【精素】/実体精素現象

Last-modified: 2024-02-10 (土) 20:26:34

アルファベット表記:Etherize/Materialized Ether
読み:じったいしょうそげんしょう
分類:精素現象
発案者:tocoma110
Tag: 精素 精素現象 実体精素現象 発案:tocoma110


「精粒類と何が違うかって? こいつらは死なないからな」
~古参の対精士~

概要

精霊、エゼリアライズとも呼ばれる精素の集合実体。
高濃度かつ高密度の精素が結合し、何らかの要因で自律唱和化合を起こすことで、半ば物質化したエネルギーとして顕現する物。
謎が多いが、大災害を巻き起こすことすらあるとして恐れられる。
通常は光球状の姿で特に意志を感じさせることはないが、稀に何らかの具体的な姿をとり意志を感じさせる振る舞いをする場合があり、そういった個体には幻獣魔神と言った別称が与えられることがある。

 

特徴

現出した際の光球の直径・光の強さから大まかな精力場の範囲と強さが、その色合いから主要な構成精素と起こりうる現象が推定可能。
精素の濃い場所へと向かう傾向にあるが、それ以外にも特定の精素に反応して動いているような例もあり、未だにどのような活動をとるかは明確な解明が出来ていない。
基本的には人類にとっての脅威だが、その一方で「集まり過ぎた精素が移動することは自然界の精素バランスを取っているのだ」とする説もある。不明な点も多いが、嘆き雨による汚染が実体精素現象が通ったことで軽減された例は実際に見られる。また、純粋に自然現象を招くこともあるため、一概に有害と断じることも難しい。
 
他、以下のような特徴を備える。

精力場

Etherized Field。しょうりきば。
実体精素現象が力を完全に発揮出来る領域の事。
その範囲内では極めて強力な精素現象が巻き起こり、通常の精術士では全く対抗が出来ないほどの力を発揮することとなる。
有効範囲は現出した光球のおよそ20~40倍程度が平均。光球の光の強さで大よその範囲とパワーを測ることが可能。

  • 通常、これを破ることは難しく真竜などでもない限りは対応が難しい。

自律詠唱連鎖核

Howling Core。じりつえいしょうれんさかく。
実体精素現象の根幹をなす器官、あるいは現象の起点。
一般的な光球発現体の場合は、その中心部分に形成されている。
明確な答えは未だなく不明な点ばかりであるが、いくつかの資料によれば2種類の主要要素である『進み暴く“光”?』と『鎮め隠す“闇”?』が混じり合ったものであり、それらの反発現象が循環的な回転を起こし、恒常的な波音を放っている……とする説がある。が、その主要要素については机上の空論あるいは神話的な解釈でしかなく、実情は大陸歴1800年代に至っても不明である。
いずれにしても、この機関が成立することによって常に波音を謳い続け、それに応じて精素を集め・実体を維持しているとともに、状況に応じての術式変化を引き起こしている。
それ故に、ここをどうにか出来ればこの現象は解消される。

  • 言うなれば、心臓と脳を一手に引き受けているような存在。

 

等級

長年の研究もあり、出力と精力場の範囲から、大雑把に下記の特徴から等級分けがなされている。
 

妖精級

ようせいきゅう。Rank Fairy。
観測される限り、最も小さな実体精素現象。
本体の大きさは開拓の民が両手で抱えられる程度の大きさ、精力場は10m程度。光球は不完全で、綻んで渦を巻くようになっている。
この実体精素現象が起こす現象の多くは人類種の使う波音術と同程度。人類種でも対応可能な規模であり、大気中の精素濃度が高めの区域であれば、秘境・人里問わず出現する可能性がある。人類種の手でも解消可能であり、秘境開拓者にとってはある意味馴染みのある相手でもある。

  • 構成精素は単純であることが多い。

元素霊級

げんそれいきゅう。Rank Elemental。
ようやく本体が安定する実体精素現象。1mを超える大きさの光球が発生し彷徨するようになる。
完全な球体を形成しており、表面にうっすらと精素の光が流れているのが見える。また、自律詠唱連鎖核の波音もおぼろげながら音として聞こえるようになるため、それを以て存在の有無を察知することが出来る。
この段階ともなると人類種の精術師が数名集まって行使するような術式規模の精素現象を起こすようになり、単体火力で立ち向かうのは極めて難しくなる。対処には実践に長けた精術士が隊を組んで実行する必要がある。

  • 精素濃度が高い地域では精素バランスが崩れるなどすると出現するらしく、時に秘境開拓者の使った術に反応して出現・接近してくる
  • 精素の色性(属性)が単色よりであると一辺倒だが術の出力が高く、混在度が高くなると幅広い現象を起こすものとなる。

精霊級

せいれいきゅう。Rank Moderator。
自律詠唱連鎖核が二個以上で構成される実体精素現象。
その特徴の通りきわめて強力な精力場を形成され、その影響範囲も100mを優に超える。また光球は数mを超え、表面が流動するのみならず、周囲に光り輝く雲のようなもの=精霊の衣(吸い寄せられる精素が反応して形成される、妖精級未満の精素凝固体)を纏うようになる。
極めて精素濃度が高い秘境でも珍しく、これが常駐しているような環境では人類種は精素中毒を免れない。

  • 精素の集結具合によっては数十mを超える巨体となり、貴竜と同等の危険性・脅威となることさえある。
    そのため、このレベルの実体精素現象は人類にとっては完全なる脅威である。一ヶ所に駐留すれば天候のすら影響を与えるという。

これ解消するには極めて精緻な精術の行使が求められ、綴州ではこれの解消を専門とする役職が存在する。
なお、人類で破壊出来るようにするため精散槍?が開発されることとなる。

  • また、自然的に『幻影体』が発生するのはこのあたりから。
    幻影体が発生した場合は精霊の衣が生じない代わりに、行使する能力の精度が上昇する。構成精素の構造のバランスがいい*1ほど纏う確率が高くなる、という説がある。

上位精霊級

じょういせいれいきゅう。Rank High Moderater。
精霊級の中でも大型で、光球が10mを超える大きさのものを指す。正式な区分ではなく、副次的な分類。
大精霊級のように随伴する定位実体精素現象を形成するほどの規模ではないが、精力場は通常の精霊級の数倍の規模・出力となる。
通常発生しうる中では最大級と言ってよく、これを前にすれば人類などちり芥に等しい。危険度としては貴竜級真竜類と同等以上と目される。
これを解消するとなると手練の術士が不可欠であり、対処には念入りな準備を可能とするだけの組織・機関が求められる。
幻影体を纏う確率は2割5分程度。

大精霊級

だいせいれいきゅう。Rank Greater。
自律詠唱連鎖核が複数連連なり、自律詠唱融合核を形成する非常に危険な実体精素現象。
形成される光球は直径数十mを超え精霊の衣を纏うのみならず、1m~数mの元素霊級や精霊級を引き連れるようになる。それらがまるで護衛か部下のように付き従うことから、この等級名の由来となっている。
この規模となると発揮する精術は真竜にとっても有害となるほどであり、貴竜~古竜級と同格の災害とされる。
起こす精素現象は時に下手な集落を一発で壊滅させかねず、それ故に早急な解消が求められる。

  • もっとも、この規模の実体精素現象が発生することは秘境でもないかぎりまずなく、その秘境から人里へ降りてくることは多くとも100年に1度あるかどうか。
    まして精素濃度が低い人里近くでの発生ともなると、綴州ですら300~400年に一度程度と、極めて低い。
  • 半面、自然界、特に秘境の類での発生は予測出来ないため、時には数度連続することもあり、あくまで予測は予測に過ぎない。
    また、極めて精素濃度の高い水晶の森では当たり前のように存在するとも伝わる。

この位階が顕現する際は幻影体を纏う可能性が浮上してくる。
割合としては3割未満だが、その場合は追従する実体精素現象は発生せず、その分発揮される力がさらに大きくなる。

  • 構成精素が単一である場合は、周囲を舞う実体精素現象は親となる大精霊級の属性に近い精素が色濃くなる様子。

神威級

しんいきゅう。Rank Monstrum。
大陸歴*2でも数えるほどしか観測されていない、大災害級。
精力場が国一つ分を超えるほどになるとされる。詳細を残した記録が少ないため不明な点も多い。一方で、その暴威は計り知れず、各地の神話における神々の天罰・戦争の記述はこれを見た人々がそう言い伝えたのではないか、とする説もある。
推測の上では数百mを超える直系の大光球が形成される──と考えられる。
また、幻影体を纏う確率も高くなるどころか、使い分けるように形態を切り替えることがあるという記録も存在する。


霊祭期の只中にあった大陸歴制定前~500年頃までは、比較的現出率が高かったと目されている。
詳細な記録でこそないが、各地に残る神話・伝承の類からそれらしき存在を読み取ることが可能。

 

幻影体

げんえいたい。Eidlon。
実体精素現象光球以外の形質の実態を形成したもの
多くは伝説に語られる神々や魔物の如き偉容であり、見る者を圧倒する神々しさ・恐ろしさを纏っている。


元素級程度ではあまり起こらない現象であり、精霊級以上の規模でのみ発生するとされる。
これを起こす実体精素現象はまるで何らかの意思を持ったかのように複雑な行動をとったり、通常では見られない行動原理を見せるようになる。そのため、幻影体を伴う実体精素現象は神魔の類として記録されやすい。
中には言語を発するなど意思疎通を図ってきた例もあるとされ、その実態については謎が多く、通常の実体精素とは異なる要素が強く絡むものと考えられている。

  • 一方で、これは精霊級以上でも随伴下級形成体を有さない。
    周囲の精素を一身に集中させているため、出力は同等級の実体精素現象よりも強大であることが多い。

その顕現形態は千差万別。
混沌とした荒唐無稽なものから、実在の生物に限りなく近いもの、神話伝承など人々の間に伝わるものがそのままのものまで、幅広い。
いかなる形で現れるかに明確な法則は大陸秘境開拓時代でも明確化しておらず、諸説いずれも決定力に欠ける。


古代には人の手でこれを纏う実体精素現象を引き起こす秘術があったとされるが、現在ではほとんどが失伝・秘匿されている。

蛮神型

ばんしんがた。Type Ferocious。
幻影体を伴う実体精素現象の内、明確な攻撃性と目的意識を持ち合わせる事例の総称。
これは通常の幻影体と比べてもさらに生物じみた振る舞いが目立ち、特に攻撃性が際立っているように映る。実際、これに分類されるタイプの幻影体発現型実体精素現象は明確に「どこか」あるいは「何か」を目指し、それに対して破壊活動を行なう。
無軌道な実体精素現象と比べると被害範囲は狭まる傾向にあるが、代わりに特定地域に対して強烈な傷跡を残すことになりやすい。その対象も何故か人類生活圏などに向かうことが多く、また阻害するものに対しても強烈な反撃・防衛を試みる。
そうした理由から、通常の実体精素現象よりも高い危険性を持つと判断されている。


蛮神級は古くは神罰の化身などと扱われてきた。
そうした考えは現代でも根強く、これの出現は単なる災害に収まらない事件となる。


なお、「蛮神」という呼称は「粗暴な神」のニュアンスでつけられたもの。

 

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相談コメント欄


*1 特定属性に傾倒しながらも他の属性も程よい割合を示す状態を指す。
*2 厳密には大陸歴1000年代~。