MHFで登場するG級スキルにして、ラスボスの1体であるシャンティエンの防具、
ショウロウ、ミタマG系統専用スキル(断言できる理由は後述する)。読みは「おんちょう」。
+1~3と3段階あるが、これは発動条件の違いのみで実際のスキル内容に相違はない。
目次
概要
- 広義では複合スキルに該当するスキルではあるが、
極めて特殊な発動条件を持つ特殊スキルである。
恩寵が発動すると これら9つのスキルを発動させる。
これだけなら、現環境では微妙なスキルばかりであるものの、
1つのスキルで9種のスキルを同時発動、というすごい複合スキルに思えるのだが…
- 恩寵によって発動するスキルの中に、当時の装備環境では両立が非常に困難で強力なスキルが大量に存在している。
さすがはMHF-G時代にラスボスの1体と言われたシャンティエンのスキルと言えるだけはあるか。- なお、同じスキル系統の内、上位スキルを発動させている場合は、そちらの効果が優先される。
問題点
- 上述したとおり、このスキルは1つのスキルで9種のスキルを同時発動するものとなっているが、
恩寵以外の発動スキル総数が恩寵のスキル段階の数値未満の場合のみ
というとんでもない発動条件が設定されている。
つまり恩寵を発動させるには、恩寵+3であれば他に欲しいスキルを2つ以下に調整し、
その他の余分なスキルは一切発動させてはいけないのである
(例えば、恩寵+1の場合は恩寵以外のスキルは絶対に発動させてはいけない)。
- 言い換えれば、1つのスキルで10個のスキル枠を消費するスキルと言える。
その為当スキルは広義では複合スキルであるのだが、実質的には複合スキルと見なされていない。
- ショウロウGとミタマGは恩寵しかスキルがないわけではなく、
「剣術」や「射手」など他のスキルもある。
一応一式ではちゃんと恩寵の各スキルが発動するよう設計はされている
(GX一式で発動スキルが恩寵+3、剣術+2(剛弾+2)の2つのみのため、条件は満たされる)が、
恩寵のせいでそれ以外の発動可能スキルはたった1つしかない、
文字通り恩寵発動のためだけに存在する防具であると言える。
- ショウロウGとミタマGは精錬も可能だが、他の防具に恩寵を発動させるのは困難を極める。
何故なら同装飾品には剣術や射手のSPが必ず含まれるため、
防具に一切の(ありとあらゆる)スキルポイントがないという仮定でも、
恩寵+3まで発動させるとショウロウGX・ミタマGXと全く同じ状況になる。
そしてMHFには「スキルポイントが一切ない防具」は存在せず、
思い通りのスキルどころか、恩寵をまともに発動させることすら不可能に近いだろう。
- このことから、公式が言及する通り、恩寵はシャンティエン防具専用スキルとなっているのである。
とはいえショウロウにせよミタマにせよ、G級防具のてこ入れが行われる前の世代の防具であり、
恩寵の効果自体も後述するが今となっては陳腐化が激しく、
ショウロウ・ミタマを主力にして使うことすら厳しいと言える。
- 恩寵の効果についてだが、今となっては残念ながら微妙の一言に尽きる。
現環境において「攻撃力UP【絶大】」と「一閃+3」は俗にいう剛閃6構成という、
G級昇格直後のハンターの間では割とメジャーなスキル構成である。
が、それ以外の効果については段階が最終段階ですらなく、
それらが最終段階まで強化されたのと同等以上の構成である、
剛撃+3・一閃+3・豪放+3・要塞+2・回避性能+2・女神の抱擁という構成は、
G級昇格から間もないハンターでさえ容易に実現できてしまう。
つまり、上記の厳しすぎる制約を背負う意味が全くないのが現状である。
- 本スキルがこのような中途半端な構成になった理由はいくつか考えられ、それらは後述するが
少なくともMHFのサービス終了に至るまで、当スキルを運用する利点はほぼ皆無であった。
- MHF-Zでの大幅スキルリファインの際も恩寵についてはノータッチとなっており、
運営的にもどう頑張っても矯正不可能と匙を投げられたことがうかがえる。
発動させるために他のスキルを犠牲にする必要がある大きなデメリット、
特異個体との戦いにすら頼りない時代遅れの保護スキル、
コンセプト重視の複合スキルとしてみても中途半端な設計、
とMHF-Zのアップデートで修正された他のスキルと比べても修正するべき問題点が山積みなため、
恩寵を他のスキルときちんと差別化しながら実戦で使えるようにするには、
スキル自体の効果を原型が残らないほどの完全新規の効果に入れ替えるしかないと思われる。
- 先述の通りMHF-Z現在では利用価値が皆無となってしまっている本スキルではあるが、
実装直後(MHF-G2)の時点では「攻撃力UP【絶大】」と「一閃+3」は両立がほぼ不可能なスキルであり、
これをどうにか実用できないか、半ばネタ的な意味も相まって模索されていたのは事実である。
興味のある人は以下の折り畳みを参照のこと。
- 基本的には上記のように扱いづらいスキルではあるが、
敢えて言うなら、ガードが可能でステップによるフレーム回避を得意とし、
スーパーアーマーが少ないことから風圧を防ぎにくく、
さらに抜刀や納刀も遅いランスとの相性は悪くない。
G級武器であれば斬れ味レベル+1無しでも優秀な斬れ味を持つ武器は結構ある。
ただし特異個体相手の運用に難があるが。
- シャンティエン防具の剣士一式で発動する剣術+2は邪魔になることも多いのだが、
ガンナー一式で発動する剛弾は全てのガンナーにとって汎用的に有効。
特に武器捌きの恩恵が大きいヘビィボウガン用の防具としてはそれなりに強い。
- シャンティエン素材を唯一得られる極限征伐戦はMHF-G前半期の主要コンテンツであったことから、
当時これをやり込んでいるプレイヤーからみれば、シャンティエンの素材は、
現在の新規プレイヤーからは想像もつかないほどに持て余しがちな素材であった。
サブキャラクターに送って一式を生産してやれば手頃なG級防具として活用できる。
ただしこの地位さえエントラシリーズの存在によって揺るがされている。
また、ショウロウ&ミタマGの時点ではGR4相当の防御力しかなく、
GF・GXでは頭破壊12%のレア素材(現在は特定レベルの報酬で入手可)である天翔龍の角が必要となってしまう。
最近ではエントラに続いて作成出来るラースシリーズが炎寵を発動出来るうえ、こちらは他のスキルとも両立が容易なため、
「9スキル分の複合」という数少ないアイデンティティさえも薄れてきてしまっている。
- 他に意外な活用法としてラスタに組み込むというのがある。
ギルド信頼度が初期状態だと4枠までしかスキルが発動しないが、
恩寵を発動させることで初期状態でもフルスキルに匹敵する性能を持たせられる。
信頼度を解放するには結構な手間がかかるので初心者やサブキャラ用としては重宝されるだろう
(信頼度を上昇させる必要があるのは貸し出す側ではなく、ラスタを借りる側であるため)。
ただし発動条件は変わらないため、恩寵+1で済ませる場合は
ラスタに恩寵以外のスキルを発動させてはいけない。
特にいたわり+1を搭載できないのはラスタとしては致命的である。
現状では火力面よりサポートが重視されるラスタ界隈においては、
豪放・激励・いたわり+1の3スキルがあれば、
ギルド信頼度が初期状態でもサポート用ラスタとしては十分機能するようになる
(この3スキルは発動優先度もかなり高く、通常のラスタ装備を組んでもまず押し出されない)。
従ってラスタ用としてのスキルとしても恩寵は微妙である。
- ちなみにショウロウ/ミタマGXは火・水・雷に高い耐性を持っていることや
発動スキルを考えると実はシャンティエン自身のと戦闘に対してかなり相性が良い。
上述したように強振動を防げないという欠点はあるが、強振動自体は第4段階では使用しないため
それ以外に関しては割と問題が無かったりする。
ただしいずれにせよ、もう1つしかスキルの余裕がないので、
レベル3桁以降で有効な真根性を付けることはできないし、その他スキルにしても構築に難があるという状況は変わらないが。
- ちなみにG3から登場したスキルカフ「G恩寵カフSA1」は恩寵+6のSPを持つため、
スキルカフでスキルの打ち消しを計らなくてもいい場合に限り、発動が少し楽になる。
ただし必要素材は天翔龍の霊毛x2(準レア)、天翔龍の翡翠晶x1(剥ぎ取り希少素材)、
天翔龍の角x2(部位破壊限定12%)とレア素材を大量に使用する。
- 秘伝防具で発動させる場合の難点は割愛する。
なお、絶大&一閃+3自体は、恩寵+1より遥かに多大な手間と時間とGzを要する上に汎用性が皆無になるが、
もう1体のラスボスの装飾品で可能になった。
- ちなみにこの防具の実装が行われたMHF-G2時点では、次のアップデートで
「秘伝防具の装飾品精錬」が行われる予定であった*1。
それを意識しているのか不明だがショウロウ・ミタマともGX防具にすると、
丁度装飾品スロットが5個だけ空き、GGで実装される精錬装飾品(以下:秘伝珠)を入れると秘伝スキルが発動可能になる。
ただし他のSPも備えている防具なので、
秘伝珠を使う場合は余計なスキルが出ないように注意する必要がある。
秘伝防具に恩寵を組み込むよりは楽なのだが…
剣士は玄武・双龍珠など剣術がサブスキルになっている秘伝珠を使うことでローリスクで発動は可能。
秘伝スキルには超高級耳栓の効果も内包されているため、
秘伝珠の種類を分散させればショウロウ・ミタマ一式の欠点を少しだけ埋めつつ秘伝スキルだけを追加することも出来る。
ただ、いずれにせよ精錬装飾品では大秘伝(=斬れ味レベル+1、ガンナーは攻撃力1.2倍→1.4倍)が出ない上に、
極限征伐戦で欲しい真根性スキルを内包する怒スキルは諦めることになるため、
使いにくいことには変わりないのだが。
余談
- このスキルの存在自体は、Gへのアップデート直前に行われたMHF最後の宴にて公開されていた。
例のプロデューサーの落とし物から見られる情報であった。
その時点では「恩寵」のスキル名と、9種類のスキルが発動することだけが明かされていたので、
大いに期待されていたのだが蓋を開けてみれば上で述べた通りである。
- なおこれほど使いにくいスキルになったのは、当時のG級システムの想定と、
スキルが導入されたMHF-G2の環境にあまりにも開きがありすぎたことにある。
元々G級システムはG級新モンスターの防護スキルの段階からも概ね想像できるが、
特異個体相手ではなくノーマルモードで挑むことが大前提であり、
更にG級=ゲーム性のリセットという概念を多分に含んでいたことから、
既存防具は一切使われず、装飾品スロット数の少ない、
GF防具のみでG級を攻略することを前提に設計されていたのである。
その環境であれば確かに恩寵は極めて強力なスキルとなりえたのだろうが、
実際にはG級先行テスト・MHF-G1にてそのコンセプトは多くのプレイヤーに否定されることになり、
豊富なスキルを搭載可能な防具が利用可能で、モンスターも強力な特異個体が中心、
更にGX防具の実装前倒しなど様々なテコ入れが行われたが、
恩寵は特に変更の無いまま実装されており、実際の状況との乖離が非常に大きくなってしまったのである。
当初は強引に使う手段も模索されていた(一閃+3と【絶大】の併用は当時極めて難しかった為)ようだが、
MHF-G3で防具環境が更に改善された結果、使い道がほぼ無くなってしまった。- 恩寵+3では恩寵・9個の発動スキル・2個の追加発動可能枠で合計12スキルとなり、
丁度G級防具5部位のスキル枠12と合致する(実際は11個分しか発動しないのだが)。
その為ショウロウ・ミタマGシリーズは、もし本来の(想定通りの)環境のままであれば、
かなり強力な装備になっていた可能性もないとは言い切れない。
- 恩寵+3では恩寵・9個の発動スキル・2個の追加発動可能枠で合計12スキルとなり、
- ちなみに1つのスキルで多くの強力な効果が発揮されるG級スキルは恩寵以外にもあるが、
発動と同時に死神の抱擁が付いてきたり、
そもそも一度力尽きないと発動せず、発動後は時間制限が付いていたりと曲者揃いである。
発動難度が極めて高いが特にこれと言ったデメリットが無い分、恩寵はまだマシなのかもしれない。
だとしても、使い道がないことには変わりないが。
GGでは似た名前のスキルが実装され、こちらも9つのスキルが同時発動する。
こちらは発動に特殊な条件が無いのが特徴である。
- MHF-G9では実質的にこのスキルの完全上位互換になりうる不退ノ構が登場。
不退ノ構は風圧無効や耳栓などは備わっておらず、更に根性や絶対防御態勢を無力化するペナルティがあるが、
発動SPを持つ装飾品には極シリーズを除き三界の護り+3が備わっているため風圧・耳栓・耐震のカバーは容易であり、
ペナルティについても、恩寵+3の発動環境下ではそもそも真根性や絶対防御態勢の発動は無理である。
また、女神の赦しについても不退ノ構を発動可能なプレイヤーなら歌姫の歌によって気軽に女神の抱擁の効果を得られる。- 恩寵も元々真根性などに頼らない想定で設計されていたため、
ある意味では不退ノ構は恩寵の後継者と言えるかもしれない。
一応、恩寵の利点としては、装備の作成難易度が低い点と、
魂の再燃と根性札(グレート)が利用できる点が挙げられる。
- 恩寵も元々真根性などに頼らない想定で設計されていたため、
- 現在では殆ど用いられることはないスキルである黒ノ命脈と代償でさえ、
一応何かしらの使い道が見出されてはいるが恩寵は皆無であり、
要望等も少ないのかスキルの発動条件や効果の見直しなどが行われることもないままサービス終了が決定してしまった。
また、恩寵発動防具もショウロウ/ミタマシリーズのみである。
従って、MHF-Gで追加された新スキルの中でもぶっちぎりの不遇スキルであると言えるだろう。
上述したように当初は強引な使い道を見出し、
実際に何らかの方法で用いていた人が居ないわけでもなかったのだが、
「生まれる前から死んでいたスキル」と言われることも多い。
- 毎日イベントにおいて頻出する課題の「防具はスカルフェイスのみ」との相性は非常に良かった。
武器の装飾品スロットも必要だが、シャンテ射珠GX3を4個使えば、
スカルフェイスの持つ死神の抱擁を打ち消して恩寵+1を単独で発動できたためである。
そのため、「防具はスカルフェイスのみ」という制限下においては、他に例を見ないほどスキルを充実させられた。
もっとも対象となるクエストは凄腕(HR5)相当だったので、スキル無しでもNPC任せで十分クリアできるのだが、
リファイン以前の極限征伐戦をやりこんで素材が余っている場合は試す価値はあった。
しかし、MHF-ZZアップデートにおける毎日イベントのリファインにより、前述の制限も撤廃されてしまった。
これにより、元々皆無に近かった本スキルの価値もさらに落ちることとなった。
- 秘伝スキルカフと併用した場合、秘伝スキルは「発動しているスキル」とは見做されなくなる。
つまり恩寵+3であれば、恩寵と秘伝スキルに加えてさらに2種類のスキルの発動が可能になる。
まさかの上方修正だが、それでも利用する価値はなく、実用には程遠いスキルであることに変わりはないだろう。
- MHWorldのシリーズスキルにおいて、一部のシリーズスキルの名前に「◯◯の恩寵」と言うものがあるが、
奇しくも一式(に近い装備構成)が求められるという類似点がある。
物やランクによっては2部位で発動する上に発動難易度や自由度はシステム面を考慮しても雲泥の差だが
関連項目
モンスター/シャンティエン
システム/複合スキル
スキル/代償 - 強力なスキルが多く発動するG級複合スキル。ただしオマケで死神の抱擁が付く。
スキル/黒ノ命脈 - 同じく9個のスキルが同時発動する。が、こちらの発動条件は「ハンターが力尽きる」こと。
スキル/炎寵 - 同じく9個のスキルが同時発動する。こちらは発動条件・ペナルティは無い。
スキル/不退 - とあるペナルティの下、極めて強力な火力スキルが発現する複合スキル。