アライメント

Last-modified: 2023-07-14 (金) 05:56:17

原語は「Alignment」。
直訳だと、一直線、直線にすること。あるいは政治的な提携や連合を意味する。
ダンジョンズ&ドラゴンズでは、キャラクターやクリーチャー、特定の勢力の倫理上、もしくは道徳上の見地の分類となる。
によって、その種類や定義には差異がある。さらに、参加するプレイヤーによっても解釈が異なる場合がある。


ゲイリー・ガイギャックスは、マイケル・ムアコックとポール・アンダースンの作品からアライメントに関する着想を得たと認めている。


コンピュータゲーム「ウィザードリィ」では「善」と「悪」は原則として同じパーティを組むことができないが、D&Dではアライメントが違うからといってそのような事にはならない。様々な行動方針で支障が出てくる可能性もあるが、そのあたりは各プレイヤー次第となる。

オリジナル・ダンジョンズ&ドラゴンズ

lawful(秩序)、neutral(中立)、chaotic(混沌)の三つ。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

新和版の日本語訳では、アライメントはプレイヤーキャラクターとモンスターの行動の基準になる「性格」と定義されており、以下の3つがある。

  • ローフル(法):総ての秩序に従うべきであり、決まった事に従う事は当然だ、という信念を持つ。ローフルの行動は、普通「善」と呼ばれる性格と同じとしている。
  • カオティック(混沌):総ては突発的に起こるのであり、幸運と機会こそが世界を支配しており、法は破るためにあると考える。カオティックの行動は、普通「悪」と見なされる。
  • ニュートラル(中立):法と混沌のバランスを崩すべきではなく、個人も集団も共に大事にする。ニュートラルの行動は、状況によって「善」にも「悪」にもなる。

この版では「性格語」という、それぞれの性格による独自の言葉が存在する。性格語はある程度の知性があるクリーチャーであれば使うことができる。性格語自体は身振り手振りを交えており、同じ性格でなければ通じない。


DMによっては、プレイヤーに対してPCの性格を変更することを命じる場合がある。その際には経験レベルを1つ失うなどの罰を課される可能性がある。
また、強制的に性格を変えられるアライメントチェンジヘルメットという呪いの装備品が存在する。


基本クラスの選択には影響がない。ただし、パラディンはローフル限定、アベンジャーはカオティック限定、ドルイドはニュートラル限定という制限がある。


ルールサイクロペディアでは「カオティック」が「ケイオティック」と本来の発音により近い表記になっている。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

ローフル(秩序)・ニュートラル(中立)・カオティック(混沌)の3種と、グッド(善)・ニュートラル(中立)・イービル(悪)の3種の組み合わせによる、9種類となった。
クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズよりもアライメントが細分化されているが、プレイヤーキャラクターを縛る拘束着ではなく、大まかな性格や信念であり、ロールプレイングの助けとなる道具であるとしている。
以下に記すアライメントの概略は、オフィシャルD&Dマガジン20号からの引用。

ローフル・グッド

道徳的な正義(善)を前提に、それを維持するための政府を組織しようというのが、このアライメントである。この場合、法の暴走に対する抑止力になるのが、道徳的な善意であり、人々の生活・生命を乱すような法が制定されることはないだろう。

ローフル・ニュートラル

道徳的な価値観に関しては判断を必要とせず、何よりも従うべき法と規律などを重要視するのが、このアライメントである。従って、どのような形にしろ、強くしっかりとした政府を支持することになるだろう。

ローフル・イービル

自己の権利を守るという理由からだけ、法や規律を支持するアライメントである。従って、自分たちに不利益な法の制定には反対するし、もし執行されれば法の網をかいくぐろうとして、抜け道を探すのである。いわゆる全体主義者と呼ぶにふさわしいアライメントであろう。

ニュートラル・グッド

社会的立場と道徳的な立場を別の次元の問題としてとらえており、社会的なバランスは必要だが、善を追求することにより、そのバランスが崩れることがないと考えているアライメントである。悪法もまた法であるが、必要なら、それを改定することもやむなしと考えているわけである。

トゥルー・ニュートラル

他の八つのアライメントに合わせて、本来なら、ニュートラル・ニュートラルと表記するべきであるが、真のニュートラルという意味から、このように表記する。
社会的にも道徳的にも、総ての面においてバランスを保つことを考えているアライメントである。従って、二つの勢力が対立している場合には、そのバランスを保つように弱体化している勢力に加勢するのである。

ニュートラル・イービル

自分の利害のみを追求しようとしているのが、このアライメントである。そして、個人の利益を守る(得る)ための手段が、合法化か非合法かには関心を示さないのである。要は、自分が得をすればよいのである。

カオティック・グッド

非常に個性的であり、自分の信じる正義のために行動するアライメントである。この正義は基本的には道徳的な善意であるが、その実践のためには、社会的な法や規則は無視する傾向がある。
この著しい例が自由主義者であり、まさにアメリカ的な正義と呼ぶことができるだろう。

カオティック・ニュートラル

社会的な秩序とは関係なく、個人の利益や欲求を追及している。しかも、道徳的な善や悪の判断の基準となるのは、自分自身だけなのである。従って、非常に気分屋であり、ギャンブルなどの運試しに挑戦する者も多い。精神異常者の行動を表すのに、最も適したアライメントでもある。

カオティック・イービル

まさに利己主義者であり、世界は自分を中心に回っていると考えているアライメントである。CN(カオティック・ニュートラル)との大きな違いは、どのような行動をしても、それが絶対に悪いことだとは考えない点である。このアライメントの者をコントロールできるのは、その者よりも力の強い者だけである。このアライメントの極端な例が、デーモンであろう。