ゲーム内において、プレイヤーキャラクターの能力や役割を表現する項目。
版によって、代表的なクラスの能力や役割は大きく変わってはいないが、クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズのように種族がクラスとなっていたり、シーフがダンジョンズ&ドラゴンズ第3版ではローグと名称が変わったりなどの差異は多数存在する。
オリジナル・ダンジョンズ&ドラゴンズ
クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ
クラシックD&D第4版でのクラスは以下の通り。
ベーシック・ルール・セット
- クレリック:新和版では「聖職者」、ルールサイクロペディアでは「僧侶」。鈍器を武器とし、ターニングアンデッドとクレリック呪文が使える。
- ファイター:訳語は「戦士」。武器や防具に関する制限がない。
- マジックユーザー:訳語は「魔法使い」。武器・防具の大半を使えないが、マジックユーザー呪文を使える。
- シーフ:新和版は「盗人」、ルールサイクロペディアでは「盗賊」。武器・防具に制限はあるが、「シーフの特殊能力」を使える。
- ドワーフ:デミヒューマン。クラスとしての能力はファイター。
- エルフ:デミヒューマン。クラスとしての能力はファイターとマジックユーザーを兼ね備えている。
- ハーフリング:デミヒューマン。クラスとしての能力はファイター。
また、クラスとして設定されていないが、ST判定表に一般人という項目が存在する。
コンパニオン・ルール・セット
コンパニオン・ルール・セットではこれまでのクラスの延長となる選択肢が示された。
- パラディン:ローフルの教会に忠誠を誓った騎士。ファイター・コンバット・オプションだけでなく、限定的ではあるがクレリックとしての能力を併せ持つ。
- ナイト:特定の君主に忠誠を誓った騎士。ファイター・コンバット・オプションを習得できる。
- アベンジャー:カオティックの教会と契約を交わした騎士。ファイター・コンバット・オプションだけでなく、限定的ではあるがクレリックとしての能力を併せ持つ。
- ドルイド:ニュートラルのクレリックが自然と中立の信仰により新たな呪文を獲得した存在。
マスター・ルール・セット
マスター・ルール・セットでは原則としてNPC用として以下のクラスが追加された。
- ミスティック:ルールサイクロペディア版では修験者と訳された。厳しい修行を重ねることで武器や防具を着用することなく戦う技術を身に着けた存在。DMが許可すればプレイヤーキャラクターとして使用可能。
- シャーマン:人間やエルフ以外のヒューマノイド種族独自のクラスで、クレリックやドルイドに該当する。
- ウィッカ:ルールサイクロペディア版では「ウォーカン」と名称が変更された。ヒューマノイド種族のマジックユーザーに相当する。
シャーマンとウィッカ(ウォーカン)について
それぞれの呪文の詳細は同じだが、シャーマンとウィッカは独特の流儀を通して呪文を発動させるため、クレリックやドルイド、マジックユーザーのスクロールを読むことはできない。ただしシャーマンはクレリック用のマジックアイテムを、ウィッカはマジックユーザー用のマジックアイテムをそれぞれ使うことはできる。
ヒューマノイド種族のスペルキャスターは20人に1人の割合でしか存在せず、その大半はシャーマンとされている。また、稀にシャーマンとウィッカの両方のクラスを持つ個体がいるが、それぞれのレベル上限は通常の半分となる。
呪文という存在そのものが、その部族やねぐらでは理解されない。したがってシャーマンにせよウィッカにせよ、その集団では恐れられたり、不信の念を持たれる。しかし部族内では呪文の力により、一定の権力を持つことが多い。
Gazetteer
クラシックD&Dシリーズの「Gazetteer」シリーズでは各サプリメントごとに追加ルールや新クラスなどが公表されていったが、新和版で翻訳されたのは3種に留まる。
このうち、GAZ2 イラルアム首長国連邦では「トゥルー教徒」というAD&D第2版での「特定神話のプリースト」に近いルールが示されている。
- エルフ・ウィザード:GAZ5 アルフハイムのエルフで追加。アルフハイムの樹の守護者(ツリー・キーパー)やその弟子が就く、特別なエルフの魔法を使う。10レベルに達したエルフが選択可能。
- ドワーフ・クレリック:未訳のGAZ6「The Dwarves of Rockhome」では追加。こちらは転職ではなく、1レベルから開始する完全な新規クラスとなっている。
- マスター:GAZ8「The Five Shires」で追加。8レベルに到達したハーフリングが選択可能で、ハーフリングの国「ファイヴ・シャイア」の守護者。
アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ
第1版
Players Handbookには10のクラスが記載されている。
- クレリック:僧侶。鈍器を武器とし、ターニングアンデッドとクレリック呪文が使える。
- ファイター:戦士。武器や防具に関する制限がない。
- マジックユーザー:魔法使い。武器・防具の大半を使えないが、マジックユーザー呪文を使える。
- シーフ:盗賊。武器・防具に制限はあるが、「シーフの特殊能力」を使える。
- ドルイド:クレリックのサブクラス。呪文リストはドルイド専用のものを用いる。
- パラディン:ファイターのサブクラス。概ね第2版と同様の能力をもつ。
- レンジャー:ファイターのサブクラス。低レベルのドルイドおよびマジックユーザー呪文を使えるほか、いくつかの特殊能力がある。第1版では追跡はレンジャー固有の能力となっている。
- イリュージョニスト:マジックユーザーのサブクラス。独自の呪文リストをもつ。
- アサシン:シーフのサブクラス。名前の通り暗殺を得意とするが、その手続きはある程度DMの裁量に任されている。
- モンク:基本クラスに属さない特殊なクラス。素手攻撃を始め、体温の操作や自己回復など非常に多くの特殊能力をもつ。
さらに巻末の補遺の項目には、非常に特殊なクラスとして以下の2つがある。
- サイオニック?:いわゆる超能力者。他のクラスと共存可能で、内容的には独立したクラスと言うよりはサブスキルに近い趣のもの。
- バード:最初にファイターとして5~8レベル、次にシーフとして5~9レベルの経験を積み、その後ドルイドにクラスチェンジしたキャラクターが成るクラス。専用能力の歌は仲間の士気を上げつつ敵を魅了する効果があり、アイテムの鑑定なども可能。
この他に追加ルールによる特殊クラスや、特定のワールド固有のクラスが多数存在する。またマルチクラスはデミヒューマンのみ可能。
プレイングガイドII
NPC専用クラスではあるが、AD&D第1版で日本語に翻訳されたクラスとしてアーチャーがある。
プレイングガイドV
NPC専用クラスだが、商人としての能力を持つマーチャントが翻訳されている。
第2版
クラスは、ウォーリアー・ウィザード・プリースト・ローグという4つのグループに分かれている。それぞれのグループ毎に、ヒットダイス・命中判定表・ST判定表が決まっている。
デュアルクラスは人間のみ、マルチクラスはデミヒューマンのみという制限がある。また一般人は「0レベル・キャラクター」として扱われる。
キット
AD&D第2版の種族やクラスに関するコンプリートハンドブックで追加されたサブクラス的な要素。第2版初期から展開されている独特の要素で、多数のキットが考案されている。この影響のためか、第1版ほど追加クラスは多くない。
Wizard's Spell Compendium
未訳のWizard's Spell Compendium Vol.IVにてヒーラー・メイジ?の呪文リストが載っている。
ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版
- ウィザード:秘術呪文の使い手。
- クレリック:武器の扱いにも長けた、信仰魔法の達人。
- ソーサラー?:生得の魔法能力を備えた呪文の使い手。
- ドルイド:自然界からエネルギーを引き出すことで信仰呪文や特殊能力を扱う。
- バード:音楽を奏でることで魔法効果を引き出す演奏家であり、様々な状況に対応できる。
- バーバリアン:怒りと本能で戦う戦士。
- パラディン:善なる神の信仰の力で強化された戦士。
- ファイター:多彩な戦闘技術を持ち、武器・防具を使いこなす戦士。
- モンク:鍛え上げた素手や肉体で戦う格闘家。
- レンジャー:知識と力に長じた自然や荒野の戦士。
- ローグ:器用さや技術を磨いた斥候にして間者。
基本ルールにあるクラスは上記の11種。マルチクラスの種族制限が無くなった。
DMの許可によるが、他に追加クラスや条件を満たすことで得られる上級クラスを取得することができる。
また、一般人に該当するNPC用クラスとして、アデプト?、アリストクラート?、ウォリアー、エキスパート?、コモナー?が存在する。