はじめに
『月下の夜想曲』には数多くのレアドロップアイテムが存在する。
経験則として「レアリング」を付けるとドロップ率が上昇すると言われてきたが、具体的にどの程度上昇するのかははっきりしなかった。
元のドロップ率が極端に低いこと、必要な個数は1~2個なので、実際に効果を体感できるか怪しいとも言われがちだった。
そこで、編集者である自分が改めて検証を行ってみることとした。
なお、検証に当たってLCKの値の調整にチートを使用している。ご容赦いただきたい。
当Wikiの「怪物図鑑」の記載について
当Wikiの編集者のひとりに詳細な解析データを提供してくださっている方がいる。この場を借りて御礼申し上げたい。
怪物図鑑のページには各モンスターごとのドロップ率や、ドロップ判定の詳細についてもご記載頂いた。
改めてこのページにも引用すると
ドロップ決定、レアドロップ、通常ドロップの3段階の判定があり、それぞれの確率=記載値/256。
実際はLCKとレアリングによる補正がかかるので、表の値よりも確率は高くなる。
以下がドロップの大まかな流れとなる。
- ドロップ決定
ドロップするかどうかを判定し、通ったら下へ進む。値が0の敵はドロップなし。LCKが大きく影響。- レアドロップ
レアドロップを判定し、通らなければ下へ進む。LCKとレアリングが影響。- 通常ドロップ
通常ドロップを判定し、通らなければ外れドロップ(ハートやG)。LCKとレアリングが影響。
とのことである。
このデータを前提に、「それでは実際にどれくらいレアリングは効果があるのか?」というのを検証したのが本ページである。
結論
検証結果を並べると長ったらしくなるので、先に結論を述べる。
レアリングは、「1個につきドロップ倍率がおよそ+100%(1個で2倍、2個で3倍)」になると考えられる。
LCKを20と大幅に上げるラピス・ラズリとの比較だが、少なくともLCKが40→60になる程度ではレアリングに匹敵する効果は得られない。
なお、レアリングはレアドロップだけでなく通常ドロップにも関与するとのことだったが、それも正しい可能性が高いことが確認できた。
よって、レアドロップ狙いの際にはレアリングを2つつけるのがベスト。
ラピス・ラズリはそれ自体がレアドロップ品なこともあり、レアリングより優先して付けるほどの価値はない。
元のドロップ率が低すぎるアイテムが多い(レアドロップ値1など)ためなかなか体感できないが、確実に効果はある模様。
検証
以下、長ったらしい検証メモが続く。
まず検証相手に選んだのは天井水脈の特定の部屋に大量に湧く「クレイジーオクトパス」。
理由はドロップ品の処分が簡単だから。
月下の夜想曲は消費アイテム以外を自由に処分する手段が存在しない。
そのため千体単位で敵を倒していると所持数が99個になってしまい、それ以上の個数カウントができなくなってしまう可能性があった。
一方、クレイジーオクトパスはドロップ品が両方とも消費アイテムの「すし」「おさけ」。簡単に所持数をゼロにできるのは検証面で大きなメリット。
また、ドロップ決定値が一番標準的な「64」で、かつレアドロップ値が低すぎない(検証による誤差が大きくなりすぎない)「10」であるのも好都合。
クレイジーオクトパスのドロップ関連データは以下の通り。
一旦LCK補正やレアリング補正は無視して計算した。
- ドロップ決定値 64
基本ドロップ率64/256=25% - レアドロップ値 10 おさけ
10/256=約0.04 0.04*0.25=0.01 約1% - 通常ドロップ値 16 すし
16/256 0.0625 0.25*(1-0.04)*0.0625=0.015 約1.5%
当初はLCK補正はLCKの値そのものが基本ドロップ値に加算されると仮説を立てていたため、
255/256になればほぼ確実に何かしらはドロップするだろうと推測しLCKを191にセットした(64+191=255)
実際はここまでは劇的には上昇しなかったわけだが……。
なお、思い切ってLCK255にしてもよかったのだが、 基本ドロップ値と合計が255を超えるとドロップ率がオーバーフローするのではないかと危惧したため、合計255で留めた。
撃破数は1000体。
分母が256であることを考えると明らかに試行回数不足で、本来は10000体くらいはやるべきなのだがプレイヤーの心が持たなかったのでご容赦願いたい。
一応、誤差に収まらない有意な結果の差は出た。
1. LCK191・レアリングなしで1000体狩り
検証前のBEATの値は2605、検証後は3606(間違えて1体多く倒した……)。
以降も同様にBEATの値で撃破数を測った。
アイテム入手数
おさけ 36 36/1001 約3.6%
すし 59 59/1001 約5.9%
おさけ:すしのドロップ率の比率は36:59≒1:1.63
事前計算よりややすしが多いが誤差の範囲だろう。
LCKによるドロップ上昇率は上記の計算値と比較して4倍近いので、かなりの効果は出ている。
ただ一方でハートやお金といったハズレドロップを一切落とさない個体も多かったため、純粋にドロップ率がほぼ100%になったわけでもない模様。
2. LCK191・レアリング2個装備で1000体狩り
BEATは3635→4635。きっかり1000体。
おさけ 94 9.4%
すし 95+52=147 14.7%(途中でカンストしそうだったので一旦全て処分して再カウントしました)
おさけとすしの比率は94:147≒1:1.56
ほぼ計算通りといって良いでしょう
レアリングの補正はレアドロップだけでなく通常ドロップにも乗る。解析データ通りの結果となった。
ドロップ率は1.の結果の約3倍なので、レアリング2個でドロップ倍率+200%と推測した。
3. LCK40・レアリング2個で1000体狩り
ラピス・ラズリとの比較をしたかったので、LCKを標準的な数値にして仕切り直し。
まずはレアリング2個から。
おさけ 48 4.8%
すし 70 7.0%
48:70≒1:1.46
2.と比べるとドロップ率はほぼ半減している。
64+(191/2)=159.5
64+(40/2)=84
なのでドロップ決定値への寄与度はLCK/2程度だろうか。
4. LCK40+20・レアリング+ラピス・ラズリで1000体狩り
レアリングを1つに減らし、ラピス・ラズリでLCKを20上げてチャレンジ。
おさけ 32 3.2%
すし 49 4.9%
32:49≒1.53
ドロップ率の差はおさけがちょうど1.5倍、すしが約1.43倍
レアリング1個あたりのドロップ率+100%の仮説に概ね合う結果となった。
(1個で+100%=合計200%、2個で+200%=合計300%)
同時にLCK20程度ではあまりドロップ率に差は出なさそうということも分かった。
補足
言うまでもなく検証データとしては不足。
とはいえ最低限有意差を示す程度の検証はできたのではないかと思われる。
更なる検証が必要な要素はいくつか思い浮かぶが、プレイヤーの時間的都合もあり今回はここまで。
LCKの数値そのものが影響する度合いについては今後検証したいところ。