Pz.IV E

Last-modified: 2024-04-11 (木) 18:42:20

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概要

ドイツ軍戦車ツリーの10番目に使用可能になる中型支援戦車。

BR・Tier

項目数値
Tier2
BRII
旧使用可能キャンペーン
モスクワノルマンディーベルリンチュニジアスターリングラード
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車両性能

項目数値
乗員(人)5
砲塔旋回速度(°/C)11.9 / C
俯角/仰角(°)-10 / +20
リロード速度(秒)3.3
車体装甲厚
(前/側/後/底)(mm)
50 / 20 / 20 /10
砲塔装甲厚
(前/側/後/上)(mm)
30 / 20 / 11 / 10
馬力3000rpm / 255hp
重量(t)21.0
視界(%)△△
速度(km/h)42.76

武装

名称搭載数弾薬数貫徹力
(前/側/後)(mm)
主砲7.5cm Kwk 37 L/24 戦車砲180△△ / △△ / △△
同軸機銃7.92mm MG34 機関銃12700△△ / △△ / △△

解説

特徴

ドイツ軍戦車ツリーの10番目に使用可能になる中型支援戦車。ツリーの分岐を無視して進めるなら7番目で開放される。
このゲームで最初に使用できるIV号戦車がこのE型。A型からJ型まであるIV号戦車のバリエーションの一つで、D型の車体にボルト止めの増加装甲板が装備されている。
ーー加筆求むーー

 

【火力】
本車両一番の目玉ポイント。主砲がこれまでの37mm砲から一気に75mm砲へと強化され、打撃力が段違いになっている(ライバルのソ連T-28も同レベルの主砲であるが)。
 
まずは対戦車戦闘。主砲の加害範囲が広がったおかげで一発でより多くの搭乗員を殺傷できるようになったうえ、打撃力も相まって弾薬モジュールに当たれば高確率で誘爆→撃破のコンボを与えられる。ただし37mm砲から貫通力はあまり進化していないため、T-60の車体正面傾斜部は未だに抜けない。T-50は要検証。
(T-70,T-50,T-34の正面装甲の貫通可能ポイントはPz.IV F1のページの特徴欄に記載。)

そして榴弾を使った対歩兵戦闘。着弾地点より後方に対する爆風範囲はかなり広く、密集した歩兵分隊の手前に榴弾を落とせれば一撃で消し飛ばすことが可能。建物内に向けての制圧力も持ち合わせており、敵歩兵の導線となりうる場所に射線を通せれば大量のキルとキルアシストを取得するのも夢ではない。
 
一応短砲身ということがあって遠距離への弾道はかなり山なりとなる。着弾予想地点が表示されるとはいえ、遠距離の照準には少々手間がかかる点に注意。対戦車戦闘では先手を取られる危険がある短所だが、対歩兵では相手の手前に着弾させやすいためその限りではない。
 
機銃はⅢ号から減って1丁となったが、主砲が強力なのであくまで副兵装となる。
また主砲塔の旋回速度が11.9°/秒と実用的な性能になっているのもⅢ号からの改良点となる。

 

【装甲】
車体前面が50mmとなっているが、これは車体下部前面の装甲である点に注意。これはX線画面だとわかりやすいが、変速機の前に位置する装甲である。車体機銃や運転手の覘視孔のある車体上部前面装甲は30mm+20mmであり、45mm砲相手でも貫通される。
また、砲塔前面は未だに30mmであるため注意が必要。砲塔を貫通されると、少なくとも車長か砲手のどちらかが戦死してしまうことが多いので、敵戦車に先手を取られたら慌てず身を隠すことを優先した方が良い。他の戦車兵が砲手席に移動するのを待っていると次の弾が飛んでくる。一旦白紙に戻してから、(時に味方歩兵と協力して)敵のエンジン音をよく聞いて先手を打てば可能性は全然ある。
45mm砲の射撃でもターレットがすぐに使い物にならなくなるため、敵戦車が低レベル(T-26BT-7等)であっても決して油断してはならない。装備している主砲はT-50と同じである。
また側面が20mmとⅢ号E型から10mm減少しているため、近距離でT-60に真横を取られると貫通される危険性がある。対戦車戦闘はできるだけ正面を向けて行おう。
ーー加筆求むーー

 

【機動性】
Ⅲ号E型から馬力据え置きで重量が増加したため、多少もっさりとした動きになってしまった。しかし陣地転換に支障が出るほどではない。
ーー加筆求むーー

 

【総論】
ここまでのⅢ号系列から火力と砲塔旋回速度が格段に強化され、装甲も限定的ながら50mmを獲得したため対戦車・対歩兵共に非常に頼れる戦車である。ここまで三号系列、四号系列の戦車を乗ってきた戦車兵としては薄々思っているであろうが、ソ連の戦車と比べると....少々ばかり不利である。無論、本車両IV号戦車E型は非常に優れているが、特に意識するであろうソビエト上位戦車T-50T-34を相手取るのはいささか厳しいものがある。このレベルまで来てやはり対戦車はモスクワ枢軸では厳しいと思うのも無理はない。が、次に入手できるⅢ号J型Ⅲ号J1型からは話が変わり、対戦車能力に長けた戦車を扱える。T-50やT-34を正面から木っ端微塵にできるのも夢ではない。
ーー加筆求むーー

史実

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(IV号戦車E型に加え、A、B、C及びD型についても解説しています)
[IV号戦車A型]

[IV号戦車A型]
1935年、クルップ社*1と軍との間で20トン級戦車の開発契約が結ばれた。当初7.5cm砲装甲車(Vs Kfz 618)と呼ばれていたIV号戦車は1936年4月に名称が変更され、1937年秋に生産が開始された。結果として35輌のIV号戦車A型が軍に引き渡されている。A型の装甲は最大でも15mmしかなく、これは対小火器徹甲弾及び断片防御用として考えられていたためである。他にも搭乗員用に多数の貼視孔、ピストルポートなどが配置され、まさに中型支援戦車といった感じ。A型は1938年1月から実戦部隊に供与され、ポーランド、ノルウェー及びフランスの戦いに参加した。

[IV号戦車B型]

[IV号戦車B型]
B型ではより大排気量のエンジン*2と6速変速器に変更され、前面装甲は30mmに増加、司令塔(キューポラ)も新型となった。また車体機銃が廃止され、代わりに貼視孔とピストルポートが設けられた。B型は合計42輌しか生産されておらず、各戦車連隊のIV号戦車装備数は6輌であった。そのためB型はポーランド、フランス、バルカン半島及びロシアで使われたが、だんだん消耗し1937年末には第1線より姿を消した。

[IV号戦車C型]

[IV号戦車C型]
C型はB型の小改良版であり、エンジンマウント、砲塔回転基部、主砲防盾外装部を改修、同軸機銃には銃身保護用装甲スリーブが付けられた。
当初、C型は300輌が発注されたが完成したのは134輌であった。それでもA、B型に比べ生産数が増加したため軽戦車中隊の編成内容が1939年より改められた。これによりポーランド戦の開始時、第1戦車師団及び第1軽機甲師団の編成内に中戦車中隊が導入され、1個中戦車中隊はIV号戦車14輌で編成されるようになった。*3また、前記以外の戦車師団はIV号戦車4~6輌装備の軽戦車中隊を持ち、これらはポーランド戦の期間中変わっていない。C型は1943年まで第1線で使用されたが、その数量は消耗により減少していった。

[IV号戦車D型]

[IV号戦車D型]
D型の主な改良箇所として、装甲厚、主砲防楯、車体の変更がある。それまで15mmだった側面及び後面装甲厚が20mmに増加し、7.5cm戦車砲の防楯は外装式に変更された。車体前面上部は、無線手兼機銃手前面の装甲板が操縦手のそれより一段後退し、操縦手前右側の視野を確保している。*4また、無線手前面には車体機銃が再び設置された。
1940年5月には、戦車生産は各戦車大隊の中戦車中隊がIV号戦車6~11輌を装備できるまでに向上し、同年5月10日、フランスでの作戦開始時には合計280輌のIV号戦車が戦車師団に配備されていた。D型はフランス、バルカン半島、アフリカ及びロシアで使用されたが、1944年前半には消耗してしまった。

[IV号戦車E型]

[IV号戦車E型]
E型の主な改良箇所は、新設計の司令塔(キューポラ)、砲塔形状の改修及び装甲の防御力増加である。ほとんどのE型の車輌は、50mmの車体下部前面装甲と車体側面上下部にボルト止めされた20mmの増加装甲を持っている。*5また、小さな改修箇所として起動輪形状の単純化などがある(詳細は小ネタ欄に記載)。
D、E型の完成により北アフリカおよびロシア戦時には、各中戦車中隊に10輌のIV号戦車が供給可能になった。40輌のIV号戦車D及びE型が北アフリカに渡り、1941年6月*6には438輌のIV号戦車B~F型が17個戦車師団に配属されてロシアに攻め入っている。1944年初頭、損耗により最後のE型が退役した。

小ネタ

【IV号戦車D型とE型の見分け方】(小ネタ?)
主砲は両者とも短砲身、D型から馴染みのある外装式の防楯に改良され、車体上部の前面装甲はD、E型共に段付きになっているのに加え、それ以外の改良点はほぼ気付かない物(若干砲塔の形状が変わっている等)にとどまっているため、見分けが付きにくい(と思われる)D、E型だが、ボルト止めされた増加装甲の有無で判断するのは誤りである。実際、増加装甲を付けたD型の写真を見つけることができる。
ではどうすれば見分けることができるのか。1番わかりやすいのはE型から砲塔上面に取り付けられた換気ファンだろう。これは砲塔から発砲煙の排気口が丸く浮き上がっているのでよくわかると思う。
また、キューポラの形状でも判別できる。D型以前のキューポラは周りが若干円錐状に広がっていて、各貼視孔の下にボルトが二つ付いている。それに対してE型以降は新設計のキューポラに変更されたため、側面が丸くコンパクトになり砲塔後面に張り出さなくなった。そのため、砲塔後面装甲は面一にカーブした一枚板になっている(基本、砲塔後面にはゲペックカステン*7が取り付けられているので見えない)。
他にも、少しわかりにくいが車体前の上面装甲の点検ハッチが装甲板と面一で閉じているのもE型からの特徴であるので、そこで見分けるのも手だ。
(ここまで書いて何だが、第1線を去り訓練所などで改造されたり、修理に出された際に長砲身型になったD、E型もあるので、全てが上の条件を満たすわけではないことに注意)

出典/参考文献

Encyclopedia of GERMAN TANKS of world war two - Amazon.co.jp

コメント


*1 ドイツの製鉄業、兵器製造企業として長い歴史を持つ、重工業企業。1999年にティッセン社と合併し、巨大工業コングロマリットのティッセンクルップとなった。
*2 Engine: Maybach HL120TR
*3 これは後に8輌に改められている
*4 なおゲーム内で操縦席の前右側の貼視孔の使用は不可
*5 初期のE型の何輌かは車体上部前面が30mm装甲のみであった
*6 バルバロッサ作戦の初期
*7 搭乗員の道具入れ。主に砲塔又は車体後面に取り付けられている