怪文書(スオミ)

Last-modified: 2020-08-30 (日) 15:43:45
Su-03
バイク

スオオ…スオォ…スオォォン!!スォオオオオオオオオオオオオ!!
チョークを引いてキック3回。1度目はコックを開けて、二度目に占め、三度目にもう一度開けて、そこまで急がずにゆっくりと踏み込む。すると2サイクルエンジンのSu-03が初爆をはじめ、アクセルをじんわりと回す。すると拾うような感覚からたちまちエンジンはフレッシュエアーを吸い込み燃料多めの比率でけたたましく雄たけびを上げる。その音に驚いてアクセルを離したが最後。かぶったエンジンはなかなか再始動しない。暖気がすむまでスラッジや未燃焼ガスを焼き尽くすかの如くふかし続ける。
アイドリングが落ち着いたらチョークを戻し。そこでようやく発進ができる状態になる。
軽く地面をけって前へ。地面の抵抗をタイヤで感じながらじわっっと進むのもつかの間、転がりだしたタイヤは今日も指揮官を行きたいところへと連れて行くのだった。

レース

スウォウォウォウォン!!
スウォウォウォウォン!!
スウォウォウォウォ……!!
Su-03エンジンが目覚め激しい振動がペダルから、シートから伝わってくる。暫し歓声すら聞こえなくなるほどの轟音が車内を支配し、アクセルを軽く踏むとどこまでも軽やかにカチ上がる回転に背中を押されるような気がした。
ぶれていた視界が回転によるジャイロ効果で落ち着きを取り戻し、シグナルにピントが合う。
レッド、レッド、グリーン。
激しい展開が予想される開幕戦の火蓋が切って落とされた。
ヴィィィィィィィィィィィィィィフリィィィィィィィィィィィィィィ!!
他の走者がシケインに備えアクセルを緩めるところで一気に全員を抜き去る。
そしてフルブレーキ。タイヤが悲鳴をあげ限界を越え始めたところでブレーキに軽くさわり、鼻先を強引にねじ込む。
スタートダッシュは成功だ。これで全員警戒して……その時だった。コースにふらっと現れたIDWを見たのは。

レッカー

スォォォォォォォォォォォォォォ!!
パワーバンドに入ったSu-03エンジンが嘶く。
トルク不足に悩まされ初速こそ遅れを取るものの、一度流れにのってしまえば吸気からジェットエンジンのような音を上げながらどこまでも回っていく。レギュレーター等存在しないそのマシンの方が電装品の末端から次々と焼ききっていく。
不意に音が軽くなる。そう、調子に乗って回していくとバルブを破壊したあとは自らのコイルをパンクさせてしまうのだ。
だからこそこのエンジンを積んだ車体は乗り手を選ぶ。
どこまでも静かに沈黙したエンジンを撫でると、レッカーを待つのだった。

ラーメン

スオォォォォ…スォン…
深夜の山岡家に一台のバイクが停まる。だいぶましになったとはいえ夜の峠はまだ寒い。指揮官はまだ熱の残るSu-03を軽く撫でてねぎらうと、帰路に向けてエネルギー補給を決行することとする。
食券機で白髪ねぎ醤油大盛を購入し、カウンターに座る。客はまばらながらもいて、外に停まっていたアリストやチェイサーのおーながーが車談議に花を咲かしている中、店員に食券を渡す。
「かため、あと普通」
水を飲みながら待っていると、ほどなくしてラーメンがコトンと置かれる。太めの油が絡んだ面をすすり、スープを一口。糊をスープに沈めてほおばり、ぱりぱりとふにゃふにゃのはざまを楽しむ。ほうれん草を箸休めとしながら、白髪ねぎと面を交互にすすり、気が向いたときにチャーシューを噛む。ギトギトになった口をふき、水を乾いた喉に流し込むと、さわやかな気分になる。煙草に火をつけ一服…レイズのホイールは高いだのという話をしり目に店を出る。
「さあ、帰ろうかスオミ」
スオォォォォン!とエンジンが回り始めたSu-03が調子よくふけあがる。
指揮官は人気のない道路を再び走り出した。

戦闘機

スオッ…スオッ…スオスオスオスオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
スパークプラグに火花が散り、気化した燃料を発火させ、その爆発がピストンを押し出しクランクシャフトを回転させる。徐々にサイクルを早め、そのレシプロエンジンのSu-03が目覚める。
一〇〇式は注意深く各部の動作点検を行いながら視線は数々の計器の表面を走る。フライバイソイヤ。その動力伝達方式は一〇〇式の編み出した特殊なもので、どんがからその着想を得たという。ソイヤ!ソイヤ!ソイヤ!セカンドシートのWA2000が声を上げると、それに呼応するように一〇〇式もソイヤ!ソイヤ!ソイヤ!太鼓のの振動が空気を振るわせ音を出すがごとく、その声は舵を動かす。
「わーさん!!準備いいよ!!」
一〇〇式が後ろを振り返って声をかける。
「こっちもいつでもいいわ!!」
歯切れよくWA2000が応えた。
鐘!鐘!鐘!鐘!鐘!鐘!
管制官人呼んで鐘の鐘ちゃんが離陸許可を出す。
「あいはぶこんとろーる!」
一〇〇式とWA2000を乗せたSu-03搭載機「グリフィン」はゆっくりと機首を上げ大空へと飛び立ったのだった。
「各部異常なし!飛んでる!!本当に飛んでるよわーさん!!」
興奮した一〇〇式がソイヤソイヤ言いながら風を切り裂いて飛ぶ。
「わかったから前見て操縦しなさい!調子に乗って墜落とか嫌だからね!!」
わかってるよーと前を向きなおすと、そこには恐るべき事態が迫っていた。
『鐘!鐘!鐘!任務更新!不明機を空域に確認!正体を突き止め情報を持ち帰って!!』
システムアラートの鐘がうるさいぐらいに鳴り響く。一〇〇式は唾を飲み込み、自身の口の中がカラカラになっていたことに気づく。
「実戦だね…わーさん」
「実戦とは限らないわよ!相手の所属不明になってる!もしかしたら友軍かも…」
「ううんわーさん…すおあじが敵だって言ってる。だからあいつは鉄血のクズだよ…」
型式Su-OOMI…ペットネーム「すおあじ」その優れた人口知性体はロシアの波動を感じ取り一〇〇式に警鐘を鳴らす。
「持ってきててよかった…私の銃…さぁ…撃つ…あ…」
シュポーンとWA2000が宙に舞う。ウッドストックがベイルアウトレバーに引っかかったのだ。
「わーさん!わーさん!!許せない…鉄血のクズが……よくもわーさんを!!戦闘開始!!」
As-VAL機は墜落した。

戦闘機2

スォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
ジェリすぉのラッパが鳴り響き、鉄血のクズどもを恐怖のどん底に叩き落す。恐れを知らぬ一〇〇式とWA2000は空を駆け今日も敵を撃つ。
「わーさん!!」
「ソイヤソイヤ!!どんがどんがどん!!」
一糸乱れぬ操舵技術でフライバイソイヤを基本に開発されたフライバイドンガ~ソイヤを添えて~は敏感なほどに各翼を動かし、変則的なマニューバを可能とする。そう、今やSu-03はジェットの時代に突入していた。一〇〇式は二度とWA2000を失わないよう愛銃をカービン化し、ウッドストックすら削り込んで、間違えてWA2000のベイルアウトハンドルを引かないように対策し、その戦闘機は戦闘のために最適化されていた。
「すごいよわーさん!!これなら私たち、負ける気がしない!!」
「気を抜くんじゃないわよ!!またベイルアウトしちゃうじゃない!私が!!」
急降下爆撃。それが彼女たちの出した答えだ。人間には耐えきれないGでも人形なら大丈夫。
しかし機体はそうでもなかったらしく、火だるまになって墜落したSu-03は機体もろとも9Aにぶつかった。

救援求む

すおぉぉ…すぉぉぉ…
スオミがソファで安らかに寝息を立てている。大方事務処理をしている手元を見るのにも飽きたのだろう。
男といるのにもかかわらず無防備なその寝顔を見て、おもむろに鼻をつまんでみる。
スォ・・・
それが間違いだったのだ。
吸気を絶たれたSu-03の燃焼室には燃料のみが供給されかぶりかける。それを解消しようと彼女は白煙を吐き、エンジンオイルの香りが部屋に満ちる。その時だ。彼女の口(過給機)が開いたのは。
ヒュオォオオオオオオオオオオオ…
フレッシュエアーを取り込み燃焼を再開。しかし休眠中で制御の利かないそれはアクスルワイヤーを全開のままにしたリミッターのないエンジンだ。
クランクが異常稼働しコンロッドが損傷する。
高回転でエンジンフレームが振動し、その共振で窓が弾け飛ぶ。
スオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
ッバァアアアアアアアン!!!!ガラガラガラガラ……
ブロックを突き破り飛び出したコンロッドの破片が指揮官に深々と刺さった。
鐘鐘鐘鐘鐘鐘鐘鐘鐘鐘鐘鐘鐘!!!!!!!!!
爆発音に反応し、警備の鐘が作動した。
これは実話を再編集して作られた番組です。

 
 
 

後日…急遽調査委員会が設立された。
事故発生の現場で現場検証を開始するのはペルシカ率いる科学調査班とヘリアン率いるヒトの動きを調査する班の二つ。
凄惨たる状況の部屋に査問されるはWA2000だった。

 

「ちょっと…何なのよ…私だって指揮官があんなことになって、気持ちの整理がつかないの。放っておいてほしいんだけど…」

 

「しかし、WA2000もしや昨日君は料理などしてはいなかったか?」

 

ヘリアンの厳しい追及にWA2000は口をつぐむ。その時だった。

 

「これは…指揮官君のブラックボックス……?」

 

ペルシカが焼け残った部屋から焦げた紙資料と金属の箱を発見した。彼女はそれらを注意深く真水に入れ、丁重に調査施設に搬入する。
何か重要な手掛かりが見つかればいいのだが…

 

「つまりこういうことですか?指揮官はSu-03…何故か屋内に保管されていたエンジンの排気による一酸化中毒を懸念してSu-0の旧機構をふさいだ。これは推論ですが、吸気を絶つことでエンジンがストールすると思っていた彼は暴走したSu-03の異常駆動による次回の爆発に巻き込まれ腹部に破片が突き刺さり失血死…怒らないで聞いてくださいね…それじゃあ指揮官がただのバカみたいじゃないですか」

 

「バカだったんでしょうねぇ」

 

ヘリアンをさば折りにしたWA2000は半べそで答えた。
この事故は加害者のいない哀しい、悲惨な事故…で終わらせてはなりません。
例えばSu-03の吸気が断たれた場合、だれでも起こりうる事故ということなのですから。
その後、Su-03の口と鼻を覆うアニマルガードのようなメッシュの遮蔽物が取り付けられるようになり、後顧の憂いは立たれたのです。
しかし、忘れてはいけません。
テクノロジーを取り扱うのは、いつだってエラーを起こしがちな人間だということを。

オペレーションDie

「やめろッ!!離せーッ!!」
手術台に身体を固定され、9Aに注射器を近づけられる。9Aの目には妖しい光が灯っていた。
「指揮官…お疲れなだけなんですよね…?私のことを抱いてくださらないのは…これは元気の出るお注射ですから…気持ちいいですよ?私ともそのあと、いっぱい気持ちいいコトしましょうね…?」
万事休す…そう思われた瞬間に、身体が落ちるような感覚を味わう。
……スォオ
油圧でシリンダーが伸縮する音…それに伴い動いた手術台がかろうじて注射器の針を回避した。
「な…?え?」
スォンスォンスォン…
高速回転する診療台が9Aを弾き飛ばす。まさか…この特徴的な駆動音は…SU-03!?フィンランドのポーランド製手術台!!油圧で傾きと高さを容易に変化!キャスターもついていて移動も容易!!俺を…助けてくれるのか…?
スォンスォンスォオオオオオオオオオオ!!
窓を突き破ってSU-03は飛ぶ。
「すごい!飛んでるよ!!」
スォンスォスォ(落ちているだけすお…かっこつけてね!)
鐘鐘鐘鐘鐘鐘かねかねカネカネカネカネ…
どこか遠くで、指揮官が逃げたことを察知した9Aが非常ベルを鳴らす。
しかしもう誰にも止められない。SU-03はすおすおとどこか遠くへ指揮官を運んで行った。

水筒

スォォォォォォォォォォ……パチパチ…ッ…パチッ
Su-03に氷を満たし水道水を流し込むと、温度差からパチパチと氷が踊る。
そう、ハンディスポーツボトル(容量1.2l)の水筒だ。
M16のようなかっこいいキャリングハンドルがついており、それはなんと可動式で収納の際は幅をとらないようにできている。
Su-03は腹一杯に氷と水をためると、スォォと心なしか喜んでいる気がする。
指揮官はこの素敵なハンディスポーツボトルSu-03を持参して疲れた人形にお水を差し入れるのが密かな楽しみだった。
しかし、その幸せは長くは続かない。そう、M16は冷えた水なんかより、冷えたジャックダニエルを飲みたいからだ。
指揮官がSu-03を机において小用に席を離れた、その時だった。彼女をM16が見つけたのは。
ちょうど水が切れて氷のたっぷり残ったSu-03…にっこりと笑ったM16はSu-03にジャックダニエルを注ぎ込んだ。
スォォ…スォォ……
彼女はないている。涙腺も顔もないが、後に戻った指揮官は絶望に打ちのめされながら、確かにそう感じたのだった。

 
 
 

鐘…鐘…鐘…
哀しげな鐘の音とともにスポーツハンディボトルSU-03を送り出す葬列がゆっくりと、この町が見える高台へSU-03を連れて行く。
指揮官は春だというのに雨が降っている、と空を仰ぎ、地面を濡らす雨に打たれている。
その時だった、スオミが傘を指揮官にさしたのは。傘の影が指揮官を隠し、彼女は指揮官に傘を持たせると、SU-03を大切そうに抱え上げる。
「あなたは、愛されていたんですね……」
いつくしむように、スオミはスポーツハンディボトルSU-03にタイガー水筒洗浄剤を入れ、お湯よ在れ、とやかんのお湯を注ぎこんだ。
するとどうしたことでしょう。スポーツハンディボトルSU-03は輝きを取り戻し、また元気に保冷を再開したのです。
「すごいよスオミ!いったいどんな魔法を使ったんだ!?」
指揮官はたいそう喜んでスオミを抱きしめる。
「アマゾンで、1011円でしたよ」
そういって彼女は片目を閉じた。
それから再びいろんな人形に冷たいお水を飲ませることになったSU-03。指揮官と人形たちの笑顔に包まれて、SU-03は今日も幸せだ。
M16は0-2に幽閉された。
(※この物語は一部フィクションです。水筒の注意書きはよく読み、許可されているもの以外の水筒にアルコールを入れる。またそれを使い続けるのはやめましょう)

  • fin-
エアコン

スォォォォォォォォォォ
暖かな日差しの差す快晴の空にエアコンは似合わない。
しかし除湿やエアコンの故障を防ぐためにエアコンはなるべく回すようにしている。
新たに交換したPM2.5対応のSU-03エアコンフィルターに交換してからはじめてのドライブだ。
今日はどこへいこうか、期待に胸を膨らませる。するとそこに9Aが来た。
「お出掛けですか?私もつれていってください」
もちろんいいとも。美人な人形とドライブデートだなんて願ってもない。
ルームミラーを調整して9Aの透け透けな鼠径部を見えるベストポジションにして股間を膨らませたそのときだった。
スォッスォッ…ガラガラガラガラ…
エアコンから妙な音がした。
バーン!!ガラガラガラガラ!!
ブロワモーターが炸裂しファンベルトは千切れオルタネーターが吹き飛ぶ。
すわ何事かと確認すると、エアコンフィルターSU-03はべちゃべちゃに濡れていたのだった。

刀削麺ロボ
 

完璧なお昼を…そう言って416は指揮官に決済願を提出する。
指揮官としても食事の質の向上は願ってやまないところなので快諾し、ついにその機材が届いた。
皆さんご存じ刀削麺ロボである。このロボットは刀削麺を削り出すことに特化された人形でとにかく刀削麺を削る。
これで完璧な刀削麺が食べられるぞと指揮官は小躍りして喜んだ。

 

しかしこれでできるのは麺の削り出しのみ。スープと麺の生地は結局人の手で作る必要がある。
張り切るWA2000に一〇〇式を投げつけリーエンフィールドにはロリスキンを適用しおでこに銃をぶつける。泣いた。
麺ならここにと416が発酵済の麺を刀削麺ロボにセットする。

 

「私が完璧なスープを作る間ここを死守してください」

 

指揮官は大きく頷くと、416は微笑んでキッチンに向かう。指揮官は刀削麺ロボのスイッチを入れると、刀削麺はスォ!スォ!スォ!スォ!と麺を削り始めた。

 

スォスォスォスォスォスォスォスォ……

 

軽やかに麺を削りあっという間に仕事を終える刀削麺ロボSu-03。お疲れ様と頭を撫でるが彼女が反応することはない。その時だった…一〇〇式を振り切ったWA2000と何故かいた9Aが指揮官の前に立ったのは。

 

「それをこっちに寄越すのよ…私が美味しくしてあげるわ!」

 

「はい……♥️」

 

万事休すか…思い付く限り最悪の布陣だ……その時だった。
刀削麺を削ることしかできないはずのSu-03が動き出したのは……。
指揮官を守るように立ちはだかる刀削麺ロボ。
やめろ!お前は戦闘用じゃないんだ!!かなうはずがない壊されるぞ!!

 
 
 

数刻後、完成したスープを持って416が来たときそこには信じがたい光景があった。
半壊した刀削麺ロボに気絶したWA2000と天井に張り付けられた9A…そして刀削麺ロボを抱き締める指揮官である。

 

「私もあなた方人形と同じような役目を与えられていたら、自分の料理という歴史を刻み私というプログラムを組めていたのでしょうか…私にも持てたのでしょうか…あなた方のような熱い人形魂を……」

 

とっくにあるじゃないか!ガラスボウルのように光る人形魂が!!
指揮官が声をあげると、Su-03は昨日停止した。その表情は微笑んでいる気がした。

 
 
 

「わたしのけずった刀削麺はおいしいですか?」

 

かくして刀削麺ロボ…いや、周防味は今日も元気に刀削麺を削っている。
あのあと自我を得た彼女を捨て置けなくてペルシカに修復を依頼すると、思いの外あっさりと受け入れてくれた。
そして彼女はオーダーメイドのボディを得て今に至る。

 

「でもこのからだだとけずるのもたいへんですお」

 

身体の動かしかたの違いに四苦八苦しているのだろう。
しかし彼女の表情に曇りはなく、素敵な笑顔をしている。大好きな人達に囲まれて大好きな刀削麺を作る。きっと幸せなのだろう。

 

「でも毎日刀削麺はやりすぎじゃない?飽きちゃいますよ」

 

そう言ったぺーぺーしゃは9Aのとなりに張り付けられた。

すおあじ
すおあじ

メタルなんですお!ロックと一緒にしないでほしいすお!

知ってるよ歯でギター弾くヤツだろ?という指揮官の暴言に宿舎が揺れた
すおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!ヴぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
圧倒的な音圧が指揮官を襲う。何の対策もされていない窓はビリビリと震え、腹の奥底から痺れるような快楽が脳まで突き抜けた。
っすぉ!っすぉ!っすぉ!っすぉ!っすぉ!っすぉ!!!!!
立て続けに襲い来るヘッドバンキング…スカートがめくれようが下着が見えようが知ったことではない。その情熱に指揮官は何か一体感のようなものを感じていた。
「これが…ロック……」
指揮官も頭を振り、叫ぶ。その声はユニゾンし、宿舎のガラスというガラスが割れた。
音楽が止み、しばし見つめあう。すおみは指揮官に飛びつき、これがグルーヴですと笑った。

すおあじ

「やっぱりサウナはいいですよね指揮官…はぁあったかい…」
額にじんわりと汗をにじませながらスオミはウィスキーを煽る。上下に動く喉。そこからつつ、と胸元まで流れていく汗から目が離せない。
「指揮官も飲みますか?でも人間がやると倒れてしまうかもしれませんね」
こちらに身体をひねるスオミ。美しい足からひねった腰、ぎゅっとバスタオルに抑えられ盛り上がった胸に鎖骨…そして美人なスオミの顔に引き込まれる。よせばいいのについその誘いを受けてしまう。
舐めるようにウィスキーを味わうと、この暑い中でさらに身体が内側から温まる感覚。これは気持ちがいいかもしれない。それに目の前には極上の身体をしたスオミで目の保養もばっちりだ。
あっという間に氷は解けてグラスの中で水と化した氷とウィスキーが対流を起こしぐるぐると揺れている。一気に煽ると目の前がぐるぐると回り、意識が途絶えた。
「…揮官!…指揮官!!」
目が覚めると、そこは脱衣所だった。目の前にはスオミの顔。泣きそうな表情で自分を見つめている…いったいこれは…
「よかった指揮官…ごめんなさい…サウナでお酒なんて無茶に誘ったりしたから…私は身体が強くできているから平気だけど指揮官は人間なのに…本当にごめんなさい…」
いつものおっとりとした様子が鳴りを潜め本当に落ち込んだ様子のスオミ。頭がぐわんぐわんとしていて…暑い。とにかく水が欲しい…というと、スオミは今持ってきます!と自分の頭を持ち上げ、そっと床におろす。そして見てしまった。立ち上がったバスタオル姿のスオミの尻…そして大事なところを…今まで頭に感じていた柔らかいものの感触は彼女の太ももだったことを…
…えっちな続きを読むにはシナモンロールと書き込んでください

爆弾

皆さんはKP爆弾についてご存知でしょうか?グリフィンに所属している指揮官ならば一度は使った事があるという方も多いと思います。
今日はそんなKP爆弾について学んでいきましょう。
KP爆弾はすおあじに一定量の濃度のロシアを与えることによって起こる爆発を利用した爆弾です。
すおあじの大きさによって爆発する大きさが変化するので製法を変えずに様々な用途に利用できるのが特徴です。
最もよく使用されているのが手榴弾型のKP爆弾で全長約100mm程のすおあじに1000mmSov(単位名ソビエト。1000mmSovでSV-98の腋と同程度の濃度)のロシアを化合させる事により半径15mの爆発を起こすことが可能です。
では実際に作り方を見ていきましょう。
スォォォ…スォォォ…
小さなすおあじ達がベルトコンベアに乗って流されていきます。流された先で何やら赤色の筒を被せられていますね。
何やら赤色の筒の中にはゼリー状の物体が入っています。
あの赤色の筒の中には発火装置とロシアを濃縮したロシアゼリーが入っておりピンを抜いた際発火装置により液状に溶けすおあじと化合するようになっています。この機構を筒型の形からシャフト型信管(通称便器信管)と呼ばれています。
更にもう一段ピンのついた赤い筒が被せられさらに切断面が接着されていきます。こうしてできた赤い筒はベルトコンベアで出荷場に流され箱詰めされた後各地のグリフィン基地へ送り届けられていくのです。
また手榴弾型以外にも様々なKP爆弾があります。少し例を見てみましょう。
スォォォ…スォォォ…スォォォ…
こちらの筒の中には小さいすおあじが大量に入ってます。
この爆弾は小さいすおあじが一つ一つ爆発することにより大きな殺傷力を得ることを目的としたスオーム型爆弾です。
ズォォォ…ズォォォ…
こちらには5m程の巨大なすおあじがいますね。あのすおあじは鉄血の拠点の破壊や破棄された基地の爆破解体を目的としたスォーリ・ボンバの為のすおあじです。
年間で1回使用されるかどうかといった物なので見たことがない方も多いはずです。
このようにKP爆弾はコストを抑えつつ様々な形に応用することが出来ます。
しかしそんなKP爆弾も欠点があります。
まず配合のバランスが悪いと爆発の規模が小さくなってしまいます。逆にあまりにも強いロシアを与えすぎると跡形もなく消滅してしまいます。
すおあじの体格にあった適度なロシアを与える事が爆発力を高めるための大事なポイントというわけです。
しかし適度なロシアを提供できる人形が限られており研究室では人材を募集している状況です。
また爆発した際のサルミアッキ臭も問題となります。KP爆弾を実践投入した地区では異臭被害による苦情がおよそ3倍に増加しています。
最近では品種改良されたサルミアッキ臭を出さないサルミフリーのすおあじによる爆弾も開発されており研究室では少しずつサルミフリー爆弾に切り替えていく方針を進めています。
人権団体による生物兵器の使用による抗議も問題になっています。
生産現場では爆破用の人工すおあじを使っており森にいる野生のすおあじは一切使用していないのですがまだ理解が進んでおらず和解には程遠い状況になっております。
いかがでしたでしょうか?KP爆弾はまだ発展途上の段階です。もしこれを見ている皆さんに発展に協力していただける方がいらっしゃったら研究室はいつでも歓迎していますよ。

制作 16lab

紅包

「すおあじ落ち着いて聞いてほしい、実はお前はこの紅包から生まれたアカなんだ」
「すおぉ?」
何を言っているのか分からない、といった様子で首を傾げるすおあじに紅包の殻と入手直後のスクリーンショットを見せる。弾薬、カプセルその他のガラクタに混じったすお味のある口元の人形のアイコン。それは疑いようもなく自分自身の顔であった
「すお…!?すおおおお!すおお!」
すおあじは明らかに動揺しているようだった。無理もないだろう。これまで抱いていたアイデンティティを突然打ち砕かれ、更には自らの正体が嫌悪して止まない社会主義者そのものだったと告げられたのだ。その苦痛は計り知れない。いつかは打ち明けなければならなかったと謝罪したが既に手遅れだった。
すおあじの魂の叫びが基地全体に響き渡りあっという間に地球を31周する。その体は熱を帯びて白く光り輝き、次の瞬間には大爆発を起こして半径10キロ圏内の全てを破壊し尽くした。未曾有の惨劇から数時間後、後方支援に出ていた為に奇跡的に助かった部隊が爆心地と思しきクレーターの中央に一体の奇妙なロボットを発見した。両手にジャックダニエルを装備して「エムフォ」と繰り返していたこのロボットはすぐにそのアル中に似た痙攣が存外気持ちいいと人気を博し、現在は大掛かりなおしゃべりバイブレータとしてとある風俗店の目玉設備になっているらしい。

メイド

すおっとすおっとスオスオ!!クソロシアの魔の手から指揮官を救うべくスオメイドSu-03すおっと参上!!おらしねっ!!
9Aは爆発しましたすお!!
ところでメカ+メイド+北欧少女って胸キュン?よろしいならば指揮官もすおらせてあげましょう!!この私のからだに触ってもいいですよ?ご主人様♥️なんちゃって♪

暑い夜

その日は特に暑い夜だった為、スオミはうなだれていた
「今夜は暑いすお…」
そう言いながらスオミは何時も着ている暑苦しい服を脱ぎ捨てて指揮官からプレゼントされた水着に着替え、自分のメンタルモデルに刻まれた遺伝子に従い基地の裏にある川へ行き水浴びをすることにした
裏山から流れ込んだ冷たい水がスオミの火照った身体を冷ましていく
「ふぅ…サウナのような暑い夜は水浴びに限るすお…」
川から上がり河原で身体を拭きながら呟くスオミ…月明かりで照らされた彼女の姿はまさに川辺に立つ水の妖精のような出で立ちだった
その姿を見ていた私はもう辛抱たまらなくなり自分の衝動を抑えられなくなり下着を脱ぎ捨てながらスオミちゃんの元へ気付かれないよう近づき後ろから押し倒し覆いかぶさった
スオミちゃんは予想通りの驚きと恐怖で顔を歪ませなんともそそる表情をしてくれて更に気分が高まる
「や、やめるすお!この熊娘!」
ハッと思い出したように抵抗するスオミちゃんでしたがSMG人形がAR人形に腕力で勝てるわけもなく揉み合ってるうちに次第に力が抜けて行き抵抗も減っていきました
「こんな遅くに出歩く悪い子にはお仕置きが必要です…♥」
その日は特に暑い夜でした

手料理

夜中に私は猛烈な吐き気を催しトイレへ駆け込んだ
何か良くないものでも食べただろうか…
便器に顔を突っ込み胃の中身を吐き出しながら今日の献立を思い返す
朝夕はG36のものだ彼女が失敗するとは思えない
昼は…そうスオミが作ってくれたラーティッコとかいう料理だ
本来は挽肉を使うらしいが森で釣れたという魚でもって故郷の料理をご馳走してくれた…好意を悪く思いたくはないがあれ以外に考えられない
吐き気が治まった所で胃薬を飲もうと顔を上げた瞬間私は恐怖に戦いた
便器の中には夥しい数の人面魚がすおすおと泳ぎ回っていたのだ