物語の舞台となる狭の大地の歴史はきわめて長い。大地も大洋も雪と氷に覆いつくされる「世界の眠り」と、雪と氷が溶けて命が栄える「世界の目覚め」を気の遠くなるほど幾度も繰り返している。竜や巨人はそれぞれ、幾度もあった世界の目覚めの時代の一つに栄えた。妖精や人間、小人はその後に勃興した種族である。
ここでは最も新しい世界の目覚めの時代について述べる。
二つの灯?の時代
光の諸王が狭の大地に輝く光と熱の源を二つ建てる。世界の目覚めを強引に早め、命を目覚めさせたが、目に見えない波と震えを虚無の暗黒の彼方、星々の海にあふれさせ、世界の壁の向こうにも騒ぎを起したため、冥皇によって倒される。
- 妖精の到来
- 小人の到来
- 大鷲の誕生
大鷲は花と木の女神と風の男神によって創造されたとする。詳細は不明。多くは光の諸王の加護の下に入る。
- 木の牧者?の誕生
木の牧者?は花と木の女神?によって創造されたとする。詳細は不明。多くは光の諸王の加護の下に入る。 - 悪鬼の到来
悪鬼の三種族(巨鬼トロル?、戦鬼オーガ?、小鬼ゴブリン?)は冥皇によって創造されたとする。詳冥皇は否定している。醜く悪しき種族は光の諸王の好むところでなかったため根絶やしにされかかるが冥皇の加護の下に入り永らえる。
二つの木?の時代
光の諸王が至福の地?に金の木と銀の木を生やす。二つの灯以上の強い力を持ち、波と震えを世界の外まで投げかけたため、虚無の暗黒から大蜘蛛?の女王が不時着してくる。冥皇は大蜘蛛と結び二つの木?を枯らす。しかし妖精の名工によって三つの宝玉?が作られる。
一つの陽の時代
世界の眠りの原因である天の帳が晴れ、日、月、星が輝き始める。光の諸王は新たな光と熱の源を地上に作ろうとしなくなったため、冥皇も干渉をやめ狭の大地の北方にある夜見の国?隠遁するが、腹心である闇の女王?が至福の地から三つの宝玉?を持ち帰り、それを追って上妖精の一氏族、地妖精?が狭の大地に帰還し、宝玉戦争?が起きる。
- 冥皇の追放
- 影の国の台頭
滅びた夜見の国にかわって闇の軍勢の中核として影の国が勃興する。闇の女王が治める。
- 黒の乗り手の登場
南方や東方の闇の地に暮らす人間の中から闇の女王に忠誠を誓い、不滅の幽鬼となって西方の光の軍勢の侵攻を食い止める。
- 影の国の滅亡
- 影の国の再興
謎めいたはかりごとにより影の国が再興する。本来の支配者たる闇の女王の姿はなく、黒の乗り手が代々の太守となる。
- 光と闇の大勝負
再臨した光の諸王と、冥皇の名代となった黒の乗り手が対決する。死闘の末光が闇に勝利し、影の国は狭の大地から消滅する。光の諸王も撤退し、神々の御座所である至福の地?は人間の住む狭の大地とのつながりを断つ。狭の大地からは魔法が消える。
近代
剣と魔法にかわって銃と科学が支配する時代。西方諸国は南方や東方を植民地として支配し、繁栄を貪る。だが独立の火種がそこかしこでくすぶる。労働者は資本家打倒のため赤襤褸党?を結成する。列強は最新兵器を開発し戦争により覇権を掴もうとする。すべての背後で秘密結社財団?が超常の脅威から文明を守っている。