妙高

Last-modified: 2016-06-21 (火) 12:52:18
No.055
 
妙高(みょうこう)妙高型 1番艦 重巡洋艦
ステータス
耐久 火力 
装甲 雷装 
回避 対空 
搭載 対潜 
速力 索敵 
射程  
最大消費量
燃料 弾薬 
搭載装備
2 
2 
2 
装備不可
改造チャート
妙高 → 妙高改 → 妙高改二
CV:種田梨沙、イラストレーター:bob

妙高

中破した時は、一瞬だけあのポーズです

  • 妙高家家系図
     -+- 妙高 -+- 霰
      |        |
      |        +- 高波
      +- 那智
      |
      +- 足柄
      |
      +- 羽黒
  • 妙高リローテッド

D-DAY

「提督、本日のお夕食は何かご要望がございますか?」

 

胸ぐりの大きく開いた、やけに丈の短いメイド服──いわゆるフレンチメイドに身を包んだ妙高が、雑用の手を休めて尋ねてきた。
この衣装は彼女を秘書艦にしようと決めた時、密かに注文しておいたものだ。
もちろん完全オーダーメイド。採寸は『秘書艦任命にあたり制服を新調する』という名目のもとに行われた。嘘はついてない。
ヘッドドレスは、なんとなくコスプレを想起させて俗っぽいので着けさせていない。
それなら正統派ヴィクトリアンスタイルにして、ボンネットでも被らせておいたほうが、いっそ様になるかも知れぬ。
幾度かそう思ったが、スカートの裾を気にしながら執務室を掃除する彼女の姿を見たら、そんな愚問は吹き飛んだ。ついでに愚息も昇天だ。
それはともかく夕食だ。メニューはとうに決めてある。

 

「妙高の陰毛」
「……は?」
自分が聞き違えでもしたと思ったか、妙高は一瞬見せた怪訝な表情を速やかに取り繕った。
「妙高の陰毛」
「それは食べ物ではないのですが」
当然承知している。私は常識人だからな。
「妙高の陰毛」
「まったく同じことしか言わない提督に狂気を感じます」

 

これ以上押し問答をしても時間を無駄にするだけだ。人生は長いが夜は意外に短い。
ここは男らしく日本古来の究極おねだりメソッドであるところの“DOGEZA”を実行する他に策はない。
私は古式に則り着衣を脱ぎ捨て、膝を揃えて正座に就き、そのまま上体を俯して諸手を床に置き額をグリグリとその床に押し付けた。
これぞ全き和のこころ。和風総本家のお時間です。豆助、アナルは駄目ですよ。

 

「……本当にそんなものをご所望なのですか?」
恥じらいと諦観と、悲しみと哀れみとが複雑に入り混じった表情を浮かべながら、それだけの言葉を喉から搾り出す妙高。
嗜虐と被虐の邂逅を味わえるこの瞬間、最高のアペリティフ!
材料の仕込みは整った。あとは如何に調理するか、だ。
「さ、向こうで少々難しい話をしようか」
私はサムズアップしていた親指を、執務室備え付けのバスルームへと向けた。

 
 

「あ、そうそう。以降この作戦を『剃りマンゲージョリ食う作戦』と呼称する」
「これ以上私にどうツッコめと言うのですか!?」

 
 

パラパッパッパッパッパッ
パラパッパッパッパッパッ
パラパッパッパッパッパッパッパッパッ パッパッパッ(エコー)
鎮守府三分クッキング!
スペースシャトルから怪文書まで、暮らしを特殊性へk技術でサポートするNASAの提供でお送りいたします

 

今日は春らしいメニューということで、妙高の陰毛ペペ和えをご紹介します

 

材料(一人分)
 ・妙高
 ・ペペ360オーガニック
 ・安全剃刀

 

完成です

 
 

「うめー妙高の陰毛マジうめー(モッサモッサ)」
両手で顔を押さえて俯いている彼女を尻目に、少々太めの艶やかなカーリィ・ヘアをいただく。
期待通りの確かな歯応え!むせ返るような喉越し!妙高由来の天然うま味水の働きにより熟成されたこの風味!うまいゾ!
瞬く間にカラとなった皿を、妙高は咽びながら下げた。
ワンモア(おかわり)!しないだけの慈悲くらい、私とて持ちあわせている。

 

「ええと……お食事はアレだけでよろしかったのでしょうか?」
前歯に詰まった陰毛を爪楊枝でつつき出していた私に、さりげなくコーヒーを出しつつ訊いてくる妙高。
瞼に泣き腫らした跡が見えるが、超人的な精神力でなんとか平静を取り戻したようだ。タイトロープだなぁ。
ところでタイトロープって、直訳すると緊縛を連想しちゃうよね。というか、最近までずっとソッチの意味かと思ってた。

 

「そうだな、食後にデザートが欲しいところだ」
では何かお持ちいたしましょう、と動きかけた妙高を手で制し、私はデスク下から平たい大ぶりの箱を取り出した。
キョトンとした顔の妙高に、箱の中身を取り出して見せる。
中身はダークグレーのスプリングコート──背中にウエストを絞る編み上げと、肩口にはケープがあしらわれた、ゴシックなデザインのコートだ。
もちろんオーダーメイドなのは言うまでもない。
「君に着てほしい」
「これを……わたくしにですか?」
海に在るときは畏るべき艦娘とはいえ、艤装を解けば妙齢の女性だ。不意のプレゼントに口元を緩ませる妙高。
「もちろんだ。但し──」
両肩にコートを合わせてご機嫌な妙高に、私は投了への一手を慎重に、指した。
「──下に何も着けないように」

 
 

「コートは気に入ったかい」
午後9時、鎮守府近郊の公園。
「……ちょっと下のほうがスースーします」
満点の星空の下、ロマンチックとは程遠いシチュエーションで遊歩道を散歩する、妙高と私。
長いようで意外に短い夜。これからが本格的なデザートだ。

 

「『剃りマンゲージョリ食う作戦』。正式名称『Operation Overcoat』……キレイにオチがついたな」
「もうどうとでもしてください」

 
 
 
 

後日、一連の出来事を詳細にしたためた日記が“なぜか”流出。
それを精査したNASAの研究者達は、本作戦を「史上最低の作戦」と評した。

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