【人種】/風耳の民

Last-modified: 2024-05-02 (木) 04:09:19

アルファベット表記:Nyahn-E'la
読み:ニャーン・エラ/かざみみのたみ
区分:肌人
発案者:tocoma110
Tag: 人種 肌人 風耳の民 同盟種 発案:tocoma110


概要

森弓の民から派生したと思しい肌人の一種。
ただし現在では文化的にも種族的にも変化が進んでおり、外見も生活様式も大幅に異なる。
特に耳はイヌ科よりはフゥールに似てより長く、尻尾もどちらかと言えばネコ科に近い。
それ以外にも『煙塗れの石』への忌避感は薄い傾向が強い。そのため、森弓の民と比べて一般的な村落・都市部にも暮らしており、比較的見掛ける機会の多い人種と言える。

 

分布

大陸中央~南方に分布する。
多人種交流が盛んになって以降も南爬州楪州綴州を中心として分布し、さらにそれらに隣接する北東及び西南亜州南俄州南華州などで見られ、それ以北となると極端に数が減少する。
寒冷気候にはあまり強くないようで、基本的に温暖かつ多湿な気候を好む。

  • そのため、一部では「南方大陸に起源を持つ種族なのでは?」と見る向きもある。

 

形態

前述の通り、森弓の民同様に毛に覆われた耳と尻尾を持つ肌人型。
開拓の民と比べやや小柄な傾向にあり体格はどちらかといえば細見。
下記の部位は感情を表す箇所としても使用され、こと同族間では言外のコミュニケーションとして多用される。

  • 耳は森弓の民と比べても鋭く長い。
  • 尻尾はネコ科とフゥールの中間で、長い本体の途中から筆のように長い毛が生えている。
    尻尾はある程度自在に動かすことが可能で、その点はどちらかと言えば彷徨いの民の方が近しい。

肌の色合いは比較的濃いものも、森弓の民とは異なり雌雄での違いはない。
髪色・毛色は開拓の民に近く、黒・茶などが主流。赤毛や銀・金毛も地域によっては珍しくないことから、類似人種と比べても一層開拓の民などに近い種族である。

  • その一方で耳先・尾先の毛は黒ないし白に染まる傾向にあり、地毛の色とは逆の明暗色となる。
    この特徴は森弓の民はもちろん、彷徨いの民にもあまり見られない。

 

生態

機敏さや瞬発力に優れ、筋力は並みからやや低めというタイプ。
聴覚・嗅覚も鋭いことから森弓の民同様、野山での活動にも適したものがある。

  • 特に聴覚は非常に特殊で、精素の反応を音として知ることが出来る。
    これは波音を検知するのではなく、精素そのものの変化などを音として知覚する、というもの。森弓の民など他種には見られない能力で、本種族特有のものと言える。
    聞こえる音は風の音に比較的近いようで、彼ら自身もそういった喩え方をし、種族名の由来ともなっている。
    精度は個人差が激しく、さらに都市暮らしの長いものより、自然が身近な(≒精素濃度が高い)地域で暮らしているほど敏感になるという。

その一方で特別に夜目が利くということや、精素自体への高い適性もない。
野性的な面を残しつつも、都市的な生活に適応した歴史の長さが感じられるものとなっている。


生活サイクルも個々で異なるが、一般的には昼行性。
また食性も特別大きな禁忌を持たないなど、開拓の民に近いポテンシャルを持っている。

  • 味覚の発達も著しく、非常に幅広い味を認識出来、後述の文化にもつながっている。

発情期・出産時期については、ある程度時期が定まっている。
春先に発情期を迎え、冬場での出産となることが多い。が、都市部暮らしの長い家柄・個人では変わることもあり、一定していない。

 

文化

元は狩猟民族であったとされるが、現在は都市・村落生活に適応しているものがほとんど。
そのため『森の掟』のように種族全体で共有される文化的規範は存在せず、所属するコミュニティごとのルールに従う形をとる。
が、その中でも自己の感情や理念を重んじる傾向にあり、どちらかと言えば、都市部などの体制からやや外れた位置を好む傾向にある。社会性をある程度は踏まえながらも、緩やかにかかわることを好みやすい。

  • 月舞いの民ほどではないが、アウトロー適性も高い。

一方で、伝統的な集落では氏族社会を持つ。
そこでは集落及び種の存続を重んじながら、若年期を一種のモラトリアムに位置づける傾向も備える。
それにより10代後半~20代は個々の見聞を深めることを許され、積極的な外界への旅を認めるなど、独特の値観を形成している。この文化のために、固有集落外では若者を見る機会が非常に多い。
だが同時に一定年齢に至った場合は集落へ戻り、その発展・地盤堅めに貢献することが求められる。そのため、多種族混合地域と自種族単一地域では、振る舞いに差異が出やすい。

  • こうした集落で、別段男女で仕事が明確に分かれることはない。
    出産が絡まない都合から男性の方が外へ出る仕事に、女性は内側の仕事に就きやすい傾向こそあるが、絶対ではない。腕利きの女狩人や戦士、証人もいれば、主夫に従事する男も存在する。

こうした二面的な特性は、「義理を重んじる」といつう気質でつながっている。
基本的に気侭なようでいて、受けた恩を忘れることは、どの集落・個人でも嫌われる。種族的傾向としてあるため、個々人の性格で多少の際はあれ、根本的にそういう考え方が強い。

  • 掟や階級の絡む社会体系をあえて取るのは、その気質だからこそともされる。
    自己の感情を重んじればこそ、それでは解決のならない事態に備えて、ということ。その点は鬼相の民に近い考え方をしている。
    • 逆に、他種族の社会では義理を包括的な法律より重んじがち、とも言える。

その他、「舌で舐める」という行為に特殊な意味が現れる。
友情・親愛の証として頬や手など、様々な部位に舌を這わせるものが知られる。
舐める部位・舐め方などに個別の意味が設けられており、さらに地域ごとに固有の様式などがあるため、種類については存外幅広い。が、一般的に顔・首・指先などは特別なニュアンスを含みやすい。

  • いずれにしても、人前であまり見せるものではない。
    他の肌人の文化で言うところ、「口づけ」に近いニュアンスの行為と言われることが多い。

また、これはあくまで全体的な傾向であるが、気が抜けていると猫のような声が出る。
相槌などの形ではあるが、「にゃ」だの「ぬぁ」だのと言った独特の声音は、あまり出すべきものではないとされる。そのため、子供ならばともかく成人がこうした声を「うっかり」出すことは、恥ずかしいものとされている。

  • 一方で、それは「親しさ」を表す意味合いもある。
    恋人や友人、夫婦や親子間で見せることは、決して悪い意味ばかりではない。とはいえ、普通に恥ずかしいと感じることも多い。

名前について

伝統的には『属する集落(氏族)名・個人名』とされる。
この内個人名は成人以前・以後で変わり、大抵は見分を深めるための旅立ちに際し、親しいあるいは目上の人間から授けられる形が多い。
更に氏族間で特別な役職・立場にある場合は、それを意味する種族固有単語が追加される。
また、集落によっては「属する集落(氏族)名・自身と同じ性別の親の名前・個人名」というパターンもある。


なお、都市部暮らしが長い家の場合は開拓の民と同様になっていることも珍しくない。
詳細は【世界観】/命名規則の記事を参照。

 

備考

ニュアンスは「都市部にも多いケモ耳系人種」。察してほしい。

 

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