マビ率【まびりつ】(俗語)
マビノギではいくつかの行動に対して「パーセンテージ」による成功率が設定されている。
それらの表示上の数値に関わらず、実際の成功率が完全に乖離している状態を指す。
主に高い成功率でありながら全く成功しない際などに用いられる。まれに超低確率で成功してしまった際にも用いられる。
- 一般的には高い数値でありながら、マビノギでは信頼できない数字のため、より高い確率を求めてしまう現象にも用いられる。特に「90%」という数字に不信感を抱くミレシアンはかなり重症といって良い。スパロボ率とも呼ばれる*1。
主要な例
修理
マビノギプレイヤーであれば、裸族でもなければ誰もが確実に直面するマビ率。通常のNPC修理は最大でも99%であり、どんなに大切なアイテムであっても、理論上はいつかは耐久がなくなってしまう。
これは、修理保護ポーションを使用することで、修理失敗時の耐久現象を、保護効果と引き換えに無効にすることができる。
もしくは、2017年7月19日に実装された「100%修理」を利用することで、修理を失敗することがなくなる。
- マビノギ最大にして最強の敵。98%であっても耐久を削られるときは削られるという非情なシステム。特に通常のプレイヤーの多くが最初に降り立つであろうティルコネイルの修理NPCは全員修理確率が低く(当時はこれが基本であったが、後に追加実装されたNPCが現状に即して高めの修理確率を持たされたにもかかわらず、彼らはそのままにされていたため)、こと消耗の激しい鍛冶アイテムに関してはファーガスの手によるものが多かった。彼の修理率は90%という一般的には低くはない確率ではあるが、その頻度からどうしても失敗することがあり、また90%の割りに失敗する(気がする)という風説によって「90%」は確率として「低い」という水準にされてしまった。
- 後にファーガスは公式から修理を失敗するというキャラクター付けをなされ、もはや90%という確率はマビノギ内では低確率の代名詞となってしまった。といっても、本当に90%なのか、実はより低いという数値偽装なのかは明らかにはなっていない。
- また、ファーガスの師匠であるアイデルンは98%成功率だが、その(表示上の)高い数値から稀少なアイテムや高額装備を修理に出したら失敗した、という「マーフィーの法則」によって「2%でも頻繁に失敗する」「成功率90%は失敗率100%と同じ」という極端な意見が飛び出すことになってしまった。
- もちろんそんなはずはない(はず)。しかし編者もアイデルンに耐久増加改造直後に2連続で削られたことがあるため、この説を支持したい。
エンチャント
魔法スキル「エンチャント」には確率が設定されており、使用者のINT、魔法の粉、エンチャントスクロールのランクによって決定される。最大成功率は90%。失敗時にはエンチャント対象アイテムの最大耐久が減少、あるいは消滅することもある。
- 実装以降、常に多くの人に涙を流させ続けてきた罪深いスキル。最大成功率が90%でも4~5回連続失敗などはザラ。
後年に、エンチャント失敗時のリスクを防ぐアイテムが販売されるようになったが、依然として「ランクの低いエンチャントだから」「7割くらいだけど耐久が充分にあるから」と慢心したミレシアンを絶望のどん底に叩き落し続けている。- 「エンチャント保護ポーションを売るためにわざと確率を低くしているに違いない」という話もまことしやかに聞こえるほどに異常なマビ率を誇る。
最近ではエンチャント焼却にも成功率が表示されるようになり、「数字があるものは99%でも信用するな、数字がないものは0%と思え」というマビノギの数値への不信感を少しだけ和らげた。
しかし和らいだものの90%でも連続で抽出失敗はするので、やっぱりマビ率はマビ率なのである。
レンジアタック
戦闘スキルレンジアタックは命中率が明確に数値化されており、スキル準備後に徐々に命中率が上がっていく。近ければ近いほど、スキルランクが高ければ高いほど増加速度が早まり、より高い数値であればあるほどあたりやすくなる。
なお、敵の状態によって最大命中率が異なり、停止時は最大100%、歩行時は95%、走行時は90%となっている。また、表示上は100%であっても内部的には(サーバとクライアントの通信状況により)100%に達しておらず、低確率で当たらないこともある。
非常に強力な遠隔攻撃だが、常に命中率と「狙う」ための準備時間が必要となっているため状況の見極めが重要。マビノギを代表するスキルのひとつ。
こちらも幾度かのアップデートを経て2022年現在では原則命中率100%、照準はダメージ倍率となり脱マビ率を果たしている。現在レンジアタックが抱えている問題点はすべて確率と関係ない部分のみになっているため、強力かつ信用のおける攻撃手段として大いに注目されている。
- 弓を武器に選んだミレシアンが、墓までマビ率と付き合う必要のあるスキル。むしろこのマビ率によって墓に送られることも少なくない。
矢を発射する寸前に敵が移動してしまい、たった5~10%の命中率が下がっただけでミスをしてしまう、敵が迫ってきたときに90%の命中率で外してしまい戦闘不能、などは弓師の日常風景である。あまりのマビ率に弓を捨ててしまうプレイヤーも数多く存在するが、一方でそのダメージの高さから、充分に育ったミレシアンが放つ矢は強力な敵をやすやすと貫く。
- また、弓はラグや位置ずれに極端に弱く、レンジ詰まりという独自の問題点も抱えていることから「事故率」が非常に高い。弓師はこの事故率を許容するか、他のスキルや手段によってカバーするか、そもそも確率に頼らないという選択肢を選ぶことになる。
- ラグ
オンラインゲームおなじみの現象で、クリックしたはずなのに反応せず、矢を撃ったと思ったら撃ってなかった、ということが、サーバーや回線などの通信状況によってしばしば起きる。基本的にレンジアタックは目の前の敵をそのまま攻撃することができず、常に矢をつがえて発射するという手順を踏まなければならないため、なるべく接近を避ける傾向にある。このラグはレンジアタックのアドバンテージである「距離」をスポイルするため、非常に危険な現象といえる。また、命中率は相手の状態によって変化するため、なるべく立ち止まった瞬間を狙う「タイミング」も重要になる。 - 位置ズレ
マビノギのレンジアタックは、敵の座標で攻撃判定を行っているため、位置ズレ(クライアントとサーバの位置情報が異なっている状態)が起きた場合、内部的には「敵のいないところに向かって矢を撃った」ことになり、命中率が100%であっても位置情報が更新される前に発射した場合は絶対に命中しない。位置ズレはラグの一種だが、特にこの仕様によって100%なのに当たらなかった、という全世界の数学者から抗議が来るような現象が起きる。 - レンジ詰まり
ラグの一種で、サーバーへレンジアタック(及びそれに類するスキル)の使用を送信したにもかかわらず、その使用開始のレスポンスが送信されず、レンジアタックが使用できない現象のこと。サーバーが混雑していたり、動画を見ながらプレイするなど回線を容量一杯に使っていたりすると、スキルを準備していてもスキルバルーンが膨らまず、半透明のまま待機している状態を見ることができるが、レンジアタックは他の多くのスキルと異なり、その使用頻度と命中率の問題で極めて発生しやすく、かつ死活問題である。通信最適化やプレイ時の環境改善で劇的に軽減できる。
- ラグ
生産全般
マビノギに熟達し、戦闘以外の要素に目を向けたミレシアンにもマビ率は牙を剥く。
成功率の上限は99%で、生産ポーションや曜日ボーナス、パーティボーナス、細工、エンチャント、装備セットボーナスなどによって底上げ自体は容易なほうではあるが、そのぶん基本的な成功率がやや低く、また物によっては1回の試行でとてつもない高額素材を要求されるなど、1%でも成功率を高めたいスキル群。特に鍛冶、裁縫は成功率に加えて進行度というものもあり、これが99.99%にならないと完成しない。そのため99%で止まってしまうこともあり、1回余計に素材や型紙を使用することになってしまうという二重のマビ率によって苦しめられてきた。
- しかし2022年5月25日の「生活re:FORM」アップデートで生産成功率の上限が100%となり、ついに脱マビ率を果たすこととなった。ヒルウェン工学、マジッククラフトも成功率上限100%となっているため現在では脱マビ率を果たしている*2。
- 一方、錬成術は「生産」カテゴリに含まれないため、上限値は依然として99%となる。
ランダムボックス
いろいろな名称がつけられており、現在では常時販売されているものはイウェカの水晶玉。その他期間限定のものはそれぞれに名前がつけられているが、マビノギではおおむねこの名称で通じる。
- 超高性能装備、優良エンチャント、かっこいい装備やかわいい衣装・・・マビノギが基本無料でプレイできるひとつの理由でもあるランダムボックス。誰もが欲しくなる魅力的なラインナップに夢を見たミレシアンは数多いだろうが、その夢を手にすることができた者は極めて少ない。
- 所詮はランダム。レアアイテムほど確率が低く、どの程度の分布かはマビノギでは明らかになっていない。5桁のリアルマネーを投じて何も得られなかったプレイヤーもいれば、たまたま1個買ったらレアアイテムを入手したプレイヤーもいる。
もちろんこれらは「ネタ」ではあるが、あまりにも表示上の数値と実情が乖離しているケースが多かったため、自らの不運を嘆き、また同様の他者を慰める言葉が見つからなかったミレシアン達から「マビ率だからしょうがない」という諦めの境地から生まれた悲しい用語である。