セリフ/【あんたにとっては多少でも、死んだ人にとっては、それがぜんぶなんやで……】

Last-modified: 2024-04-05 (金) 22:51:32

FF7

爆破テロを起こし、少なくない犠牲を出していたバレット達の行いを責めるケット・シーリーブ・トゥエスティ)の言葉。
リーブ本人ではなく、ケットシーがこの口調で言う所が、リーブの本心を表しているようで味がある。

  • 七番街プレート落下についても、必死にプレジデントに計画の撤回を求めているシーンがある。
    リーブ本人が命と真摯に向かい合ってきたことが見て取れる。
    主人公側もまた正義ではないのだと思い知らせてくれた台詞でもあった。

ケット・シー
「バレットさん!!
なんですか、今の『ポリポリ』ってのは!
マリンちゃんが安全やったらあとはどうなってもええんですか?
まえからアンタには言いたいと思とったんですわ!
ミッドガルの壱番魔晄炉が爆発したとき
何人死んだと思ってますのや?」
バレット
「……星の命のためだったんだ。
多少の犠牲は仕方なかった」
ケット・シー
「多少?多少ってなんやねんな?
アンタにとっては多少でも
死んだ人にとっては、それが全部なんやで……
星の命を守る。はん!確かに聞こえは、いいですな!
そんなもん誰も反対しませんわ。
せやからって、何してもええんですか?」
バレット
「神羅のやつにどうこう言われたかねえ……」
ケット・シー
「…………どうせ、ボクは……」

この後、重い空気に耐えかねたクラウドとティファがフォローに入ったりする。

  • 実際人が死んでいると言う描写が抑え気味だったり(死屍累々と言う場面を見せられてもイヤだけど)
    全体的なノリが軽かったりとプレーヤーとしては、
    あんまり大被害を与えたような気がしないイベントなのだがリーブのセリフによって
    星の命を守るとは言いつつも所詮は一般人を巻き込むテロ行為だったと言う事を実感させられる結構重い一言である
    (子供の頃はそこまで考えてなかっただけに結構ショックだった)。
  • 当時すでにある程度年齢の高かった(高校生以上?)プレイヤーだと
    オープニングの時点ですでにアバランチにひっかかりを覚えていた人もいるだろう。
    指摘が入った事で溜飲が下がったり、ふっきれたりした人もいるのではないだろうか。
  • もっとも、故郷も、そして右腕までも神羅のために失っているバレットの
    「神羅のやつに言われたくねえ」も、また軽い台詞ではない。色々考えさせられるイベントである。
  • 解体真書でもケットシーの名言集に「マリンちゃんが安全やったらあとはどうなってもええんですか?」が入っている。
    台詞こそ違うが、この場面の事を指しているのは間違いないだろう。
  • この非難を受けて、ミッドガルへ向かう際にバレットは「ミッドガルの連中には返しきれねえ借りがある」と自らの過ちを認める発言をしている。
  • リメイク版では壱番魔晄炉の爆発は神羅の自作自演という事になっただけにこのセリフがどうなるのか楽しみである。

壱番魔晄炉を爆破してスラムに戻ってきた時、セブンスヘブンの横辺りにいる女性に話しかけると

ミッドガルの電力がマヒしちゃったら、
コンピューターとか信号とか
いろいろ止まっちゃうじゃない
経ざい的損失は、ん~~
10億ギルはくだらないし
それに!!
たくさんの罪なき人々が死んだと思うのよ
爆破が真夜中だったから、まだいいわ。
眠ってた人はそのまま目が覚めないだけね

と言われるのが重い。

  • こういった人達の話を耳に入れようとしなかったのかな!?バレットは。
    最初からアバランチの反神羅活動に賛成してる住民はいなかったし。
    寧ろ迷惑だ!!止めてくれ!!の声の方が強かった感じがする。
  • 「多少の犠牲は仕方ない」と言っている奴に限って、自分や自分の家族がその「多少」に含まれていないのが常。
    • すでに家族どころか故郷丸ごと失ったも同然のバレットの場合、マリン以外「多少」に含めたくても含められないわけだが…。
    • 仮にそのマリンが「多少」の犠牲の中に入ってたら、同じ事言えたのかな?
    • もしマリンが自分達の行動の犠牲になったとしてもバレットは神羅のせいにするんじゃないだろうか。
      「奴らが魔晄炉なんて作らなきゃ、星を犠牲にさえしなけりゃ俺はこんな事しなくて済んだんだ!」みたいな。
  • 無辜の民のために立ち上がるレジスタンスってわけじゃないしな。
    他人のための行動ではないことはストーリーを追っていけばわかること。
  • この時点ではどっちも正義じゃないってだけでしょう。
    • バレット「星を救うなんてカッコつけてるが、オレは神羅に復讐したいだけなんだ。
      自分の気がすむようにしたいだけなんだよ!」
      ティファ「……いいじゃない、べつに。私だって似たようなものだわ」
      ってコレルで言っちゃってたな。
  • 裏FF7のあだ名を持つ「ゼノギアス」ではこれによく似たエピソードが被害者視点で描かれている。
    手術中に発電施設へのテロによって病院が停電してしまい、患者が死んでしまったという事故が起きている。
    • 現実だとそういった手術をするレベルの病院であれば自家発電設備があるためすぐにどうこうなることはないと思われる。
      同じ事故が起きるようならむしろ設備の不備を叩かれかねない。
      問題は停電直後よりそのあと。仮にこれから手術をしないと助からないという患者がいても開始することは不可能だし、
      長引けば手術以外(例えば人工呼吸器など)にも影響が及ぶため、より多くの患者が犠牲になる恐れがある……。
    • ↑補足すると当時その病院の自家発電システムは運悪く故障していた。故に起きた悲劇でもある。
    • ↑その「運悪く故障」というのも設備の不備に含まれそうな気が。普段どんなメンテナンスしてたんだよ、みたいな。
      まあたいていはテロへの批判の方が大きくなるはずなので、その辺は有耶無耶になるだろうけど、
      テロ以外でも停電は起こりうるものなので本来有耶無耶にしてはいけないポイントである。
      • ↑設備がまともに整備されていて当然であるということは相当に恵まれているということを知るべき。
    • ↑設備がまともで無いのは、戦時中だからと思われる。実際その後、核で文明ごと滅びる。
    • ↑核で文明ごと滅ぶなら、テロが起こらず手術が成功していても結局死んじゃってたってことか。なんという世界…。
    • ちなみにそのテロを実行した組織の名前は「ラヴィーネ」。ドイツ語で「雪崩」。
      そしてアバランチは英語で「雪崩」…。
  • ミッドガルにどれだけの被害があったかを主張するこのセリフは本来、スラム暮らしのテロリストに通じるセリフではない。
    「いい暮らしをしているてめえらも同罪だ、死んで当然だ」と言われるだけであり、まさにそれがテロリズムの中核理念であるからだ。
    だが、バレットはファイナルファンタジーの仲間キャラであり、そこまで強くテロリズムに生きることはできない。
    バレットはヒロイズムとテロリズムの境界線で揺れ動くキャラである。
    • 神羅と魔晄の恩恵を受けただろう?美味いものを食っただろう?いい暮らしをしただろう?
      貴様らは「罪もない一般市民」ではなく「罪のある一般市民」だ!有罪だ!死ね!
      それが本来のテロリズムだが、流石にそこまできっぱりとテロリストだったらFFとして問題があるだろうから仕方なし。
      • そこまで倫理観がぶっ飛んだ無茶苦茶なキャラクターだと正義側として描けないしなw
      • 昨今のな○う系ラノベを見ていると、そうとも言えないのがなんとも…。
        悪い国の王様は死刑、悪い国の兵士も死刑、悪い奴に金で雇われた傭兵もついでに死刑だ!を善人設定の主人公が平気でやってしまったりするので…。

また、このテロを起こしたのは間違いなくアバランチだが、
同時に元を辿ればそれはリーブの所属する神羅が原因で起こされたテロでもある。
お互いが「他人の事を言えない」同士であるからこそ生まれた言葉なのかも知れない。

  • テロの理由が復讐の建前でありそれに至ったのがそもそも神羅であることを考えると
    いっそのこと本当に復讐の為だけに動いてた方が多少の理解を得るにはまだマシだったかもしれない。
    (死傷者を出すことの善悪はさておき)
  • 娘一人助けたからといって、大元の種をまいている組織である神羅に所属する人間が批判する方がよほどムシが良すぎる。
    もっともリーブにもその自覚があるからこそさらに反論するのではなく「どうせボクは…」と卑屈になって止めてしまったのだろうけど。
    神羅の悪事に直接は関与していないうえ、彼個人は悪人ではないだけにちょっとかわいそうではある。
    • そこは「どうせ」ではなく、自分の罪と責任を認めているなら卑屈にならずに一言はっきりと謝罪して欲しかったかな。
      今回はマリンを保護したかもしれないが以前は人質として利用したこともあり、スパイ諸々含めたその行動は「最低だ」とクラウドに評されている。
      彼にも事情があったのだろうし、「こんなことやりたくはない」とも言ってはいるが、それでも。
      • バレットは目指す大目的と裏に秘めた復讐心のために目の前で流れた血、奪った命から目を背けている訳だが、リーブも逆の問題を抱えている。
        リーブは神羅に属する自分が世界にもたらしているもの、魔晄エネルギーの問題などの大きなことから目を背け、
        とりあえず目の前のこと優先で「イイヒト」であろうとしている。FF6のレオ将軍に近い。
      • ↑レオ将軍は謝罪もしたし償おうとしていなかったか?そもそも彼は身内の暴挙を阻止しようとして死んだのだからリーブより大分マシ。
        ケット・シーは「クラウド達に償う」という名目で古代種の神殿で散っていったがそれを操作しているリーブに影響はないしいくらでも代わりを量産できる。
      • レオもレオで止められなかったのを悔いたのはあくまでケフカのことに過ぎず、ガストラ皇帝および帝国のことは最後まで信じていた。悪の勢力にいる善人ながら巨悪に対し徹底して無力だった存在、という点では共通の部分を持つ。
        また、量産が可能とはいえこの台詞が示すようにケットシーの命も決して軽いものではない。
  • たしかにマリンは保護されたが、それ以外の家族・たくさんの村の仲間は神羅に奪われているわけで、
    バレット側から見れば「神羅の人間には言われたくない」と思うのは当然である。
    マリンはもちろん大事だが、奪われた家族・仲間だって大事だったのだから。
    たとえ大事な「一人娘」とはいえ、今更一人を守ったところで評価が変わるわけがないし、
    それだけでとたんに変えるようではむしろそれこそおかしいのだ。
    無論、だからと言ってテロ行為が容認されるわけでもないのだが、
    人間の感情はそう簡単に片付くような問題ではないのである。
    • どちらかというと、あそこで話を打ち切る一言をひねり出したバレットからは彼なりにリーブを仲間とみなしていてモメたくないという意図を感じる。
      でなければ話を打ち切るのでなく、「キサマが言うな!神羅のキサマが言うな!」などと怒鳴りつけながら
      ジェシーやビッグス、ウェッジ、7番街プレートの住民達がどんな奴だったかまくし立ててキレる。普通は。
      • 揉めたくないからというよりは、内心ではケットシーの言葉ももっともだとわかっているからこそ強い言葉で返せなかっただけだと思う。
  • ていうか「自分はテロ行為をしておきながら」という後ろめたさがあればこそのポリポリだったんじゃないかという気もする。
    ホントにマリンが安全ならあとはどうでもいいと思ってたら平然と「よかった」と言い放って終わりにしてたんじゃなかろうか。
  • リーブは神羅のことは糾弾するくせに自分のやっているテロは棚上げにするバレットの態度に内心ずっとムカついており、それがあの場面でついに爆発したのではないだろうか。
    しかしリーブも七番街プレートの落下など、神羅内部の人間として神羅の虐殺を止められなかった罪悪感を抱えており、
    その自己嫌悪がバレットに対する同族嫌悪として現れたとも推測できる。
    • リーブは命の重さと責任を感じているからこそ、命を投げやりにするバレットの、"娘さえ無事であれば他はどうなっても構わない"というエゴに責めずにいられなかったのだろう。
      どちらも自分の周りでの命の消失に、何も出来ないでいる自分への呵責を負い続けているがための衝突でもある。
      二人とも境遇も責任感の強さも似ているが、唯一、未来に対する姿勢の違いが衝突の理由とも考えられる。
      (バレットは組み上げられた組織の破壊、終わらせるのが目的、リーブは組み上げられた組織の維持、続けるのが目的)
    • 根本的な前提条件が抜けていると思う。まず、神羅カンパニーそのものは犯罪や悪徳を目的とした組織ではない。
      そういった側面があり、現実世界では少しでもそういった側面があればたちまち叩かれるのは間違いないが、それだけでないのも事実。
      実際ウェポンの討伐やメテオの破壊、ミッドガル住民の保護など慈善事業とも言える活動も行なっている。
      また、ミッドガル住民に重要なインフラなども提供しており、神羅がある日突然崩壊したら非常に多くの人が困る。
      ゆえに神羅を潰すのではなく内から変えようとする、あるいは悪い側面を抑止、監視するという意味で神羅に所属し続けるというのは意義のある行動だと思う。
      現実世界でも悪いところがあるから潰してしまえでは何も回らなくなってしまう。悪い側面に触れた人が起こるのも当たり前だけどね。
    • とはいえ、自分の属する組織があまりにも強大かつ強権的過ぎる点で、多少なりとも抑止できてたのかと言えば、ただただ無力でしかなかったわけだが。

上記に少し触れられているが、このやり取りのあと見かねたティファが以下のようにフォローに入る。

ティファ
「ケット・シー……バレットは、もう、わかってる
私たちがミッドガルでやったことはどんな理由があってもけして許されない
そうでしょ?私たち、忘れたことないわよね?
あなたのことだってわかるわ
あなたが会社をやめないのはミッドガルの人たちが心配だからよね?」

お互い自分の責められるべき部分は重々承知しているし、周りも理解しているうえでのやり取りということであり、今更どっちが無責任だとかどっちの言い分が悪いとかいう話ではないのである。
最も上記の議論は十年、二十年近く前のものも含まれているだろうし、当時熱く議論していたプレイヤーがさらに大人になった今、このあたりのやり取りをどう思うようになったかも興味深い。