砂場/2

Last-modified: 2024-03-15 (金) 17:41:05
人形DNA鑑定:HG|SMG|AR|RF|MG|SG〕

 
ここにアイキャッチな画像を
 
ここに気の利いた引用でも
 

 

簡単な説明

 

その他ボルトアクションライフル

ボルトアクションしている。
それしかわからない。
特記なき場合はローテ―ティングボルト閉鎖である。

 
続けて。
  • ボルトアクションについて
    小火器の作動方式は数あれど、信頼性を求めると自ずと実績の豊富なものに収斂してゆく。
    そこに来てさらに確実な動力源はとなると、やはりヒトの筋力はまず間違いない選択肢となる。
    信頼性が高い上に銃のハードウェアを簡略化できるので開発・製造コストが圧縮され、少量生産となりがちな特殊用途のライフルにおいて根強い支持を獲得している。
  • 分類の難しさ
    特にローテ―ティングボルトについて言えることだが、近代的火器が確立してから1世紀以上が経ち技術的・知識的蓄積が進んだ結果、銃の設計の自由度は飛躍的に向上している。
    様々な銃の長所をいいとこ取りしてくると、一見してそのルーツを読み取れないようなものも出てくるわけである。
    また、特殊な用途に少量しか生産されなかった銃は資料が少なく、そのために分類が難しいという事情もある。
 

ブルパップレイアウト

 

どうしても銃身が長くなりがちな大口径ライフルではそこそこ人気である。
DSR-50辺りでも採用している。

 
Five-seveN
&ref(): File not found: "332 derringer.png" at page "砂場/2";主な弾種5.7x28mm
生産期間1993-
備考P90のサイドアームとなるべく開発された5.7mm口径の自動拳銃である。
構造自体はレバー遅延ブローバックに分類されるが、一般的なそれとは異なるより複雑な構造となっている。
簡素なストレートブローバックを採用したP90とは対照的だ。
 
Five-seveNのレバー遅延機構

パテントの文書があるならそれを当たるべき
&ref(): File not found: "falcon parts.jpg" at page "砂場/2";

  • 要約すると、銃身を錘にすることでスライドの後退を遅延させているらしい。
    • 日本語資料では抜弾抵抗*1を利用した遅延ブローバックと説明しているものもあるが、FN社のパテント文書からはそうした意図は全く読み取れない。
  • 副次的だが、薬莢のネック部分に掛かる前向きの圧力も、スライド後退を遅らせているそうだ。
    • 上記の抜弾抵抗云々は、この部分を読み違えたのかもしれない。
 
KSVK
&ref(): File not found: "309 wkp.png" at page "砂場/2";主な弾種12.7x108mm
生産期間2000-2004
備考ハンマーファイア・?ラグローテ―ティングボルト
コッキングハンドルが銃身右側の軸を介してトリガー前方に位置しており、ブルパップの欠点である操作性を改善している*2
 
КСВКのパーツ

КСВКのパーツ
&ref(): File not found: "kcbk parts.png" at page "砂場/2";

  • 中央にあるものがおそらくボルトであろう。
  • コッキングハンドルはボルトの脇から前方に伸びている。
  • ファルコンちゃんよりは随分と凝った構造になっている。
 

ストレートプル

 

ローテ―ティングボルトのボルトアクションライフルの場合、何も工夫をしないと「①コッキングハンドルを起こしてロックを解除→②ハンドルを引いて排莢」という2動作*3が必要になってしまう。
そこでなんとか1動作だけで「ロックの解除+排莢」をできないものかと工夫をしたのがストレートプル式のボルトアクションである。

 
K31
&ref(): File not found: "309 wkp.png" at page "砂場/2";主な弾種7.5x55mm
生産期間1932-1958
備考2ラグローテ―ティングボルト・ストライカーファイア
ボルトそのものではなく、ボルトを保持しているスリーブ*4の方にロッキングラグを持つ構造が独特。
スリーブにはカムが掘ってあり、ここをコッキングハンドルと噛み合わせることで、ハンドルの単純な前後運動をスリーブの回転運動に変えている。
鍵のような丸い取っ手の付いたストライカーがチャームポイント。
 
K31のボルト関係

K31のボルト関係
&ref(): File not found: "k31 bolt.png" at page "砂場/2";

  • 右の細長いものがコッキングハンドルとオペロッド(?)、下の曲がりくねった穴が空いているものがスリーブ、左の細長いやつがボルト本体。
  • 分解するところを動画で見た方がいいかもしれない。
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R93
&ref(): File not found: "309 wkp.png" at page "砂場/2";主な弾種7.62x51mm NATO
生産期間1993-2016
備考マルチピースロッキングブロック・ストライカーファイア
特殊な直動ボルトを採用するストレートプルアクションライフルである。
一見複雑そうな構造だが、やっていることはローラーロッキングと大して違いない。
 
R93のボルトまわり

R93のボルトまわり
&ref(): File not found: "r93 bolt diagram.jpg" at page "砂場/2";

  • 横から見た断面、赤く塗られた部分がロッキングブロックである。
    • 断面なのでロッキングブロックは上下2つしかないように見えるが、実際にはボルトを囲むように円周状に多数配置されている。

&ref(): File not found: "r938.jpg" at page "砂場/2";

  • 左が薬室開放時、右が閉鎖時のロッキングブロックの状態。
  • よく見るとカリ首のように並んだピースが右側(閉鎖時)では展開しているのが分かるだろう。
    • これがレシーバー内壁の窪みと噛み合うことで、発砲時の圧力に耐える構造になっている。
  • 360度均等に力が掛かるので、狙撃銃としては理想的な閉鎖の仕方かもしれない。

&ref(): File not found: "blaser_07_web.jpg" at page "砂場/2";

  • 不幸にも暴発したR93のボルト。
  • しかし却ってロッキングブロックがどういう構造をしているかがよく分かる。
  • 花びらのように付け根から大きく広がっている。
    • 各ピースは素材そのもののバネ力で閉じる方向力が掛かっている。
      • これだけの数の小さなロッキングブロックそれぞれにバネを用意するのは非現実的であり、とても大胆かつ合理的設計になっていると言えるだろう。
      • その分加工には骨が折れそうだが。

&ref(): File not found: "b1.jpg" at page "砂場/2";&ref(): File not found: "b2.jpg" at page "砂場/2";

  • ちなみにストレートプルと言っているが、実際にはこのように少しだけコッキングハンドルが回転する。
  • このおよそ60度くらいの回転で、先ほどのロッキングブロックを縮こまるわけだ。
    • とは言え全体的には直線的な運動の範疇に収まっていて、普通のボルトアクションより素早くアクションを行えることに変わりない。
 

その他

 
ボーイズ?
404 not found.png主な弾種.55 Boys
生産期間1937-1940
備考2列3段計6ラグローテ―ティングボルト・ストライカーファイア
戦間期イギリスが開発した対戦車ライフルである。
外見上はK31めいたストライカーの取っ手が特徴的。
ボルトの雰囲気はカナダで開発・運用されたRoss Mark III (1910)のものに近いと言われている。
 
ボーイズだとかガールズだとか

何がプリンセスだ
&ref(): File not found: "Boys_ATR_Bolt-comparison.jpg" at page "砂場/2";

  • 上がボーイズのボルト(とカートリッジ)、下が梨園さんのボルト(と同左)
  • 流石にマッシブなことがよく分かる。
  • ボルトの上下を覆うように取り付いているエキストラクターとイジェクターも特徴的だ。

このエキストラクターとイジェクターの構造は給弾の向きが関係しているのではないだろうか。

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  • 真下に排莢する場合、最低でもエキストラクターはボルトの下面に付ける必要がある。
    • 大型のクロ―エキストラクターを避けるため、ラグを水平方向にロックすることになる。
    • つまりボルトを引き抜くときラグは垂直に向いており、そのままだとダブルフィードの危険がある*5
      • そこで上側もどデカいイジェクターで丸ごと覆ってしまえば良いという発想に至ったものと思われる*6

&ref(): File not found: "ross mk iii bolt.jpg" at page "砂場/2";

  • ところでこちらがRoss Mk IIIのボルト。
  • 合わせて7ラグのローテ―ティングボルトは確かに似ている。
  • 大きく覆いかぶさるようなクロ―エキストラクターも共通している*7
  • ちなみにこのRoss小銃はストレートプルアクションだったりする。
 
ゲパードM1
404 not found.png主な弾種12.7x108mm
生産期間1991-
備考2ラグローテ―ティングボルト・ハンマーファイア
ボルトアクションライフルというよりは、12.7mm口径の重機関銃の銃身にリボルバーのグリップをねじ込んだ何か、といった表現をしたほうが正確。
一応ローテ―ティングボルトの範疇にあると考えていいだろう。
 
こう見えて無骨なゲパゲパくん

3脚もたくましい
&ref(): File not found: "Gepard-M1-single-shot-.50-cal-sniper-rifle-scaled-1160x870.jpg" at page "砂場/2";

  • 一見すると銃の体裁を整えているようだが…
  • この時点で違和感に気付いたあなたは正しい。

ゲパッ
&ref(): File not found: "gepard m1 bolt and trigger.webp" at page "砂場/2";

  • ゲパードくんのボルト。
    • 明らかにボルト以外のものもくっついているんですが…
  • リボルバーからシリンダーとバレルをもぎ取り代わりにロッキングラグを植え付けたようなキメラとしか言いようがない。
  • ロッキングラグは工夫?なにそれ?と言わんばかりにゴツい2ラグで、もやは潔さすら感じる。
 
NTW-20
404 not found.png主な弾種20x82mm
生産期間1998-
備考2列3段計6ラグローテ―ティングボルト・ハンマーファイア
より極端にしたボーイズというような雰囲気すらあるが、ガンジーザスの撃っている様子を見るにショックアブソーバーがかなりいい仕事をしているようだ。
 
20mmの弾気持ち良すぎだろ!

ダネッ
&ref(): File not found: "ntw_bolt.jpg" at page "砂場/2";

  • 20mm口径の対物狙撃銃にしてはロッキングラグの高さが抑えられているように感じる。
    • これもマルチラグの賜物だな。
  • またボルト胴体に比べボルトヘッドが窄まった寸胴ボルトの特徴も備えている。
    • が、コッキングハンドルがボルトの引き抜きを補助する機構を備えていて、この部分が出っ張っているので微妙?
 
HS.50
404 not found.png主な弾種.50 BMG
生産期間2004-
備考2ラグローテ―ティングボルト・ハンマーファイア
至ってシンプルな大口径ボルトアクションライフル。
ファルコンと同様、マガジンの有無を選択可能なんだそう。
 
HS.50のボルト

HS.50のボルト
&ref(): File not found: "hs50 bolt.png" at page "砂場/2";

  • 特に言うことはないなんともジェネリックなボルト。
 
JS05
404 not found.png主な弾種12.7x108mm
生産期間2015-
備考2ラグローテ―ティングボルト・ストライカーファイア(?)
この手のライフルでは一般的な左側に取り付けるタイプの弾倉がある。
 
JS05のボルト

ごく少数の配備に留まっているようで、手がかりは少ない。
&ref(): File not found: "Boys_ATR_Bolt-comparison.jpg" at page "砂場/2";

  • ボルト胴体左端の切り欠きの形状や、ストライカーのシアーを受ける部分の雰囲気からするとコックオンオープンの用に見える。
  • なので、もしかするとマウザーアクションの範疇に入れても良いかもしれない。
 

 
 

 

コメント


*1 弾丸が銃身を通過するときに受ける抵抗。銃身から見ると前方に引っ張られるような力を受ける。
*2 ただしアンビ対応はしていないようだ。この辺りの無配慮さはロシアらしい
*3 装填する場合はこの逆の手順で更に2動作
*4 ここだけ見るとボルトキャリアとも呼べそう
*5 この辺りの事情は同じく横向きにロックするモシン・ナガンにも共通している。
*6 初めからマウザーみたいに縦向きにロックすれば苦労が無かったのでは?と思うが、何らかの事情があったのだろう。
*7 が、この時代のクロ―エキストラクターはむしろ標準的