<第一次大崩壊>後、突出した進歩を見せた帝国。
それまでは空気が悪く、大地は痩せ細り瀕死の状態で、住民は日々魔物や自然の脅威に怯えながら生活をしていた。
しかしある時、ラヒア国王パセウスがアウロラから聖龍石を持ち出し、アウロラの技術と魔法書によって、次第にアウロラを凌ぐ程の豊かな国へと発展した。
ところが、星王暦2500年頃にアウロラから聖龍石を返すよう迫られ、それを断った事でルシーヌにより消滅させられた。
パセウスは、ラヒアの法律に「聖龍石をアウロラに返すべし」と定めたが、ラヒア貴族のイロモスが「聖龍石は神君パセウスがアウロスより賜った至宝」だと記していた事から、長い年月に伴って事実が歪められてしまった模様である。
恐らくパセウスの死後に、聖龍石を手放す事を惜しんだ人物によって、法律は書き換えられてしまったものと思われる。
パセウスの行動は、最終的に祖国の滅亡を呼ぶ皮肉な結果となった。
アウロラのおかげで得た豊かさが、次第に国民の慢心を招き、アウロラへの感謝の心を失う事までは読めなかったのだろう。