【人種】/邪鱗の民

Last-modified: 2023-08-13 (日) 15:42:08

アルファベット表記:L-Z
読み:リ・ザ
区分:鱗阿
発案者:tocoma110
Tag: 人種 鱗阿 邪鱗の民 竜鱗の民 南方大陸 非加盟種 発案:tocoma110


概要

自らを竜の末裔と名乗る、不遜な鱗阿
非常に好戦的な種族で、戦士であることが価値観の大部分を占める侵略主義種族。
故に、奪い取ることこそ彼らの正義であり、守り切れぬ弱者に自由はない。
そのため、南方大陸の種族でありながら、遠く離れたエルネセトア大陸にまで侵略をかけてくるほどの行動力を見せる。


後述の文化もあり非加盟種の代表例として知られ、こと南方では暗鬼の民以上に身近な脅威とも語られる。

 

分布

彼らの文明圏が存在するのは南方大陸のみとされるが、極一部の秘境にはかつての侵略者の生き残りも棲む。
寒冷に弱いため、大陸北部で目撃されることは少ない。

 

形態

直立歩行する、如何にも鱗阿といった趣の種族。
エルネセトアに住む猛鱗の民によく似ているが、目の上、眉の棘による隆起線及びそこから延長で伸びる短い角が特徴。
また、鱗はワニのそれを思わせる大きさ・質感であり、自称するように鱗に紋様が見えるのも特徴。とはいえ、真竜類のように個体で紋様が大幅に異なるということはない。

  • その鱗は極めて強固で、下手な近接武器・矢弾では弾いてしまう。
    強度・硬度共に極めて高く、生来の者としては竜種を除けば最上級の防御力を誇る。ただし、竜牙の民殻纏いの民のそれには見劣りする。
    • また、紋様もはっきりせず、竜紋鱗には程遠い。

爪・牙は鋭く、全体的に筋肉質。
体躯の大柄さも相まって、平均的な肌人を大きく凌駕する体格なことは珍しくない。
一方、若い個体はそれより小ぶりな傾向にあるため、歳を経た個体ほど大型化する。こうした点はある程度で成長の落ち着く猛鱗の民と異なり、彼らがより原始的あるいは野性的な環境での活動に適したことを示す証拠とされる。


平均身長は190~230cm、体重は180㎏~250㎏ほど。尻尾も1mほどの長さを持つことが多い。

 

生態・特徴

猛鱗の民と異なり明確に冷気に弱く、変温動物に近い恒温動物。
そのため昼行性かつ温暖で高湿な気候を好み、熱帯~亜熱帯地方に住居を構えたがる。寒冷地体に赴くと目に見えて動作・思考が緩慢となる。


食性は雑食だが、肉を好んで食する。
種類は問わないようで、時に文明保有種の者ですら平然と食べる。さらに食葬の文化もあるため、「意図の通じる相手を食する」ことへの忌避感は薄く、結構な割合で人類種を捕食する。そのため、単純な侵略者としてのみならず、一種害獣的な意味合いでの危険度の高さで語られる。


鱗阿の例に漏れず卵生。
概ね猛鱗の民と同様に一度に複数を産むとされ、発情期の問題から妊娠~出産時期が決まっている。
後述の苛烈な文明体系を築きながらも崩壊しないため、出産する卵の数は猛鱗の民よりも多いと考えられる。実際、彼らの数は極めて多く、一度に10個以上は産んでいなければ辻褄が合わない。


身体能力は極めて高く、殻纏いの民に準ずるとされる。
全身を覆う鱗は生半可な革鎧などよりよほど丈夫で、なまくらの剣をはじいてしまうこともよくある。加えて、敏捷性・瞬発力・筋力に優れることから、近接戦闘では無類の強さを誇っている。
五感は嗅覚・聴覚に特に優れるが、味覚や資格も肌人程度には優秀。
精素感知能力にはあまり適性がないようだが、修練すれば開拓の民程度の域には辿り着けるため、そこそこの適正は備えている。


本来的な寿命は100年を超えるというが、大抵は(生活の問題もあり)その半分も生きられれば上等なようである。

 

文化・文明

「戦場で生き、死ぬことこそが誉れ」とする、好戦的な価値観が支配する。
戦士としての技能を持つことは性差に関係なく義務であり、加えて臆病風を吹かせることは無能の謗りを免れない。それ故に彼らは苛烈な生き方・振る舞いを好み、生きた年数よりも行ないに対する評価によって、人生の満足度・価値を計るという。

  • 竜の末裔を名乗る程度には頑丈な鱗を持つため、ほとんど鎧を身につけない。
    その上で、彼らは勇猛果敢に相対するあらゆる種族・障害に襲い掛かる。
    当然ながら優秀な防具を持つ相手には苦戦することもあり、非常に強靭な戦士ながら、それ故に天寿を全うすることは稀だという。だが、後述の思想から戦場から遠ざかることを決して望まず、それであれば戦場で死ぬ方が名誉である、とまで言い切る。
  • 南方住まいであることも相まって、衣類をあまりに身に着けない。
    精々が股間(生殖器)を隠す布程度で、戦場でも腕・足・肩口に微かに装甲をつけることがある程度。
    兜を被るのは指揮官など地位を示す者のみで、一般兵士は身に着けない。まあ、ある程度の矢弾を弾くことも無関係ではないのだが。
  • また、男女問わず戦士たるを望まれるため、男女差別というものがほとんど存在しない。
    発情期は女の安全を優遇する傾向にこそあるが、身籠っていなければ男と大差ない扱いのままだという。
    • 逆に言えば、社会的にも性差で役割が分かれることは皆無。
      役職の男女比率は時々で変わり、性別によって何かが制限されることはほとんどない。言語的にも人称は基本的に両性で使えるものばかりなど、男女平等の風潮が強い。
      • 非戦闘時期も農作業などには男女わからず当たり、成果主義的な形で判断される。
        妊婦・幼少個体を養う親にこそ多少の優遇があれ、基本的には一律に扱われる。
        この点においては、明確に男女平等が徹底されている。

そうした格好から誤解されがちだが、保有する技術力は極めて高い。
石材と屋台樹を中心とした建築技術は巨大な王宮・神殿・基地を成立させ、また南方独自の穀物を育てる大規模農場も作れるほどの工作技術を備える。それらの建築・開墾に使う金属機器は高い精度の精錬・鍛造技術に支えられており、彼らの振るう武具などにもその技術はふんだんに用いられている。


情報伝達は主に臭いと音で行なわれる。
文字も使用されなくはないが、伝令などには臭いを細かく使い分けて意図を伝え、それに伴い様々な香料の製造も行なっている。
彼らの匂いの文化は猛鱗の民に通じるものがあるが、情報の保持にまで用いることは極めて珍しい分類にあると言える。


「心臓に近い位置から伸びる」ということから、左利きであることを是とする文化が強い。
彼らは武器を持つ時も、神聖な所作を行なう時も、常に左手を使う。彼らにとって左は神聖や肯定、正統を意味する者であり、逆に右は否定的なニュアンスが強い。
そのため、右利き文化が比較的強いエルネセトアには、強い違和感と共に野蛮さを感じるのだとか。


一般に、彼らは強い“龍”信仰?を持っている。
だが、それらはエルネセトア大陸ではあまり主流ではない独特の形式であり、かつ選民思想の入り混じった固有のものとなっている。
曰く、竜の末裔たる彼らは苦難に身を置き百年生きれば真竜になれる、というのだ。この言い伝えは極めて強固なものであり、これを実行するためだけに彼らは戦いを望むとされる。

  • ただし、真竜側は愚かな迷信だと受け付けない。
    後天的竜種化はないわけではないが、大半は亜竜であって真竜類まで到れるケースは極僅か。正式な記録などあるものではないが、伝承ですら伝わるものですら極めて稀少である。
  • また、それらに付随して「強きものを食らう」という文化もある。
    これは真竜類が食した者からも自らを形成する特性を持つことに由来し、強者を食らうことはその強さを手にする手段と考えている。故に、同属の死者は勿論、敵対者の優秀な戦士などは、その身を暗い能力をわがものとしようとする。
    肉食性の強さから他種族を食べることにも忌避感が薄く、それ故に言葉が通じる相手でも構わず捕食する傾向が強い。
  • また、味覚的な楽しみとしても、知能の高い生物は「美味い」らしい。

なお、彼ら自身は自らを『竜鱗の民(ルァ・ロッコ・ミン)』と称する。*1
前述の通り、彼らは自らを竜の末裔と称するが故であるが、実際に竜の側からそのような事実を認める発言はない。むしろ、否定的な意見しか出ていないほどである。
加えて、侵略を受けた側であるエルネセトアの住民は、この名をほぼ用いない。

名前について

基本的には竜牙の民と同様。詳細はそちらを参照。

 

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相談コメント欄


*1 厳密には「ルァ」は「ラ」に限りなく近く、「ロッコ」は「ロ」が「ミン」は「ミ」の発音が極めて小さい。