-4世代目・黒の鍛え手マーリ編

Last-modified: 2020-10-25 (日) 21:25:13

Togetterまとめ

#1小人の手術~弔いの森の一夜~隠れ蓑まとう刺客
#2影の国脱出~大蜘蛛との邂逅~小鬼の嘆願~山の下の王国~硝子磨きとの出会い~山の下の王の判決
#3まったき闇への投獄~業火の精霊~妖精の地下工房~名も無きものども~三つの宝玉~山の下の王国陥落

登場人物

解説

ここで終わり。
そうすべきだろうか。
あるいはそうかもしれない。
ではマーリは。
左腕が右腕より大きく、右足が萎え、背の曲がった世継ぎのことは、誰も聴きたくないかもしれない。
ラヴェインが認めなかった血の穢れ。
あるいは呪いがかかる子をなしたのか。

マーリ。黒の鍛え手。
人間のために九つの指輪をそろえたもの。
エルフのために三つの指輪を。
ドワーフのために七つの指輪を作ったもの。

闇の女王亡き後、荒れ果てていた黒門を再建し、
開かれた影の国を再び閉じ、巨大な要塞に変えた男。
山の下のドワーフ王国を滅ぼした元凶。
深くに眠る災いを呼びおこした魔人。
目の見える白い蝙蝠を友としたマーリ。
狂った小人モシークの弟子マーリ。
影の国に世界で最も壮麗な宮殿を築いた。

四世代目の物語は。
はたして。

黒の歌い手ラヴェインの息子マーリは、左腕が右腕より大きく、傴僂(せむし)で跛足(びっこ)の子供だった。不具の身には、父やその伴侶たる仙女のような欠(か)くるところなき美を持つ存在は、あまりに眩(まばゆ)く、二人が暮らす影の国は居心地の良いものではなかった。心の慰めは狂った小人モシークの工房で工芸を学ぶことであった。ある時モシークが影の国を起つと知ったマーリは、ともに小人の本拠、山の下の王国へ赴くことを決意するが、それは妖精すら知らぬ地底の驚異と栄光、一切の破滅へつながっていく。