黒の乗り手

Last-modified: 2022-03-17 (木) 23:34:44


黒の乗り手は、影の国を統べる闇の女王?が、死すべきさだめの人間から作り出した魔法のしもべであり、不滅の幽鬼?である。肉の器が滅びても、魔法の指輪がある限り霊気は朽ちず、何度でも蘇る。女王不在の間は影の国の太守とも呼ばれ、悪鬼や、魔狼や蝙蝠を率いて外輪山の内側に広がる広大な領土を統べた。善き神々たる光の諸王を崇める西方諸国にとっては恐怖と憎悪の的であった。一方で西方にまつろわぬ闇の地の諸族、東方の蛮族である東夷?や、南方の海賊である南寇?、さらに遠南や遠東の民、北方の巨人にとっては頼もしき盟友であった。

グンザルガンバド


初代黒の乗り手。東夷の大酋長、牙の部族の戦士の頭目。闇の女王ゴルサイスの忠臣。死すべきさだめの人の子の時代は、運命の日まで何ものにも負けない「最強のもの」だった。宿敵は、西方諸国の南北統一朝の王イシュターフ。両雄は戦場で幾度も一騎打ちをしたが決着はつかなかった。闇の軍将としては詭道に長け、西方諸国の領土を少数の手勢で縦深して攻め、霧けぶる峰々の南端に「牙の砦」を築いた。

バンダゲムゾブド

彼以降の黒の乗り手は今作の主人公たちであり、個別ページが用意されている。

ナシール

呪いの二世代目。バンダの子。

ラヴェイン

呪いの三世代目。ナシールの子。

マーリ


呪いの四世代目。名はドワーフの言葉で地の星。黒の鍛え手。指輪作り。左腕が右腕より大きく、右足が萎え、背が曲がっていた。狂った小人モシークの弟子。金鎚メディオンを携える。作った指輪のうち小人に七つの黒鉄の指輪を、妃騎士ダリューテに一つの金剛石の指輪を贈る。受け継いだ指輪の呪いを分かつため九つの黒の指輪を作った。先だって作られた紅玉の指輪は後に息子オズロウによって船作りの長ニムディアに、蒼玉の指輪は半妖精ロンドーに与えられた。業火の精霊を解き放ち、山の下の王国に滅びをもたらす。滅びの亀裂の光から宝玉「東の灯」を作る。竜の牙から名剣「きりさき丸」を鍛える。影の国の地下迷宮を改装し、地下宮殿をしつらえる。指輪を滅びの亀裂に投げ込もうとするが失敗し死亡。

オズロウ


呪いの五世代目。名は上エルフの言葉で導き星。黒の渡り手。盲目の船長。竜曳船の主。帆船エシファエンに乗る。世界を旅し、しろがねの凱旋号と多くの仲間たちを得た。マーリの死後東の灯を使ってまどわしの海域を抜け、ダリューテを西の果ての地まで運ぶが、光の諸王に拒まれる。狂毒を克服するため、病毒の王をその身に取り込み命を縮める。最後の航海に出て姿を消したが船だけが戻り、指輪はのちに魚の腹から見つかった。

ダウバグザンドナバ


呪いの六世代目。ダウバ。東夷風にダウバグザンドナバを名乗る。健啖家の意。黒の料(はか)り手。巨釜(おおがま)担ぎ。竜帝敖閃の導きで四海竜王の珠を呑み竜人となる。決して痩せられぬ大兵の健啖家で料理の達人。大餐庁で修業し、味比べに勝利して元始至尊厨師の称号を得る。人間の北朝を滅ぼし魔国を築く。影の国に小餐庁を建て、オズロウとダリューテのために菓子の宮殿を築いた。

キージャ


呪いの七世代目。名は暗黒語で蜘蛛。黒の繰(く)り手。細蟹(ささがに)の指。女として生まれるはずだったが呪いによって男の機能と女の身体を持ち生まれてきた。織機ヒルディカを授かる。朽縄の舌の友。狭の世界とそれを取り巻く多くの世界を渡って裁縫を始めとした装飾の技を学ぶ。白の魔法使いを牙の砦から追放するが、最期は星の光を閉じ込めた玻璃瓶と妖精の短剣で命を落とした。

ドレアム


呪いの八世代目。名は西方語の人名。黒の賭け手。六本指の博徒。運命のいかさま師。将棋盤ウディエン、賽子ヒウィタンを携える。勝負好きで力あるものを含む多くの存在に様々な勝負を挑む旅を経て、ついに光の勢力を相手取る大勝負に臨むが敗北。影の国を狭の世界から消し去った。滅びの亀裂が冷え閉じたため、指輪を消す術を探るが果たせず、いずこかに隠す。

ウィスト


黒の創り手。最後の黒の乗り手。何の力もないようだが、精霊に近く、霊を受肉させる術を備える。馬車の家で、疣と瘤だらけの占い女ゲラと巨漢の車牽きヂップに育てられ、次いで渡瀬(わたらせ)の街で五階建ての貸家の四階で六人家族に預けられ三日月の教えの寺院の先生から妖精の書を託される。異界の邪悪な魔導士の杖を体内に取り込み、性別を変える術を得る。眷属たる黒き獣と溶け合って魔人に変じる。