文武に優れた士が遺した雅なる
大剣。乱れ咲きたる桜の下、獲物
はその身を裂かれ、息絶える。
(狐大剣ハナヤコヨヒノ)
眼前に散るは儚き命。雅なる剣
は旭に照らされ薄色に輝いた。
狐大剣ハナヤコヨヒノ強化/最終型。
(あかねさす紫剣の朝斬)
愛し君の行く末をこいねがい、
悪しき縁を断つは薄色の剣。
願わくは百世不磨の風格たれ。
(あかねさす紫微両断剣)
MHXで初登場した、泡狐竜タマミツネの素材で作られた大剣。
本項では、MHXXで登場した二つ名持ち個体の天眼タマミツネ、
及びMHR:Sで登場した焔狐竜タマミツネ希少種の武器についても扱う。
目次
概要
- 雅なる剣の解説通り、剣そのものに桜模様が散りばめられており、
桃色と紫色のグラデーションで塗られた剣身は、光の当たり方で色を大きく変える。
性能
MHX
- 肝心の性能だが、生産段階で
- 攻撃力130
- 水属性25
- 斬れ味は少し長い程度の緑ゲージ
- スロット1
強化するごとに攻撃力は10上がり、水属性値も若干ながらも上がる。
LV3から会心率も10%上がり、斬れ味レベル+1でそのまま青ゲージが出るようになる。
LV4以降からは素で青ゲージがデフォルトとなるが、若干短めなのが難点。
- 強化の途中、LV2で天廻龍シャガルマガラの素材を求められ
Lv3で泡狐竜の逆鱗、LV4で上位タマミツネの素材、さらにはLV5で獰猛化素材を求められる。
そして、LV6への強化に泡狐竜の水玉と、獰猛化タマミツネの素材を使うことにより
この武器はあかねさす紫剣の朝斬となる。その性能は- 今作では平均的な攻撃力200
- 水属性38
- 斬れ味は短めの青ゲージだが、斬れ味レベル+2で長い白ゲージが登場
- 会心率10%
- スロット1
水属性が弱点のモンスターが若干多い今作における相性は抜群であり、水属性武器で困ったら
まずこれを作れと言われてもおかしくない汎用性を誇る。
説明文の「雅なる剣は旭に照らされ薄色に輝いた」とある通り、様々な強化を経ることで
この武器は最終型に相応しい性能へと進化を遂げた。
- 本作は水属性大剣が多く、どれも高い性能を有している。
しかし、ザッシュブレイドと水刃剣ガノトトスは上位に入らないと生産できない他、
天嵐ノ剣【一天陽光】とグランウィルガシザーは素材となるモンスターの強さもあってか、強化難易度は非常に高い。
よって、下位から水属性大剣を使っていきたい場合はこれが無難と言える。
…が、攻略段階ではセルレギオス武器が優秀で、属性があまり有効ではない大剣では
チェーダアルザバル系統1本あればいいと言われるほどなので役に立つかどうかは微妙なところ。
最終装備としても匠の重さから属性大剣自体が素白大剣に見劣りしがち。
MHXX
- 続編のXXでは二回の強化を経て、究極強化のあかねさす紫微両断剣となる。気になる性能は
- 少し低めな攻撃力310
- 水属性45
- 斬れ味は素で白40、匠での増加分が全て紫
- 会心率はそのまま10%
- スロットもそのまま1
本作は前作のように匠をつけるのが難しいということはないため、当武器の地位は幾分か向上している。
しかし、攻撃力310というのは本作のG級では少々心許ないため、相手モンスターの水耐性を考慮しなければいけない。
斬れ味レベル+1で止めた分で物理火力を補うなど、運用法や装備構成にも工夫がいるだろう。 - ただし、水属性大剣にはジャラーシュナイダーという強力なライバルが存在する。
あちらは無属性大剣に匹敵する攻撃力340が持ち味。紫微両断剣に対して30も差をつけているのだ。
属性値や斬れ味では上回っているが、大剣ではあまり差がつかない。
あちらも斬れ味レベル+1で運用できる点も痛い。- 極めつけに、あちらは獰猛化素材を使わないで強化できてしまう。
シャガルマガラの素材が必要になるが、それ以外はケチャワチャを狩れば集まるものばかり。
従ってシュナイダーが完成してしまえば、こちらが使われることは少なくなるだろう… - 属性を重視するにしてもこちらと同じ攻撃力に17も上の水属性値を持つ瀑刃剣ガノトトスがキツい。
- 極めつけに、あちらは獰猛化素材を使わないで強化できてしまう。
- 強化にはG級タマミツネ素材の他、閣螳螂の紫藍殻を要求される。
MHRise
- タマミツネと共に本武器も復活。
一発生産もしくはカムラノ鉄大剣IIIからの派生で狐大剣ハナヤコヨヒノIを入手できる。
- 発売当初はあかねさす紫剣の朝斬まで強化できず、狐大剣ハナヤコヨヒノII止まり。
肝心の性能だが、素でそこそこの青持ち、水25、会心率10%、スロット1なのはいいのだが、
肝心の攻撃力が160しかない。これではリムズバロヴェルトはおろか、
下手したらカタラクトブレイドとどっこいのレベルである。
- こんな感じでお世辞にも使いやすいとは言えない性能だったこの武器だが、
Ver.3.0アップデートであかねさす紫剣の朝斬が解禁。
ただし、淵源の嵐鱗が必要なので作成はラスボス戦後となる。
気になるその性能は- 少々物足りない攻撃力190
- それを補いきれない会心率15%
- 微増した水属性30
- 斬れ味は素でそれなりの青、匠を付ければ白出現
- 無いよりはマシのLv1スロット×1
- 百竜強化は攻撃力強化III/会心率強化II/属性強化【水】II
Worldからの大剣は手数や攻撃手段が増えたため元々の会心率は無駄にならないが、
やはりできるだけ重い一撃が求められる大剣にこの攻撃力では会心率も頼りない。
水が少しでも通るモンスターを対象に考慮しても、ジュラトドスのリムズバロヴェルトの方が良い。
また百竜大剣も性能が伸び、こちらとほぼ同等の属性値・斬れ味を持ちながら、
攻撃力210を実現できるようになってしまった。
こちらは青の長さや会心率などで長じているが、苦しい戦いになることは否めない。
MHR:S
- MR環境に進出し、「あかねさす紫微両断剣改」の銘で最終強化となる。
性能は、- 属性大剣として平均的な攻撃力320
- 斬れ味は紫10、その下に白40。紫は匠で延長可能
- 水属性48
- 据え置きの会心率15%
- スロットはLv1がひとつ
- 百竜装飾品スロットはLv2
- 水属性の出番の増加や流斬り連携による属性大剣の躍進が重なる中、
紫微両断剣は属性・物理ともに及第点なバランス型の水大剣となっている。
一方で、属性特化は水斬カタラクドロス改、物理特化にヴァルトス・レピ改が既におり、
この手の性能は特化に及ばない中途半端なものと評されてしまうことも。
破邪之剣オオムラサキ
白き霊蝶が刀身に舞う紫紺の剣
は退魔の長たる証。薙ぎ祓え、
紫白の聖斬は万鬼を両断する。
MHR:S
- MHR:Sで登場したタマミツネ希少種の素材で作られた蒼い大剣。
通常種武器で刀身に刻まれていた花びらがすべて蝶に置き換わっている。
- 通常種武器からの派生または一発生産で「破邪之剣オオムラサキ」を作製できる。
直前の派生元の作製に泡狐竜の天鱗が要求されるため、製作法に関わらず天鱗が1枚必要。
性能は、- 通常種派生と同じく攻撃力320
- 斬れ味は圧巻の紫60。匠で延長可能
- かなり低い火属性28
- 会心率10%
- スロットはLv2が3つの大盤振る舞い
- 百竜装飾品スロットはLv1
- 強みとしては長大な斬れ味と拡張性が極めて高いスロット構成になる。
60もあれば流斬り連携でも通用する長さであり、斬れ味ケアも軽く済ませられる。
さらに武器スロットだけで大半の火力・便利系スキルを発動することができるため、
オオムラサキにしかできないスキル構成を実現できる点が強みになりうる。
- 一方で、無視できない弱点も存在する。
まず、百竜装飾品がLv1であり、傀異錬成で補うにしてもその分スロットを消費してしまうため、
他に回すことがあまり出来ず最終的な火力面では一歩劣ってしまう。
さらに、火大剣という括りで見るとバフォムブラッドや暁光の大剣シルワール、
輝剣リオレウスが属性値や百竜スロットの面で強力なため、
この中でオオムラサキを運用するにはLv2スロット3つをどう活かすかがカギとなってくる。
- 属性値が低いので、鬼神金棒【猿魔王】と同様に事実上の無属性武器として扱う事になるだろう。
その場合、基本的にモンスターを選ばずに担いでいけるので、
火属性が通らない相手には鬼神金棒【猿魔王】、
雷属性が通らない相手には破邪之剣オオムラサキといった住みわけが可能。
とはいえ、こちらは鬼神金棒【猿魔王】よりもLv2スロットが1つ多いため、汎用性の高さでは1歩前に進んでいる。- ただし、大きな違いとして、鬼神金棒【猿魔王】は雷属性を有しているので
イロヅキムシに雷属性を与えて雷やられによるスタンが狙える点。
ただし、決戦場フィールドでもない限りは毎回狙える保証もないので本当に個人の好みである。
- ただし、大きな違いとして、鬼神金棒【猿魔王】は雷属性を有しているので
- ボーナスアップデートを迎えた現在では原初メル・ゼナの武器である刻銀の断剣が強敵。
あちらは通常スロットLv4×3と百竜装飾品スロットLv3を持つために
スキル自由度を目的としてオオムラサキを使うことはほぼなくなってしまったといえる。
素の紫に関してはこちらの方がかなり長いのだが…。
天眼大剣・閑花素琴
MHXX
- G級タマミツネを狩猟すると解禁されるタマミツネの二つ名持ちモンスター、
天眼タマミツネの素材を用いて天眼大剣・閑花素琴が作られる。
花の意匠が紅く染まり通常種武器が桜をイメージしたものなら、
こちらは紅葉をイメージしたものと言ったところだろうか。- 因みに閑花素琴(かんかそきん)というのは静かに美しく咲いた花と、装飾のない簡素な琴。
または閑静な春の雰囲気を醸し出すもののたとえ。という意味。
- 因みに閑花素琴(かんかそきん)というのは静かに美しく咲いた花と、装飾のない簡素な琴。
- 生産段階では、
- 攻撃力240
- 水属性28
- 斬れ味は素で短めの白、匠増加分もすべて白となる
- 会心率15%
通常種武器とは異なり、物理に特化した形となる。 - そして究極強化を施すと、もみじばの丹朱漸染剣に名を変える。
気になる性能は、- 通常種武器より高い攻撃力320
- やや控え目な属性値32
- 素で白ゲージ30、斬れ味レベル+2で紫ゲージ40
- 会心率20%
- 狩技ゲージボーナス有り・スロット無し
- しかし、水属性大剣としては前述のジャラーシュナイダーの壁が厚い。
紫ゲージの長さは同等だが、攻撃力と属性値の両方でこちらを上回っているのだ。
属性値や斬れ味で勝っていた通常種武器とは違って、
こちらは明確に勝っている要素が会心率と狩技ゲージボーナスと
どちらも大剣では活かしにくい要素なのが向かい風となっている。 - ただし「攻撃力320、匠+1でも紫が10以上出る、会心率20%」という要素は
抜刀からの連携運用で高い評価を受けているセイリュウトウ【凶】と同様の非常に優秀な数値でもある。
あちらの武器スロット、紫の長さ、お守りのハードルも含めたスキルのかみ合い方には敵わないが、
水属性と狩技ゲージボーナスが有効な場面ではあちらを上回ることも可能だろう。
優秀なお守りがあればスキル構成の差にも追いつける。
余談
- 他のタマミツネ武器と同じく、ひときわ目立つの名前をしている。
「コヨヒ」は「コヨイ」の歴史的仮名遣いであり、現代語にすると「狐大剣はなやこよいの」となる。
直接的な由来は平安時代の武将、平忠度(ただのり)の辞世の句
「ゆきくれて 木(こ)の下陰(したかげ)を宿とせば 花や今宵の 主ならまし」
(日が暮れてしまったので、今夜は桜の木の下を宿として眠るとしよう。
そうすれば、桜の花がまるで宿主のように、私をもてなしてくれるだろう。)
の一節と思われる。
武器の説明文に、「文武に優れた士が~」とあるが、平忠度も生前は歌道、武道に優れた武士だったという。
- 最終強化の「あかねさす」は「日、昼、紫」にかかる枕詞であり
漢字にすると「茜さす」となる。これはちょうど「紫剣の」の部分にかかっている。
- 究極強化すると表れる「紫微」とは、古代中国の天文学において、
天球を天の北極を中心として3つに分割した「三垣」のうちの中垣。
北極星をはじめ、こぐま座、おおくま座、カシオペア座などを含む広い天区を指す。
天帝の御所を表すとされ、転じて皇宮を意味するようになった。
- タマミツネ希少種の武器銘は蝶、または狐に関連する語が用いられているとされるが、
大剣の銘に入っている「オオムラサキ」とは日本に生息する蝶の一種のことを指す。
勇ましく気品のある美しさを持つことから、日本の国蝶として指定されている。
通常種の大剣は銘に紫が入ることもあり、その点でも納得の抜擢と言える。