2003年8月13日にフジテレビ系で放送された『ワンナイR&R』*1内のコント「ジャパネットはかた」において、福岡ダイエーホークス・王貞治監督*2の顔を仕込んだ便器が登場した事件。あのWikipediaに独立記事が存在する*3ことからわかるように、社会に対して非常に大きな影響を及ぼした事件とされている。
発端 
このコントはDonDokoDon*4・山口智充*5扮する「はかた社長」が福岡や九州にちなんだ「便利グッズ」を紹介するものだが、実際には痛い目に遭うものばかりで司会役の雨上がり決死隊・宮迫博之*6がその被害者、という内容である。
その放送分で登場した王シュレットは
- 便器内いっぱいにダイエーのキャップを被った王を模した人形*7。
- 用を足す時の音を消せる「シゲボタン」*8。
- 尻洗浄はO字型に開いた王の口から出る、というか噴き出す。
- しかも尻洗浄強さ目盛りが「0」「756*9」「868*10」。
- そして756は「王が756号ホームランを打った時のスイングの勢い」で水が出る。宮迫曰く「肛門千切れます」。
- 868は「通常のウォシュレットの868倍の洗浄力」で宮迫曰く「全身千切れます」。
という不謹慎極まりないシロモノだった。
対応とその後 
もちろんダイエー球団が黙っている筈もなく、特に当時球団社長だった高塚猛(こうつか・たけし)*11が大激怒。猛抗議を受けて翌週の放送でフジテレビは謝罪したが、その内容がわずか15秒の上辺だけのものだった事や、この日の別のコントで山口が和光堂の粉ミルクをぶちまける事件を起こし、さらなる批判を浴びた。当然のことながらジャパネットはかたのコーナーは打ち切りになり、ワンナイ自体もこの事件を受け、8月20日から9月末まで当時ワンナイが放送されていた『水10!』*12枠は後半枠だった『ココリコミラクルタイプ』も含め、前後の提供クレジットはすべて自粛。この事件の影響から、番組名も『水10!・ワンナイ』から『水10!』となり、新聞の番組表にも『ワンナイ』のみ番組タイトルの表記は無くなった。更に便器の元ネタであるウォシュレットの製造元であるTOTO*13やコント名の元ネタであるジャパネットたかた*14からも抗議を受け両社がフジ他番組のスポンサーから撤退する事態になった。
ダイエーのお膝元であるテレビ西日本*15もこの余波を受け、二軍戦の深夜放送を流すなど在福局でも一番ダイエーに力を入れていたにも関わらず、ダイエーの話題を触れるのにも支障が出るなどの影響を受けた。また同年の日本シリーズの中継の際、ダイエー及び対戦相手の阪神タイガース*16両球団共にフジFNN/FNS系列での放映権の推薦を行わなかったため*17、テレビ西日本と在阪局の関西テレビ(カンテレ)*18は中継が出来ず、両放送局とも元々芳しくなかったキー局・フジテレビとの関係が一層険悪化する事になる。
後に山口が宮迫のYouTubeチャンネルで宮迫とコラボした際のトークで二人がこの件に触れリハーサルの段階で「これ大丈夫か?」という空気になっていたことやこの事件の余波で博多華丸・大吉の福岡で放送していたレギュラー番組が一つなくなったと明かしている。
なお王は地元紙・西日本新聞のインタビューに
- 野球界と芸能界を一緒にするからこのようなことが起こる。
- ボク自身は(番組の映像を)観ていないが、かなりえげつないものだったと聞いている。対応?それは球団に任せているから。
と答えている。
また、この事件をきっかけに「便器」がダイエーの蔑称になり、金玉添付ライオンズなどのノリで「拭こうか大便放糞」と呼ばれるようになり、ダイエーからソフトバンクに身売りされた後は「ソフトバンク」と「便器」との親和性がよくなったことからか「ソフトベンキ」にはじまり、「糞太便器」や「糞と便器」、大便放糞から「拭こうか糞太便器放糞」など、多数の蔑称が生み出されている。とりわけ「便さん」「うんさん」と罵り合う日本ハムファンとの交流は見ていて微笑ましい。
確認できる最古の「便器」は2003年に遡る。
1 : OH[] 投稿日:03/08/17 23:29 ID:r0yaoh04 [1/1回]
私が監督をしている間はホームラン記録は決して破らせないし、ましてや便器されるなど敬遠させてもらうよ
ただし、これらの蔑称を使う時にはこの事件があった事を忘れてはならない。
余談 
2021年にはソフトバンクの協賛のもと、PayPayドームの至近にうんこミュージアムが出展*19しており、そこでは便器の形をした「トイレの最中」というものが売られていたりする。同年のバファローズポンタのイラストにもそれに関係した投稿が見られている。