呪文/【スティンキング・クラウド】

Last-modified: 2023-10-17 (火) 15:41:00

原語は「Stinking Cloud」。
stinkは悪臭を放つ、いやなにおいがする、不愉快であるといった意味の動詞。
ひどい悪臭を放つ雲状の気体を作り出す魔法効果を持つ。
雲や霧を扱う魔法は多いが、ファンタジー作品で悪臭を放つという魔法が登場することは少ない。数少ない例としてはゲームブック『ソーサリー』シリーズの魔法「NIF」が挙げられる。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

ウィザード2レベル呪文。訳語は「悪臭雲」。
エボケーションに属する。コンポーネントはV、S、M。
術者が指定した場所に、20フィート立方の空間を満たす悪臭を伴う渦巻く雲を出現させる呪文。
この悪臭を放つ雲の内部にいる者は全て、毎ラウンド対スペルST判定を行わねばならない。失敗すると悪臭により気分が悪くなり攻撃を行えなくなってしまう。ST判定に成功した者は効果を免れるが、呪文の効果範囲内に留まると次のラウンドもST判定を行わねばならない。この攻撃不能の効果は雲から出ても数ラウンド続くことになる。
この悪臭の雲は毒性であり、毒を無効化する手段や呪文、魔法効果で対処することが可能。
持続時間はラウンド単位で術者レベルに比例して延長されていくが、ある程度以上の風が吹いていると持続時間が半減以下になってしまう。
触媒は「腐った卵」か「ミズバショウの葉」。
ミズバショウは漢字で水芭蕉と書く。サトイモ科の多年草1つ。この呪文に使われるのは「ザゼンソウ」あるいは「アメリカミズバショウ」と呼ばれる種類で、英名は「Skunk Cabbage」。その名の通り、スカンクのような悪臭を放つことで知られている。


触媒はどっちにせよ悪臭を放つ代物であるため、ネタにされやすい。その性質上、悪臭が漂わないよう丁寧に梱包しておかないとパーティメンバーから苦情が出ることがある。呪文自体はなかなか強いが、これが理由でDMが遭遇率や敵に追跡される確率を高くする事があったりする。
後述の「プール・オブ・レイディアンス」を含めて、第2版で猛威を振るいすぎたためか第3版では3レベル呪文に引き上げられてしまった。

プール・オブ・レイディアンス

コンピュータRPGである「プール・オブ・レイディアンス」では、探索時の「ノック」の呪文と共に魔法使いの2レベル呪文の定番。「スリープ」や「チャーム・パーソン」の効かない大型モンスターといえど、この悪臭の雲に巻き込まれただけで次々と無力化していくという威力をプレイヤーたちに見せつけた。

ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版

ウィザードソーサラー?の3レベル呪文。召喚術(創造)。
構成要素は音声、動作、物質。
吐き気を催される蒸気を含んだ霧の塊を作り出す呪文。
これに巻き込まれた物は頑健セーヴィング・スローに失敗すると、移動相当アクションしか行えなくなる。
効果範囲は半径30フィート、高さ20フィートとなった。
物質要素は「腐った卵」か「ザゼンソウの葉数枚」と相変わらず。