【人種】/猛鱗の民

Last-modified: 2022-11-29 (火) 18:51:45

アルファベット字表記:L-H
読み:もうりんのたみ/ル・ハ
区分:鱗阿
発案者:tocoma110
Tag: 人種 鱗阿 猛鱗の民 同盟種 発案:tocoma110


概要

鱗阿の代表種であり、主にエルネセトア大陸中央南部に生息する種族。
蜥蜴が二本脚で歩いている、などと言われることもあるような外見が特徴。
性質的にも有鱗類的な特徴が極めて強く、恒温種ながらも、どちらかといえば温暖な気候を愛することで知られる。


類似した外見を持つ生物に邪鱗の民が存在するが、別種である。
蛮族とされるそちらと異なり、こちらは明確に同盟種として記録される。他種との共存を考えられる、真っ当な知的種族である。
ただし、若干血の気は多く感じられることが多い。

 

分布

前述の通り、エルネセトア大陸の南側に住んでおり、特に楪州爬州南部に多く分布する。
楪州に住むことから分かる通り、湿気の多い場所を好む傾向にあるが、亜州にも適応している。

 

形態

大雑把に一言で言えば、「直立したトカゲ人間」である。
イグアナなどを彷彿とさせる特徴が多く、中型以上の有鱗類に近い質感・外見を持っている。

  • 獣脚型の脚部を持つ、いわゆる動物系の特徴が色濃い種族の一つ。
    一般的なトカゲのように這いまわる形ではないため、進化の系譜としては陸棲垂直脚部骨格の有鱗類から進化した種、と考えられている。
    顎や歯の構造・構成もそうした生物に類似している。

体格はがっしりとしており、身長・体重共に肌人の平均をやや上回る傾向にある。
また、後述の通り頑丈ゆえに長命な種族であるため、生存する限り大型化することになる。そのため、体格=年齢と見ることが出来る。
ただし、老齢となると肉体能力の低下から支えきれなくなり、大体背筋が曲がっていく。


尻尾はそれほど長くないため、もう一つの手のように使うことは不可能。
一般にはコミュニケーション用の器官として、彼らなりの自己表現に用いられる。

 

生態・特徴

様々な特徴を持つ本種だが、その最大の特徴は生命力の強さだろう。
温暖多湿な環境を好みながら亜州の乾燥地帯にも適応するなど、環境への適応性と、その中で生き残る生命力がずば抜けている。
陸棲鱗阿はその傾向が元々強いが、中でも本種は特にその傾向が著しく、大概の場所での生活を可能とする。

  • そうした特徴の一つとして、体内に水分貯蓄器官が存在する。
    これにより、亜州などの高温乾燥地域でもある程度の熱調整・肉体組織保護を可能とする。

加えて肉体的な回復力・抵抗力も極めて高い。
負傷の治癒速度は他種の数倍に上ることも珍しくないほか、毒・病気に対しての抵抗も極めて高い。
肉体的にも体躯の通り頑丈であるため、本種は非常に長命。


ただし、冷気にはあまり強くなす、寒冷地を苦手とする。
また日光の薄い夜間も好んで活動したがらないため、彼らの主だった活動期間は日中となる。


一般的に視覚より、嗅覚・聴覚・熱感覚を頼りとする傾向にある。
特に嗅覚は月吼えの民と互角のレベルにあると言われており、非常に繊細な嗅ぎわけが可能。コミュニケーションにもそうした臭いを多用するため、音声・文字主体の生物とは異なる独自のコミュニケーション文化を育む要因となっている。
後述する香の文化が広く親しまれるなど、彼らの生活への影響力の大きさは計り知れない。
また聴覚も非常に優れており、特に空間把握は視覚よりも聴覚を重視する。
高度なエコーロケーションも行なえるため、暗所での活動に適している。

  • 視覚能力もそれほど悪いわけではないが、色の識別は開拓の民には見劣りする様子。
    そういった理由から大雑把な目測は用いることがあっても、仔細な情報は嗅覚・聴覚から得ようとする。

しかし、発音器官の問題から一般的な共通語の扱いは不得手。
ややかすれたり不明瞭な発音になりやすく、彼ら自身の聞き取りに反して再現は難しい。


精神構造としては、肌人的な時間間隔からはやや乖離し、行動面で齟齬が生まれやすい。
種族として即決即断に近い考え方をしがちなため、せっかちな印象を与えやすく、短気な種族と勘違いされることも。


発情期が定まっている人種で、数年周期で発生する。
ただしそれらは個人差に加えて体調・環境による変化も生じやすいため、やや不安定な部分が目立つ。
夫婦のような「常に傍にいる関係」となると、相手のホルモンバランスが相互に影響する形となる。


食性は雑食だがやや肉食寄り。

 

文化

視覚に頼らないことが多いため、彼らは匂い・音を中心に表現を用いる傾向にある。
特に匂いは主要な情報入手手段であるため、娯楽から情報伝達まで幅広く用いられている。
一般的な娯楽として普及している香は、非常に多彩かつ細かなカテゴリーが設けられるほど。香料のために破産する者も珍しくない。

  • 一方で視覚で何かを判別するのは大雑把になるため、目隠しをして生活する者も目立つ。
    いわゆる視覚芸術の類には関心が薄く、音や香りをベースとした芸術・嗜好品を好む傾向にある。
  • なお、識字率も低くはないが印刷・執筆されたものより、彫刻されたものを好む。

先述の通り、せっかちな種族と思われやすい通り、即決即断を旨とする。
比較的長い寿命を持つ種*1にしては珍しいが、彼らの祖先は長らく過酷な環境下で生活してきたらしく、そうした本能が強く刷り込まれている様子。思考を蔑ろにするわけではないのだが、物事は手早く済ませることが自然ととらえる傾向にあり、他種が長く思考に時間を割くことに違和感を覚えやすいのである。
そのため、現場レベルでの動きには定評があるが、長期的視野に欠けるという評価を下されがち。

  • しかし、寿命の長さから長生した個体は、即決力と柔軟かつ粘り強い思考の二つを使い分ける、 巧みな賢者となる。

他種と共存可能な精神を持つが、その気質故に自由な風土の土地でない限り、風変わりな存在と見られやすい。
だが肉体能力の高さと、長々とした思考より目の前のことをさっさと済ませる気風から、肉体労働者として重宝されている。そのため、各国都市部の建築分野などで彼らの姿を見かける機会は多い。


種族的な傾向としてひいては真竜類を信仰する。
混同される竜鱗の民と似ているが、あちらのように自身をその末裔・一部とみなすことはなく、純粋に自然界の権化や理想的存在として崇敬している。彼らの信仰は非常に素朴で、これといった哲学的議題・教義は存在しない。

名前について

都市部ではなく閉鎖的な村落に暮らす場合は、『属する集団名・個人名』となることが多い。
ただし、彼らの「属する集団名」は大抵1~2音程度の短い音で、しかもそこに複雑な意味が伴うことが多いため、他種からすると意味は伝わりにくいことが多い。集団名は里とその中でのポジションに信仰などの様々な意味が付随するため、感覚的な共有が難しいという。
個人名は鱗や卵の色・柄、また出生日の出来事などに由来する形が主流。

  • 例:
    ル=ケヴル
    (ル集団に属するケヴルさん 程度の意)

 

関連するもの

  • 【信仰・宗教】/“龍”信仰?
  • 【人種】/邪鱗の民
    カップ焼きそば現象的種族。混同することは大変失礼である。

 


相談コメント欄


*1 とはいえ、肌人と倍差になるほどではない。