グッズ/【メタルフィギュア】

Last-modified: 2023-04-07 (金) 18:00:22

概要

金属を材料として作られた、人物や動物、クリーチャーのミニチュア。
材質はピューター、ホワイトメタルなどの加工しやすい柔らかな合金が用いられる。アクチュアル・ウォーゲームなどのミニチュアゲームの駒として使われていたことから、25mmサイズのミニチュアが『ダンジョンズ&ドラゴンズ』でも用いられていた。
古い歴史と膨大な種類があり、欧米では数多くのメーカーが存在していた。1980~1990年の頃に日本に輸入されていた物だと、D&Dの公式フィギュアメーカーだった英国のシタデル社や米国のラルパーサ社以外にも、Grenadier Models(グレナディア)社やReaper Miniture(リーパー)社、ホビープロダクツ社といったメーカーの商品があった。


素材はホワイトメタルが有名だが、材料に鉛を用いている事から米国では1992~1993年にかけて禁止措置が施行されていったために、ピューターやラリジウムといった他の素材に変わっていった。
D&Dシリーズの版権がウィザーズ・オブ・ザ・コースト社に移った後も、「Dungeons & Dragons」「Dungeons & Dragons Third Edition」の公式メタルフィギュアが販売されていた時期がある。
しかし『メイジナイト』に端を発した「トレーディング・フィギュア」「コレクタブル・ミニチュア・ゲーム」の要素を取り入れたプラスチック製のミニチュアを用いた「ダンジョンズ&ドラゴンズ ミニチュアゲーム」が発売され、そちらが公式フィギュアとして扱われるようになった。

公式メタルフィギュア

ダンジョンズ&ドラゴンズというゲームそのものは、フィギュアを使用したアクチュアル・ウォーゲームの流れを汲んでいる。そのためダンジョンズ&ドラゴンズの公式フィギュアは数が多いし、メーカーは数年ごとに変更されていた。このうち日本に輸入されてホビーショップなどで販売されていたのはシタデル社とラルパーサ社、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の物が多い。

公式メタルフィギュアメーカー一覧

  • 1977: Minifigs
    1964年創業のミニチュアメーカー。2009年にCaliver Booksに業務を買収されたが、2022年春時点でも現存している。当時のライセンスは「Dungeons & Dragons」だった。
  • 1979: Heritage Models
    1974~1983に存在したファンタジー物を主軸とするミニチュアメーカー。Advanced Dungeons & Dragonsのライセンスで公式メタルフィギュアを製造していたことがあるものの、新和から日本語版が出た当時にはすでに廃業していた為、当時のD&Dプレイヤー達にもほとんど知られていない。しかしオフィシャルD&Dマガジンでヘリテイジ・シタデル・ラルパーサの3社それぞれのトロルの完成写真が掲載されたことがある。
    理由や経緯は不明だが、2年に満たない短期間でAD&Dのライセンス契約が終了している。
  • 1980: Grenadier Models
    創業は1975年で1996年まで存在したミニチュアメーカー。新和版発売以前にAD&Dのライセンス契約が終了していたが、自社製のメタルフィギュアは当時のホビージャパンが輸入販売していたため、米国のメタルフィギュアのメーカーの中では比較的知られていた時期があった。
  • 1983: TSR
  • 1985: Citadel
    新和から日本語版が発売された当時の公式メーカー。ライセンスはAdvanced Dungeons & Dragons。
  • 1987: Ral Partha
    新和からAD&D第2版の発売が決定されたあたりの時期に変更されたが、当時の英国ドルと米国ドルのレート差や円高が理由で当初は価格が安かった。後に値上げされた。最初はAdvanced Dungeons & Dragonsのライセンス品のみだったが、後にDungeons & Dragonsのライセンス品も製造販売している。
  • 1999: Wizards of the Coast

余談:日本のメタルフィギュア事情

コンピュータによるロールプレイングゲームが流行して以降、日本でも一部のメーカーがファンタジーを題材とするメタルフィギュアの製造販売を行っている。ただ日本では住宅事情などの面からマイナーな趣味となっている。
特に新和版が発売された当時はシタデル製メタルフィギュアの価格が高かったことがあり、メタルフィギュアをふんだんに使用したセッションが行われることは少なかったとされる。代用品としてはダイスやチェスの駒、トークンなどが使われたが、中にはミリタリーモデルの兵士や食玩の『ネクロスの要塞』のオマケフィギュアを使っていたサークルもあった。
日本の国産メタルフィギュアとしては、青島文化教材社がコンピュータゲーム『ウィザードリィ』や小説やアニメになった『ロードス島戦記』を題材にしたものを作っていた事がある。また、FM企画による「でぃふぉるめたる」シリーズや「メタルヒーロー」シリーズもホビーショップで販売されていた。
2006年には「オーロラモデル」というブランド名で40mm前後の大きさのメタルフィギュアが製造販売されている。*1
また2019年に発売された『ゴブリンスレイヤーRPG』の限定版には主人公である「ゴブリンスレイヤー」、同じくサプリメントの限定版には「鉱人道士」と「蜥蜴僧侶」、小説『ゴブリンスレイヤー』12巻限定版には「女神官」、同じく14巻限定版には「妖精弓手」のメタルフィギュアがそれぞれ付属している。こちらは約30mmの大きさ。

関連用語

ミニチュアゲーム


*1 こちらは同ブランドのメタルフィギュアとジオラマを使った独自のゲーム『ヘキサシステム』の使用を前提としている。