序文
『異世界・リィンバウム』――そこは、さまざまな魂が出逢う場所。
分かたれし4つの異界をつなぐ楔であり、悠久なる楽園の礎となるべき世界。
界と界が相討つ哀しき戦いを経て、生きとし生けるものたちは『界の意思(エルゴ)』の庇護を離れるという道を選んだ。
『響融化』によって結界という壁が取り払われ、交じり合ってゆく世界で彼らは、ぎこちないながらも共存共栄の道を歩みはじめる。
古き召喚術の理(ことわり)は失われ、対等な形で結ばれる新たなる『誓約』。
魂の絆で結ばれた者たちは『響友(クロス)』と呼ばれ、生涯の友として苦楽をともに生きていく。
世界の架け橋となる彼らを見守り、また、異界間の諍いを調停する者たち。
それが、『異世界調停機構(ユクロス)』に属する、新たなる『召喚師』である。