原語は「Military Tactics」。
militaryは軍隊の、軍人の、陸軍のという意味の形容詞。あるいは軍隊や軍部を意味する名詞。tacticsは方策や戦術を意味する名詞。
軍隊規模の戦術に関する知識を表す技能。
ファンタジー作品でも軍隊の運用は専門的な知識や経験が重要になるが、技能システムを使用するTRPGでも採用されている作品は多いとは言えない。
クラシック・ダンジョンズ＆ドラゴンズ
GAZ1 カラメイコス大公国、GAZ6 Dwarves Rockhome
GAZ1及びGAZ6では知識で選択する分野の1つとして名前が挙がっている。解説文は特にない。
GAZ5 アルフハイムのエルフ
新和版の表記は「軍事戦術」。
GAZ5 アルフハイムのエルフでは、レッド・アロー氏族出身者が習得する技能として登場する。
判定基準はインテリジェンス。
レッド・アロー氏族はアルフハイムにおいて最も戦闘に長けた氏族として知られており、レッド・アロー氏族の者はこの軍事戦術技能を子供のころから叩きこまれる。
プレイヤーは自分が考えた戦術が良いかどうかを技能判定することができる。これに成功するとDMから自分の戦術が誤っているかどうかを確認してもらうことができる。
この「アルフハイムのエルフ」では抽象的な軍事衝突の結果を導き出す簡易ルールが示されていて、この判定には軍事戦術技能の技能判定を味方と敵で互いに行い、その結果を比較することになる。
コンパニオン・ルール・セットのウォーマシンルールを使用してもよいとはあるが、軍事戦術技能をウォーマシンルールへ反映させる具体的な記述はない。
ルールサイクロペディア
第5版であるルールサイクロペディア版での日本語表記は「戦術（ミリタリー・タクティクス）」。
関連する能力値は知力。
敵軍の行動に対して自軍を有利にする動かし方を知ることができる技能。
この戦術技能を使いたい場合、キャラクターではなくプレイヤーが指揮官の立場としての考えをDMに対して宣言する。この考えは敵が何をしようとしているのか、味方をどう配置すればよいのかの2点となる。
戦術技能の技能判定はDMが振る。判定が成功していればプレイヤー側の考えが正しいのかを教えなくてはならないし、間違えていた時はその点を忠告しなくてはならない。技能判定に失敗した場合、キャラクターは敵の動きを利用できるほどの判断が下せなかったという扱いになる。
また技能判定の成否は集団戦闘における両軍へのボーナスやペナルティを決める要素になるが、この日本語版では「大規模戦闘」ルールは未発売に終わった上級ルールで解説される予定だったため、詳細は不明。