」「登場」などの意味で使用される。
英語圏では実際ニンジャめいた警察特殊部隊・SWATによる室内突入も"エントリー"と呼ばれるため、そういった強行的なイメージが強いか。
 
フジキドのエントリー場面は毎度毎度大変インパクトがあると実際評判。殺戮者のエントリーだ!

オイラン

娼婦。本来「花魁」は高位の遊女のみを指すが、ネオサイタマでは娼婦全般を指す。
マッポーの世においては非常にポピュラーな職業であり、専門学校もあるらしい。
オイラン・スラッシャーだのオイラン・アサシンだのといった物騒な職業を兼業?しているオイランもしばしば見受けられる。
街中に「オイラン~」と名のつく商品が溢れかえり、売買春が公然と行われる光景は作中世界のディストピアぶりを端的に表している。

また「化粧を落としたオイラン」が醜いものの喩えとして使われた事もある。
 

オイランドロイド

リンク先を参照な。

黄金立方体

コトダマ空間に存在するキンカク・テンプルの別名。
詳細はここここを参照のこと。

オーテ・ツミ

「チェックメイト」の意味で使われる。漢字表記の「王手」という表現も登場する。
現実世界の「王手」と「王手詰み」の区別が、作中でもだいたい守られているようだ。

オーエル

女性のサラリマン。「女性サラリマン」という表現も作中に登場する。
OLは和製英語 office lady の略で、欧米では使われない。
グレーター・オーエルなる存在も確認されている。清楚なドレス姿といった描写やハイ・サラリマンと並んで挙げられたことからカチグミなのか、グレーターヤクザ同様社内ヒエラルキー上位なのか、それともオツボネ=サンなのk...アババーッ!?

オーガニック

本来は「有機的な」という意味だが、忍殺世界では天然食品や自然製品を指す。
市民の常食であるスシは粉末成形スシであり、我々の知る鮮魚のオーガニック・スシは高価。
スシが頻繁に登場する関係上魚介類について用いられる場合が多いが、時には「オーガニック氷」なるものが登場したりする。
食文化・薬物も参照重点。

オーバードーズ

薬物の類を過剰に摂取した状態である事を示す言葉。色々な意味でスゴイ・アブナイ状態である。
自制心が利かないほどハイになったり、ヨダレを垂らすほど鎮静化したりする。
一般的にはオーバードース(Overdose)と呼ばれるが、忍殺ではこの発音で使われている。
忍殺特有のコトダマではないが、馴染みの薄いヘッズも多いであろう事から記載する。
 
関連:遥かに良い

奥ゆかしい

作中で濫用される形容詞。
現代では「控えめ」に等しい表現として定着しているためおかしな言い回しとして見られがちだが、もともとは「深みと品位があって、心がひかれる。深い心遣いが感じられて慕わしい」という意味であり、むしろ適正な使い方をしていると言える面もある。

しかし、「彼の体内の奥ゆかしいニンジャ感覚」とか「白地にシルバーで舞鶴のパターンを印刷された奥ゆかしいPVCビキニ」とか「奥ゆかしいサイバー感」果ては「奥ゆかしい違法薬物」など、いくら何でも「原義だから」で通るのか疑わしいケースも散見される。

「奥ゆかしい」は、ヘッズスラングとしても用いられる。こちらはコミュニケーションにおける「心遣い」や「自制」などを含んだ意味合いで、より標準的な用法に近い。作品同様、ファンも奥ゆかしさを重点して楽しもう。

オジギ

お辞儀。
一方が「ドーモ、(相手の名前)=サン、(自分の名前)です」とアイサツしてオジギした場合、された方も「ドーモ、(相手の名前)=サン、(自分の名前)です」と返さなくてはならない。古式ゆかしいアイサツである。
いかに無慈悲なニンジャ同士の殺し合いであろうと対面した時のオジギは不可欠であり、オジギが済む前に攻撃をする事はスゴイ・シツレイに当たる。
 
未熟なニンジャはオジギからすぐ戦闘態勢に移る事ができず、実際その隙を狙われる事もある。
反面ヤバイ級ニンジャともなれば、オジギを終えてから攻撃への推移はコンマ数秒以下で行われる。
手を体の前で組み合わせる、片掌にもう一方の拳をつける、我々のするように気をつけの姿勢で頭を下げるなど、ニンジャや流派によって複数の作法がある模様。
 
関連:アイサツ

オスモウ

リンク先を参照な。

オスモウ・フォント

書体の一種。俗に言う「相撲体」と思われる。中黒は付ける場合と付けない場合がある。
看板に書かれた文字や掲げられたショドー、サーチライトに浮かび上がる文字や刺青などの書体に使われており、ミンチョ体ほどではないがよく登場する。

オトウサン

ヤクザが自らのオヤブンに対して用いる呼称のひとつ。
初出は「ザ・グロウ」
「オヤブン」と「オトウサン」のどちらを用いるのかはクランによって異なるようだ。例えば過冬ではどちらでもない「ボス」の呼称が使われている。

おなしやす

町の中に見える看板の文字。原作にも登場している。
類似のネットスラングがあることもあって、漫画・アニメなど視覚化された媒体では目を引く。原作の看板の再現であって、担当者が悪ノリしてネットスラングを混ぜたわけではない……と思われる。
意味はよくわからない。

オニイサン

ヤクザが自らの兄貴分に対して用いる呼称のひとつ。
初出は「ベイン・オブ・カトー」で、これ以降ソウカイヤと過冬の双方が用いている。それ以前は単に「アニキ」と呼ばれていた。
姉貴分に対しては「姉御」の呼称が使われていることが、よりギャップを大きくさせる。

オバケ

お化け。亡霊・妖怪・魑魅魍魎・未確認生物全般まとめてオバケと呼ぶようだ。
実際目の前にいたら失禁は免れないほどコワイが、どことなくタノシイ・アトモスフィアを感じる呼び方。
単純に「化け物」「モンスター」という体で使われる場合もあり、化け物めいたアトモスフィアを持つ相手を「オバケめ」と言ったりもする。

オヒガン

リンク先を参照な。

オブシダン

黒曜石(obsidian)。その名の通り漆黒の石である事から、真っ黒な物体の比喩に使われ、ブラックドラゴンの黒目しかない目などがそう例えられる。
また、「オブシダンめいた無慈悲さ」と書かれた事もある。
普通に「黒曜石」という訳が付いている事も多く、「オブシダン」が使われるのは近くに「オブツダン」と書かれている時が多い。
実際一つのツイートの中で「オブツダン」と「オブシダン」が両方使われている事もある。
 
なお、ダークニンジャの装束の色は「オブシディアン」と表記される。

オブツダン

リンク先を参照な。

おマミ

各所の看板に記された謎の文字。その意味はザ・ヴァーティゴ=サンにもわからなかった!
……のだが、書籍版質問コーナーでは「質問の例」としておマミの意味を自ら例示しているので、その後調べてくれたのかもしれない。
 
いくつか説はあるが大抵が単語のみの登場なので結局のところは不明。類似のものに「おてまみ」というひらがな表記のものもある。

公式用語集では「何らかの軽食の類を指すと思われる」と述べられていた。

考察・いくつかの説
  • 「お豆」→ローマ字表記で「omame」を英単語っぽく発音したという説
    • そこから発展して、「小豆」(あずき)を「おまめ」と誤読したという説。日本各地で愛される甘味であるため可能性は高いか?
  • 「おスシ」の書き間違いという説
  • 「お美味」説
  • 「おつまみ」説

「ザイバツ・ヤング・チーム」にてウィッカーマンが、クアースを「オマミ」呼ばわりしている。
彼は人間やニンジャを甘味に例える癖があるので、まさかの甘味の可能性が浮上してきた。
前述の説と合わせると、アンミツめいた豆系の甘味なのだろうか?

甘味→あまみ→おまみ→おマミ あ/お の見間違いが元か

類似の事例:そでん

第4部では派生語と思われる「おマニ」という言葉が登場している。
こちらは日本国外の看板に記されていることから、ミ/ニ の見間違いが元か。

オメーン

①「お面」。忍殺にはキツネ天狗ハンニャなど各種のオメーンが登場する。
またブッダ・オメーンのように、顔全体を覆うマスクめいたものもこの名で呼ばれる。
書籍版質問コーナーでのザ・ヴァーティゴ=サンの解説によると「フルフェイスメンポと比較して、より装飾的な意味合いが強くなる」ようである。
関連:メンポ

 

ケンドーのカラテ・シャウトのひとつで、「面打ち」の「面」のこと。ネオサイタマ市警のケンドー機動隊がよく使う。

オモチシリコン

オイランドロイドの表皮部分の材料などとして言及される素材。その用途からゴム系統のシリコンと考えられる。
おそらく人間の肌とそう変わらない、もちもちとした触感を持つシリコンなのだろう。「もち肌」という日本語表現に由来するネーミングであろうと考えられる。
ちなみに現実世界においても花王によりシリコン等を原材料とする、滑らかさや触感が人のそれに近いロボット用人工皮膚が開発されている。

オリガミ・メール

その名の通り、オリガミに手紙を認めて折ったもの。

ビジネスの場に持ち込まれるほど広く根付いており、ニンジャスレイヤーもオリガミと毛筆を携帯し器用に亀の形に折っている。

特別な内容を伝える際にはやはり特別なオリガミが用いられる。ある人物はプロポーズのために「最上質の金色オリガミで折られた、カメ・オリガミ・メール」を用意した。また、ヤクザとギャングの果し合いでは、「死を象徴する銀色の和紙」で折られたオリガミで決闘状が送られた。

  • 現実世界の古文書学の分野に「折紙(おりがみ)」という用語がある。これは、料紙(文字を書く用紙)を二つ折りにして文書をしたためた形式を指す。平安時代末期に登場した「略式の手紙」の形式であったが*2、室町時代以後の武家社会では公式文書に採用され(参考:福岡市博物館群馬県立文書館)、刀剣や美術品などの鑑定書(※「折り紙付き」という慣用句はここから来ている)、進物の目録(※現代でも結納品の目録などは「折紙」で書かれる)などに用いられた。現代人の我々からすれば「改まった文書(手紙)」ということになろうか。原作者がこれを折り鶴などの「オリガミ」と誤解したのかもしれない。

電信オリガミ・メール

IRCで電信センターへ送信されたメッセージをオリガミ・メールに物理プリントアウトし、ヒキャクによって配送するサービス。われわれの世界の電報に似たサービスであるが、電報とは「送信者の情報がオリガミに記載されない」といった相違点がある。

俺は詳しいんだ

タカギ・ガンドー始め、事情通をもって任じる人物が知ったかぶる時に使われる定型句。
大抵あまり頼りにならない。初出はナイトサーバントである。

か行

カーボン

炭素繊維から構成される頑健な素材。PVC材と共に近未来アトモスフィアを演出する。
忍殺世界では広く普及している素材であり、ノボリの竿やフスマなどにも用いられている。
新幹線の屋根にも敷設されている「カーボンナノタタミ」は耐熱性に優れ、軌道エレベーターの構成材としても期待されている夢の新素材。

ガイオン・ショージャ

祇園精舎。作中においては、あるニンジャにまつわるエピソードで繰り返し登場する、謎めいたチャント(憑依したアーチニンジャ由来)の冒頭の一節。

元ネタは『平家物語』の有名な語り出しであるが、作中では片言めいて微妙に違う。

作中の声

ガイオン・ショージャノ・カネノコエ。ショッギョ・ムッジョノ・ヒビキアリ。オゴレルモノ、ヒサシカラズ。タダハルノヨ、ユメゴトシ。ヒトエカゼ、チリオナジ。

『平家物語』冒頭

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

カイシャク

敵にとどめを刺す行為。主にハイク(後述)を詠ませた後とどめを刺す場合が多い。
自らの勝ち目を完全に失った敵にかけるナサケであり、これを拒否する者は惨たらしく恥な死を遂げる事を覚悟しなければならない。
我々の知る介錯は刀で首を斬るものが多いが、ニンジャのカイシャクには一定の形式はないようだ。

一例として、チョップで首を切断したり、踵落としで頭蓋骨を粉砕することのほか、スリケンや銃弾を撃ち込むこともカイシャクに含まれる。とりあえず頭部の破壊を指して言う事が多い。

「ハイクを詠め。カイシャクしてやる」

 

関連:ハイク

カカシ

案山子。田畑から害獣を遠ざけるために設置される人形。
マッポーの世におけるカカシは凶暴なバイオ生物に対抗するためか、自律走行能力を有し、ロケットランチャーや電磁ネット、熱蒸気散布装置などで武装している。オムラ・インダストリもこの分野に参入しているようだ。
また、施設警備のための防衛機構として用いられる自動プラズマ・カカシなるものも存在する。威圧感溢れる名称だが、具体的にどのような装置なのかは不明。

囲んで警棒で叩く

読んで字の如く。「警棒で叩く」「囲んで棒で叩く」とも。
忍殺世界においては制裁的な暴力行為を端的に表すスラングめいたコトダマらしく、脅し文句などに実際多用される。
比喩表現であり、実際警棒を使う事は少ないようだ。
 
イカにまつわるニンジャ神話においても類似したエピソードが確認できる(こちらを参照)。実際恐ろしい。

カジバ・フォース

いわゆる「火事場の馬鹿力」。
作中では「死に際に発揮される超自然の力」(「フジ・サン・ライジング」より)と説明される。

カタコンブ

地下墓地を指すイタリア語 "catacombe"、もしくは英語 "catacomb"(カタコーム)。一般的なカタカナ表記では「カタコンベ」か。
なぜこのような硬質なコンブめいた表記になっているかは定かではないがフランス語"Catacombes"の線も否定できない。
暗く陰鬱とした閉鎖空間を地下墓地になぞらえて喩えるときに使用される。

カチグミ

社会的に高い地位を持つサラリマンや上流階級を指す。全人口に占める割合は5%未満。
高等な教育を受け、センタ試験を抜け、過酷な就職戦線を乗り越えなければならない。
しかし、晴れてカチグミになった後も、シキタリや複雑な人間関係を大過なくこなさねば出世の道は断たれ、ムラハチにされる。
ギンイチの父親のようにプレッシャーに耐えかねて心身を病んだ人間も多く、一度カチグミになりさえすれば安泰というわけでもない。
しかも作品内においては一般人の被害者として殺される事が多い。実際デスノボリ重点である。
 
対義語:マケグミ

カツアゲマン

ネオサイタマにいる、アーケイド・ゲームセンターでゲーマーを、あるいは歓楽街の通行人を路地裏に引きずり込み、暴行を加えて金品を奪い取る犯罪者のこと。第4部から名称が登場。
カツアゲマンに強盗されないためには、予め実績のあるボディガードを雇うか、ソウカイ・シンジケートからケツモチ・トークンを購入し、これをソウカイヤの治安ヤクザに支払えば守ってもらえる。だがケツモチ・トークンは高価なため、カツアゲマンの半分はソウカイヤの末端構成員であるという噂があるという。

なお、アイアンアトラスはカツアゲマンを「殴るとお金を落とすボーナスマン」だと思い込んでいる。

カトゥーン

"cartoon"。われわれの世界の欧米圏ではおおむねマンガ・アニメを指す語であり(複雑なのでwikipedia参照な)、ニンジャスレイヤー世界でも同様である模様。ただし「アニメ・コンテンツ」という語は別個に出ている。

ニンジャ・カトゥーンももちろん存在するが、ニンポと呼ばれる荒唐無稽な魔法を使う戦士として登場する。ニンジャ真実を知らぬ一般人にとって、ニンジャはあくまでカトゥーンのような娯楽フィクション作品の登場人物なのだ。
現在は「サムライ探偵サイゴ」などが人気放映中である。

カブーム!

アメコミにおいて用いられる爆発の擬音だが、ニンジャスレイヤーにおいてはこれを再び日本語風に訳して用いられる。
翻訳担当者によっては「CABOOM!」「KABOOM!」と英字を用いる場合もある。
 
同様のコトダマに「KRA-TOOOM!」というものもあり、こちらは意味合いとしては施設や兵器などが大爆発を起こす様を表すようだ。

カラテ

詳細はリンク先参照な。

カロウシ

過労死。長時間の労働などで心身に疲労が蓄積し突然死する事。
忍殺世界では、マケグミ・サラリマンはその劣悪な労働環境から、カチグミであっても周囲との過酷な競争の中でこの現象が発生するのがチャメシ・インシデントとなっている。さらに企業の側もそれを愛社精神の表れとして名誉の戦死者めいた社葬にするなど、逆に推奨しているともとれる扱いをしている場合もあるという、実際マッポーな世界観を演出している。
また「衰弱死」の意味合いで使われることも。
 
なお「karoshi」という単語はオックスフォード英語辞典にも収録された事がある、国際語となった日本語の単語の一つに数えられている。先進国と呼ばれる国家群の中では特に劣悪な労働環境である我が国の現状を示す、かなり不名誉な事ではあるが……。
原作者=サンたちも現代日本が抱える問題として、たびたびこのカロウシを挙げている。
 
また、ミヤモト・マサシが使用したとされる刀の1つが「カロウシ」と名付けられている。怖ろしい死を暗示する銘である。
 
関連:暗黒メガコーポカチグミサラリマンマケグミ

カワイイ

海外でも有名な日本語の一つ。忍殺では「カワイイだ」「カワイイな」と形容動詞めいて使われる。
ネコネコカワイイも参照重点。

カンオケ・ホテル

安価な宿泊施設。タタミ1畳ほどの個室がハニカム状に集積したものらしい。
日本独自の宿泊施設であるカプセルホテルは、海外でしばしば "coffin hotel" と皮肉られることがあるので、これはその直訳であろう。
カンオケ・ホテルにすら泊まれなくなった日雇い労働者は、ジャンク・クラスター・ヤードに流れていくという。作中の強制労働施設の描写で比喩として用いられており、ドヤ(簡易宿泊所)のような位置づけかもしれない。

カンジ(漢字)

われらが主人公のメンポに「忍」「殺」と記されている通り、我々の知る漢字であろうと思われる。
しかし、作中の漢字は呪術的な力を持っているらしく、「エンシェント漢字」の呪いを中心としたエピソードや、カンジによって呪いを刻む大技もある。

現在使われているカンジのセットは平安時代に定められ、それ以降新たなカンジの創造は禁忌となっている
また、「システム・オブ・ハバツ・ストラグル」での描写によると、日本社会において「名前の漢字間違い」は最大級の侮辱に当たりタイヘン・シツレイ(ちなみに、それに次ぐ侮辱は「名前の呼び間違い」)。

関連:ルーンカタカナ文字

堪忍袋

現実でも使用される、我慢できる許容量を袋に例えた表現。
だが許容量を超えて我慢の限界に達した事について我々が「堪忍袋の緒が切れる」と言うのに対し、本作では「堪忍袋が爆発する」という表現が使われる。
だんだん許容量が限界に近づいている状況を「堪忍袋が温まってきている」という言葉で表す事もある。

キツネ・サイン

親指と中指と薬指をくっつけて前に押し出し、同時に人差し指と小指を立てる形のハンドサイン。敵対と威嚇を意味する攻撃的なサインであるが、中指を突き立てるよりも奥ゆかしい表現である。
余談だが、初出時に翻訳チームの翻訳ミステイクにより責任者はアバシリ研修へ送られてしまった。

キドニー

kidney. 腎臓のこと。実際人体の急所。
作中では「腎臓」「キドニー」双方の表現が用いられている。
臓器としては「腎臓」、カラテ描写中の急所として「キドニー」と大まかに使い分けられているようだが、必ずしも厳密でもない。

キャバァーン!

電子的効果音。
忍殺内の機械は電子的入力をした際にキャバァーン!と鳴る事が多い。
口座入金・電子照合・果てはバラエティ番組の正解音にも使われていたりと用途は様々。
具体的にどのような音なのかは、アニメイシヨン4話で聞くことができる。

キユウ・アングザイエティ

「杞憂・anxiety」。取り越し苦労であったという意味で用いられる。

狂言強盗団

キョートのアンダー・ガイオンにはびこる犯罪者の一種。
狂言面をモチーフにしたマスクを被り「イヨオーッ!」と奇声を上げて店主も客も皆殺しにした上で、自らのサイバネ義手や義足を撃ち抜き強盗に襲われたように偽るヨタモノのことである。
ちなみにあまり突っ込まれることがないが、面を被るのも「イヨォーッ!」も本来は狂言ではなく能の方。ただし両者はルーツを同じくし、狂言を含む能もあるので実際間違ってない。

強力わかもと

アニメイシヨンでところどころに登場する看板。原作には登場しない。
実在する胃腸薬のロゴで、映画「ブレードランナー」に登場するゲイシャの巨大電子広告が有名。アニメスタッフによる古典オマージュと思われる。

キンカク・テンプル

コトダマ空間に存在する黄金立方体の名称、またはキョートのケゴン・フォールに存在する建築物の名称。
詳細はここここを参照のこと。

ギンカク・テンプル

マルノウチ・スゴイタカイビル地下空洞にある御影石のオベリスク。
詳細はこちらを参照のこと。

第3部最終章ネタバレ

「ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ」におけるニンジャスレイヤーアガメムノンの最終決戦において、かつてナラク・ニンジャヤマト・ニンジャによって突き立てられ、体内の炎で飴めいて溶けていたヤリ・オブ・ザ・ハントの穂先が、ニンジャスレイヤーのチャドーに応えて「内なるギンカク」として作用するという現象が発生した。
詳細はナラク・ニンジャの項目ヤマト・ニンジャの項目を参照のこと。

 

第4部にて、ギンカクはスゴイタカイビル地下だけではなく、シュヴァルツヴァルトネザーキョウにも存在することが判明した。シルバーキーコルヴェットに語った所によれば、「ギンカクの先端は、恐らく地球上に八つ存在する」という。
また、シルバーキーは「辿ればそれは同じものとも言える」とも発言しており、一部のヘッズの間では「地球規模のサイズの立方体が地下に埋まっているのではないか」と考察されている。
セレクションは、胸に埋め込んだエメツとその周囲に彫られたゲルマンルーン文字を用いた月破砕後の近代科学「ギンカク・エンジン理論」によって、ギンカクから何らかの力を得ることに成功している。
ケイトー・ニンジャはギンカクを「強力なUNIXサーバー」に例え、ボンズによる祈祷儀式(彼に言わせれば「ハッカー集団によるDDOS攻撃」)を行うことにより、オベリスクの内芯を露出させた。

キンタロ・スライス

金太郎飴めいた輪切りのことか。

キンボシ・オオキイ

大金星。大きな手柄を表すコトダマ。
元はオスモウ界隈の言葉。

クラン

"clan"。特定の集団を表す言葉で、「一族」とか「一門」といった意味。
例:ニンジャクランヤクザクランなど
関連:組織一覧

クローンヤクザ

リンク先を参照な。

グンバイ

軍配。ラオモトが常時携帯している。
事あるごとにラオモト親子の怒りの犠牲としてワリバシめいて折られる。ショッギョ・ムッジョ!
 
コマンド・グンバイなるものも存在する。これはクローンヤクザに作戦行動に関するコマンドを(おそらくIRC通信を介して?)下すことができるもののようだ。コマンドを下す際には緑色のホログラフィ光球がグンバイ周囲に展開される。
また、ムーンビームも「サイバーグンバイ」をLAN直結してクローンヤクザの指揮を執っていたが、これもコマンド・グンバイと同種のものかもしれない。

ゲイシャ

芸者。富士山、侍などと並び外国から見た日本のステレオタイプを形成する要素の一つ。

忍殺においては、明らかに合法(違法)の性風俗業に従事する「マイコ」や「オイラン」と区別される場合が多く、「ゲイシャ」についてはあまりあからさまな売春描写は出てこない。ある意味、身を売る娼妓と区別される、本来の芸妓(芸者)イメージと言えるかもしれない。原作者の奥ゆかしい日本文化研究の成果であろう(もっとも「本来の用法」で言うと、芸妓見習いであるはずの「舞妓(マイコ)」がおかしくなるのだが)。
 
ゲイシャパンクなるファッションスタイルがあったり、高校にゲイシャ部があったりするところから考えて、マッポーの日本では文化の一部を成しているようだ。

ケジメ

ミスに対する反省の証として行われる「指詰め(フィンガーカット)」の事。忍殺世界ではヤクザのみならず団体(クラン)に属した人間に共通した慣習である。転じて、指を切断により欠損した状態を指す。ミスの大きさによっては複数の指あるいは腕をケジメする場合もある。
指を反省の意で自主的に切断する以外でも、外的な要因で指または四肢が切断する(される)事を「ケジメする(される)」と称する場合もあり、「貴様をケジメする」「五臓六腑をケジメせよ」など、他人に対して、また指以外に対しても使われるのが特徴的である。
 
セプクと並ぶ忍殺世界での責任手段の一つで、携帯式ケジメ器具も存在する位に一般的な行為のようだが、指を切断した程度では命にかかわる事もなく、サイバネ技術も発達しているのでこちらの方が幾分軽いものかもしれない。
現に指をレーザーポインタやハンコ入れにするサイバネ技術や、テッコに代表される義手・義腕も作中で確認できる。
 
とはいえ体の一部を一時的にでも失うだけあり、任務失敗程度なら小指のケジメでその直後から気兼ね無く会話をする事が許される程の絶大な謝罪効果がある。(「ニチョーム・ウォー」#3参照)
モータルなのにザイバツの幹部級ニンジャを一人死なせる遠因を作ったヨロシサン社員も、流石に片腕のケジメだけでは足らず更にコーベインなど諸々を献上していたが、それでも許されかけていた。(「リキシャー・ディセント・アルゴリズム」#7参照)
 
ヤクザ社会では、ケジメした指を無くした場合メンツが立たず結果、先祖に呪われヤクザクランが滅びるという伝承も一部にあるようだ。
 
ニンジャとケジメの関係は定かでないが、最初のニンジャたるヌンジャカツ・ワンソーもかつて林のように奥ゆかしく自らの非を認めてケジメを行ったという。
ちなみにケジメした左薬指は、あるジンジャに安置された。

ケジメ(切断)が代名詞のニンジャとして、ケジメニンジャがいる。また、ハードコア・ヤクザパンクバンド「ケジメド」の名もこれに由来する。
 
翻訳担当者や書籍版のウキヨエ担当者が誤字・誤訳をしでかした際にもケジメが行われる。
転じて、ヘッズの間ではそういうミス自体を「ケジメ案件」と呼称する。サツバツ!
 
なお、欧米において、ヤクザの慣習としての指詰めは、『ザ・ヤクザ』『ブラック・レイン』『ワイルド・スピードX3』などの映画や、『ニューロマンサー』などの小説でしばしば紹介されており、意外にも認知度が高い。ニンジャが指を詰めるという設定は、原作者も遊んだというゲーム「ニンジャバーガー」からの輸入であろうか。

 

本作を含めフィクションではミスをしたヤクザがすぐに指を詰めて詫びるといった描写が多いが、意外にも現実の世界におけるヤクザの間では指を詰めるといったケジメの付け方は頻繁に行われるものではないとされている。主な理由としては、速やかに適切な処置が為されなければ傷口から菌が入って化膿するなどのリスクがある、そもそも指一本を切り落とすのは非常に労力がいるなど、些細なミスに対する罰としては非効率的で不経済とされていることが挙げられるようである。

 

関連:研修セプクヘッズスラングとしての「ケジメ」ミラーシェード=サンのケジメ案件

決断的

「迷いがない」「思い切っている」などのニュアンスで用いられるコトダマ。
特に多いのは「決断的速度」という用法。
 
また、なんかアカいひとたちが好んで使うフレーズのひとつでもある。

ゲニン

下忍。主に格の低いリアルニンジャやニンジャソウル、及びそれが憑依したニンジャに使われる。
「レッサー・グレーター・アーチ」でいうレッサーに該当する。
 
注意したいのは、ゲニンだからと言って必ずしも弱いというわけではなく、憑依者の資質や鍛錬、ソウルとの相性次第では高位ソウル憑依者を凌ぐタツジンになりうる。

例えば実際強敵であったウォーロックサラマンダーは、ゲニンソウル憑依者であることが明らかになっている。
まあ、大抵はサンシタじみたニンジャばかりなのだが……。

ケビーシ

ケビーシ・ガードとも。キョート特有の武装治安組織。「検非違使」から。
キョートにはケビーシだけでなくマッポ、国軍も存在しているらしいが、役割分担などは不明。
ネオサイタマのマッポに比べると腐敗描写が少なく、割と真面目に市民を守っている印象がある。

ゴア

意味合いとしては「ネギトロ」に近く、「ゴアめいた惨殺死体」などの用法で使用される。
英語の"gore"(血のり、血の塊)か?

ゴウランガ

リンク先を参照な。

コードロジスト

codelogistもしくはcodologist 、コード学者の意の造語。
より伝統的な造語法に忠実な語としてはcodicologistという語が既にあるが、これは写本学者の意。

動作原理が半ば不明となってしまった旧世紀のコードやプロトコルを研究し、それを基にしたウイルスを操る人々へのハッカーからの尊称。蔑称は「ウィッチ」。

ウイルスは電脳空間での戦闘において強大な威力を発揮するが、コードロジスト自身のIRC空間での戦闘能力は高いとは限らない。代表的な登場人物はホリイ・ムラカミ

ハッカーをサムライとするならば、コードロジストは武器職人と例える事ができる。
ニンジャスレイヤープラスによる解説はこちら

コーベイン

小判。「純金の平べったいインゴット」と説明される。
貨幣として流通している様子はなく、もっぱら重箱に詰められた賄賂として登場する。koban(コバン)を強引に英語風に読んだものと考えられる。
 →ネコにコーベイン

コケシ

和服を着た黒髪の童女を模した人形。
マッポーの日本では最もポピュラーなデザインの一つ。コタツの脚、バルコニーの手すりの装飾(擬宝珠な?)などたいていの円柱状のものは「コケシ」である。果ては、タンス、ロケット弾、飛行船に至るまで様々なものがコケシ型にデザインされている。

コケシ関連製品の製造販売権、およびコケシ関連知的財産権の大半はコケシ・マニュファクトリ社によって独占されている。コケシの縮尺は厳密に規格が定められており、コケシ工場には「基準コケシ」が備えられている。

また、サツバツ的な用例として、両腕をケジメされた状態をダルマならぬ「コケシ」と表現する場合もあるようだ。

コケシ箪笥

登場の度に強い印象を与える調度品。
自然に考えればコケシ型の箪笥だが、ナンシー・リーのIRC茶室内では黄金ブッダ像が乗っている事から、上部が平らである可能性もある。

コケシマート

忍殺世界では一般的なスーパーマーケット。
アニメイシヨン 1話ではコンビニとして登場。
英語への再翻訳版 では "Kokeshi Mall" と訳されているが、英語版原作でも同様なのかどうかは不明。
「ニンジャズ・デン」「デッド・バレット・アレステッド・ブッダ」では「コケシモール」という表記も使われており、前者では「コケシマート傘下のコケシモール」と説明されており、後者ではコケシモール893号店でコケシマート作業員が働きコケシマート麻袋が使われている。親会社の名前がコケシマートで、子会社名あるいはブランド名がコケシモールなのだろうか。
更に「ニンジャズ・デン」ではコケシマートがネコソギファンド……即ちアマクダリ・セクトに買収されたことも説明されている。

「実際安い」価格で商品を販売しており、中低層市民の生活を支えている。
関連:実際安い
 
また、エビテンのニンジャスレイヤー公式ショップもこの名を冠している(リンク)。書籍にグッズをセットした「DXパック」やオリジナルグッズなど、その品揃えは重篤ヘッズ御用達。◆しよう◆

古事記

古来の様々な伝説が記されている書物。
一般的に読まれており、ガンドーも中身を知っている
原作では "Kojiki" と表記されているらしいが、英語への再翻訳版およびアニメイシヨン 英語吹き替え版では、伝統的な英訳題である "Records of Ancient Matters" が使われている。

史実の古事記は日本神話や各地の伝説、天皇制の成り立ちなどについて書かれた物だが、
こちらの古事記は海割り伝説からも分かる通りその内容は黙示録めいており、我々の知るそれとはだいぶ異なる。
重要な事柄はだいたい古事記に書かれていると言っても過言ではなく、ヘッズもだいたいそのように扱い、実際その全容は謎に包まれている。
なお、主にヘッズ外では「古事記にもそう書いてある」という言い回しが浸透しているが、作中での古事記にまつわる表現で相当するのは「古事記にもそう書かれている」や「古事記にもある」で、正確ではない。

以下、主に書かれていること。

ニンジャについて

ニンジャのイクサにおけるアイサツの重要性、ニンジャの戦術やニンジャ神話など。
ただしこれらは暗号めいて表現されているようである。

マッポー・アポカリプス(マッポーカリプス)の予言

作中ではネオサイタマの阿鼻叫喚めいた光景を喩えるのにしばしば地の文において「これもまた古事記に予言されしマッポーの一側面か」と書き記される。

各種伝説

モタロ鶴の恩返し猿の生肝など、我々が御伽草子でお馴染みのものもあれば、架空のものもある。ニンジャの伝説を暗喩したものも多い。

古代ローマカラテ

リンク先を参照な。

コタツ

机と暖房器具を組み合わせた日本の家具。
メガコーポ重役の会合、一般家庭、給湯室とかなりどこにでもあるが、一般的な屋形船にはないようだ。
コタツ・テーブル、掘りコタツなどのバリエーションも我々の知るものと近い。

コトダマ空間(IRCコトダマ空間・IRC空間・電子コトダマ空間)

リンク先を参照な。

コトダマに包まれてあれ

ニンジャスレイヤーが死にゆくケンワ・タイに向けて意図せず放った言葉。同じく死を目前にした相手に使われる「ハイクを詠め」とは明らかにニュアンスが異なる、やさしさにあふれたコトダマである。

なお、地の文=サンもワタアメの行く末を案じて用いている。

ここから派生し、登場キャラクターが死亡した際やデスノボリが立った際などに、ヘッズは何かゆかりの物で包もうとする(ヘッズスラング「○○に包まれてあれ」参照)。

ゴヨキキ

語源は「御用聞き」であろう従業員。

われわれの世界の「御用聞き」は、得意先を訪問する営業活動従事者(某日曜夜のアニメにおけるミカワヤのサブロウ=サンが代表的)を指す語である。しかし忍殺世界においては、サムエ・スーツを着た料亭の店員(ウェイター?)や、入浴施設のアシスタント、風俗店の男性従業員(いわゆる黒服)といったサービス業の接客部門が「ゴヨキキ」と呼ばれている。

(これまでのあらすじ)

ニンジャスレイヤーが始まった「ゼロ・トレラント・サンスイ」の冒頭文。
ストーリーを最初から読みたいという心理は誰もが抱くであろう。
しかし、このあらすじ部分に該当するエピソードは現在でも発表されていない上、「ゼロ・トレラント・サンスイ」自体も時系列で言えば第1部でも中盤に該当する。(時系列順参照)
「ニンジャスレイヤーを読むにあたって既成概念は捨てるべし」という著者の決断的意志を端的に表したコトダマであり、ニュービー・ヘッズが一番最初に受ける洗礼と言える。


*1 「阿鼻叫喚」という表現は、八大地獄のうちの「阿鼻地獄」「叫喚地獄」から来ている。
*2 もともと手紙は、文書を書いた本紙のほかに「礼紙(らいし)」と呼ばれる白紙を添え(中身が容易に透けて見えないようするためという)、さらに封紙で包むのが正式とされていた。礼紙を節約するために料紙を二つ折りにし、半分を礼紙代わりにした形式が「折紙」である。