MH2で登場した、グラビモス素材による火属性の片手剣。
怒りに染まる黒衣の炎剣。重く巨大なその姿は、火山の主そのものである。
目次
概要
- 石の燭台を思わせる柄に、赤熱した短い刀身を備えた片手剣。
大型の円盾には鎖が交差して掛けられており、重厚な雰囲気を醸し出す。
- 重厚なグラビモスの甲殻を惜しげもなく使用することにより、
属性特化のゴールドマロウとは逆に物理攻撃力を重視した性能となっている。
が、重たい素材が片手剣という武器種に対して相性が悪いらしく、非常に高いマイナス会心も併せ持つ。
片手剣は属性値が重要な武器種であり、物理で攻める場合は突出した性能が必要とされる。
ゴールドマロウが属性特化型ながら斬れ味や攻撃力のバランスも良い優秀な武器であったのに対し、
このような残念性能を持って生まれたアグニは一躍ネタ武器としての地位を確立してしまった。
- ハンター大全2によれば、独特の形状をしたこの刀身はグラビモスの親指を模しているようだ。
また、振った時の効果音もやたら派手である。
抜くと刀身が赤熱する「ボウッ」という音が、
収めると急激に冷やされるかのような「ジュウッ」という音が鳴る。
性能
MH2・MHF
- レッドサーベルをイフリートマロウではなくコロナに派生させ、
さらにそこからゴールドマロウではなくフレイムサイフォスに派生させることで完成する。 - そのマイナス会心は全武器種の中でもトップクラスの酷さであり、
初登場のMH2及びその仕様を引き継いでいるMHFにおいては、脅威の-40%を誇る。
しかもMH2のマイナス会心補正は物理ダメージ半減と凄まじかったため、今以上に実用性が疑問視されていた。- このせいで、なんと今作では下位武器のイフリートマロウといい勝負をしてしまう。
匠で白を出しても物理性能は白時240相当であるのに対しイフリートマロウの青は225と
MH2のぶっ壊れな白ゲージ補正を以てしてもMHP2G以降の攻撃力UP【中】程度の差しかつかず、
その上で属性値で大きな差がついている&スロットにも差がないことから、
ひとたび互いに1段階ゲージを落とそうものならその瞬間からイフリートマロウが勝ってしまう。
アグニの匠白は20しかなく、現行シリーズにおける業物なども期待できない以上非常に苦しい差である。
ルーパー装備などで見切り+1&斬れ味レベル+1として会心率-30%にするだけでも大分マシにはなるが、
その場合も匠による最大ゲージでの火力こそこちらが頭一つ抜けてはいるものの
それ以下の斬れ味となったが最後、やはり属性で普通に覆りかねない。 - 更に言えば、あちらは下位素材それもコモン素材しか用いないのに対し
こちらはグラビモス亜種の上位素材や鎧竜の骨髄を使うなど制作難易度の差があまりにも大きい。
イフリートマロウがあの性能であの制作難易度ならば、
アグニはせめて会心0%にしても許されたのではなかろうか…。
- このせいで、なんと今作では下位武器のイフリートマロウといい勝負をしてしまう。
- 性能面だけを見ればはっきり言って作成する価値は皆無であるのだが、
デザインは非常に秀逸であり、こちらを目当てにコレクションとして作成する人は多い。
MH2の説明書で片手剣のページに使われ、男性ランポス系装備との組み合わせが絶妙だったのも大きい。
またその外観に反するネタ性能から一部では変な方向に神格化され、
ついにはアグニテンプレなるコピペまで作られてしまった。
- MHFではアップデートごとに爆剣アグニ→狂神剣アグニと強化先が追加され、
攻撃力350に火属性値480と、攻撃力だけなら剛種武器やHC武器にも迫る勢いである。攻撃力だけなら。
一応、会心率は爆剣で-30%、狂神剣で-20%と次第に改善されている。- 爆剣アグニの実装当初、一部の愛好家はこれを使って祖龍ソロ討伐を達成してしまった。
- SP武器バージョンとして、青色に変化した水属性のアクアサイフォスSPも存在する。通称アクアグニ。
が、こちらはSP武器の共通規格として会心率が0%なので、
「こんなのはアグニじゃない!」と泣き叫ぶ人が後を絶えないとか。
振ると、その厳つい外見とは裏腹に、清涼な水飛沫。
MHP2(G)
- MHP2にも当然ながら続投。
会心率は多少マシになったが、それでも-25%、見切り+3をつけてようやく相殺できるという有様である。
一応、マイナス会心補正についてもMH2の頃ほど酷くは無くなったが、やはり引き続き立場は厳しい。
- 一部での妙な人気を受けてなのかは不明だが、MHP2Gでは炎神剣アグニへ強化可能となった。
会心率-15%と多少改善されており、ようやく実戦でも使えないことはない程度に。
MHP2Gではあのゴールドイクリプス(ゴールドマロウの強化先)と同等のスロ2に、同等の紫ゲージ30を備える。- ただ、それでもやっぱりゴールドイクリプスの壁が高く、
よっぽど物理に弱い部位でないと抜けない。
しかも、数少ない対等以上に渡り合いうる場面に関しても、
両者に見切り+2が付いているという前提で僅差で上回る程度である。
下手をするとゴールドマロウ改にすら負けかねない上、
敵次第では一旦白ゲージ以下になればゴールドマロウの魔の手すら迫ってくる有様である。
尚ゴールドマロウは上位武器である。
- ただ、それでもやっぱりゴールドイクリプスの壁が高く、
- その代わりなのか作成難易度は堅殻や重殻、あと若干の延髄だけで入手可能と、
レア素材はほぼ皆無に等しいのでゴールドイクリプスと比較するとかなり簡単。
延髄×6が少々厄介ではあるが、幸い片手剣とグラビモスの相性は良い方なのでさほど問題はないだろう。
更にいうと、片手剣とリオ系の相性は悪くはなくとも決して良い訳ではないのも追い風である。
ウカムルバス前に作れる上に、レア素材を使わない片手剣としては一番強力になるので
一点突破で作るのも悪くはない。
またその前のシェンガオレン戦でも、
ゴールドイクリプスを除けば総合的に見て一番火力を発揮しうる片手剣である。
- G級のヒプノック討伐訓練を受けると、この豪剣アグニで出撃する。
実物を見てみたいけどボックスの肥やしになりそうなものを作るのはちょっと…という人でもこれで安心。
肝心の訓練の中身だが、全身クックUシリーズのためにマイナス会心もある程度緩和され、
属性強化で属性値も底上げされているため他武器と比べれば容易である。
MH4
- MH4でグラビモスが復活し、それに伴い豪剣アグニも再登場。
本作でも攻撃力は294とかなり高く、火属性値も十分実用範囲内の300。
しかし、相変わらずの会心率-25%で、斬れ味も素で緑と相変わらず。
結局本作でもネタ武器かと思われた…のだが、
なんと匠で非常に短いながらも白ゲージが出現。
さらに、長らく目の上のたんこぶだったゴールドマロウが物理特化型に変更され、
本作では火属性値をたったの200しか持たないのである。
基本的には、デフォ白ゲ、十分な攻撃力という強烈なスペックを備えたゴールドマロウの方が上なのだが、
徹底した属性特化構成にすれば、場合によってはこのアグニが上回ることもあるという事態となった。
明らかにこれまでのシリーズとは立場が逆転している。
とはいえ、斬れ味がかなり重視される片手剣でこの斬れ味はとても使えるレベルではないため
業物や砥石高速なしでの運用は不可能といっていい。- ただしMH4では真打+業物が組みやすい為、高い火力を上げつつ実用的にすることも可能。
それでも片手剣としてはかなりつらいところ。
- ただしMH4では真打+業物が組みやすい為、高い火力を上げつつ実用的にすることも可能。
- また、火属性片手剣にコラボ武器であるマスターソードが追加された。
こちらはアグニよりさらに上を行く覚醒で火属性400を誇り、
デフォルトで長大な青ゲージまで保持している。
ただし攻撃力はアグニの圧勝なので、瞬間火力のアグニ・物理汎用のゴールドマロウ
火属性特化のマスターソードと棲み分けができている。
MH4G
- 恒例の炎神剣アグニの先に、グラビモス亜種の素材を追加する事で、
さらなる強化先の炎魔剣イフリート、最終強化として炎魔神剣イフリートが登場。
能力値はというと、攻撃力420に火属性400を備えるいつもながらの高火力。
会心率も-20%、スロ無しと頑固なところも相変わらずではあるが。
斬れ味は素でもそれなりの青ゲージを持っており、物足りないながらも匠で白までは出現する。
おまけの防御力+30も、敵の火力が天井知らずを誇っている今作ではありがたい。- 外見も伝統のデザインからさらなる進化を遂げた。
もはや溢れる熱量を抑えきれないのか、納刀状態から煌々と明滅するようになる。
盾にも同色の文様が浮き上がり、闇夜に光るその様はまさに炎魔神の名にふさわしい風格。 - 説明文も変化しており、憤怒に滾る黒鎧竜の溶岩剣であるそれは、
地の底に封印されし赤き怒りが魔神となりて立ちふさがるという。
- 外見も伝統のデザインからさらなる進化を遂げた。
- 発売後しばらくの間はG級リオス希少種のクエストが配信されておらず、
これにより、永遠のライバル(?)であるゴールドマロウは最終強化不可能という窮地に立たされていた。- ゴールドラディウスの状態のままでは数値は攻撃力336、火属性260であり、
会心と斬れ味を加味しても属性値400、極限強化で攻撃力448に達する炎魔神剣には到底太刀打ちできない。
- ゴールドラディウスの状態のままでは数値は攻撃力336、火属性260であり、
- さらに、なぜか強化先が追加されたマスターソードGは運用にややスキル選択の幅が狭まり、
復活した斬れ味の鬼デゼルヴェントも、物理重視型故に覚醒でようやく火属性200という低めの数値のため、
アグニが最も使い勝手が良い火属性片手剣という異常事態が発生していた。
金銀夫妻のクエストが出てくるまではウカムルバスなどの多くの火属性弱点の相手に対する一振りとして、
真面目に採用することが可能だったのである。
- と、ここまで見ると今までスルーしてたけど作ってみるかと考えた片手剣使いの方々もいるだろう。
そして豪剣アグニから炎神剣アグニの強化先を見た瞬間、頭が停止する。
まさかの岩竜の重殻と剛翼…G級バサルモスの素材、即ちギルドクエストか探索が現状では必須。
探索に赴くか悩んで作るのを止めるか、見てしまったからには作るかはあなた次第である。
- しかしながら、のちにリオス希少種のクエストが配信されたことで状況は一変。
ゴールドラディウスの上にプラチナムドーン…
…だけでなくさらに上のアニュラ=ソルという強化段階まで存在していたことが判明したのである。
気になるアニュラ=ソルのスペックはというと、攻撃力・属性値ともに炎魔神剣に迫る勢いで強化されている。
それだけでなく、あちらは炎魔神剣が出せない紫ゲージの斬れ味まで匠でそこそこの長さが出現する。
炎魔神剣が持っていないスロットも1つ保持し、当然ながらマイナス会心なんてものもない。
同じくMH4の頃からのライバルであるマスターソードGは属性値の高さでソルとの差別化が図れなくもなく、
デゼルヴェントの方も物理型故にゴグマジオスの肉質軟化役や大連続狩猟への持ち込みなら活躍できるのだが、
こちらの炎魔神剣はバランス型ということもありほぼ完全な下位互換となってしまっている。
残念ながら、現在はソル完成までのつなぎという立場に甘んじることとなってしまった。- だがしかし、それでも全く使えない性能というわけでもなく、
実戦でもそれなりに活躍が見込めることには変わりはない。
アグニに思い入れがあるのならば、採用してみるのもありかもしれない。
そもそも金レイアとは面倒なエピソードクエストを進めないと戦えないわけだし
- だがしかし、それでも全く使えない性能というわけでもなく、
- 「イフリート」という武器銘に馴染みのある片手剣使いは多いだろう。
もともとはイフリートマロウやハイイフリートといった、リオレウスの片手剣に冠する銘であった。
特にイフリートマロウは初代MHから本作MH4Gに至るまで続くまさに伝統的な武器であった。
しかし、近年ではイフリートマロウがゴールドマロウへのつなぎという立ち位置になってしまったため、
最終強化としてその銘を残すことはなくなっていた。
過去作ではそのイフリートマロウのライバルであったアグニが、最終強化として「イフリート」の銘を受け継ぐのには、
何か因縁めいたものを感じさせる。
MHXX
- グラビモスの復活に伴い再登場。
グラビモスが上位からの登場なので、この武器もレア度5の上位武器となっている。
- このフレイムサイフォス系統の生産方法は3つある。
一つはライバルであるバーンエッジ系統から派生して生産。
もう一つは上位グラビモス素材で一発生産。
そしてG級素材を用いて上位最終形態の豪剣アグニを一発生産。
集会所と村上位にクエストがあるのでそのついでに生産することは難しくない。
- 豪剣アグニの段階では会心率-25%が足を引っ張り、他の火属性片手剣に遅れをとっている。
だが、無論今作はG級こそ本番であり、ここから劇的な成長を見せる。
究極強化で炎神剣アグニとなる。その性能は……- 火属性片手剣3位の攻撃力330
- 十分な火属性値30
- 会心率は-15%まで改善
- 斬れ味レベル+2で紫ゲージ20
- 生産段階から据え置きだがあって損はない防御力+20
- 残念ながら最後までスロットはなし
3位の物理火力も、紫ゲージの出る火属性片手に限定すればトップに躍り出る。
マイナス会心も刃薬でプラスに出来、短い斬れ味も剛刃研磨や刃鱗、絶対回避【臨戦】でフォロー可能。
今作のいい環境にも恵まれ、高性能な片手剣となっている。 - ライバルはディノバルドの片手剣、大斬閃カシオヴァ。
- 攻撃力320と安心の会心率0%で追随し、匠の紫ゲージ40を持つ業物。属性値も33とわずかに高い。
スロットも1つあるが、あちらは防御力ボーナスがない。
向こうの方がやや有利だが、実質好みで選んで問題はない。
- 攻撃力320と安心の会心率0%で追随し、匠の紫ゲージ40を持つ業物。属性値も33とわずかに高い。
- そして最大のライバルといえば、アグニと馴染み深い関係を持つゴールドヴァリオトスだろう。
- 攻撃力が310と低いがこちらもカシオヴァ同様の会心率0%、その上火属性値が44とかなりの差を持っている。
紫の長さは同じだが素の白はあちらが少し長い為、継戦能力ではわずかにリードされている。
さらにスロットを2つも持っており、
攻撃性能、スキル自由度、共に隙がない武器に仕上がっている。 - しかしアグニも装備をしっかり整えれば、ヴァリオトス以上の活躍を期待出来る可能性を持っている事も事実。
かつてのライバルとここまで互角にぶつかり合える性能を手に入れただけでも、
素晴らしい成長をしたと感じるだろう。
さらに火属性片手剣唯一の狩技ゲージボーナスまで持ち合わせた
シンヴァルツマロウと比較すると勝ち目は薄い。
とはいえ、あちらは製作難度がぶっちぎりで高いので、それまでの繋ぎとしても十分である*1。 - 攻撃力が310と低いがこちらもカシオヴァ同様の会心率0%、その上火属性値が44とかなりの差を持っている。
- なお、かつてアグニが持っていた会心率-40%は、
こちらと同じく今作で復活したボルボロスの片手剣削岩剣ボルボルボが受け継いでいる。
そしてそれと同時に今度はあちらがネタ武器という称号を受け取っていくのであった。
MHST
- グラビモスが登場したためこの武器も当然の如く参戦。
ストーリーも中盤に入り、ドヴァン火山を冒険する程度まで進むとグラビモスが現れるため、
そこまできてようやく前段階のフレイムサイフォスを作ることができる。
アニメ寄りのグラフィックになっても、その重厚で何とも言えないかっこいい見た目は変わっていない。
- フレイムサイフォスの性能を見ると、目を疑うような内容が書かれていることに驚くはず。
いつも通りの火属性に加え、なんとデフォルトで会心率が5%あるのだ。
MHSTはシステム上、バッドクリティカルと言うものが存在しない作品ではあるが、
クリティカルの効果自体はメインシリーズ以上に強力なため、かなりうれしい長所と言える。
また、装備中は味方1体の火耐性を上げるファイアガードという特技も使用可能。
火属性の使い手が多い本作においては心強い味方となってくれるだろう。
- 条件を満たすことで上位強化ができるようになり、施すことでお馴染みの豪剣アグニに名を変える。
最後まで強化すればディノ片手剣に逆転できるかもしれない…そう考えつつ強化をしていくと、
最終的に攻撃力は112、火属性8という数字になる。
この数字、実は灼炎のプロミナーの強化型、斬竜閃カシオールの最終段階と寸分違わず同じなのだ。
つまり、最終的にはどちらを選んでも全く同じということ。
こうなったらもう思い切って見た目で選んでしまっていいだろう。
余談
- 武器名に『アグ』とついているが、アグナコトルの武器ではない。詳細は後述。
ちなみにアグナコトルの片手剣は未だ存在しない(幼体の武器はある)。
- 強化前に当たるフレイムサイフォスの「サイフォス」とは
古代ギリシャなどで用いられていたとされる両刃の片手剣のことであり、
強化後のアグニはインド神話に於ける火の神を指す。
ラテン語ではイグニスとなり、こちらの名を冠した武器も存在する。
最終強化形態のイフリートはイスラム教に於ける魔神。
煙のない焔から生まれ出たとされ、転じて創作作品では炎を司る精霊としても扱われる。- ちなみに上記のアグナコトルの名前は「アグニ」+「コアトル*2」が由来とされているため、
豪剣アグニとは元ネタが共通している。- ライバルであるリオレウスの片手剣にも「イフリート」の名を持つものが存在している。
- ちなみに上記のアグナコトルの名前は「アグニ」+「コアトル*2」が由来とされているため、
関連項目
モンスター/グラビモス
武器/グラビド武器
武器/武者備え - 最終強化が同じ「豪剣」の銘を冠する、ダレン・モーランの水属性片手剣。
武器/ドラグロメイス - MH3シリーズに登場した会心率マイナス40%の後継者。無属性だが、覚醒を発動すれば麻痺属性が現れる。
武器/シュトル=エルダオル - アグニをさらに下回る会心率マイナス45%を持っている。